
2024年現在、経年劣化しない屋根は存在しません。
どんな屋根も、時間の経過とともに少しずつ経年劣化します。
屋根の経年劣化が進行すると…
色あせ、ひび割れ、藻・苔の発生、塗膜のふくれ、塗膜のはがれ、欠け、反りなどの劣化症状が見られるようになります。
このあたり詳しくは、1-2で解説しています(劣化症状の写真も紹介)。
屋根の経年劣化が大きく進行すると、屋根がダメになってしまうだけでなく、雨漏りなどの発生リスクも高まります。
そのため、屋根の経年劣化が大きく進行する前に、補修をする必要があります。
屋根の補修の時期・屋根の補修方法・補修費用などについて詳しくは、2章で解説しています。
この記事では、“屋根の経年劣化”について押さえておくべき情報をわかりやすくまとめています。
ぜひ、参考にしてください。
1.屋根の経年劣化について徹底解説!
1-1.屋根の経年劣化とは?
時間の経過とともに劣化が進み、品質・性能・機能などが低下していくことを“経年劣化”と言います。
2024年現在、経年劣化しない屋根は存在しません。
屋根の種類や製品などによって経年劣化のスピードに差はありますが、どんな屋根も、必ず経年劣化します。
※屋根の経年劣化のスピードは、住まいの環境(気候、日当たり、周辺に工場があるか、沿岸地域かどうか)等によっても異なります。
1-2.こんな劣化症状が見られたら!屋根の経年劣化が進んでいるサイン
屋根の経年劣化が進むと、下記のような劣化症状が見られるようになります。
▼屋根の経年劣化が進むと生じる劣化症状
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![]() ![]() ※白く汚れている部分 | ![]() ![]() |
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※上記はあくまで一例です。
※屋根の種類によって、生じる劣化症状が多少異なります。
例)
〇エフロレッセンス(白華現象)が生じる可能性がある屋根⇒スレート屋根(カラーベスト・コロニアルなど)・セメント瓦 ほか
〇サビが生じる可能性がある屋根(※もらいサビを除く)⇒金属屋根(ガルバリウム鋼板など)ほか ※スレート屋根や金属屋根などの「棟板金」にサビが生じることもあります。
※粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)は他屋根よりも非常に長持ちします。粘土瓦には、上記のような劣化症状は生じません。ただし、漆喰部分にひび割れ・剥離などの劣化症状が生じる可能性はあります。また、経年劣化以外の原因で、藻・苔が生じることもあります。
築10年前後が経過すると、上記のような劣化症状が見られる可能性が高くなります。
※経年劣化のスピードは、屋根の種類・製品、住まいの環境(気候、日当たり、周辺に工場があるか、沿岸地域かどうか)などによって差があります。
屋根の経年劣化の症状や進行具合を確認するのに、屋根の上にあがったり脚立にのぼったりするのは、やめてください。非常に危険です。
屋根の確認は、地面・窓・ベランダなどから見える範囲で行ないましょう。
「見えない屋根箇所についても確認したい」という場合には、プロに屋根を診てもらう時に(※2-3)、写真・動画を撮ってもらうと良いでしょう。
1-3.屋根の経年劣化が大きく進行すると、どうなる?
