モルタル外壁には、ひび割れが生じることがあります。
お住まいのモルタル外壁にひび割れを見つけて、
「なぜ、ひび割れが!?」
「ひび割れは放置しても大丈夫?何か補修が必要?」
「ひび割れを補修するとしたら、いくら費用がかかる?」
などの疑問を持った、という方も多いのでは。
この記事では、
・モルタル外壁がひび割れる原因
・様子見でも問題ないモルタル外壁のひび割れ/補修が必要なモルタル外壁のひび割れ
・モルタル外壁のひび割れの補修方法&補修費用
など、“モルタル外壁のひび割れ”について調べている方が気になる情報を徹底解説します。
1.なぜ我が家のモルタル外壁にひび割れが!?
1-1.モルタル外壁はひび割れることがある
モルタル外壁には、ひび割れが生じることがあります。
モルタル外壁は、耐久性・耐火性・意匠性などに優れており、日本の多くの住宅で採用されている外壁ですが、“ひび割れが生じやすい”という欠点があります。
特にひび割れが生じやすいのは、窓やドアなどの開口部まわりです。
▼モルタル外壁のひび割れ
1-2.モルタル外壁がひび割れる“2つの原因”を徹底解説
モルタル外壁にひび割れが生じる原因は、主に2つあります。
【モルタル外壁にひび割れが生じる2つの原因】
●原因① 経年劣化
モルタル外壁は時間の経過とともに少しずつ劣化が進行します。
ある程度、劣化が進行すると、劣化症状としてひび割れが生じることがあります。
モルタル外壁に生じるひび割れの多くは、この経年劣化が原因です。
●原因② モルタル外壁の施工時の不備(施工不良)
モルタル外壁を施工する際に何等かの不備があると、モルタル外壁にひび割れが生じることがあります。
▼モルタル外壁の施工時の不備
(例)
・モルタル(材料)の水分量に問題があった
・養生に不備があった(直射日光や強風がモルタル外壁に当たらないように養生できていなかった) ほか
モルタル施工時の不備によるひび割れは、早々に生じるのが特徴です。
モルタル外壁を施工してから1~3年以内くらいにひび割れが生じた場合には、施工時の不備が原因の可能性があります。
モルタル外壁にひび割れが生じる主な原因は上記の2つですが、
稀(まれ)に、
・地震
・家の傾き
・地盤の問題
などが原因で、モルタル外壁にひび割れが生じることもあります。
1-3.[参考]我が家の外壁はモルタル?他種類の外壁?
「我が家の外壁は、本当にモルタル?」
「我が家の外壁は、モルタルではなくサイディング外壁?」
など、お住まいの外壁がモルタルかどうかわからない、という方もいるでしょう。
モルタル外壁
モルタル外壁は、モルタル(セメント・砂が主原料)を塗って成形し、表面を塗装でコーティングして仕上げる外壁です。
一般の方が、モルタル外壁かどうかを見極めるのは至難の業です。
そのため、「モルタル外壁なのか、他種類の外壁なのか、正確に知りたい」という場合には、住まい購入時の資料等で確認するのが確かです。
もしくは、塗装業者などに外壁を診てもらえば、外壁の種類がわかります(※2-5を参照)。
2.モルタル外壁のひび割れは補修すべき?放置すると、どうなる?
