サイディング 塗装

「窯業系サイディングは塗装が必要?」
「塗装のタイミングは、どうやって見極めれば…?」
「塗装費用は、いくらぐらい?」
そんな疑問をお持ちの方は、少なくないでしょう。

ずばり、窯業系サイディングは定期的に塗装をする必要があります。
定期的に塗装をすることで、窯業系サイディングの見た目の美しさや防水性能を長く保つことができます。このあたりの内容について詳しくは、本章で紐解いてまいります。

この記事では、窯業系サイディングに必要な“塗装メンテナンス”について徹底解説いたします。
具体的には、
・窯業系サイディングに定期的な塗装が必要な理由(1章)
・塗装のタイミングを見極める方法(2章)
・塗装費用のこと(3章)
・オシャレに塗装するための知識(4章)
など、窯業系サイディングの塗装を検討中の方が押さえておくべき知識を、まとめてご紹介します。

また最後に、窯業系サイディングを長持ちさせるために、
・塗装以外に必要なメンテナンス&補修(5章)
についてもお伝えいたします。ぜひ、参考にしてください。

1.窯業系サイディングは定期的に塗装が必要!

窯業系サイディングを長持ちさせるためには、定期的に塗装をする必要があります。
定期的に塗装をしてメンテナンス&補修すれば、窯業系サイディングの見た目の美しさ・防水性能を長く保つことができます。

どんなに耐久性に優れた窯業系サイディングも太陽光や雨、風などにさらされ、少しずつ劣化が進みます。
仮に、定期的に塗装をしなければ、劣化は進行し続け、見た目が悪くなるだけでなく、次第に防水性能も失われることに。防水性能が失われると、住まい内部へ雨水が浸入してしまうリスクも生じます。雨水が住まいの躯体を腐食させるようなことになれば、早々に住まい寿命を迎えてしまうことになるでしょう。

定期的に窯業系サイディングを塗装することは、住まいを長持ちさせることにもつながるのです。

[参考]お住まいの外壁の種類がはっきりしない場合

日本の住まいに使用されている外壁材の約7割が窯業系サイディングです。そのため、お住まいが窯業系サイディングの可能性は十分にありますが、
「おそらく窯業系サイディングだと思うけれど、どうなのだろう?」
「金属サイディング?もしくはモルタルの可能性も?」
など、本当に窯業系サイディングなのか確信が持てないという方もいらっしゃるでしょう。

外壁材の種類を調べるならば、まずは住まい購入時の資料をチェックしてみるのが良いでしょう。新築でも中古でも、購入時の資料の中に、なんらかの手がかりがあるかもしれません。資料が残っていない場合は、購入先に確認をしてみるのも一つの手です。

それでもわからない場合は、プロに診てもらいましょう。
ただ、外壁塗装をするとなると、どちらにしてもプロに外壁を診てもらうことになります(詳細は2-3を参照)。その際、プロが外壁材の種類についても確認をしてくれるので、外壁塗装をするにあたり自身で外壁材の種類を必ず明らかにしなければならない、ということはありません。

 

2.塗装のタイミングを見極める3つの方法|窯業系サイディング

「我が家の窯業系サイディングは、塗装のタイミングを迎えているのだろうか」
「我が家の場合、いつごろ塗装するのが良いのか」
などが気になっている方は少なくないでしょう。
この章では、窯業系サイディングの塗装のタイミングを見極める3つの方法をご紹介いたします。

2-1.窯業系サイディングの耐久年数が目安に

窯業系サイディングの耐久年数が、塗装のタイミングを見極める一つの目安となります。
※耐久年数とは、ざっくり言えば、問題なく使用ができる目安の期間のこと。

「どのぐらいの時期に塗装をするのが良いのか、把握しておきたい」など、一般的な塗装のタイミングが知りたい場合、耐久年数を目安にするのがオススメです。

●窯業系サイディングの耐久年数:7~8年
つまり、窯業系サイディングの塗装のタイミングは7~8年が一つの目安となる、ということです。

※上記7~8年は窯業系サイディングの平均的な耐久年数です。窯業系サイディングの耐久年数は製品によって異なるため、製品によっては7~8年よりも耐久年数が短いor長いこともあり、たとえば耐久年数が10年の窯業系サイディングの場合、塗装のタイミングは10年が目安となります。
お住まいの窯業系サイディングの耐久年数については、HPやパンフレット等でご確認ください。

 

一つ押さえておきたいのは、耐久年数をもとに見極められる塗装のタイミングは、あくまで目安だということです。外部環境などによって、窯業系サイディングの劣化スピードには差が生じるため、耐久年数よりも早々に塗装が必要となることもあれば、耐久年数を過ぎてもまだ塗装が必要ないということもあります。

