「外壁塗装のケレンとは何?」
「外壁塗装にケレンは必要?」
といった疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。

外壁塗装のケレンは、塗料を塗る前に行なう工事工程の一つ。

サビの除去
旧塗膜の除去
などの工事を総称して“ケレン”と言います。

外壁塗装時にケレンが必要な場合と、必要ない場合があります。

ケレンが必要な場合に、ケレンをせずに塗料を塗ると、
外壁塗装の仕上がり
外壁塗装の耐久性
に問題が生じる可能性大。このあたり詳しくは下記の本章でお伝えいたします。

この記事では、外壁塗装のケレンに関する情報を徹底解説いたします。
ぜひ、参考にしてください。

1.外壁塗装のケレンとは?

外壁塗装のケレンは、下地処理(補修)の工事工程の一つ。

一般的に、サビ・旧塗膜などを除去する工事を総称して、“ケレン”と言います。
※塗膜とは、塗装後にできる塗料の膜のことです。

[外壁塗装の工事工程|工事の流れ] ※一部抜粋
▼足場の設置(+養生)
▼高圧洗浄
▼下地処理(補修)
・ひび割れ補修
・ケレン ←ココ
・欠損部の補修 ほか
▼養生
▼下塗り
▼中塗り・上塗り

※外壁塗装時にケレンが必要な場合と、必要ない場合があります。このあたり詳しくは、下記2-1を参照ください。

外壁塗装の下地処理は超重要!その役割から施工方法まで徹底解説!

外壁塗装の流れまとめ|外壁塗装の全工程&期間がまるわかり

2.外壁塗装にケレンが必要な場合とは?ケレンをしないと、どうなる?

2-1.外壁塗装時にケレンが必要な場合/必要ない場合

外壁塗装時にケレンが必要な場合と、必要ない場合があります。

▼ケレンが必要な場合
・外壁(下地)に、サビが発生している
・外壁(下地)に、付着力の弱い旧塗膜(剥がれかけの旧塗膜・膨れている旧塗膜 など)が残っている
※付着力の弱い旧塗膜は、高圧洗浄で除去できることもあります。高圧洗浄だけでは除去できずに残っている場合に、ケレンをして除去することになります。

つまり、サビや旧塗膜を除去する必要がある場合、ケレンが必要というわけです。

一方で、外壁(下地)にサビが発生しておらず、付着力の弱い旧塗膜も残っていない場合には、サビや旧塗膜を除去する必要はないため、ケレンをする必要はありません。

※外壁塗装時にケレンが必要かどうかは、塗装業者が外壁の診断をして判断します。

「外壁塗装に診断は必要?」に塗装専門家がズバリ答えます!

 

[補足]モルタルや窯業系サイディングなどの金属製以外の外壁にもサビが発生する!?

サビが発生するのは、金属製の外壁(金属サイディング・トタン 等)だけではありません。
モルタルや窯業系サイディング等の外壁にも、「もらいサビ」と呼ばれるサビが発生することがあります。

そのため、モルタルや窯業系サイディング等の外壁(金属製以外の外壁)も、サビを除去するためにケレンが必要となることもあります。

※「もらいサビ」とは、外壁の近くにある金属製のモノ(雨樋の金具、ベランダの手すり、窓枠、門扉、シャッター、外壁の近くに置いている自転車など)に発生したサビが外壁に付着することで発生するサビのこと。

もらいサビの例)

雨樋の金具のサビが雨水を伝って外壁に


窓枠のサビが雨水を伝って外壁に

外壁のサビ|発生原因は?放置しても大丈夫?自分で落とせる?

2-2.外壁塗装時にケレンが必要な場合|ケレンをしないと、どうなる?

