サイディング外壁の補修

家のサイディング外壁にひび割れや欠け、剥がれなどを見つけて、
「どうやって、補修をすれば…?」
などと、補修方法に悩む人は少なくありません。

サイディング外壁の代表的な補修方法には、
・部分補修
・外壁塗装
・部分張り替え
・カバー工法(重ね張り)
・張り替え
などがありますが、どの方法で補修をするのが良いかは、サイディングに生じている不具合や劣化症状、補修にどのぐらい費用をかけられるか、などによっても異なります
このあたり詳しくは、本章で解説いたします。

この記事では、
・サイディングの補修方法
・サイディングの補修にかかる費用相場
・サイディング補修は自身でも可能?プロに依頼すべき?
など、サイディング補修を検討している人が気になる内容を、プロが徹底解説いたします。
ぜひ、参考にしてください。

※この記事では、「窯業系サイディング・金属サイディング=サイディング」として情報をまとめています。

1.サイディングの補修方法&補修費用を全解説!

この章では、サイディングの代表的な補修方法と、補修にかかる費用相場をご紹介します。
ご紹介する補修方法のうち「どの方法で補修するのが良いか?」については、2章でお伝えします。

1-1.部分補修

「部分補修」とは、不具合や劣化症状のあるサイディング箇所だけを補修する方法です
生じている不具合や劣化症状によって、部分補修の内容は異なります。

▼部分補修の内容例
・ひび割れ補修
(ひび割れ箇所を専用材で埋めて補修する)
・ねじの増し打ち
(サイディングの反り箇所などに、ねじを追加で打ち込んで補修する)
・部分塗装
(不具合や劣化症状のある箇所だけを塗装する) ほか

部分補修の費用相場数万円~数十万円

※補修内容・補修範囲によって費用は大きく異なります。

1-2.外壁塗装

上塗り

外壁塗装も、サイディングの補修方法の一つです。
外壁塗装をすると、サイディング全面(サイディング表面に生じている不具合や劣化症状すべて)を補修することができます

外壁塗装の費用相場80~150万円

※一般的な二階建て住宅(塗り面積200㎡)
※屋根塗装含まず

※サイディングに生じている不具合や劣化症状、サイディングの広さ(塗装面積)、使用する塗料の種類などによって費用は変動します。場合によっては、上記の費用相場と大きく異なることもあります。

外壁塗装をすると、サイディング全面の補修ができるだけでなく、サイディングが新築時のようにキレイになるというメリットも。

1-3.部分的な張り替え

「部分的な張り替え」は、不具合や劣化症状のあるサイディング材(サイディングボード)だけを張り替える(取り替える)補修方法です
※サイディング外壁は、複数のサイディング材を張り合わせてできているため、不具合や劣化症状のあるサイディング材だけを張り替えるという補修ができるのです。

部分的な張り替えの費用相場数十万円~

※張り替えるサイディングの製品、張り替えるサイディングの数等によって費用は大きく変動します。
※足場を設置する場合は、別途、足場費用がかかります。

1-4.カバー工法(重ね張り)、張り替え

サイディング補修には、「カバー工法(重ね張り)」「張り替え」という方法もあります。

●カバー工法(重ね張り)
重ね張り
既存のサイディング外壁の上に、新しい外壁材を施工する
●張り替え
張り替え
既存のサイディング外壁を取り除き、新しい外壁材を施工する
※張り替えでは、既存のサイディング外壁を取り除くため、張り替え時にサイディング材の下にある防水シートや断熱材などの補修もできます。

 

カバー工法(重ね張り)の費用相場150万円~
張り替えの費用相場200万円~

※選ぶサイディング材(サイディングボード)の製品、外壁の広さ(施工面積)などによって費用は大きく変動します。場合によっては、上記の費用相場と大きく異なることもあります。

カバー工法(重ね張り)も張り替えも、新しい外壁材を施工するため、外壁は新築同然になるというメリットも。

サイディングの張り替え|タイミングや費用、工事内容まで全解説!

1-5.シーリング(コーキング)補修

シーリング補修(イラスト)

サイディング外壁の場合、
・サイディング材とサイディング材の継ぎ目
・窓(サッシ)やドア・インターフォン・換気口などと、サイディング材の接合部分
などにシーリング(コーキング)が使用されていますが、このシーリングに不具合や劣化症状が生じている場合にも、補修が必要です

シーリングには、「シーリングの打ち替え」「シーリングの増し打ち」という補修方法があります。

・シーリングの打ち替え
既存のシーリングを取り除いて、新しいシーリングを充填(施工)する工法
・シーリングの増し打ち
既存のシーリングの上から、新しいシーリングを充填(施工)する工法

シーリングの打ち替えの費用相場900~1,500円/m
シーリングの増し打ちの費用相場500~1,000円/m

※足場を設置する場合は、別途、足場費用がかかります。

 

2.どの補修方法を選ぶべき?不具合・劣化症状別のオススメ補修方法

上記1章にてサイディングの補修方法をご紹介しましたが、「我が家のサイディングは、どの方法で補修すべき?」といった疑問をもつ人は少なくないでしょう。

そこでこの章では、サイディングに生じている不具合・劣化症状別にオススメの補修方法をご紹介します。
まずは下記表を確認いただき、詳しい内容については2-1~2-7を参照ください。

