自然塗料アウロ

こちらの記事で自然塗料についての基礎知識をお伝えいたしました。

自然塗料は原料に石油や合成顔料を含まない天然の素材を主原料とした塗料です。

古くから柿渋などが用いられていましたが、亜麻仁油、白ロウ、桐油、カルナバロウ、コパル、蜜ロウ、ラベンダーオイルなども原料として使われます。

自然塗料は人や環境に優しい、安全性が高いというようなコンセプトで多くのメーカーから発売されています。

この記事では各社製品の特徴から自然塗料の選び方まで解説いたします。

自然塗料の各社製品と特徴

日本で販売されている自然塗料は主にドイツメーカーの輸入品と、一部の国内メーカーのものです。

オスモカラー

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画像出典:http://mitemite-openhouse.jp/feature/osmo/

オスモカラーはドイツのオスモ社の自然塗料です。ひまわり油、大豆油、アザミ油、亜麻仁油、溶剤はホワイトスピリットを使用し、アレルギーの可能性があるテレピン油や柑橘油溶剤は使用していません。
植物油や顔料成分の比率が高いオスモカラーでは、同量で一般的な塗料よりも2~3倍の面積を塗装できます。一般的な浸透型の自然塗料では木に浸透して内側から木を保護しますが、オスモカラーは主剤が多く含まれているので、表層にも保護力が及びます。

カラー

フロアーカラー

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ノーマルクリアー ウッドワックス

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ワンコートオンリー

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ウッドインプロテクター

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画像出典:オスモカラーパンフレット

塗布面積

約20㎡ / 1リットル(ノーマルクリアー ウッドワックス)

価格

0.75リットル 約6,000~8,000円

2.5リットル 約19,000~20,000円

こんな人にオススメ

価格は高くても自然な手触り、質感の仕上がりで、豊富なカラーバリエーションの中から選びたいという方におすすめです。

リボス

自然塗料リボス

画像出典:http://store.shopping.yahoo.co.jp/paintjoy/eco-204.html

リボス社は世界で最も早く自然塗料を送り出したドイツ最大手の「自然塗料メーカー」と言われています。原料は亜麻仁油・オレンジピールオイル・イソアリファーテ・アマニスタンドオイル・アマニウッドスタンドオイル・マイクロワックス・土壌・鉱物系顔料(無害)・アルミナ・無鉛乾燥剤などです。すべての成分は、バイオケミカル・トクシコロジー・ミクロバイオロジー科学に基づき最高度の「健康」「環境」両面の適正性に照らして選択されています。

リボス社は当初、バルサムテレピン油やレモン油といった天然溶剤を使用していましたが、それらは皮膚に障害を起こし、アレルギーをひき起こす可能性があることから使用を中止。溶剤は毒性があってはならないこと、天然性よりも人体に影響が少ないことを優先し、イソアリファーテを選択しました。イソファリアーテとは1-4で紹介したイソパラフィンの別名です。

カラー

カルデット

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タヤエクステリア

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画像出典:http://www.todakanamono.com/SHOP/taya25.html

価格

0.75リットル 約4,000~5,500円

2.5リットル 約14,000円

塗布面積

約12㎡ / 1リットル(カルデット:1回目の塗装時)

こんな人におすすめ

リボスは素人にも塗りやすく、仕上がりが綺麗で撥水性も期待できます。自分で塗りたいという方にオススメです。

アウロ

自然塗料アウロ

画像出典:http://wood.shop-pro.jp/?pid=20348559

アウロはオレンジオイル・亜麻仁油・などを原料とし、石油系溶剤、合成顔料などを一切使わず、すべて自然の材料を原料としています。
木材の呼吸を妨げることなく、無垢の木材を「オイル」と「ワックス」のダブル効果で保護します。
天然のオレンジオイルを溶剤としているため、不快な匂いがしません。

カラー

アウロ No.130 天然木材用塗料

アウロ No.130 天然木材用塗料

画像:http://www.auro-jp.net/item_page/auro130.html

価格

0.75リットル 約5,000~6,000円

2.5リットル 約16,000~22,000円

塗布面積

約25㎡ / 1リットル(アウロ No.130)

こんな人におすすめ

低粘度で塗りやすいため、経験のない方でもムラなく簡単に塗れます。塗った時に柑橘系のいい香りがするので、塗料の石油臭が苦手な方におすすめです。

いろは(アールジェイ株式会社)