2-1でお伝えした通り、
・外壁(下地)に、サビが発生している
・外壁(下地)に、付着力の弱い旧塗膜(剥がれかけの旧塗膜・膨れている旧塗膜 など)が残っている
場合には、ケレンが必要です。

ケレンが必要な場合に、ケレンをしなければ(もしくは十分にケレンができていないと)…
デコボコしたサビ・剥がれかけた旧塗膜などの上から塗料を塗ることになるため、キレイな見た目に仕上がらない可能性大。
また、サビや旧塗膜が残っていると塗料がうまく密着しないため、塗装後すぐに塗膜が膨れる・塗膜が剥がれるなどして、外壁塗装が早々にダメになるリスクも生じます。

▼塗膜の剥がれ(ケレン不足が原因)

つまり、ケレンが必要な場合は、
●外壁塗装をキレイに仕上げる
●外壁塗装の本来の耐久性を維持する(外壁塗装を長持ちさせる)
ために、確実にケレンをする必要がある
、ということです。

3.プロが教える!外壁塗装のケレン工事

「外壁塗装のケレンでは、具体的にどんな工事をするのか?」
といったことが気になる方もいるでしょう。

外壁塗装のケレンでは、様々な道具を使って、サビや旧塗膜を削り取る工事をします。

▼ケレン工事の様子


(使用する道具例)
・ディスクサンダー ・トンカチ ・力棒 ・細のみ ・鋲かき
・ワイヤーブラシ ・マジックロン ・サンドペーパー ほか

[参考]2種ケレン・3種ケレン・4種ケレンとは?

戸建ての金属製の外壁(金属サイディング・トタン 等)は、基本的に、2種ケレン・3種ケレン・4種ケレンのいずれかの方法でケレンをします。

●2種ケレン⇒著しくサビが発生している場合
主にディスクサンダー等を使い、トンカチや力棒、細のみ、鋲かきなども併用して、鉄肌が現れるまでサビを除去します。

●3種ケレン⇒部分的にサビが発生している場合
ディスクサンダーやトンカチ、力棒、細のみ、鋲かきなどを使って、サビが発生している箇所については鉄肌が現れるまでサビを除去します。
※サビが発生していない箇所/膨れ・剥がれなどの劣化症状が見られない箇所の塗膜は残します。

●4種ケレン⇒チョーキング等のみ生じている(サビが発生していない)場合
ワイヤーブラシやマジックロン、サンドペーパーなどを使って、チョーキング(劣化して粉状になった旧塗膜)などを除去します。

4.外壁塗装のケレン費用の目安

一般的な戸建ての外壁塗装をする場合にかかるケレン費用の目安は、2~4万円です。

※上記は、除去するサビや旧塗膜が部分的で、軽微なケレンですむ場合の費用目安です。
※費用は、外壁(下地)の状態や外壁の広さやなどによって大きく異なります。

例えば、外壁の広範囲にサビが生じている場合などは、10万円以上のケレン費用がかかることもあります。

※ケレン費用は塗装業者によっても異なります。

[補足]見積書に「ケレン費」の記載がない!?

見積書に「ケレン費」の記載がない場合、ひび割れ補修費や欠損部の補修費などとあわせて「下地処理費」として合算されている可能性があります。
※1章でお伝えした通り、ケレンは下地処理(補修)の工事工程の一つです。

もしくは、そもそもケレンが必要ない場合には、もちろんケレン費の記載はありません。

※「見積書にケレン費の記載がない」場合には、上記情報を踏まえたうえで、念のため塗装業者に確認をしておくと安心です。

外壁塗装の見積もりのポイントを全解説!

まとめ

外壁塗装のケレンとは、下地処理(補修)の工事工程の一つ。
サビ・旧塗膜などを除去する工事を総称して、“ケレン”と言います。

外壁塗装にケレンが必要な場合と、必要ない場合があります。
外壁(下地)にサビが発生している場合/脆弱な旧塗膜が残っている場合はケレンが必要です。

ケレンが必要な場合は、外壁塗装をキレイに仕上げるため/外壁塗装の本来の耐久性を維持する(外壁塗装を長持ちさせる)ために、確実にケレンをする必要があります。

この記事では、その他、ケレン工事内容やケレンの費用目安についてもご紹介しています。上記とあわせて、ぜひ参考にしてください。