サイディング外壁の「塗装」を検討する上で、「業者選び」「塗料選び」「色選び」など、多くのことを検討する必要がありますが、その中でも「費用」について気になる方は多いのではないでしょうか?
「費用はどのくらいかかるの?」「費用の細かい内訳は?」なんてお悩みをお持ちの方も多いかと思います。そのような情報は、塗装を行う前にぜひ理解しておきたいことでもあります。
そこで、今回の記事ではサイディング外壁塗装について、費用相場や費用の内訳などを解説します。サイディング外壁塗装をご検討中の方はぜひ参考にしてください。
1.サイディング外壁の塗装にかかる費用相場
サイディング外壁の塗装を行う場合、業者への依頼とDIY(自分で塗装)する、という二つの方法があります。費用相場としては、
業者への依頼する場合が70万円~
DIYを行う場合が30万円~
必要です。それでは、業者への依頼の場合とDIYの場合の費用を内訳を詳しく見ていきます。
1-1.業者に依頼した場合の費用相場
一般的な2階建て戸建住宅(塗り面積200㎡相当)を塗装する場合、70万円~の費用が必要となる、と言われています(あくまで目安の金額)。そして、塗装費用は具体的に次の項目により決定します。
塗料代+工事費用(足場代+養生費+雑費など)+人件費
それでは、各要素でどのくらいの費用が必要になるか見ていきましょう。
【塗料代の相場】
塗料は使用する塗料の種類によって、価格帯が大きく異なってきます。塗料の種類とは、シリコン塗料やフッ素塗料、ウレタン塗料などのことです。下記にそれぞれの塗料の費用と期待耐用年数を記載します。
塗料 | 耐用年数 | 費用 ※1缶あたり | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
アクリル ・ウレタン | 約3~7年 | 5,000~20,000円 | コストを抑えながら定期的に塗り替えができる。 | 耐候性が低い。長期的なコストパフォーマンスが悪い。 |
シリコン | 約7~10年 | 15,000~40,000円 | 価格と性能のバランスが良い。近年では様々な機能が付加されたものがある。 | 高耐候塗料に比べると耐用年数が低く、建物保護の観点では不十分な場合も。 |
ピュアアクリル | 約15年~ | 50,000~70,000円 | 建物の動きに追随し、水の浸入を防ぐ「防水性」に優れている。 | コストが高め。 |
フッ素・無機 | 約15年~ | 40,000~100,000円 | 最高レベルの耐候性を有する。長期的なコストパフォーマンスに優れる。 | コストが高め。 塗膜が硬く、ひび割れしやすい。 |
光触媒 | 約15年~ | 50,000~100,000円 | 太陽光と雨の力で汚れを落とすセルフクリーニング効果に優れている。 | コストが高めになる。 光の当たりにくい箇所には効果が現れにくい。 |
※費用はあくまで目安です。塗料メーカーや製品・色によっても価格は異なります。
塗料選びにおいて注意しておきたいのが、耐用年数と塗り替え回数の関係です。安さを重視して塗料を選ぶとその分、耐用年数も短いため、塗り替え回数が多くなり、その分費用もかかってしまいます。一方で、耐用年数の高い塗料を選ぶと一回あたりの費用は高くなりますが、塗り替え回数も少ないため、長期的に見て費用を抑えることができます。
【工事単価の相場】
工事の内容ごとに金額が細かく設定されています。
工事項目 | 相場価格 | |
---|---|---|
足場 | 600~800円/㎡ | |
飛散防止ネット | 100~200円/㎡ | |
高圧洗浄 | 100~300円/㎡ | |
養生 | 250~400円/㎡ | |
付帯塗装工事 | 軒天 | 800~1,200円/㎡ |
雨樋 | 800~1,200円/m | |
破風板 | 650~1200円/㎡ | |
雨戸 | 2,000~5,000円/枚 | |
シーリング打ち替え | 900~1,500円/m | |
