外壁の塗装をする際に、つきまとう悩みの一つに「どんな色にすればいいんだろう?」という色選びの問題がありますよね。
あまり奇抜すぎる色は嫌だし、かといって時代遅れな色も嫌という方も多いはず。
そんな方の為に塗料メーカーが発表した人気の色をご紹介します。
また、近年人気の自然で淡い、ナチュラル系の色味もご紹介します。
ぜひ、人気色を色選びの参考にしてみてください。
1. 公開!2014年~2015年の外壁の色人気ランキング
1-1. 2014~15年人気外壁色10選
色選びに悩んだときに気になるのが、「今、人気の色はなんだろう?」というものではないでしょうか。
そこで、塗料メーカー「アステックペイント」が発表した、人気の10色をご紹介します。
1位、2位は2年間変わる事なく、「ブロークンホワイト」と「ライトクリーム」が選ばれています。これらは失敗のない、定番の色と言っていいでしょう。
1-2. 色の人気と傾向
人気色の傾向はほぼ変わりなく、優しい白~ベージュ系のナチュラル色がもっとも選ばれています。また、最近は淡い一色でのっぺりと塗るのではなく、濃い色味を入れ、スタイリッシュに仕上げる方法が流行っています。
上記の施工事例のように、淡いオーソドックスな色の中に刺し色を使用してみても良いでしょう。
2. 人気のナチュラル系の色味をご紹介
リラックスを想像させる「ナチュラル」には、自然な/優しい/親しみやすい/穏やかな/素朴な/あたたかい/さわやかな/のどかな/くつろいだ/このようなキーワードを思い起こさせる色味です。
「ナチュラル」には心のゆとりを取り戻し穏やかな日々を過ごしたい、落ち着く家にしたい、このような想いが込められています。昨今はこのようなナチュラル系の色味が良く選ばれています。
ここで、そんなナチュラル色をいくつかご紹介したいと思います。
Broken White(ブロークンホワイト)
限りなく白に近い色
和名:生成色
自然なままで無加工の糸そのものの色。白の中でも自然界に馴染みやすい。
Light Cream(ライトクリーム)
薄いクリーム色
和名:練色(ねりいろ)
漂白していない、しなやかな絹糸のような色。優しいイメージがある
Mid Biscuit(ミッドビスケット)
中明度のビスケット色
和名:丁字色
常陽樹のつぼみから取れる贅沢な染料の色。ほのかな香りを感じさせる。
Neutral White(ニュートラルホワイト)
やわらかい白
和名:象牙色
象牙のような上品な色。和風、洋風を問わず明るく使いやすい。
Pale Biscuit(ペールビスケット)
うすいビスケット色
和名:白茶
上質の和紙に見られる薄く淡い色。伝統的配色にも使用されている。
Light Latte(ライトラテ)
ミルク入りエスプレッソの色
和名:香色(こういろ)
香木を煮出して染められる色。平安時代から高尚な色として使用され、上品さを感じさせる。
3. メーカー別外壁色
■エスケー化研 ベルアート
http://www.sk-kaken.co.jp/products./color/ac.html
柔らかく、優しい色味を多く取り揃えられています。淡い色合いがお好きな方はこちらを参考にしてください。
■関西ペイント アレスクールプラスウォール水性Si
http://www.kansai.co.jp/products/catalog/pdf/717.pdf
遮熱、断熱を備えた高機能の塗料です。色数は少ないものの、シックで落ち着いた色合いを取り揃えています。
■日進産業 ガイナ
https://www.gaina-chubu.com/painting/color.html
「宇宙塗料」で有名なガイナという塗料のカラーバリエーションです。
ポップでかわいらしい色合いが多いので、華やかな雰囲気がお好きな方はこちらを参考にしてみてください。
4.色選びの失敗事例で3つの違う!注意
4-1. 注文した色と実際の色が全然違う!
外壁塗装の悩みで多いものとして、「注文していた色と、実際壁に塗った色が全く違う。塗りなおす事はできるのか?」というものです。本当に注文した色と、実際塗られた色が違ければ、塗りなおしの要求は可能でしょう。しかし、「想像と違う」という理由での塗りなおしはほぼ不可能と考えるのが良いでしょう。その為、私たちは「想像していた色」と「実際の色」がなぜ「違う」のか色の大前提を知っておく必要があります。
では、ここで実際、外壁塗装で色選びに失敗してしまった人の事例を見てみましょう。
相談者:築18年の家で外壁塗装を行った。半分ほど塗ったところで、注文した色とあまりにも違っていて困惑している。色番号を確認したところ、業者が手配した色を間違えた訳では無い。このままの色で今後10年以上過ごすのかと思うと、もやもやする。 どうすれば良いのだろうか? URL:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11136850861(Yahoo!知恵袋より引用) |
このように、多くの人が「こんな色だと思わなかった!」と悩んでいるのです。では、なぜこんなギャップが生まれてしまうのでしょうか?