[ 不具合・劣化症状別!オススメの補修方法 ]

(サイディングに生じている)
不具合・劣化症状
オススメの補修方法
・ひび割れ部分補修
部分補修+外壁塗装
2-1参照
・すり傷、かき傷部分補修
2-2参照
・反り部分補修
2-3参照
・チョーキング(手で触ると粉状のものが付着する状態)
・色あせ
・塗膜の膨れ
・塗膜の剥がれ
・サビ ※金属サイディングのみ
外壁塗装
2-4参照
・欠け
・凹み ※金属サイディングのみ
部分張り替え
2-5参照
・サイディング外壁の下にある防水シートや断熱材などまで傷んでいる張り替え
2-6参照
・シーリングのひび割れ
・シーリングの肉やせ
・シーリングの剥離
シーリングの打ち替え
シーリングの増し打ち
2-7参照

※上記以外にもサイディングの補修方法はあります。
「不具合・劣化症状⇒オススメの補修方法」の組み合わせは、あくまで一般論です。サイディングに生じている不具合・劣化症状の進行具合、補修にかけられる費用(予算)等によっては、上記のオススメの補修方法以外の方法で補修をする方が良いこともあります

2-1.ひび割れ⇒部分補修、部分補修+外壁塗装

サイディング外壁のひび割れの様子

サイディングにひび割れが生じている場合には、
A:部分補修(ひび割れ補修)※場合によっては+部分補修(部分塗装)
B:部分補修(ひび割れ補修)+外壁塗装
いずれかの方法で補修をするのがオススメ。

どちらの方法を選ぶのがオススメかは、ケースバイケースです。

A「部分補修(ひび割れ補修)」がオススメの場合
・軽微なひび割れ
・ひび割れ箇所が部分的

部分補修(ひび割れ補修)だけの場合、補修跡が気になってしまうことも。

補修跡
補修跡をのこさずキレイに仕上げたい場合は、ひび割れ補修をした箇所を部分塗装すると良いでしょう
※部分補修(ひび割れ補修)+部分補修(部分塗装)

B「部分補修(ひび割れ補修)+外壁塗装」がオススメの場合
・ひび割れが大きく進行している
・ひび割れ箇所が広範囲にわたる
・ひび割れ以外にも、サイディング表面にチョーキング、色あせ、塗膜の膨れ、塗膜の剥がれ、サビ等が生じている
※サイディングの劣化が原因でひび割れが生じている場合は、サイディング表面にチョーキング、色あせ、塗膜の膨れ、塗膜の剥がれ、サビ等も生じている可能性が高いです。

2-2.すり傷・かき傷⇒部分補修

サイディングの部分的なすり傷・かき傷は、部分補修(部分塗装)で補修するのがオススメです。

サイディング外壁全面にすり傷・かき傷がある場合には、部分補修(部分塗装)ではなく、サイディング全面を塗装する外壁塗装の方が、メリットが大きいことも

2-3.反り⇒部分補修

サイディング外壁の反り
サイディングに反りが生じている場合には、部分補修(ねじの増し打ち)がオススメです。

ただし、
・反りの程度が大きい
・反りが多数ある
といった場合には、部分補修(ねじの増し打ち)では補修しきれないことも。
部分補修(ねじの増し打ち)で補修しきれない反りについては、カバー工法(重ね張り)や張り替えで補修をすることもあります

2-4.チョーキング・色あせ・塗膜の膨れ・塗膜の剥がれ・サビ⇒外壁塗装

外壁/チョーキング

チョーキング
(手で触ると粉状のものが付着する状態)

外壁/色褪せ

色あせ

外壁塗装 膨れ

塗膜の膨れ

塗膜の剥がれ

塗膜の剥がれ

金属サイディング_赤錆

サビ

サイディング表面にチョーキング・色あせ・塗膜の膨れ・塗膜の剥がれ・サビ(※金属サイディングのみ)などがみられる場合には、「外壁塗装」で補修をするのがオススメです。

外壁塗装をすれば、サイディング表面に生じている不具合や劣化症状すべてを補修することができます

2-5.欠け・凹み⇒部分張り替え

サイディング 欠け
欠け

サイディングに欠けている箇所がある・凹んでいる箇所がある(※金属サイディングのみ)といった場合には、「部分張り替え」で補修をするのがオススメです。

ただし、欠けている箇所から雨水が浸入するなどして、サイディングの下にある防水シートや断熱材などまで傷んでいる場合には、部分張り替えでは補修しきれないため、サイディング全面の張り替えをすることになります(2-6参照)。