「モルタル外壁のひび割れを補修すべきかどうか」迷っている方は少なくないでしょう。
モルタル外壁のひび割れを補修すべきかどうかは、“生じているひび割れの進行具合”によって異なります。
2-1.[緊急度:低]幅0.3mm未満の細かいひび割れ⇒様子見でも問題なし
モルタル外壁に生じているのが“幅0.3mm未満”の細かいひび割れの場合には、しばらくは様子見でも問題ない可能性が高いです。
▼幅0.3mm未満の細かいひび割れ
※幅0.3mm未満の細かいひび割れのことを「ヘアークラック」と言うこともあります。
2-2.[緊急度:中]幅0.3mm以上のひび割れ⇒補修を検討すべし
モルタル外壁に“幅0.3mm以上”のひび割れが生じている場合には、ひび割れの補修を検討する必要があります。
▼幅0.3mm以上のひび割れ
特に、以下にあてはまる場合には、早めに補修を検討することをオススメします。
・幅0.3mm以上のひび割れが多数生じている
・幅0.3mm以上のひび割れが深い or ひび割れが長い ほか
2-3.[緊急度:高]ひび割れ箇所の外壁が浮いている等⇒早々に補修が必要
モルタル外壁のひび割れが大きく進行している場合には、いち早くひび割れの補修をする必要があります。
具体的には…
モルタル外壁に以下のような症状がみられるようになると、ひび割れが大きく進行しているサイン。早々に補修が必要です。
▼大きく進行したひび割れ
|
2-4.補修が必要なひび割れを放置すると、どうなる?
補修が必要なモルタル外壁のひび割れを放置すると、
・モルタル外壁が早々にダメになる
・雨漏りが発生する
・カビやシロアリが発生する
・住まいの躯体が腐食する
などのリスクが生じます。
なぜ上記のようなリスク生じてしまうのか、詳しくメカニズムを解説すると…
▼ひび割れ箇所から雨水が浸入し、モルタル外壁に雨水が浸み込む ※ひび割れが進行しているほど、より多量の雨水が浸入します。 | ||
▼モルタル外壁に雨水が浸み込む⇒乾燥する⇒雨水が浸み込む⇒乾燥する⇒雨水が浸み込む…を繰り返し、モルタル外壁がもろくなる ※冬場などに、モルタル外壁に雨水が浸み込む⇒(浸み込んだ雨水が)凍る⇒溶ける⇒乾燥する⇒雨水が浸み込む⇒凍る⇒溶ける⇒乾燥する…を繰り返すと、より加速度的にモルタル外壁がもろくなります。 | ▼モルタル外壁内部の「ラス網(金網)」まで雨水が浸入し、サビが発生する ラス網 (イメージ写真) ※出典:有限会社川口鉄鋼工場 | ▼モルタル外壁に浸み込んだ雨水に、モルタル外壁のカルシウム成分が溶け出し、カルシウム成分を含む雨水が二酸化炭素と反応して、ひび割れ箇所から白い汚染物が流れ出る(エフロレッセンス) |
▼モルタル外壁が浮く・割れる・欠けるなどする | ▼サビが進行し、ひび割れ箇所からサビが流れ出てくる | |
▼モルタル外壁がダメになってしまう |
モルタル外壁に浸み込んだ雨水が、モルタル外壁のさらに奥にまで浸入するようになると、雨漏り・カビ・シロアリなどが発生するリスクも生じます。
※モルタル外壁の奥には防水シート(ルーフィング)があるため、モルタル外壁に雨水が浸入しても、すぐに雨漏りが発生することはありません。しかしながら雨水が浸み込み続けると、防水シートの劣化が促進され、雨漏りが発生してしまう可能性があります。
また、モルタル外壁のさらに奥にまで雨水が浸入するようになると、住まいの躯体が腐食するなど、住まいの寿命にまで大きな影響を及ぼしてしまうことも考えられます。
2-5.補修の必要有無がわからない場合にはプロに診てもらうのがオススメ
「自身ではひび割れ補修が必要かどうか、よくわからない」
という場合には、プロに診てもらうのがオススメです。
本サイトを運営しているプロタイムズでは、外壁の「診断」サービスを行なっています。
プロタイムズの「診断」サービスを受けると、
お住まいのモルタル外壁に生じているひび割れをプロに無料で診てもらうことができます。
プロタイムズの「診断」を受けると、下記のようなことがわかります。
・外壁の種類(モルタル外壁か or 他種類の外壁か)
・外壁に生じているひび割れの進行具合
