アクリル塗料ってよく聞くけど、そもそもアクリル塗料って何?
どんな塗料?どんな時に使えるの?
名前は聞いたことあるけど、どんな塗料なのか分からない。どこで活用できるか分からない。
この記事では、そんな方にオススメ製品や比較あり!アクリル塗料の基礎知識やメリット・デメリット等の役立つ情報をまとめておりますので、参考にしていただければと思います。
1.アクリル塗料って何?
1-1.アクリル塗料とは
アクリル塗料とは塗料の主成分が「アクリル系の合成樹脂」である塗料のことを指します。
アクリル樹脂は、プラスチックやボールペンやコップ、照明器具や看板等、身近にある様々なものに活用されています。
以前は住宅の屋根・外壁塗装にもよく使われていた塗料ですが、現在では、より性能の高いシリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料等が登場して価格も下がってきたため、アクリル塗料が使われることは少なくなりました。
アクリル塗料の耐久年数は3~5年が一般的です。水蒸気を通す透湿性があり、湿気を溜めにくくします。また、変色しづらいという特徴があります。
塗料の性能として、耐久性が他の塗料に比べて低いため、現在は住宅の屋根・外壁塗装で使われる頻度は非常に少なくなっています。
1-2.アクリル塗料のメリット・デメリット
メリット | ・価格が安い ・透湿性が高い ・光沢、ツヤがある ・家の色を変えたい場合に使える |
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デメリット | ・耐久年数が短い ・クラックが出やすい ・メンテナンスを頻繁に行う必要がある ・トータルコストで見るとコストパフォーマンス性が低い |
アクリル塗料の1番のメリットはやはり「安さ」です。
しかし、やはり耐久年数が低いということで、基本的に住宅の屋根・外壁塗装では使われません。
稀ではありますが、近いうちに建替えの予定がある方やこまめに家の色を変えたいという方がアクリル塗料で塗替えをされる場合もあります。
以前は新築住宅の外壁にアクリル塗料が塗られることはありましたが、今ではウレタン塗料が使われることが多くなっています。
また、透湿性が高いという特徴もあるため、住宅の内装塗装として湿気の溜まりやすい箇所への塗装でも使われることがあります。
デメリットとしては、耐久性が低い。トータルコストで見るとメリットが少ないということです。
アクリル塗料の塗料価格は非常に低価格ですが、住宅の塗装を行う場合は足場代や人件費、その他にも他の塗料と同じ分だけの費用がかかってくるため、耐久年数が3~5年のアクリル塗料では他の塗料よりも塗り替え周期が早くなり、結果的にコストが高くなる場合があります。
1-3.他塗料との比較
塗料名 | 耐久年数 | 1㎡あたりの施工単価 (材料代含む) | メリット | デメリット |
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アクリル塗料 | 約3~5年 | 1,000~2,000円 | 値段が安く、定期的に塗り替えを楽しみたい方向き。 | 他の塗料と比べると耐久性が短く、防水性も低い。 |
ウレタン塗料 | 約5~7年 | 1,000~2,500円 | 一般的に新築住宅によく使われる塗料で価格と機能のバランスが良い。 | 耐久年数が約5~7年と低いため、長期的な外観維持には不向き。 |
シリコン塗料 | 約7~10年 | 2,000~3,500円 | 住宅の塗替えの際によく使われる塗料で、耐久性もあり、コストパフォーマンス性に優れている。 | 価格はアクリル・ウレタン塗料よりも高く、付着性能ではウレタン塗料の方が優れている。 |
フッ素塗料 | 約15年~ | 3,000~5,000円 | シリコン塗料よりも耐久性があり、塗膜の寿命が非常に長い。長期にわたり変退色、艶引けがなく、耐久性に優れている。 | コストが高く、塗膜も硬いものが多く、ひび割れが起きやすい。 |
無機塗料 | 約15年~ | 3,500~5,000円 | 無機であるガラスを塗料に混ぜ込み、超耐久性を実現させた塗料。屋根等、劣化が激しい部位によく使用される。 | コストが高く、完全な無機ではないため、半永久的にあらゆる気候に耐えられるというわけではない。 |