2-6.サイディング外壁の下にある防水シートや断熱材などまで傷んでいる⇒張り替え

サイディング外壁だけでなく、その下にある防水シートや断熱材などまで傷んでいる場合には、「張り替え」をする必要があります。

断熱材のカビ

ご紹介したサイディング補修方法のうち、サイディングの下にある防水シートや断熱材などの補修ができるのは、既存のサイディングを取り除く「張り替え」だけです

2-7.シーリングのひび割れなど⇒シーリングの打ち替え、増し打ち

シーリング(コーキング)に、ひび割れ・肉やせ・剥離などの不具合や劣化症状がみられる場合には、「シーリングの打ち替え」補修をするのがオススメです。

シーリングのひび割れ

シーリングのひび割れ

シーリングの剝がれ

シーリングの剥離

基本的にシーリング(コーキング)は打ち替えで補修をしますが、シーリングが使用されている箇所などによっては、「シーリングの増し打ち」で補修をすることもあります。

外壁コーキングがひび割れ!?放置するリスク&補修費用まで解説

 

3.サイディング補修は自身でも可能?プロに依頼すべき?

3-1.サイディング補修はプロに依頼すべし

塗装職人

サイディング補修はプロに依頼することを強くオススメします。
なぜならば、サイディング補修には専門的な知識や経験が必要で、かつ高所作業には危険が伴うためです。

●サイディング補修には、専門的な知識や経験が必要
サイディング補修をするのには、
・生じている不具合や劣化症状を正しく把握する
たとえば「色あせだけだと思っていたら、高所にひび割れも生じていた」「シーリングの剥離だけかと思っていたが、シーリングの剥離箇所からサイディング材にまで雨水が浸み込んでいた」など、自身では認識していない別の不具合・劣化が生じていたり、自身が思っている以上に不具合・劣化が進行していたりすることもあります
・生じている不具合や劣化症状、予算などを踏まえて、ベストな補修方法を見極める
※この記事では、代表的な補修方法をご紹介しましたが、稀(まれ)に上記以外の方法での補修がベストということもあります。
・必要な材料(塗料やシーリング材など)を選定し、手順通りに施工をする
など、専門的な知識や経験が多々必要となります

仮に知識不足・経験不足で間違った補修をすると、補修に失敗して、補修にかけた手間や費用が無駄になるかもしれません。また場合によっては、間違った補修をしたことが原因で、サイディングに様々な問題を生じさせてしまうリスクも。そして、その問題を解決するのに、相応の費用がかかってしまう可能性もあるのです。

本サイトを運営している住宅塗装のサービスブランド「プロタイムズ」では、サイディング外壁のメンテナンスについての相談や建物診断、補修・塗装工事の見積りの依頼を無料で受け付けています。
(診断をしたからといって、プロタイムズに塗装工事を依頼しなければならないということはありません。お気軽にお問合せください。)

建物診断・見積りを依頼する(無料)|プロタイムズ

 

●サイディング補修には、高所作業には危険が伴う
危険(イラスト)

サイディングを補修するとなれば、ほとんどの場合、高所作業が必要となります。高所作業は墜落・転落のリスクがあり、非常に危険です。
高所作業をする場合、プロでも足場を設置して、万全な体制で行います。素人が脚立に上がって作業をするなど、もってのほか。絶対にやめてください。

3-2.どうしても自身で補修したい人へ

上記のリスク等を踏まえたうえで、「それでも、どうしても自身でサイディングを補修したい」という人もいるかもしれません。

自身でもできる可能性がある補修方法は、
「部分補修」もしくは「シーリングの打ち替え or 増し打ち」です。

ただし、どんな「部分補修」や「シーリングの打ち替え or 増し打ち」でもできるというわけではありません。自身でもできる可能性があるのは、
・地面から届く範囲に補修箇所がある(高所作業が必要ない)
・生じている不具合や劣化症状が部分的(範囲が狭い)
場合に限ります

上記以外のサイディング補修については、プロに依頼をすることを強くオススメします。

 

4.[ 補足 ]サイディングに不具合や劣化症状がある場合、早めに補修すべし

サイディングに不具合や劣化症状がある場合には、早めに補修を検討することをオススメします。

なぜならば、サイディングに生じた不具合や劣化症状を放置すると、
・サイディングが早々にダメになる
・カビ・シロアリ・雨漏りなどが発生する
・住まいが早々に寿命を迎える
などのリスクが生じるためです。

家の劣化(イラスト)

詳しく解説すると…
サイディングに生じた不具合や劣化症状を放置すると、不具合や劣化症状のある箇所からサイディングに雨水が浸入するようになります。サイディングに雨水が浸入すると、サイディングは腐食するなどして、早々にダメになる可能性大です。
※不具合や劣化症状の内容や進行具合によって雨水が浸入しはじめるタイミングや、浸入スピードに差はありますが、どんな不具合や劣化症状でも、放置すれば、いずれはサイディングに雨水が浸入します。

そして、雨水がサイディングから住まい内部にまで浸み込むと、カビ・シロアリ・雨漏りが発生する可能性も。そして、カビ・シロアリ・雨漏りによって、住まいの躯体が大きなダメージを受けるようなことになれば、住まいは耐久性を維持できず、早々に寿命を迎えてしまうことも十分に考えられるのです。

そのため、サイディングに何等かの不具合や劣化症状がみられる場合には、早めに補修を検討することをオススメします。