車の養生

外壁塗装の工事中、
「自宅に車を駐車できる?」
「自宅から別の場所に車を移動させるべき?」
といった疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。

「外壁塗装中も自宅に車を駐車したい」という場合、
外壁塗装工事の足場設置・洗浄・足場解体のタイミングには自宅に車を駐車できないことが多いですが、基本的に、それ以外の工事期間中は、車に養生をすることで自宅に車を駐車することができます。
ただし、車の駐車場所に足場を設置する必要がある場合、外壁塗装の工事中ずっと自宅に車を駐車することはできません。
このあたり詳しくは、下記1章で解説します。

さらにこの記事では、「車に塗料が付着している!?どうすれば?」といったトラブルの対処法などについてもご紹介しています。ぜひ、参考にしてください。

1.外壁塗装中も自宅に車を駐車したい方へ|自宅に駐車できる場合・できない場合を徹底解説!

1-1.足場設置・洗浄・足場解体のタイミングには、自宅に車を駐車できないことが多い

塗装できない

多くの場合、外壁塗装工事の
・足場設置
・洗浄(高圧洗浄)
・足場解体
のタイミングには、自宅に車を駐車できません。

自宅に車を駐車できない間、自宅に駐車している車は別の場所に移動させる必要があります。

※一般的に、車を移動させた時にかかる費用(駐車場代など)は、施主(消費者)が負担します。
※足場設置・洗浄・足場解体の作業をしている時間帯、車で外出をするのも一つの手です(基本的に、足場設置・洗浄・足場解体の作業は1日かかりません ※詳細は下記1-4「[参考]外壁塗装の流れ」を参照)。

詳しく解説すると…
下記の場合には、塗装業者から自宅に駐車している車の移動をお願いされる可能性があります。

▼足場設置・足場解体のタイミング
・足場の搬入・搬出の経路に車(駐車している車)がある場合
・車(駐車している車)が足場の設置作業・解体作業の邪魔になる場合
足場が車にあたるなどして、車を傷つけてしまう可能性があるため

▼洗浄(高圧洗浄)のタイミング
・洗浄水が飛散しやすい場所に車(駐車している車)がある場合
洗浄水が車に飛散し、車が汚れてしまう可能性があるため
※「車に洗浄水が飛散しても問題ない」という場合には、必ずしも車を移動させる必要はありません。


ただし、
・自宅と車(駐車している車)の距離が離れている
・自宅と車(駐車している車)の間に大きな塀(へい)がある
などの場合、足場が車にあたったり洗浄水が車に飛散したりするリスクは低いため、
外壁塗装工事の足場設置・洗浄・足場解体のタイミングにも、自宅に車を駐車できることもあります。

一般の方が、自宅と車との距離や塀(へい)などを見て、足場設置・洗浄・足場解体のタイミングにも自宅に車を駐車できるかどうかを自身で判断するのは難しいでしょう。
足場設置・洗浄・足場解体のタイミングにも自宅に駐車できるかどうかは、塗装業者に確認をしてみてください。

[参考]吹き付け塗装をする場合は「塗装(下塗り・中塗り・上塗り)」のタイミングにも自宅に車を駐車できない可能性大

吹き付け塗装

吹き付け塗装をする場合は、
・塗装(下塗り・中塗り・上塗り)
のタイミングにも、塗装業者から自宅に駐車している車の移動をお願いされる可能性があります。
⇒吹き付け塗装は塗料が飛散しやすく、自宅に駐車している車に塗料が付着してしまうリスクが高いため

※吹き付け塗装とは、吹き付け機械(エアレススプレー・万能ガンなど)を使って霧状にした塗料を吹き付ける塗装方法のこと。
※現在、戸建ての外壁塗装や屋根塗装で吹き付け塗装をすることは、ほとんどありません。

吹き付け塗装とは?「吹き付け塗装の外壁」を塗り替える方法を解説

 

[参考]駐車場所の洗浄を依頼する場合には、洗浄(高圧洗浄)時に自宅に車を駐車できない

駐車場 高圧洗浄

「洗浄(高圧洗浄)時に、外壁とあわせて駐車場所も洗浄してもらう」という場合には、自宅の車は移動させて、駐車場所をあけておく必要があります。

※「外壁と一緒に駐車場所も洗浄してもらいたい」という場合には、外壁塗装の契約前に塗装業者に相談をしてください。
※塗装業者によっては、駐車場所の洗浄を行なっていない場合もあります。
※場合によっては、駐車場所の洗浄に別途費用がかかることもあります。

1-2.車に養生をすることで、足場設置・洗浄・足場解体以外のタイミングには自宅に車を駐車できる

塗装できる
基本的に、外壁塗装工事の足場設置・洗浄(高圧洗浄)・足場解体以外のタイミングは、
車に養生をすることで、自宅に車を駐車することができます。

※車の養生とは、塗料や汚れ等が付着しないように自動車養生カバー等で車を覆うこと(※下記の「[参考]自動車養生カバーとは?」を参照)。
※「車の駐車場所に足場を設置する必要がある」場合は、基本的に、外壁塗装の工事中ずっと自宅に車を駐車することはできません(詳細は1-3を参照)。