シーリング増し打ち | 500~1,000円/m | |
諸経費 | 現場管理費 | 1式 30,000~50,000円 |
廃材処理費等 | 1式 10,000~30,000円 |
※価格は目安です。業者や工事箇所の状態によっても変わります。
【人件費の相場】
人件費=塗装職人にかかる経費です。人件費は、塗装費用の30~40%が目安と言われていますので、人件費が全体の50%以上を占めているなど、極端に高い見積もりの場合、注意が必要です。逆に安すぎる場合も、経験の浅い職人を使うなどして人件費を下げている可能性も考えられますので要注意です。
1-2.DIYの場合の費用相場
費用を安く抑えたい、自分の思い通りに塗り替えがしたい、という方の間でDIYが流行しています。DIYでの費用ですが、一般的な2階建て戸建住宅(塗り面積200㎡相当)を塗装する場合、30万円~程度が必要です。(あくまで目安の金額)そして、塗装費用は具体的に次の項目により決定します。
足場代+材料費(ローラー、塗料、副資材など)
それでは、各要素でどのくらいの金額が必要となるのか、見ていきましょう。
【足場代】
足場代は約10万円後半が目安です。
「DIYで足場?脚立じゃだめなの?」とお思いの方もいるかもしれませんが、DIYでも必ず足場を設置する必要があります。安全に塗装できる環境を作るためです。足場は、足場設置業者など、足場設置の専門店に設置依頼(レンタル)をしてください。ホームセンターで足場を購入して自分で設置することも可能ではありますが、経験の少ない人が無理に設置しようとすると、危険ですし、壁に傷を付ける危険性もあります。さらに使用後の保管が問題になりますのでおすすめできません。足場は必ず設置依頼してください。
【材料代】
塗料・補修材や各種道具などの購入で20万円前半~40万円くらいが相場です。下記に購入するものとおよその費用目安を記載しますので参考にしてください。
品名 | 備考 | 目安の価格 |
---|---|---|
塗料(ペンキ) | 下塗材 | 30,000~50,000円前後 |
上塗材(中塗材) | 100,000円~150,000円前後 | |
足場設置 | 平均的な2階戸建ての場合 | 100,000円前後 |
マスカー | 幅2800mm、巻き長さ25m | 25,000円前後 |
シーリング材 コーキング材 | 容量300ml以内 | 1,000円以内 |
刷毛 | 1本につき | 1,000以下~4,000円程度 |
ローラー | 1本につき | 1,000以下~4,000円程度 |
ヘルメット | 5,000~10,000円程度 | |
安全帯 | 8,000~15,000円程度 |
これらの物品はすべてホームセンターで購入可能です。どんな塗料が良いのか気になる方は、ホームセンターの担当の方や地元の塗装店に聞いてみると良いでしょう。いろいろと教えてくれますし、何より安心です。
【補足情報】下塗材・上塗材(中塗材)とは?
材料代の一覧表で記載している、「下塗材・中塗材・上塗材」とは、それぞれどんな塗料なのでしょうか?その役割を説明します。
下塗材の役割は大きく3つあります。1つ目は、既存の外壁と新しい上塗材との密着性を高めるためのボンドのような役割。2つ目は外壁下地の劣化による塗料の吸い込みを止める役割。3つ目は、既存の外壁の色を消して新しく塗る上塗材の色を出やすくする役割です。
上塗材(中塗材)とは、下塗材を塗布した後に塗る仕上げ塗料のことです。この上塗材(中塗材)で外壁に色をつけます。色褪せた家の外壁を美しく蘇らせる、紫外線などの劣化要因に対して、強い耐性を発揮する、耐候性を高める、という役割があります。
塗装業者に塗装を依頼する場合、DIYで塗料を購入する場合、どちらの場合であってもこの下塗材と上塗材が必要となってきます。
外壁塗装の工程について詳しく知りたい方は「外壁塗装の工程を詳しく解説」の記事を参考にしてください。
1-3.DIYはおすすめできない?
