屋根のリフォームが5~10年ごとに必要なことをご存知の方は多いでしょう。
しかし、屋根のリフォームに利用できる補助金があることをご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか?
実は条件を満たせば屋根のリフォームにも補助金が利用できるのです。
そこで、屋根のリフォームに利用できる補助金について、
●リフォームで補助金を利用する条件
●補助金の申請方法
●補助金を委託する方法(メリット・デメリット)
以上の3点をポイントに紹介していきます。
1. リフォーム補助金の基礎知識
屋根のリフォームに利用できる補助金は、主に居住している地域の市町村から支給されています。市町村によって規定は異なるのですが、全体的な補助金の傾向などをここではご紹介していきます。
1-1. リフォームに使える補助金・減税制度
■リフォーム補助金の概要・基礎知識
リフォームの補助金とは、国や自治体による、バリアフリー性能や省エネ性能、耐震性能の向上等のリフォームについての補助制度です。
利用できるリフォームの種類は、
・太陽光発電システムの設置
・断熱改修に関連する工事
・省エネ性の高い給湯機器の設置
・LED照明の設置
・耐震診断や耐震補強工事
などです。
自治体によって、補助金の利用できるリフォームの種類は異なります。
■リフォーム減税
リフォームには補助金以外にも、所得税の控除や固定資産税の軽減などの減税の支援も行われています。こちらは、確定申告や必要書類の提出による申告が条件となっています。
リフォーム減税については、自己資金(一括払い)によるリフォームでは、最大で20万円から25万円程度が所得税から控除されることがあります。また、ローンを組んだ場合でも、5年間で合計最大60万円程度が控除されることもあります。他にも、固定資産税の軽減によって、1年間に限り2分の1から3分の1程度に減額されることもあります。リフォーム減税については、年度によって内容が変わる可能性があります。利用を検討する際には、必ず最新の情報を確認するようにしましょう。
減税名称 | 概要 | 金額 |
---|---|---|
住宅ローン減税 | 住宅ローンを使用した要件を満たす増改築工事等の住宅ローンについて、住宅ローンの年末残高の1%が10年間にわたって所得税額から控除されるもの。 ※10年以上のローンを利用してリフォームを行った場合に利用可能。所属税から控除しきれない場合は住民税からも控除される(上限13万6,500円) | 最大控除額:400万円 控除期間 :10年 住民税控除:控除しきれない額は住民税から控除されます。 最高13.65万円 条件:合計所得金額が3000万円以下であり、工事費100万円超えであること。 |
投資型(自己資金)減税 投資型減税 | 一定の住宅について改修工事を行った場合、確定申告することで控除対象限度額を上限として工事費用の10%が所得税額から控除されるもの。 | 最大控除額: 耐震改修 25万円 |
投資型(自己資金)減税 資金減税 | 一定の住宅について改修工事を行った場合、物件所在の市区町村に証明書等の必要書類にて申告することで、固定資産税額が1年の間、減額されるもの。 |
■補助金の額の相場
リフォームにはバリアフリーや省エネ、耐震以外にも様々な内容のものがありますが、全てのリフォームに当てはまるのは、補助金の相場が一般的に3万円から10万円程度です。
住宅の一部分に充てられる補助金の額はそれほど大きくありませんが、他の補助金と合わせて申請できる場合が多いので、「塵も積もれば山となる」と言われるように小さな額の積み重ねによって大きな額になります。
補助金の額は自治体によって異なりますので、担当窓口に問い合わせてみましょう。
リフォーム補助金の一覧表
補助金名称 | 金額 |
---|---|
長期優良化リフォーム推進事業 (平成27年度) | 補助対象費用の1/3 評価基準型(1)上限 100万円/戸 評価基準型(2)上限 200万円/戸 |
地域型住宅グリーン化事業 (平成27年度) | 長寿命型・高度省エネ型(低炭素) 補助対象費用の1割以内(上限100万円/戸)高度省エネ型(ゼロ・エネ) 補助対象費用の1/2(上限165万円/戸)(ただし、「新築」の場合は建設工事費の1割以内)優良建築物型 補助対象費用の1割以内(上限1万円/床面積1㎡当たり) |
省エネ住宅ポイント (平成27年度) | 1戸あたりの上限 300,000 ポイント ※耐震改修を行う場合は、1戸当たり 450,000 ポイントを限度 |
既築住宅・建築物における高性能建材導入促進事業 (平成26年度) | 補助対象費用の1/3以内(最大150万円/戸) (補助対象製品として認められている窓や断熱材を利用する場合の補助) |
1-2. リフォームで補助金を利用する為の条件
屋根のリフォームで補助金を利用できる条件を挙げていきます。
●居住するための家のリフォームであること
また、住居が受給する補助金の交付先である市町村内にあること。
(店舗だけの建物等は補助金の対象外になります。)
●断熱改修のリフォームであること
(市町村によって異なりますが、屋根に利用できる補助金の多くは断熱改修のみにしか適用できません。これは、省エネやエコ工事などの分野において、屋根のリフォーム補助金が受給できる場合が多く見受けられるからです。詳しくは、お住いの市町村の自治体の補助金のページをご覧ください。)
●税金を納付していること
(県民税、市民税などを滞納していないことを明記されている場合がほとんどです。)
●暴力団員でない、もしくは暴力団および暴力団員と密接な関係を有していないこと
上記の四点は、補助金を受給する基本的な条件として掲げられている場合が多いです。
市町村によって条件は異なりますので、詳しくはお住いの市町村の自治体に確認しましょう。
1-3. 補助金の申請方法
ここでは一般的な申請方法を例として、補助金の申請方法の紹介をします。
手順
①「事前申込書類」の入手