・外壁に生じている不具合や劣化の進行具合
⇒「ひび割れ」以外にも不具合や劣化が生じていないか細かく確認します(色あせ・チョーキング・カビ・藻・塗膜のふくれ・塗膜のはがれ 等)
・補修の必要性
⇒すぐに補修工事が必要か or しばらくは様子見でも問題ないか
・(補修工事が必要な場合)補修工事の内容&補修にかかる見積額
※プロタイムズ塗装店は全国に200店舗以上あります。
こちら(↑)からお問合せいただければ、最寄りのプロタイムズ塗装店が「診断」にお伺いします。
3.モルタル外壁のひび割れ|補修方法&費用相場まとめ
モルタル外壁のひび割れの「補修方法」と、各補修方法の「費用相場」をご紹介します。
3-1.「部分補修+外壁塗装」で補修するのが一般的
モルタル外壁にひび割れが生じている場合には、
「部分補修(ひび割れ箇所の補修)+外壁塗装(外壁全面の塗装)」
で補修をするのが一般的です。
※「部分補修+外壁塗装」をする場合、部分補修のことを「下地補修(下地調整)」と言うこともあります。
補修が必要なほどひび割れが進行している場合、モルタル外壁には、ひび割れ以外にも様々な劣化症状(色あせ・チョーキング・カビ・藻・塗膜のふくれ・塗膜のはがれ 等)が生じているケースがほとんどです。
モルタル外壁に生じている劣化症状の多くは、外壁塗装で補修をします。
そのため、モルタルのひび割れを補修する場合、一般的に「部分補修+外壁塗装」で補修をします。
また、「部分補修+外壁塗装」をすると、キレイに仕上がるというメリットも。
「部分補修のみ」だと、どうしても補修跡が目立ってしまいます。
部分補修をした後、上から「外壁塗装」をすると、塗装で補修跡は見えづらくなるため、キレイな見た目に仕上げることができます。
「部分補修+外壁塗装」の費用相場 | 82万円~ ※部分補修(ひび割れ箇所の補修):2万円~20万円 |
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※「部分補修+外壁塗装」の費用は、ひび割れの数・進行具合(ひび割れの長さ・深さ等)、ひび割れ以外の劣化の進行具合、外壁の広さ(塗装面積)、使用する塗料製品、依頼する業者等によって変動します。場合によっては、上記の費用相場と大きく異なることもあります。
3-2.「部分補修」だけで補修する方法もある
モルタルのひび割れを
「部分補修(ひび割れ箇所の補修)」だけ
で補修する方法もあります。
・ひび割れが生じている箇所が一部分だけ
・モルタル外壁に、ひび割れ以外の劣化症状が生じていない
という場合には、「部分補修」だけで補修をするのもアリです。
「部分補修」の費用相場 | 2万円~20万円 |
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※「部分補修」の費用は、ひび割れの数・進行具合(ひび割れの長さ・深さ等)、依頼する業者等によって変動します。場合によっては、上記の費用相場と大きく異なることもあります。
※足場を設置する必要がある場合には、別途、足場費用がかかります。
ただし、「部分補修」だけの場合、どうしても補修跡が目立ってしまうというデメリットも。
「キレイに仕上げたい」という場合には、「部分補修+外壁塗装」(3-1)で補修をするのがオススメです。
まとめ
モルタル外壁には、ひび割れが生じることがあります。
ひび割れが生じる原因は、主に下記の2つあります。
・原因① 経年劣化
・原因② モルタル外壁の施工時の不備(施工不良)
モルタル外壁のひび割れ補修が必要かどうかは、ひび割れの進行具合によって異なります。
ひび割れが幅0.3㎜未満であれば、しばらくは様子見でも問題ない可能性が高いです。
ひび割れが幅0.3㎜以上であれば、補修を検討する必要があるでしょう。
モルタル外壁に生じているひび割れの補修が必要かどうかの最終判断は、プロに任せるのが賢明です。
この記事では、モルタル外壁の補修方法&補修費用についても、ご紹介しています。
具体的にひび割れの補修を検討する際には、あわせて、ぜひ参考にしてください。