業者へ依頼する場合と、DIYの場合の費用の違いをお伝えしましたが、この2つは、費用以外にも多くの違いがあります。例えば、「仕上がり」の面です。業者に依頼した場合、塗料の塗りムラや透けの心配が少なく、安定した綺麗な仕上がりになりますが、DIYの場合、技術が不足していることにより、そのような塗りムラ・透けのリスクが一気に高まり、綺麗に仕上がらない心配が出てきます。
また、塗料はその性能を十分に発揮するためにしっかりと厚さを付ける必要がありますが、DIYの場合、その厚さが薄くなったり、厚すぎることで均一できない、ということもよくあります。その場合、塗った直後は綺麗な仕上がりになったとしても1年もしないうちに塗膜が剥がれだした、目地がボロボロになってしまった、などの不具合もおきかねません。
たしかに、DIYは安価で自分の思い通りに仕上げることができる、というメリットもありますが、仕上がりの面や劣化症状が早期に出る危険がある、ということを考えるとあまりおすすめはできません。
■業者に依頼した場合とDIYの比較
施工方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
業者への依頼 | ・プロが施工するため、DIYに比べきれいな仕上りになる | ・DIYに比べ、高価になってしまう |
DIYで補修 | ・業者に依頼するのに比べ、安価で仕上げることができる | ・キレイに仕上げるのが難しい ・十分な安全対策(ヘルメットの未装着など)を行なわないと危険 ・不慣れなため工期がかかる |
「費用を考慮してDIYをしたい」「DIYの方法について詳しく知りたい」という方は下記の記事をご覧下さい。
誰でも気軽にDIY外壁塗装。やり方と気になる費用感
2.なぜサイディング外壁の塗装を行う必要があるの?
2-1.塗装の目的と役割
新築住宅に使用される新品のサイディングボードは、表面に塗装を行い防水性を高めてあります。しかし、その塗装表面は紫外線や雨などの自然環境に長期間晒され続けることによって、経年とともに劣化し、防水性が低下していきます。防水性が低下するとサイディングに水が浸透し、サイディングに反りのような症状が発生します。そのようなサイディング外壁の劣化を防ぐために塗装が必要なのです。
2-2.こんな劣化があればメンテナンスするべし
それでは、窯業系サイディング・金属系サイディング外壁にどんな劣化症状が見られる場合に塗装を行うのでしょうか。具体的な劣化症状例を上げていきますので、ご自宅のサイディング外壁をチェックしてみてください。
①色あせしている | ②チョーキングが 発生している | ③塗膜の剥がれがある |
---|---|---|
外壁の色がが薄くなっていたり白くぼけて見える現象。 | 壁を触ると手に粉がつく現象。防水性が低下しているサイン。 | 前回塗装した塗膜が剥がれていく現象。 |
④カビや藻が発生している | ⑤サイディング自体が ひび割れている | ⑥サビが発生している ※金属サイディングの場合 |
外壁の撥水性の低下が引き起こす現象。 | 建物の動きにより発生する。放置するとヒビ割れから水が浸入するきっかけになる。 | 金属系サイディングの塗膜が剥がれたり薄くなっている箇所に発生する現象。 |
いかがでしょうか?普段ご自宅の外壁をじっくりと見る機会は少ないかと思いますが、注視すると、劣化現象が起きている、ということもよくあります。気づいたら劣化がかなり進行していた、という事態に陥らないためにも定期的に、例えば1年に1度はサイディング外壁の周りをチェックしてみてください。
2-3.劣化症状を放置するとどうなるの?
上記でお伝えしたようなサイディングボードの劣化症状を放置し続けると、建物内部に水が浸入し、雨漏れを起こすだけではなく、建物を構成している骨組みとなる木材が腐食してしまいます。建物内部が腐食すると、塗り替え以上に大規模な改修が必要となり、その分改修コストが高くなる事態に陥ってしまいますので、定期的に塗装メンテナンスすることが重要です。
雨水の浸入により腐食した構造体
3.サイディング塗装におすすめの塗料紹介
サイディング外壁には、どんな塗料を使えば良いのでしょうか。例えば、高い耐候性で長期間長持ちする「高耐候性」や建物内への水の浸入を防ぐ「防水性」、汚れやカビの付着を防ぐ「防汚性」など様々な機能が求められます。また、そのような機能性よりも金額面を重視して低価格で機能の優れた塗料が良い、という方もいらっしゃるかと思います。
そこで、第3章では用途別におすすめのサイディング外壁用の塗料をご紹介しますので、ぜひ塗料選びの参考にしてください。
3-1.コストを抑えて塗り替えたい方向けの「シリコン塗料」