「屋根の経年劣化が大きく進行すると、どうなるのか?」が気になっている方も多いのでは。
屋根の経年劣化が大きく進行すると、
・屋根がダメになる
・雨漏りが発生する
・カビやシロアリが発生する
などのリスクが生じます。
なぜ上記のようなリスクが生じるのか、屋根の経年劣化のメカニズムについて詳しく解説すると…
経年劣化が進み1-2のような劣化症状が見られるようになると、劣化症状の生じている箇所から屋根に雨水が浸入するようになります(経年劣化が進むにつれ、屋根は防水性を失っていきます)。
劣化症状が生じている屋根を放置し続ければ、さらに経年劣化は大きく進行し、より多量の雨水が屋根に浸入するように。
雨水が浸み込み続けた屋根は、腐食が進むなどしてダメになっていきます。
さらに、屋根に浸み込んだ雨水が、屋根の下にまで浸入するようになると、雨漏りが発生する可能性も。
※多くの屋根の下にはルーフィング(防水シート)があるため、屋根の下に雨水が浸入したからといってすぐに雨漏りが発生することはありませんが、雨水が浸入し続ければ、いずれは雨漏りが発生する可能性は十分あります。
また、雨水が浸入し続けることで、カビやシロアリが発生するリスクも高まります。
※粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)は、上記のようなメカニズムでの経年劣化は起こりません。
※以下2章では、“粘土瓦以外の屋根”の補修について解説しています。
2.経年劣化が進んだ屋根は補修すべし|補修方法&補修費用についても紹介
2-1.屋根がダメになるのを防ぐために!経年劣化が進んだ屋根は補修が必要
経年劣化が進行した屋根は、補修をする必要があります。
適切な時期に屋根の補修をすれば、1-3でお伝えしたような屋根の経年劣化が大きく進行することで生じるリスク(屋根がダメになる・雨漏りが発生する・カビやシロアリが発生する など)を防ぐことができます。
“屋根補修の適切な時期とは、いつか(屋根の経年劣化がどのくらい進んだ時に補修をすればいいか)”というと…
屋根の経年劣化が進行し、1-2のような劣化症状が見られるようになった時期(経年劣化によって、屋根が防水性を失っていく時期)に補修をするのがベストです。
※屋根の補修時期は、プロに見極めてもらうのが確かです。詳しくは、下記2-3で解説します。
2-2.押さえておきたい!経年劣化が進んだ屋根の補修方法&補修費用
経年劣化が進行した屋根は、「屋根塗装」で補修をするのが一般的です。
経年劣化が大きく進行しており屋根塗装で十分な補修ができない場合(塗装で補修できる時期を過ぎてしまった場合)には、「カバー工法(重ね葺き)」や「葺き替え」で補修をすることになります。
カバー工法(重ね葺き)
既存の屋根はそのまま残し、上から新しい屋根をかぶせる工法。
葺き替え
古い屋根をすべて撤去し、必要に応じて「ルーフィング(防水シート)」や「野地板」などを補修したうえで、新しく屋根を施工する工法。
また、部分的に軽度の劣化症状が生じているなどの場合には、「部分補修」だけ行なう場合もあります。
▼経年劣化が進んだ屋根の補修方法&補修費用
屋根の補修方法 | 補修費用の相場 |
---|---|
屋根塗装 | 40万円~60万円 ※一般的な2階建て住宅(塗装面積50~80㎡)の場合 ※足場費用込み |
カバー工法(重ね葺き) | 80万円~ ※足場費用込み |
葺き替え | 100万円~ ※足場費用込み |
部分補修 | 数万円~ ※足場の設置が必要な場合は、別途、足場費用がかかります。 ※補修内容・補修の必要な箇所等によって費用は大きく変動します。 |
※上記はあくまで相場費用です。屋根の広さ(工事箇所の面積)、経年劣化の症状・進行具合、選ぶ材料(塗料製品、屋根材等)、依頼する業者などによって、費用は異なります。そのため、実際の補修にかかる費用が上記と大きく異なることもあります。
※アスベストを含む屋根の葺き替えをする場合は、廃材処理などに高額の費用がかかることがあります(2006年以前に建てられた住宅のスレート屋根・セメント瓦等にはアスベストが含まれている可能性があります)。
※粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)の補修について詳しくは、専門業者(塗装会社 等)にお問い合わせください。