◎車に養生をするタイミング
基本的には、毎日、作業前に自宅に駐車している車に養生をして、作業後に取り外します。
ただし、施主(消費者)が「しばらく車を使用しない」という場合は、作業後に取り外さずに、車に養生をしたままにすることもあります。

◎養生した車を使用したい時
「ちょっと車で出かけたい」といった場合、塗装業者に車を使いたいことを伝えれば、すぐに車の養生を取り外してもらえます。
※車の養生を取り外すのは簡単なため、施主が自身で対応することも可能です。一方で、車に養生をするのは手間がかかるため、塗装業者に対応してもらうのがおすすめです。

[参考]自動車養生カバーとは?

「自動車養生カバー」とは、車専用の養生カバーのことです。
一般的に、車の養生には、この自動車養生カバーを使います。


自動車養生カバー

自動車養生カバーには、「ビニール」と「不織布」があり、車の養生方法は下記の3パターンあります。
〇「不織布」だけで養生をする
〇「ビニール」だけで養生をする
〇「不織布+ビニール」で二重に養生をする

「不織布」だけで車を養生すると、不織布を貫通して車に塗料や汚れ(洗浄水)が付着してしまうことがあります。
また、「ビニール」だけで養生をすると、ビニールが直接車にあたり、車に傷がついてしまうことがあります。
そのため、「上記のリスクを避けたい」という場合には、「不織布+ビニール」で二重に養生をしてもらうのがオススメです。

1-3.車の駐車場所に足場を設置する必要がある場合、外壁塗装中ずっと自宅に車を駐車できない

足場 駐車場

多くの場合、外壁塗装工事の足場設置・洗浄(高圧洗浄)・足場解体以外のタイミングには、車に養生をすることで、自宅に車を駐車することができますが、
・車の駐車場所に足場を設置する必要がある場合
には、外壁塗装の工事中ずっと(※)自宅に車を駐車することはできません。
※足場設置~足場解体までの期間

自宅に車を駐車できない間、自宅に駐車している車は別の場所に移動させる必要があります。
※一般的に、車を移動させた時にかかる費用(駐車場代など)は、施主(消費者)が負担します。

1-4.外壁塗装の工事をしていない時間帯は、自宅に車を駐車できる

・外壁塗装の工事をしていない時間帯(作業が終わってから作業がはじまるまでの間)
・外壁塗装の工事が休みの日(*)
は、自宅に車を駐車していても、何らリスクはないため、問題なく自宅に車を駐車できます。

多くの場合、日曜日は外壁塗装工事が休みとなります(※休みの日のアリ/ナシや、休みの曜日等は塗装業者によって異なります)。
強風・降雨・降雪などの日には、外壁塗装工事が休み(中止)となることがあります。


「車で仕事に出かけるため、外壁塗装の工事をしている時間帯は自宅に車がない状態となる」といった場合は、特に、自宅から別の場所に車を移動させることを考える必要はないかもしれません。

※「車の駐車場所に足場を設置する必要がある」場合は、工事をしていない時間帯も含めて外壁塗装の工事中ずっと、自宅に車を駐車することはできません(※1-3を参照)。

雨の日に外壁塗装はできる?外壁塗装工事の雨の影響について

 

[参考]外壁塗装の流れ

外壁塗装の流れ各工事にかかる日数の目安
▽近隣挨拶1日 ※1~2時間ほど
▽現場確認1日 ※1時間ほど
【外壁塗装の工事スタート】
▼足場設置1日 ※3~5時間
▼洗浄(高圧洗浄)1日 ※半日~1日
▼下地調整(下地処理)1日
▼養生1日
▼塗装(下塗り)2~3日
▼塗装(中塗り・上塗り)
▼完了検査1日 ※1時間ほど
▼足場解体1日 ※3~4時間
工事完了&引き渡し

外壁に生じている劣化症状・劣化の進行具合などによっては、外壁塗装の流れ(順番)や各工事にかかる日数や時間の目安が、上記と異なる場合もあります。

外壁塗装の流れまとめ|外壁塗装の全工程&期間がまるわかり

 

[補足]自宅にカーポートを設置している方へ|カーポートの屋根の取り外しが必要な場合も

カーポートの屋根が足場の邪魔になる場合、足場設置時にカーポートの屋根を取り外す必要があります。
※自宅とカーポートの距離が近いと、カーポートの屋根が足場の邪魔になる場合があります。


・劣化したカーポートの屋根
・アクリル板のカーポートの屋根(劣化の有無にかかわらず)
は、一度取り外すと再び取り付けることができないため、足場解体後、新しいカーポート屋根を取り付けることになります。

