アフターフォロー

家電製品を買うと、必ず「保証」が付いていますね。保証があることで、購入後に故障などのトラブルが起こっても交換や修理をしてもらえたりと、長く安心がつづきます。
外壁塗装は家電製品のような「モノ」ではありませんが、きちんと保証が付いています。ただ残念なことに、一部の悪徳業者が保証を付けないために、後々のトラブルに泣かされたり、そもそも外壁塗装に保証があることを知らない人が多いのです。

外壁塗装の「保証」はトラブル回避の必須項目。工事後も長く安心して住み続けるために、きちんと「保証」のことを理解しましょう。

1. 意外と知らない外壁塗装の『保証』のこと

家電製品では故障したときに、メーカーが保証で修理や交換に応じてくれます。
自分では修理できそうにないものだからこそ、保証がついていることで安心して商品を使うことができますね。
外壁塗装ではどんな保証をしてくれるのでしょうか。まずは、意外と知られていない外壁塗装の「保証」についてご紹介します。

1-1.「製品保証」と「工事保証」

外壁塗装には、一般的に「製品保証」と「工事保証」の二つの保証があります。

◎製品保証とは
塗料メーカーが工事で使用した塗料に対して出す保証。
塗料製品に瑕疵があった場合、塗料メーカーが塗料代を上限として保証をする。「製品保証」はあくまで塗料そのものに対しての保証であるため、工事内容に対しては保証されません。

 

「製品保証」はあくまで塗料そのものに対しての保証であるため、工事内容に対しては保証されません。工事内容の保証には「工事保証」というものがあります。

◎工事保証とは
保証期間中に塗装工事に瑕疵があった場合、施工店が工事に対して行う保証。
施工店や工事内容によって保証年数や保証範囲が異なる。

1-2. 外壁塗装の「保証」の誤解

たとえば、あなたの家で「工事保証10年」付きの外壁塗装工事をしたとしましょう。
塗装完了から3年後、塗装部分にひび割れが発生したとします。当然、あなたは「工事保証10年」で修繕してもらうよう施工店に連絡を取ります。
しかし、ここに思わぬ落とし穴があるのです。実は多くの場合、

保証の対象になるのは、外壁塗膜(塗装の膜)の剥がれのみ

なのです。

さらに、保証対象が「外壁塗膜」ということは、鉄部や木部などの外壁ではない部分は、同じ工事で塗装されていたとしても保証対象外となるのです。
ただ、ひび割れが保証対象外であることには、きちんと理由があります。
外壁のひび割れは、家の構造体そのものや地盤、地震などの自然災害の影響、周辺環境の影響などでも発生することがあり、ひび割れが発生したからといって塗装の瑕疵だとは一概に判断しづらいのです。
これは、塗装業界の「常識」と言えると同時に、常識であるがために、塗装業界が消費者にきちんと伝えきれていないことでもあります。

2. 保証で泣いた!外壁塗装トラブル事例

ここでは、実際にあった保証がかかわるトラブル事例をもとに、保証の誤解や注意点、トラブルの対処法を具体的にご紹介します。

2-1. 保証で泣いた!①「保証書を受け取っていなかった」

【トラブル内容】自宅の戸建住宅の外壁塗装を○×塗装店に依頼した施主・Aさん。担当営業からは契約時に「保証は付いてますよ」と言われて安心していました。
ところが、塗装後わずか3年で塗装が剥がれてしまいます。Aさんはすぐに○×塗装店に連絡して保証で修繕するよう要求しました。
しかし驚くことに、○×塗装店は「うちは保証は出していませんよ」と言います。そして「だって保証書なんて持ってないでしょ」とも。
そう。Aさんは契約時、口頭で「保証が付いている」と言われたただけで、保証書は受け取っていなかったのです・・・。

 

これは特に珍しいトラブルではありません。残念なことに、未だに口約束のみで「保証書」を渡さない業者が存在しているのです。
このようなトラブルを回避するには、「保証書を渡さない業者もいる」ということを十分注意した上で、

・口約束は絶対にしない

・保証書を必ず受け取る(要求する)