2-3.屋根の経年劣化の進行具合&補修の必要有無は、プロに相談を
「我が家の屋根は、だいぶ経年劣化が進んでいるのでは?もしかすると、そろそろ補修が必要な時期?」
などと思われる場合には、ひとまずプロに相談して、屋根を診てもらうのがおすすめです。
プロに屋根を診てもらうと、
・屋根の種類
・屋根の経年劣化の進行具合・劣化症状
・屋根補修の必要有無
・[屋根補修が必要な場合]おすすめの補修方法(塗装、カバー工法、葺き替え 等)
・[屋根補修が必要な場合]屋根の補修にかかる費用(見積額)
などがわかるため、より現実的に屋根の補修について検討することができるはずです。
「築10年が経過している」
「屋根に劣化症状のようなものが見られる」
などの場合には、ひとまずプロに屋根を診てもらうと安心です。
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・屋根の種類
・屋根の経年劣化の進行具合・劣化症状(屋根の経年劣化がどのくらい進行しているか・生じている劣化症状 など)
・屋根補修の必要有無(すぐに補修すべきか、しばらくは様子見でも問題ないか 等)
・[屋根補修が必要な場合]おすすめの補修方法(塗装、カバー工法、葺き替え 等)
・[屋根補修が必要な場合]補修にかかる費用(見積額)
※プロタイムズの建物診断(無料)では、屋根だけでなく外壁も診ます。そのため、外壁の経年劣化の進行具合・劣化症状、補修の必要有無、[補修が必要な場合]おすすめの補修方法、[補修が必要な場合]補修にかかる費用(見積額)などもわかります。
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3.経年劣化ではなく、施工不良 or 自然災害では?といった疑問をお持ちの方へ
3-1.工事後すぐに不具合が生じた場合は「施工不良」の可能性あり
屋根塗装・カバー工法・葺き替えなどの屋根工事に「施工不良」があったこと(屋根工事に何らかの問題があったこと)が原因で、下記のような不具合が生じることがあります。
▼施工不良による不具合の症状例
ひび割れ
塗膜のふくれ、塗膜のはがれ(剥離)
雨漏り ほか
屋根塗装・カバー工法(重ね葺き)・葺き替えなどの屋根工事をした後すぐに、上記のような症状が生じた場合には、屋根工事に施工不良があった可能性があります。
※屋根工事後、数年が経過してから上記のような症状が生じた場合、ほとんどが経年劣化が原因です。
「もしかすると、施工不良では?」と思う場合には、屋根工事を行なった業者に不具合が生じていると思われる屋根箇所を確認してもらいましょう。
時間が経過するにつれ、原因が“施工不良なのか、経年劣化なのか等”がわかりづらくなるため、早々に確認をしてもらうことを強くおすすめします。
3-2.暴風・台風・大雪などが原因の場合には、火災保険がおりる可能性あり
暴風・台風・大雪などが原因で、屋根に不具合(屋根の欠損 等)が生じた場合には、火災保険の補償が受けられる可能性があります。
※暴風・台風・大雪などが直接の原因で生じた不具合については、火災保険の補償が受けられる可能性があります。経年劣化や施工不良などに起因する不具合は、基本的に火災保険の補償は受けられません。
「台風で屋根に不具合が生じた」といった場合には、火災保険の加入有無、適用条件等を確認してみてください。
※適用条件等は火災保険によって異なります。
まとめ
屋根は、時間の経過とともに少しずつ経年劣化します。
2024年現在、経年劣化しない屋根は存在しません。
屋根の経年劣化が進行すると…
色あせ、ひび割れ、藻・苔の発生、塗膜のふくれ、塗膜のはがれ、欠け、反りなどの劣化症状が見られるようになります。
こうした劣化症状が見られる屋根を放置し続けると、経年劣化が大きく進行し、
・屋根がダメになる
・雨漏りが発生する
・カビやシロアリが発生する
などのリスクが生じるため、屋根に劣化症状が見られるようになったタイミングで補修をするのが賢明です。
この記事では、経年劣化が進んだ屋根の補修方法・補修費用などについても詳しく解説しています。
経年劣化の進んだ屋根の補修を検討する際には、ぜひ、参考にしてください。