※カーポート屋根の取り外し・取り付けにかかる費用、新しいカーポートの屋根の費用は、施主(消費者)負担となります。

 

2.「外壁塗装中、自宅に車を駐車しておくのが心配」という場合は、別の場所に移動させるのがオススメ


多くの塗装業者は、
・車に養生をする(※1-2)
・少しでもリスクがある場合には車の移動をお願いする(※1-1)
など、万全の対策をして十分に気をつけて外壁塗装工事を進めます。

そのため、外壁塗装の工事中は、「基本的には、車に養生をしてもらって自宅に駐車をする」「塗装業者に移動をお願いされた時(足場設置・洗浄・足場解体 等)にのみ、車を移動させる」といった対応で全く問題ありません。
※車の駐車場所に足場を設置する必要がある場合(※1-3)を除く

とはいえ、なかには、
「何かの間違いで、車に塗料や汚れ等が付着したり車に傷がついたりしないか心配」
という方もいるでしょう。
こうした心配のある方は、外壁塗装の工事期間中、車は自宅に駐車せず、別の場所に移動させるのが安心です。

車を移動させておけば、車に塗料や汚れ等が付着する・車に傷がつくなどのリスクは全くないため、より安心であることは間違いありません。

また、「車の移動が必要かどうかを考えるのが面倒」「足場設置・洗浄・足場解体などのタイミングに合わせて車を移動させるのは、わずらわしい」といった方も、外壁塗装の工事期間中は、別の場所へ車を移動させておくと良いでしょう。

※一般的に、車を移動させた時にかかる費用(駐車場代など)は、施主(消費者)が負担します。

外壁塗装 吹き付け工法のメリット・デメリットと選択する3つの基準

 

3.近隣の方にも車の移動や養生をお願いすることも

自宅と“隣近所の駐車場”が近く、近隣の方の車にも洗浄水や塗料が飛散してしまうリスクがある場合、
近隣の方にも、「車の養生」や「車の移動」をお願いする必要があります。

塗装業者が近隣の方に「車の養生」や「車の移動」の説明やお願いをする際には、施主(消費者)も一緒に行くことをオススメします。
基本的に塗装業者が対応してくれますが、できれば施主(消費者)も一緒に説明やお願いに行きましょう。施主も一緒に行った方が、近隣の方の心証が良いことは間違いありません。
※近隣の方への「車の養生」や「車の移動」の説明やお願いは、基本的に近隣挨拶時に行ないます。

【挨拶文雛形つき】ご近所トラブルを回避!外壁塗装の挨拶Q&A集

 

4.【よくあるトラブル事例】塗料が車に付着している!?どう対処すればいいの?

外壁塗装工事中の車に関するよくあるトラブルは、
・車に塗料が付着していた
・車に汚れが付着していた ※塗装業者がつけたと思われる汚れ
・車に傷がついていた ※塗装業者がつけたと思われる傷
というものです。

こうしたトラブルにどう対処すればいいのか、賢い対処法をご紹介します。

▼対処法
塗料や汚れの付着、傷などに気づいた時には、すぐに塗装業者に相談をして一緒に車を確認してください。
塗装業者がつけた塗料や汚れ、傷であれば、塗装業者が責任をもって対応してくれるはずです。


※特に汚れや傷などは、時間が経過するにつれ、本当に塗装業者がつけたものなのか責任の所在が曖昧になりやすいため、気づいた時点で早々に塗装業者に相談をすることが重要です。

※塗装業者の多くは、万が一のトラブルに備えて「賠償責任保険」に加入しています。塗装業者が賠償責任保険に加入している場合は、車の修理費等(車に塗料や傷がつくなどした時にかかる修理費等)は賠償責任保険で補償してもらえます。塗装業者が賠償責任保険に加入していない場合は、車の修理費等は塗装業者が負担するのが一般的です。

「明らかに塗装業者がつけた塗料 or 傷なのに、取り合ってもらえない」
「塗装業者と連絡がつかなくなってしまった」
など、困った状況に陥ってしまった場合は、下記の「専門の相談窓口」に相談をしてみるのも一つの手です。何か解決の糸口が見つかるかもしれません。

[参考]専門の相談窓口

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル」
国土交通大臣から指定を受けた住宅専門の相談窓口

消費生活センター
消費生活全般に関する苦情や相談の窓口

 

絶対知っておきたい!外壁塗装でよく起こるトラブル事例

まとめ

「外壁塗装中も自宅に車を駐車したい」という場合、足場設置・洗浄・足場解体のタイミングには自宅に車を駐車できないことが多いですが、基本的に、それ以外のタイミングには車に養生をすることで、自宅に車を駐車することができます。
ただし、車の駐車場所に足場を設置する必要がある場合、外壁塗装の工事中ずっと自宅に車を駐車することはできません。

「外壁塗装中、自宅に車を駐車しておくのは心配」という場合は、別の場所に移動させておくことをオススメします。