外壁塗装をしたいと考えている方は、塗装業者から見積もりや工事の説明の際に「養生(ようじょう)」という言葉を聞かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?養生とは、外壁塗装を行う際に「塗装する箇所以外に塗料が付着しないようにビニール等でカバーすること」です。養生をきちんと行うことで、「塗料が隣のお家の車に飛んでしまった!」という、近隣トラブルも未然に防ぐことができます。この記事では、「養生」とはどんなものなのか、適正な費用や、養生が必要な箇所、養生中も快適に過ごすポイントについてご紹介していきます。
1.外壁塗装の養生(ようじょう)とは
塗料は液体ですので塗装する際に周りに飛散します。飛散防止ネットで建物全体を覆い、窓枠や樋などの塗料の付着・飛散が予測できる箇所はブルーシートやビニールなどを使って全て覆います。養生は全体の作業終了時に全て撤去するため後に残ることはありませんが、この養生の作業の出来が塗装の出来を左右するといっても過言ではありません。養生を丁寧に行わず、養生テープの貼り方が適当であると、養生を外した際にテープと塗装した箇所の境目が歪んでしまい、見栄えが悪い仕上がりになってしまうことがあるからです。施工する外壁と養生部分の境界部を丁寧に養生することで、境目が真っ直ぐに美しい仕上がりになります。
2.養生の費用は施工箇所の大きさによって決まる!
塗装工事は、「塗料代金」「足場代金」「施工費」で構成されています。養生は、外壁塗装の施工費に含まれている場合が多いです。養生費用を“無料”と謳う業者もいますが、実際には費用は発生しています。養生の相場価格は、1㎡あたり250円~400円です。業者によって見積書の表記内容は異なりますが、養生は外壁塗装をするうえで必要な工程ですので、塗装工事には必ず施工箇所の大きさに応じた養生費用が発生します。
3.養生が必要な箇所とその期間を徹底解説!
3-1.外壁塗装において養生が必要な箇所
業者は塗料の付着、飛散が予測できる範囲はすべて養生します。養生には、敷地外の舗装等へ塗料の飛散を防ぐ役割もあるのです。
①付帯物、小物(郵便受け、表札など)など
郵便受けや樋といった付帯物や小物などの細かな部分もビニールやテープでしっかり養生します。郵便受けは、養生が必要な場合と必要でない場合があります。郵便受けの周辺で塗装をする場合に必須ですが、郵便受けの開閉する部分は使用できるように養生してもらうことができます。
②玄関周り
床はノンスリップシート(ノンスリップシートとは、水に濡れやすい場所などによく使われているシート状の床材のこと)等を使用し、人が歩く際に引っかかったり滑ったりしないように養生します。また、ドアや窓は開閉できるように養生します。
③室外機・給湯器など
室外機、給湯器などの設備の給気口は、塞ぎません。給気口を塞がない専用のカバーやメッシュカバーで室外機等を覆うことで、通常どおりエアコンを使用することができます。外壁塗装中に設備を使用する前に室外の設備の給気口が塞がれていないか、使用しても問題ないか、事前に業者に確認しましょう。
④車
外壁塗装中、塗料の付着を防ぐために車も養生します。そのための車専用の養生カバーがあります。車やバイクを1台まるごと養生することができるカバーです。車専用の養生カバーは簡単に取り外しが可能ですので、外出する際は養生カバーを外すだけで車を利用することができます。
⑤植物、花壇
植物や花壇も養生することができます。皆さんが大切に手入れされている植物たちを折ったり枯らしたりしないように、業者には細心の注意を払ってもらえるよう、事前に依頼しておきましょう。
3-2.養生は「下地処理後から足場解体まで」必須!
塗装中、下地処理後から足場解体まで養生は必須です。塗料を塗ったら養生が必要なくなるということではありません。塗料がきちんと乾燥するまで、養生は必要です。一般的な外壁塗装は約2週間かかり、工事スケジュールは以下のようになります。養生な必要な期間も以下のとおりです。
工事日 | 工程 | 養生 |
1日目 | 足場組立 | × |
2日目 | 高圧洗浄 | × |
3~4日目 | 乾燥 | × |
5~6日目 | 下地処理、調整 | × |
7日目 | 養生 | ◯ |
8~ 11日目 | 下塗り | ◯ |
中塗り | ◯ | |
上塗り | ◯ | |
12日目 | 養生取り | ◯ |
13日目 | 足場の解体 | × |
14日目 | 清掃 | × |
養生は下地処理の後に行います。全ての塗装が終了し乾燥後、養生を取ります。外壁塗装の詳しい工程はこちらの記事をご覧ください。
4.養生中も快適に過ごすために知っておきたいこと
4-1.開閉したい窓やドアは事前に伝えておくべし
養生が必要な作業であっても、室内では快適に過ごしたいですよね。特にキッチンや浴室の窓など、できるだけ窓を開けたい箇所は、あらかじめ業者の人に伝え、毎日作業後に養生を外してもらうことが可能です。また、工事を行っていない夜中などは、基本的に窓を開けることが可能です。
4-2.養生中もエアコンや換気扇は使用できる
外壁塗装中に窓を開けられない期間はエアコンや換気扇の使用が必要になる場合があります。特に夏や冬は室内の温度調整のためにもエアコンを使用する確率は高いでしょう。2-1でも述べたように、メッシュカバー等で設備を覆うことで、外壁塗装中もエアコンや給湯器を使用できます。より快適に過ごすためにも、エアコンや換気扇を使用したい旨を事前に業者に伝えておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?外壁塗装で養生は必ず必要です(1章)。養生の費用は施工箇所の大きさに応じて発生します(2章)。外壁塗装をされる場合は、養生が必要な箇所(3章)、快適に過ごす方法(4章)を参考に、少しでもストレスなく過ごしていただければと思います。