せっかく選んだ家の外壁。塗り替える時も今のデザインを残したままにしたい。塗替えで元の模様を塗りつぶしてしまいたくない。
そんな理由からクリア塗装を検討している方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、クリア塗装って実際はどのようなものなのか?価格や塗料にはどんなものがあるのか?等、クリア塗装について分からないことがたくさんある方も多いと思います。

そのような方の為に、この記事では、クリア塗装の基礎知識からクリア塗装がオススメの方、塗料の種類などをお伝えいたします。
ぜひ、お役立て下さい。

1.クリア塗装ってどういう塗装?

クリア塗装
画像出典:プロタイムズ大分中央店

クリア塗装は分かりやすく言うと、素地(下地)が透けて見える無色透明な塗料を使った塗装のことです。
着色していないので、外壁の素材の色や木目を生かしながら、保護や艶出し、手触りをよくするなどの目的で使用されます。

色を付ける塗装は、外壁のデザインを塗りつぶし、同じ色の塗料で同じように塗装をしようとしても、完全に同じ色で塗装することはとても難しいです。

そのため、気に入った外壁のデザインをそのままにしたいという方が、クリア塗装を検討するのです。

 

2.クリア塗装が出来ない場合とオススメ出来ない場合

クリア塗装は色を付ける塗装と違って「劣化が起こる前」に検討することが必要です。
その他にも、クリア塗装を行う際の注意点がいくつかあります。

2-1.光触媒や無機、フッ素でコーティングしたサイディングには塗装できない

そもそもクリア塗装が出来ない素材があります。それは、光触媒・無機・フッ素等でコーティングされているサイディングです。これらは日差しが強い面があってもチョーキング等、劣化が起きにくいというのが特徴です。10年くらい経っていても、新築時と同じような艶が残っているサイディングというとイメージが付くでしょうか。これらは、特殊なコーティングが施されており、その上にクリア塗料を塗ってしまうと早々と剥がれてしまう可能性があります。

日本ペイントが開発した【ファインパーフェクトシーラー】という下塗り材を活用すると、特殊コーティングされたサイディングでもある程度はクリア塗装が可能になりました。しかし、全てにおいて問題なく塗れるというものではないため、施工業者へ塗れるのか塗れないのかをキチンと判断してもらうことが非常に重要です。

ファインパーフェクトシーラー(日本ペイント)

ファインパーフェクトシーラー
画像出典:http://item.rakuten.co.jp/colorstore/008-0031/

2-2.チョーキング現象が進行している外壁には、オススメできない

チョーキング現象とは、外壁の表面にある塗膜が劣化し、手で触ると手に白い粉のようなものが付いてしまう現象のことを言います。
この現象が起きている外壁にクリア塗装をしてしまうと、塗装後に白ボケしたようになってしまうことがあるため、オススメできません。
チョーキング現象が起きてしまっている外壁でどうしてもクリア塗装をしたいという場合は、1度、色を付ける塗装を行った後に、その上からクリア塗装を行うことが可能です。
しかし、その場合は色を付ける塗装をの工事工程が増え、その結果、コストが高くなってしまいますので、注意が必要です。

チョーキング現象
06-チョーキング

2-3.コーキングの上には施工できない

コーキングとはサイディングボードの住宅でよく見られる、外壁のボードとボードのつなぎ目に入れられているゴムのようなものです。このコーキングの上にクリア塗装を行なうと塗膜が汚染されたり、剥離したりする原因となるため、コーキング部分はしっかりと養生して、避けて施工する必要があります。

施工業者には「コーキング部分も上から塗るのですか?」と一言確認するだけで、その業者が知識があるのかないのかを見抜くことが出来ます。

コーキング
シーリング目地

2-4.ひび割れが発生している場合の施工はオススメできない

色をつける塗装であれば、ひび割れを補修した後に塗装を行うことで補修跡を見えなくすることが可能ですが、クリア塗装の場合は補修跡がそのまま残って見えてしまうため、見栄えが非常に悪くなります。どうしてもクリア塗装を行ないたい場合は、1度、色をつける塗装を行い、補修跡を見えなくした後であればクリア塗装をするのがオススメです。しかし、その場合も工事工程が増えるため、コストは高くなってしまいます。

ひび割れ補修跡
サイディングクラック補修
画像出典:http://www.kadoshitatosou.com/blog/cat27/

 

3.今の外壁デザイン・色を気に入っている方にオススメ!