4-2. 白熱灯と太陽光の下で色味は違う!
まず、色の大前提として「光源によって色の見え方が違う」というものがあります。白熱灯の下では白っぽく、蛍光灯の下では黄色っぽく見える現象に皆さんも覚えがあるのではないでしょうか?これは、光源ごとに「色温度」(ケルビン)が異なっている為です。下記に光源ごとの色温度と見え方を記載します。
■光源別色の見え方
晴天の光(12,000ケルビン) | 青っぽい光 |
光色蛍光ランプ(7,000ケルビン) | 青白い光 |
正午の太陽光(5,300ケルビン) | 白っぽい光 |
白色蛍光ランプ(3,500ケルビン) | 乳白色の光 |
白熱ランプ(2,800ケルビン) | 赤っぽい光 |
ろうそくの光(1,900ケルビン) | 赤い光 |
画像出典 https://www.sugatsune.co.jp/technology/illumi-l.php
このように、光源によって色の見え方が違ってくるのです。つまり、「想像した色と違った!」という事例を引き起こした原因の一つには太陽光以外の光源下で見ていたから、というものがあるでしょう。
4-3. パソコンの画面上の色見本と実際の色は違う!
次に、想像した色と異なったという事例を引き起こした原因の一つに、パソコンの画面上の色見本を見ていたからというものが考えられるでしょう。
実は、パソコンやテレビなど使用している液晶ごとにも、色の温度は違うのです。また、液晶で見た色と、印刷された色も同じではありません。
ですので、HPで色見本を見ても、印刷された施工事例を見ても本当の色は分からないのです。
下記に液晶とプリンターの発色の原理を記載します。
■液晶の発色の仕方
・「光の三原色」によって発色する
・色は赤(R)、緑(G)、青(B)であらわす
画像出典:http://faq.epson.jp/faq/00/app/servlet/relatedqa?QID=000276
■プリンターの発色の仕方
・「色の三原色」によって発色する
・イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)であらわす
画像出典:http://faq.epson.jp/faq/00/app/servlet/relatedqa?QID=000276
このように一口に「色」といっても、私たちが見ている色は様々なのです。まずはこの大前提を理解し、「想像の色」と「実際の色が」異なるというトラブルを防ぐ対処法を知っておかねばなりません。
5. 色選びに成功するための2つの方法
5-1. カラーシミュレーションでイメージをつかもう!
まずは、自分がどんな色の家にしたいのか大まかなイメージをつかむ必要があります。色見本を見ると、100色以上の色が並んでいます。その中から、塗るべき色を1つ決めるのは難しいですよね。
そんな時、役立つのが「カラーシミュレーション」です。自分の家の写真をパソコン上に読み込み、外壁や屋根の色を自由に変えることができるものです。
すでにリフォームを考えている人は、カラーシミュレーションを業者に作ってもらいましょう。現在、多くの塗装店やリフォーム店が無料でカラーシミュレーションを作成してくれます。
業者に頼むまではまだ考えていないけど、色を変えるとどんな雰囲気になるのか知りたいという方は、ウェブ上でカラーシミュレーションをしてみると良いでしょう。
■ウェブ上で手軽にカラーシミュレーションができるサイト
・エスケー化研株式会社 「住宅塗り替えシミュレーション」 http://www.sk-kaken.co.jp/simulation/ |
・関西ペイント株式会社 「カラーシミュレーション」 http://www.kansai.co.jp/repaint/index.html |
・日本ペイント株式会社 「カラーシミュレーション」 http://www.hanacole.com/simulation/index.html |
これらのサービスを使用して、まずはどんな系統の色にしたいのか、選定をしていきます。
5-2. 塗板で実際の色味を知ろう!
希望の色の目星がついたら次は、実際の色を確認してみましょう。この時、役立つのがA4版の塗板です。通常、色を確認するのはパンフレットなどに付属されている小さな色のサンプルチップです。
この小さな見本のみで色を決めてしまうと、トラブルを招く要因になります。実際、壁面に塗ってみると思ったより派手だったりするのです。この現象を引き起こすのが色の「面積効果」です。
■色の面積効果
上記のように、実際塗ってみると色味が強いと感じてしまうのです。そのギャップを埋める為に、大きな塗板を使うのが良いのです。
■A4版塗板のメリット
・色の面積効果が出にくい
・色温度を様々な条件で試せる
大きな塗板を晴天の日や、曇りの日など様々な条件下で見る事で、実際の施工後の色を感じる事ができます。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は流行りの人気色のご紹介から失敗しない為のポイントをまとめました。このように、色の見え方には沢山の要素があります。確かに、人気色を選べば「こんなはずじゃなかった!」という思いをする事も少ないかもしれません。ただ、人気はあくまで指標の一つです。後悔しない為には、人気色を参考にしながら自分の好きな色を心のままに選ぶのも良いかもしれませんね。