※あくまで目安です。塗料メーカーや製品によって価格は異なります。
アクリル塗料は他の塗料と比べると耐久性が低いですが、価格は安いです。
アクリル塗料は20年程前に開発された塗料で、当時は画期的な商品でしたが、次々と様々な種類の塗料が開発されたため、アクリル塗料が住宅の屋根・外壁塗装で使われることは減っていき、現在ではほとんど使われることがなくなってきました。
2.アクリル塗料の紹介
現在、あえてアクリル塗料を住宅の屋根・外壁塗装に選ぶメリットはあまりありませんが、耐久年数よりも安価な塗料を選ぶことを優先したい、住宅の塗替えを頻繁に楽しみたいとお考えの方のためにいくつかのアクリル塗料をご紹介いたします。
DANフレッシュ (日本ペイント)
日本ペイントが発売している外壁用の水性アクリル塗料です。
水性塗料なので、臭気も少なく作業環境に優しい塗料です。
ローラーで施工するタイプの「DANフレッシュR」とスプレーで吹付けるタイプの「DANフレッシュS」があります。
特徴として優れた防かび性・防藻性、防水効果はありますが、
アクリル塗料ですので耐久年数は5年程度となっております。
タイルラックEMA上塗Ⅱ (日本ペイント)
画像出典:http://www.nipponpaint.co.jp/biz1/building/products/prd_37.html
こちらも日本ペイントが販売しているアクリル塗料です。
特徴としては耐水性・耐アルカリ性が優れているという部分です。
また、こちらは溶剤系の塗料のため、水性のものよりも乾きが早いという特徴もあります。
SK水性ELコート (エスケー化研)
エスケー化研が発売している水性のアクリル塗料です。
特徴としては耐水性、防水性、耐アルカリ性が上げられます。
また、こちらも水性塗料のため臭気が少なく、作業環境に優しい塗料となっています。
アスカⅡ (関西ペイント)
画像出典:http://www.yuzu-tosou.com/paint_search/paint_part/gaiheki
こちらは関西ペイントのアクリル塗料で「水性反応硬化樹脂」という樹脂も使われています。「水性反応硬化樹脂」とは水が蒸発することにより反応硬化が始まり、より強い塗膜を形成するというものです。特徴としては光沢維持年数が高く、乾燥時間も短いことが上げられます。
3.アクリル塗料の活用場面
では、アクリル塗料は外壁塗装以外ではどのような場面で活用されているのでしょうか。
こちらでは、いくつかの活用場面をご紹介いたします。
3-1.内装・家具の塗装
アクリル塗料はホームセンター等でも安価で手に入りやすいため、ちょっとした家具の塗り替えに使用されます。
また、少し大掛かりになりますが、家の中の壁は素人でもアクリル塗料を使って塗り替えができます。
机やテーブル、棚等は部屋の中では存在感がるので、色を変えるだけでも大きく雰囲気が変わります。新しいものを購入するよりも低価格で済み、またお気に入りの家具であれば、塗替えをするだけで新品のように綺麗になります。
アクリル塗料は耐久年数こそ低いものの、内装、家具の塗装に使用すれば、屋根や外壁のように、紫外線や外気に直接触れることが少なくなるため、劣化もそんなに早くなく、低価格で済ませることができます。
画像出典:http://www.am-home.com/goods/report.cgi?page=35
3-2.趣味に活用
プラモデルやドールハウス、小物作りが趣味という方でアクリル塗料を活用されている方は非常に多いです。理由として、安価で使い勝手の良いサイズも手に入りやすく、色も合わせやすいということが上げられます。ホームセンター等には様々な色が売られているため、オリジナルカラーのものを作ることができます。
画像出典:http://www.wais-tool.com/product/1042
まとめ
アクリル塗料は一般的な耐久年数3~5年で、他の塗料と比較して安価ですので短期的に塗り替えたい方におススメです。
また、内装や家具、小物の塗替えや趣味等でもおススメします。ぜひ、この記事を参考して頂ければと思います。