クリア塗装
画像出典:プロタイムズ群馬高前店

クリア塗装の一番のメリットは、外壁のデザインをそのまま残して塗装することができるということです。
せっかく気に入って買った家の外壁を塗装で1色に塗りつぶしてしまいたくないという方はクリア塗装で外壁のデザインを維持することがオススメです。

性能や耐久性を心配される方もいらっしゃるかと思いますが、現在、クリア塗料もシリコンやフッ素、無機といったグレードの高いクリア塗料が存在するため、ご要望にあった性能を持つ塗料を選ぶことができます。

 

4.クリア塗料の紹介

クリア塗料にも様々な種類がありますが、基本的に塗料の価格による違いは「耐久年数」です。
同じクリア塗料でもシリコン樹脂とフッ素樹脂の塗料では耐久年数が変わり、性能が異なります。

SKシリコンクリヤーW(エスケー化研株式会社)

SK-シリコンクリヤー
画像出典:http://store.shopping.yahoo.co.jp/penki-ippai/109000839.html

SKシリコンクリヤーWの特徴は耐久性と低汚染性です。
耐用年数は10~12年が目安となっています。
従来のアクリル樹脂系やポリウレタン樹脂系の塗料に比べて耐久性が高いため、ライフサイクルコストの低減と、資産価値の向上につながります。

 

パワーアシストクリアー(水谷ペイント)

パワーアシストクリアー(水谷)

画像出典:http://www.amazon.co.jp

窯業系サイディングボード専用のクリア塗料です。
耐久性に優れたシリコン変性樹脂塗料で、パワーアシストクリアーでコーティングすることにより、サイディングボードの最大の武器である意匠性(高級感・質感)を長持ちさせます。

 

無機ハイブリッドクリヤー(アステックペイント)

無機ハイブリッドクリヤー(ASTEC)

画像出典:http://astec-japan.co.jp/products/202

光沢感が2種類から選べるサイディング用のクリヤー塗料です。
耐用年数20年以上を誇り、20年経っても光沢保持率80%を維持する超耐久性塗料です。

 

ピュアライド UVプロテクトクリヤー(日本ペイント)

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画像出典:http://blog.livedoor.jp/paintstaff/archives/cat_50037439.html?p=9

強固なシロキサン結合により幸耐候性を発揮します。
紫外線の吸収剤の働きもあり色あせを必要最小限に抑えます。
また防藻、防カビ、親水性にも優れている塗料で耐久性は10年程度となっています。

※1缶当たりの価格はあくまでも目安です。施工業者により変動することがあります。

 

5.クリア塗装の費用相場

クリア塗装は主に「下塗り」をせずに、そのままクリア塗料を塗るという工程がほとんどです。

色をつける塗装は「下塗り」→「上塗り×2回以上」が一般的です。

そのためクリア塗装は色を付ける塗装と比べると単純に塗り回数が「下塗り1回分」少ないため、その分の「塗料代」や「人件費」を抑えることが出来ます。

また、クリア塗料にも「アクリル樹脂のクリア塗料」や「ウレタン樹脂のクリア塗料」といったように塗料の種類によって価格は変わってきます。

塗料単価 (1㎡あたり)
アクリル塗料1,000~2,000円
ウレタン塗料1,500~2,500円
シリコン塗料2,000~3,500円
フッ素塗料3,000~5,000円
無機塗料3,500~5,000円

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

外壁のデザインを気に入っている方、今の家の色をそのままにしたい方にはクリア塗装をオススメします。
クリア塗装は劣化症状が出る前に行なうことがポイントです。

早めに家の状態を把握し、劣化が進んでしまう前にクリア塗装を施すことが大切です。

【デザインを残した塗装ができる】外壁塗装をクリア塗装で行うメリット