ことが必須です。万が一、保証書を出さないような業者であれば、そこと契約するのは考え直したほうが良いでしょう。

2-2. 保証で泣いた!②「施工不良個所が保証対象外だった」

【トラブル内容】自宅の戸建住宅の外壁塗装を○×塗装店に依頼した施主・Aさん。契約時に「工事保証10年」がついていることを確認して、きちんと保証書も受け取りました。
そして塗装から5年後、Aさんは塗装した外壁にひび割れができているのを見つけます。
ですが、Aさんが依頼した塗装工事には「工事保証10年」がついています。Aさんは保証書を片手に、さっそく○×塗装店に連絡をしました。
ところが○×塗装店からは「ひび割れは保証対象外ですね」という驚きの返事が。
よくよく保証書を読んでみると、確かにひび割れは保証対象外になっていたのです・・・。

 

これは誤解が生んだトラブルです。先述したように、ひび割れが保証対象外であるのには、きちんと理由があるのですが、それが一般消費者にきちんと伝わっていないことで誤解が生まれています。
このようなトラブルを回避するには、

・保証書の内容を必ず読む

・保証内容の詳細な説明を施工店に求める

ことが必須です。もちろん、施工店がきちんと説明をすることが必須なのですが、私たち消費者側も防衛策として注意したいところです。

2-3. 保証で泣いた!③「施工業者が倒産して保証が無効に!」

【トラブル内容】自宅の戸建住宅の外壁塗装を○×塗装店に依頼した施主・Aさん。契約時に「工事保証10年」がついていることを確認して、きちんと保証書も受け取りました。
そして塗装から5年後、Aさんは塗装した外壁に塗装の剥がれを見つけます。Aさんは保証書を片手に、さっそく○×塗装店に連絡をしました。
ところが何度電話しても一向に繋がりません。不安になったAさんは○×塗装店の住所を訪ねます。
するとなんと!○×塗装店は跡形もなくなっています。そう、○×塗装店はAさんの知らぬ間に倒産してしまっていたのです・・・。

 

これはかなりショッキングなトラブルです。家電であれば、最悪買いなおせば済む話ですが、住宅ではそうはいきません。さらに、依頼した施工店が将来、倒産するかどうかなど、私たちにはわかるわけもないので、事前に回避しようもありません。

では、どうしたらいいのか。ここで知っておきたいのが「第三者保証」です。

◎第三者保証とは施工店とは別の第三者機構が取り扱う保証。
施工店が加入している団体や組合が取り扱う保証や、住宅瑕疵保険がこれに当たる。第三者保証を付けることで、施工店が倒産しても第三者機構が瑕疵を保証する。

 

第三者保証の中でも、多くの塗装店が扱っているものとして「JIOリフォーム瑕疵保険」などがあります。

3. 契約前に必ず確認!保証チェックリスト

さまざまな保証トラブルの事例を見てきましたが、結局どんな保証であれば安心できるのでしょうか。
外壁塗装の保証は、施工店によって詳細は異なりますが「ここを押さえていればまず大丈夫」と言えるチェックリストをまとめてみました。
ぜひ、契約前には次のチェックに当てはまるか確認してみてください。

【チェックリスト】

□「製品保証」と「工事保証」の両方がついている

□保証書を発行してくれる

□保証対象箇所など、内容について担当者が詳しく説明してくれる

□施工店の保証以外に、第三者団体の保証がある

これは、外壁塗装の保証としてどれも必須の項目です。ひとつでも当てはまらない項目がある施工店とは、契約そのものを考え直したほうが良いでしょう。

4. アフターフォローがあるとなお安心

アフターフォロー

保証に加えて、付いているとさらに安心なのが「アフターフォロー」です。
工事後に万が一不具合が発生したときはどんな対応をしてくれるのかも聞いておきましょう。

外壁塗装でのアフターフォローは、「定期点検」が中心になります。業者によって異なりますが、定期点検は無料で行ってくれるところが多いようです。塗装後1年、3年、5年と間隔を空けて節目節目に行ってくれると尚、安心できるでしょう。

契約前に、施工店に対してアフターフォローがあるかどうかを確認しておくと、次の塗装メンテナンス時期まで安心して長く付き合えるでしょう。

まとめ

工事後も長く安心して住み続けるためには、「保証」があることを確認し、また、その内容をきちんと理解することがとても大切です。

今回ご紹介したチェックリストなどをぜひ活用して、安心できる外壁塗装をしてください。