塗料 希釈

塗料の希釈とは、水やシンナーなどの希釈剤を混ぜて塗料を薄めることです。

この記事では、
・塗料を希釈する場合・希釈しない場合
・適正な希釈量
・塗料に混ぜる希釈剤
などの“外壁塗装の塗料の希釈”に関する様々な情報を、プロがわかりやすく解説します。

さらに、外壁塗装をするにあたり、
・塗料の希釈についても気にすべきか
・塗装会社が塗料の希釈についてきちんと対応してくれるか不安な場合の対処法
などの内容にまで踏み込んでお伝えします。

外壁塗装の塗料の希釈について疑問・不安に思うことがある方は、ぜひ参考にしてください。

1.“外壁塗装の塗料の希釈”についてプロが解説!

1-1.塗料の希釈とは?

塗料の希釈とは、水やシンナーなどの希釈剤を混ぜて塗料を薄める(塗料の粘度を下げる)ことです。

[参考]塗料の希釈方法

塗料缶の中で撹拌している希釈した塗料

塗料の希釈は、外壁塗装の現場で行ないます。

現場で塗料缶を開けた後、塗料が均一な状態になるまで電動撹拌機で撹拌します。
その後、水・シンナーなどの希釈剤を混ぜ、電動撹拌機で撹拌し、塗料を希釈します。

 


外壁塗装の塗料は、必ず希釈するわけではありません。
希釈する場合と、希釈しない場合があります。
※このあたり詳しくは、下記1-2で解説します。

1-2.希釈量は塗料製品によって異なる?

“外壁塗装の塗料の希釈量(どのくらい希釈するか)”は、塗料製品によって異なります。
塗料製品ごとに“希釈量”が明確に規定されており、基本的に、この希釈量を守って希釈をします。

具体例を挙げて解説すると…
“希釈量 5%”と規定されている塗料製品は、5%の希釈剤を混ぜて塗料を希釈します。
なかには、“希釈量 0(無希釈、-、希釈不可 等)”と規定されている塗料製品もあります。この場合、希釈はしません(希釈してはいけません)。

超低汚染リファイン1000Si-IRの希釈情報

超低汚染リファイン1000Si-IR

スーパーシャネツサーモSiの希釈情報

スーパーシャネツサーモSi

※各塗料製品の「希釈量」は、各塗料メーカーのホームページやパンフレット等で確認できます。

多くの塗料製品の希釈量は、幅のある設計になっています(※上記の製品データを参照)。

希釈量に幅のある場合は(「0~数%」「0~数ℓ」等)、その日の気候(気温・湿度等)や使用する道具等も踏まえて、
・希釈するか、希釈しないか ※規定の希釈量に0が含まれる場合は「希釈をしない」ことも
・[希釈する場合]どのくらい希釈するか(希釈量)
を、塗装職人が現場で判断します。

ちなみに、吹き付け塗装をする場合(エアレス等で塗装する場合)には、希釈をするケースがほとんどです。

外壁に吹き付け塗装している様子

希釈をする場合に塗料に混ぜる希釈剤は、基本的に、塗料の種類によって異なります。

塗料の種類希釈剤
水性塗料⇒水(清水 ※水道水のこと)
強溶剤系塗料⇒ラッカーシンナー
弱溶剤系塗料⇒塗料用シンナー(ペイントうすめ液)

※強溶剤系塗料・弱溶剤系塗料の各塗料製品には、それぞれ規定の希釈剤製品があります。

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1-3.外壁塗装で塗料の希釈量・希釈剤を守ることは超重要

外壁塗装時には、塗料製品ごとに規定された希釈量を遵守することが非常に重要です。

仮に、
「希釈してはいけない塗料なのに、希釈をしてしまった」
「塗料メーカーの定める規定量以上に希釈をしてしまった」
など、(塗料製品ごとに)規定された希釈量を守らなかった場合、下記のような“外壁塗装の品質に関する問題”が生じる可能性があります。

・外壁塗装後すぐに不具合が生じる(塗膜のひび割れ・塗膜のはがれ・塗膜の膨れ など)
・外壁塗装の寿命が短くなる(本来の期待されるはずの耐候年数よりも早く、外壁塗装がダメになる)
・塗料の機能が十分に発揮されない(機能例:防水性、防サビ性、防藻・防カビ性 など)
・見た目がキレイに仕上がらない

塗料に合わせて希釈剤を選ぶことも非常に重要です。
とはいえ、塗料に合わない希釈剤を選ぶ塗装会社はまず存在しません。
もしも塗料に合わない希釈剤を選べば(水性塗料に塗料用シンナーを混ぜる 等)、塗料に粘度異常が生じる・塗装後に硬化しない(硬化不良が生じる)など、まず間違いなく何らかの問題が起こります。

2.外壁塗装時に塗料の希釈を気にすべき?施主にできることはある?