コストを抑えて塗装をしたい方には、「シリコン塗料」をおすすめします。無機塗料やフッ素塗料のような高耐候性を持つ塗料と比較すると、安価でかつ、耐候性も10年程保つ塗料であるため、コストパフォーマンスに優れた塗料であると言えます。
●おすすめシリコン塗料 「エスケープレミアムシリコン(エスケー化研株式会社)」
画像出典:http://www.s-housing.jp/archives/85730
エスケープレミアムシリコンは、エスケー化研株式会社が販売しているシリコン塗料で、従来のシリコン塗料の耐候性を凌ぐ約15年の耐用年数を誇る塗料です。耐候性、コストパフォーマンス、低汚染性、艶のある美しい仕上がりなど、様々な面で優れている、高機能シリコン塗料です。
3-2.建物内への水の浸入を防ぐ「防水塗料」
外壁のシーリング目地部は温度変化、車や地震などによる揺れの影響を受けやすい部位です。揺れやすい=動きが大きく切れやすくなるため、建物内への水の浸入が起こりやすい部位なのです。そのため、動きに追随する伸縮性を持った防水塗料を使用することをおすすめします。
●おすすめ防水塗料 「EC-5000PCM(株式会社アステックペイント)」
EC-5000PCMの特徴は約600%の伸縮率を有する点にあります。その伸縮率により、建物の動きに追随し、建物内への水の浸入を防ぐことができます。
3-3.模様を残したまま塗り替える「クリヤー塗料」
お気に入りのサイディングの模様を残したい!という方にオススメの塗料がクリヤー塗料です。クリヤーと、名の付くように、透明な仕上りになるのが特徴で、元のサイディング模様を塗りつぶすことなく仕上げることができます。
クリヤー塗装について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
外壁をクリア塗装する前に知っておきたい基礎知識
●おすすめクリヤー塗料 「スーパーSDクリヤーF-JY(アステックペイント)」
意匠性の高いサイディング外壁のデザインをそのまま残すことができる外壁用クリヤー塗料。従来のフッ素塗料を凌ぐ耐候性と低汚染性を有します。。
3-4.汚れやカビの定着を防ぐ「低汚染塗料」
「汚れやカビ・藻が外壁に付着するのはなんとしても避けたい」とお考えの方は多いのではないでしょうか?そんな方におすすめなのが、外壁に汚れがつきにくい「低汚染塗料」です。長期間、外壁を綺麗に保ちたい、白い外壁にするから汚れがつきにくい塗料が良い、という方におすすめの塗料です。
●おすすめ低汚染塗料 「水性セラタイトSi(エスケー化研株式会社)」
画像出典:http://item.rakuten.co.jp/kenzai-marche/002-007/
水性セラタイトSiは、塗膜表面に汚れが付着しにくい、超低汚染性、防カビ・防藻性を有する超低汚染塗料です。水性のため、人体や環境に優しく安全に使用できる塗料です。
【塗料選びのポイント】
塗料選びの際に重要になるのは、「何を重視して塗り替えするのか」という点です。
【コスト面】 コストを重視して、安価な塗料で塗り替える、長期的に見て塗り替え回数を少なくするために、長持ちする高耐候塗料で塗り替える
【仕上がり面】 高級感のある仕上がりになるのを重視して多彩模様塗料で塗り替える、今のサイディング模様を残したいからクリヤー塗料が良い
【機能面】 カビや汚れがつきやすいから汚れにくい塗料で塗り替える
など「何を重視して」塗料を選ぶか、という点が重要です。塗料選びの際には、自分が重視する点をしっかりと押さえておきましょう。
4.塗装にかかる費用を抑える方法
4-1.情報収集は念入りに行う
いざサイディング外壁の塗装をしたいと思い立ったら、まずチラシ・新聞広告などをこまめにチェックすることを始めましょう。例えば、チラシなどを見て「キャンペーン」の情報をキャッチすれば、その分安価にできます。また、できれだけ多くのチラシをストックすることで、複数の業者の価格を比較し、どこの業者に依頼しようか、という判断材料にもなります。
まずは、チラシや新聞など、念入りな情報収集を行うようにしましょう。
また、見積もりの依頼は複数の塗装業者に依頼することをおすすめします。なぜならば、1社の見積もりだけでは、費用の妥当性が判断できないためです。おおよその費用相場を理解していたとしても、それぞれの住まいのつくり方、劣化症状により費用は変動します。妥当な費用を探るためにも、複数の見積もりを取り、比較することが必要なのです。
4-2.屋根と外壁は同時に塗り替えする