②「事前申込書類」の提出
③「補助金交付申請書(兼実績報告書)」の提出
④「補助金交付決定通知書」と「補助金額確定通知書」の受領
⑤「補助金交付請求書」の提出
一般的には、この一連の流れを終えることで、補助金を受け取ることが出来ます。
補助金の申請方法・必要な書類も自治体によって異なりますので、
以下のリンクの地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度検索サイトから、お住まいの市町村の補助金について検索してみてください。
http://www.j-reform.com/reform-support/
1-4. 注意点
補助金の申請をする上で留意しておかなければならないことがあります。
ここでは、それらうちの5点の注意点についてお伝えします。
●補助金は原則として、施工前の事前申請が必要
この事前申請が必要なのは、補助金は自治体に受給の申請をした際に、希望者多数の場合は抽選により交付者を決定するためです。
また、交付金受給の許可を得てから施工を開始するように気を付けましょう。
このために、施工開始の時期は施工業者さんに補助金の事情を説明したうえで決めるようにしましょう。
※リフォーム工事を開始したあと、もしくは、工事が完了した後に申請をしようという事例がありますが、この場合補助金を受給することは出来ません。
●同一の業者の施工した費用しか対象にならない
施工の費用が、補助金の上限まで達していないので、必要箇所に加えて他の箇所を別の施工業者に依頼したとしても、自治体によっては、別々の業者に依頼した場合、全ての費用が補助金の対象とならないことがあります。
自治体の補助金の要綱を確認したうえで、同一業者の施工費用しか対象にならない場合は、幅広い分野において施工できる業者に依頼するようにしましょう。
●事前に必要書類の準備が必要
自治体によっては、補助金の申請のために、
・工事前の写真
・見取り図、平面図、立面図
などが必要になることがあります。
これらの準備には、ある程度時間がかかると思いますので、申請に必要な際は事前の準備を心がけましょう。
平面図、立面図を専門家に作成してもらう場合は1万円~1万5000円ほど必要になります。
自作の平面図でもよい場合もありますので、申請先の自治体に相談してみてください。
●施工業者の本社が自治体内にあること。
こちらも、自治体によって規定が異なるのですが、施工業者の本店が自治体内にあることが条件になっている補助金も多く見受けられます。
これは、業者の支店や営業所は補助金の対象とされないということです。
補助金の申請をする場合は、対象となる業者についても事前に自治体に確認するようにしましょう。
●補助金の申請はお早めに。
リフォームに関する補助金は自治体の年度予算によって運営されています。なので、補助金の予算枠に達すると、期間中でも申請の申し込みが締め切られます。確実に補助金の申請をするためにも、補助金の申請は早めにすることをおすすめします。
上記以外の不明点については、補助金を申請する自治体に問い合わせたり、その自治体の補助金に関するマニュアルを読んだりして、確認しましょう。
2. 補助金の申請は業者に委託できる
補助金の申請の代行を請け負っている業者も世の中にはあります。
ここでは、代行サービスを利用するメリットとデメリットについてご紹介します。
メリットとしては、
・知識豊富な専門家たちによって申請してもらえる
・申請書類の作成にかかる手間などが省ける
などのことが挙げられます。
業者に委託することによって、補助金の申請に必要な書類について調べることや書類の作成にかかる時間が削減できるので、仕事や家事などに使える時間が増えることになるでしょう。また、書類の不備などを処理する手間も要りませんので、スムーズに申請ができるようになります。
デメリットとしては、
・代行手数料がかかる場合がある
・代行サービスを利用していたが申請が通らなかった
ということが挙げられます。
一部の業者では、代行手数料がかかる場合があるために、自身で作成した場合には経費がかからなかった部分に代金が必要になります。また、代行サービスを利用していても代行業者の申請が不備などで通らない場合もあり、補助金を利用できないということもあります。
補助金の申請の代行については代行費用を請求しない業者もあるようなので、リフォームをする際には依頼する業者に代行サービスについて問い合わせてみると良いでしょう。
3. 補助金詐欺と不正受給
世の中には、補助金を口実とした詐欺や補助金の不正受給などがあります。
これらの一例について、ここではご紹介します。
■補助金でタダになると勧誘
「補助金がでるからタダで修理できるよ」という文句でリフォームなどにこぎつける補助金給付を勧誘に使った詐欺です。最終的には補助金は受給できず、申請が通らなかったなどという理由で、施工代すべてを支払う羽目になります。
■施工業者による補助金の不正受給
建築会社やリフォーム業者が施工内容に虚偽のものを加え、施工費用を水増しすることで国から受け取る補助金を増やす詐欺です。
施工会社が単独で行っているものならば施主が罪に問われることはありませんが、摘発によって施工会社が破産するケースもあります。
まとめ
屋根のリフォームで利用できる補助金については、全国各地で様々な制度があります。
あなたの地域で利用できる補助金について詳しく知りたい方は、インターネットで調べる、お住まいの地域の自治体に問い合わせるなどのことをしてみましょう。
また、補助金についての検索サイトは有効な手段ですので、ぜひご活用ください。
地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度検索サイト
http://www.j-reform.com/reform-support/
利用できるものであれば、補助金は活用したいものですね。
今後の屋根のリフォームで補助金をお考えになる際に、参考にしていただければと思います。