2-1.塗料の希釈については、基本的に塗装会社にお任せで問題ない

塗装会社にお任せください

外壁塗装時の塗料の希釈については、基本的に塗装会社にお任せで問題ありません。
多くの塗装会社は、外壁塗装時に塗料を希釈する・希釈しないを正しく判断し、希釈が必要な場合には、適正な希釈剤で規定された希釈量を守って希釈します。

ただし、下記のような対応をする心ない塗装会社や知識不足の塗装会社も存在しないわけではありません。
・あえて希釈量を増やして(規定以上に希釈剤を混ぜて)かさ増しすることで、使用する塗料の量の減らし、不当に利益を得ようとする
・外壁塗装の品質よりも作業性を重視して、あえて希釈量を増やして(規定以上に希釈剤を混ぜて)必要以上に粘度を下げようとする
・いい加減に塗料の希釈をする

そのため、大前提として、外壁塗装を依頼する際には、上記のような対応をしない信頼できる塗装会社を選ぶことが重要です。

塗装会社を選ぶ段階で、上記のような対応をしない塗装会社どうかを見極めるのは難しいところもありますが…
塗装会社に塗料の希釈についてずばり質問してみることで、見えてくることも多々あるはずです。
塗装会社の口コミ・評判などを調べてみるのも良いでしょう。

まずは、信頼できる塗装会社を選ぶところからはじめるのもオススメです。
信頼できる塗装会社であれば、まず間違いなく、外壁塗装時の塗料の希釈についてもきちんと対応してくれるはずです。

プロが教える良い塗装業者の見極め方|必須チェックリスト8選

[信頼できる塗装業者を探している方へ]外壁塗装の評判を調べる方法

2-2.不安がある場合は、塗装会社に直接確認してみるのが有効

施主が塗装会社の担当者に直接確認している

「依頼した塗装会社が、塗料の希釈についてきちんと対応してくれるか不安」
といった場合には、塗料の希釈について、外壁塗装の工事前に塗装会社に直接確認してみるのが有効です。

具体的には…
「希釈するか希釈しないか、その理由」
「使用する希釈剤」
などを塗装会社に直接確認することで、塗料の希釈についてきちんと対応してくれるかどうか垣間見えることもあるはずです。
そして、あれこれ直接確認してみた結果、気がかりに思うことがあれば、そのことも塗装会社に伝えると良いでしょう。

あれこれ直接確認するのは大変…といった場合には、「塗料の希釈についても、間違いなくお願いします」と塗装会社に伝えるだけでも効果はあります。
というのも、塗料の希釈について気にしている姿勢を見せることが、良い意味で塗装会社のプレッシャーになるためです。
塗料の希釈について気にしている施主(消費者)を前に、2-1でお伝えしたような杜撰(ずさん)な塗料の希釈をしようとは、まず思わないはずです。

まとめ

水やシンナーなどの希釈剤を混ぜて塗料を薄めることを、“塗料の希釈”と言います。

外壁塗装の塗料は、希釈する場合・希釈しない場合があります。
塗料の希釈量(どのくらい希釈するか)は、塗料製品によって異なります。
このあたり詳しくは、1章で解説しています。

専門性の高い塗料の希釈については、基本的に、塗装会社にお任せで問題ありません。
ただし、一部、塗料の希釈について心ない対応をする塗装会社がいるため、大前提として信頼できる塗装会社を選んで依頼することが重要となります。

上記2-2では、
・塗装会社が塗料の希釈についてきちんと対応してくれるか不安な場合の対処法
についても踏み込んでご紹介しています。あわせて、ぜひ、参考にしてください。