屋根とサイディング外壁を別々のタイミングで塗り替えするのと、同じタイミングで塗り替えするの、どちらがお得なのでしょうか。答えは、「同じタイミング」です。ポイントは足場の設置費用にあります。
足場の費用は約10万円なのですが、外壁塗装のみの塗装、屋根塗装のみの塗装、それぞれで足場を設置することが多いです。もし、屋根塗装と外壁塗装を別で行うとなると、それぞれ15~20万円が費用としてかかることになり、余分な足場代金が必要になってしまいます。
もし、同時に塗装を行うと、足場設置代が1回に抑えることができ、その分のコストカットを図ることができます。以上を考慮すると、コーキング補修と屋根外壁塗装は同時のタイミングで行うほうが良い、と言えるでしょう。
4-3.火災保険の補償が受けられる場合もある
火災保険に加入している場合、外壁塗装に火災保険の補償が受けられることがあります。適用条件は保険により異なり、何の保険に加入しているか、確認する必要があります。火災保険の適用を受けるために、外壁塗装を行う際に、火災保険に加入しているか、どうか、また加入している場合はどのような条件で保険がおりるかなど、の入念な確認を行うようにしましょう。
火災保険について詳しく知りたい方は、「火災保険を使って無料で外壁塗装をするために絶対に知っておきたい4つのポイント」を参考にしてください。
4-4.地方公共団体の住宅リフォーム支援制度を利用する
各地方公共団体の実施する住宅リフォーム支援制度を利用することも、安く抑える方法の一つです。支援対象の工事に塗装工事が含まれる場合がありますので、調べてみましょう。
※地方公共団体による住宅リフォーム支援制度は都道府県が実施しているものと、市区町村が実施しているものがあります。支援制度の内容はそれぞれの団体によって、また年度によっても異なります。詳しくは、各地方公共団体(都道府県・市区町村)の担当窓口まで問合わせることをおすすめします。
5.【補足情報】塗装以外のリフォーム方法とその費用
サイディング外壁のリフォーム方法は、塗装以外にも「張替え」と「重ね張り」の2種類があります。本章では、この2つのリフォームが一体どんなものなのか、その特徴と費用相場をお伝えします。
5-1.重ね張りリフォーム
現在のサイディング外壁の上に下地材を張り付け、その上に新しいサイディング外壁を重ねて張る方法です。もう一つのリフォーム方法である、張り替えリフォームよりも廃材が出ず、安価に施工することができます。しかし、外壁の躯体に腐食などが起きていない場合にしか、施工できません。
腐食などが起きていない外壁で、サイディングの模様を変えたい、という方におすすめの工法です。費用は150万円~(延床面積120㎡)が相場です。
5-2.張り替えリフォーム
外壁の下地が劣化して雨漏りなどの問題がある場合、張り替えリフォームを行う必要があります。張り替えリフォームは、既存のサイディング外壁を剥がして、下地から張り直すリフォーム方法です。古い断熱材や防水シートを剥がして新しいものに取り替えるため、その分の廃材処理費や取り付け費がかかります。そのため、重ね張りリフォームよりは費用が高くなってしまいます。
費用は200万円~(延床面積120㎡)が相場です。
外壁リフォームにかかる費用について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
外壁リフォームにかかる費用の相場と知っておくべきポイント
下記に外壁リフォーム方法の特徴を早見表にまとめました。リフォーム方法の検討の際に参考にしてください。
施工方法 | メリット | デメリット | 費用 |
---|---|---|---|
塗装 | ・一番安くメンテナンスをできる ・色の変化を楽しむことができる | ・サイディングの模様が塗りつぶされてしまう | 70万円~ |
重ね張り | ・張り替えより安価で仕上げることができる | ・下地躯体に問題がない場合にしか重ね張りは施工できない | 150万円~ |
張り替え | ・一度外壁を剥がして、張り替えるため、建物への負担が少ない ・サイディング以外の外壁材も張り付けることができる | ・重ね張りに比べて高額 | 200万円~ |
まとめ
今回は、サイディング外壁の塗装を行う上で気になる、費用の相場から少しでも安くする方法など、費用に関する情報をお伝えしました。
普段意識して外壁の劣化を確認することはないかと思います。しかし、放置すると劣化は徐々に進行し、建物内の雨漏りの原因となることもあります。
そして、塗装以上に高額な改修費を払ってメンテナンスする、という事態に陥る危険性もあるのです。
だからこそ、定期的に外壁周りを点検し、メンテナンスすることが結果的に費用を抑える方法になることを覚えておきましょう。