いろはは、日本のアールジェイ社が販売している桐油、亜麻仁油、蜜蝋、ロジン(松脂樹脂)、イソパラフィン、無鉛乾燥剤、顔料を原料とした自然塗料です。

カラー

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価格

0.8リットル 約7,600~8,500円

3.5リットル 約20,000~25,000円

塗布面積

33㎡ / 1リットル

こんな人におすすめ

国産の自然塗料を使いたいという方、古色にも対応しているので、古民家再生など日本の古い建造物に塗りたいという方に最適です。

バトン(大谷塗料株式会社)

バトン

画像出典:http://www.colorcode.co.jp/item/300002/

バトンは亜麻仁油や大豆油、ヒマシ油、ヒマワリ油等の天然植物油脂を主原料にした、人と環境にやさしい自然系木材保護着色剤です。
国内の大谷塗料株式会社が販売しています。

カラー

自然塗料 バトン

画像出典:http://www.colorcode.co.jp/item/300002/

価格

0.7リットル 約2,000~3,000円

3.7リットル 約5,000~7,000円

16リットル 約16,000~22,000円

塗布面積

約20㎡ / 1リットル

こんな人におすすめ

臭いが少なく、着色から上塗り乾燥まで1日で終わる速乾性があります。工期を短くしたい方にはオススメです。低価格なので経済性を重視する方にもオススメです。

ユーロ(大阪塗料工業株式会社)

自然塗料 ユーロ

画像出典:http://item.rakuten.co.jp/uchigen/10000835/

ユーロは日本の大阪塗料工業株式会社が販売している塗料です。有害性のある薬剤は使用せずに作られた自然塗料で、F☆☆☆☆を取得しています。

カラー

自然塗料 ユーロ

価格

0.7リットル 約3,000~6,000円

3.5リットル 約10,000~15,000円

14リットル 約36,000~45,000円

塗布面積

20㎡ / 1リットル

こんな人におすすめ

国産でF☆☆☆☆の安全な塗料をお探しの方にオススメです。

キヌカ(日本キヌカ株式会社)

自然塗料 キヌカ

キヌカは米ぬかの油を主原料とした自然塗料です。従来、自然塗料の欠点であった、乾燥の長さを克服しています。無臭で自然発火の危険性もなく安全です。

カラー

無色透明

価格

1リットル 約5,600~7,000円

4リットル 約26,000円

18リットル 約102,000~113,000円

塗布面積

約80㎡ / 1リットル

こんな人におすすめ

乾燥時間が早いため短い工期で済ませたい方、塗布面積が広いので経済性を重視する方にオススメです。

自然塗料の選び方

無垢の手触りを残したいなら浸透型のオイル

無垢の自然な手触りや質感を残したい場合は浸透型の自然塗料が良いでしょう。浸透するので木材の表面には塗膜を作らず、木材の呼吸も妨げません。
しかし、その一方で表面が剥きだして傷に弱く、耐候性が低いため、数年に1度は定期的なメンテナンスが必要です。

補修にはワックスクリーナー

リボス グラノス

画像出典:http://www.livos-jp.com/products/detail.php?product_id=17

リボス グラノス

汚れが目立ってきた場合は補修・メンテナンスが必要です。このような時には、メンテナンス用ワックスクリーナーを使用します。

希釈して雑巾がけの手軽さで汚れ落としとワックスがけが一度に可能です。

コスト重視?費用別の選び方

できるだけ経済的な自然塗料を探している方もいらっしゃるでしょう。耐候性などから塗り替えスパンを含めた長期的なコストは算出が難しいですが、初期費用については同じ価格で塗れる塗布面積の広さという点で判断することが可能です。

メーカー・商品名1㎡あたりのコスト
バトン¥67
キヌカ¥70
ユーロ¥142
いろは¥173
アウロ アウロ No.130¥256
オスモ ノーマルクリアー¥380
リボス カルデット¥466

※コストは調査した中で最安の価格を塗り面積で割ったもの。価格は店舗により異なります。塗り面積は塗る材質によって異なります。

単純な価格と塗り面積の比較ではバトン、キヌカ、ユーロ、いろはと国内メーカーのものがドイツの製品よりコストパフォーマンスが高い結果となりました。

アレルギーが出るか安全面での選び方

アレルギーをお持ちの方が自然塗料を選択する時に大切なことは、ただ単に自然塗料だからということで判断しないことです。

たとえ天然由来100%の原料であってもアレルギーが出る人はいますし、化学溶剤でもアレルギーが出ない人もいます。

ですから、本当に自分にあった塗料を選びたい場合は、実際の塗料の臭いを嗅いでみたり、実際に施工する部材のサンプルに試しに塗ってもらい、アレルギーが出ないかテストしてみることが重要です。

自然塗料は安全?理解しておきたい自然塗料のメリットとデメリット