では、より正確に塗装のタイミングを見極めるには、どうすればいいかというと…
下記2-2&2-3にて、詳しくご紹介します。

2-2.劣化症状をチェックすれば塗装が必要かわかる

窯業サイディングに生じている劣化症状をチェックすることで、塗装すべきタイミングを迎えているかどうかを見極めることができます。

ずばり、以下のような劣化症状がある場合、早々に塗装が必要です。

[塗装が必要な窯業系サイディングの劣化症状]

チョーキング

チョーキング
(窯業系サイディングを手で触ると、粉状のものが付着する状態)

ひび割れ

幅0.3mm以上のひび割れ

色あせ

色あせ

苔・カビ

藻・コケ・カビの発生(※)

外壁塗装 膨れ

塗膜の膨れ

剥がれ

塗膜のはがれ

※藻・コケ・カビの発生について:部分的な発生程度の場合は、塗装ではなく、洗浄で十分な場合もあります。洗浄について詳しくは、下記5-1を参照ください。

上記の劣化症状をチェックする方法は、2-1の方法よりも正確に塗装のタイミングを見極めることが可能です。

2-3.外壁塗装のプロに見極めてもらえば間違いない

外壁塗装のプロに窯業系サイディングの状態を調査してもらうことで、塗装のタイミングを見極めることができます。
言わずもがな、も正確に塗装のタイミングを見極められるのは、このプロに診てもらう方法です。

2-1&2-2を参考に自身でも探ってみた結果、「もしかすると、塗装のタイミング…?」と思った場合には、プロに窯業系サイディングの状態を診てもらうのが良いでしょう。もちろん、「よくわからない」「難しいことはプロにお任せしたい」という場合、2-1&2-2は無視して、はじめからプロにお任せしても何ら問題はありません。

外壁塗装のプロは、劣化症状を目視で確認するだけでなく(2-2を参照)、
・細かい劣化の有無や状態をルーペで拡大して確認する
・外壁(窯業系サイディング)を打診棒で叩き、外壁内部の状態を音で確かめる
などして、より専門的に外壁(窯業系サイディング)の状態を調査します。そのため、塗装をすべきタイミングを迎えているのかどうか、しばらくは経過観察でも問題ないのかなどを、より正確に判断してもらえます。

診るだけなら無料で対応してくれる業者も少なくありません。そのため、「もしかすると、塗装すべきタイミング…?」と思う場合には、ひとまず業者に診てもらうのがオススメです。

本サイトを運営しているプロタイムズでも、外壁診断を無料で実施しています。
詳しくは、下記をチェック!
外壁・屋根の無料診断

 

▼外壁診断について詳しくは、下記記事を参考にしてください。

「外壁塗装に診断は必要?」に塗装専門家がズバリ答えます!

 

3.窯業系サイディングの塗装費用のこと

3-1.塗装費用の相場はいくら?

「塗装費用がどのぐらいかかるのか」は気になるところでしょう。
窯業系サイディングの塗装費用の相場は、以下の通りです。

■窯業系サイディングの塗装
費用相場:80~150万円 (一般的な2階建て住宅 ※塗り面積200㎡)

※上記はあくまで相場価格です。住まいの大きさ(塗り面積)、劣化の進行具合(必要な補修工事)、選ぶ塗料の種類(詳細は3-2を参照)などによって、価格は大きく変動します。
※あわせて屋根塗装もする場合、別途、費用がかかります。

 

「相場ではなく、実際にどのぐらいの費用がかかるのか知りたい」という方は、塗装業者に見積りをお願いしましょう。
見積りは塗装業者2~3社に依頼をするのがオススメです。なぜならば、1社の見積りだけでは、提示された金額が高いのか低いのかの判断が難しいためです。2~3社の見積りがあれば、比較・検討することで、おおよその相場感を掴んでいただけるはずです。
※ちなみに、窯業系サイディングの状態によって必要な補修内容等は変わります。補修内容が変われば、当然、金額も変わります。そのため、見積りを出してもらうためには、必要な補修内容等を明らかにするために窯業系サイディングを診てもらう(詳細は2-3)必要があります。

▼外壁塗装の費用について詳しくは、下記記事を参考にしてください。

2023年版|外壁塗装の費用相場は?塗料代が値上げになる?見積りをプロが解説!

3-2.押さえておきたい!塗料費用のこと

「外壁塗装の費用を少しでも安く抑えたい…」という場合、安価な塗料を選んでしまいがちですが、そうすると結果的に高くついてしまうことがあるため注意が必要です。

どういうことかと言うと…
下記表をご覧いただけば一目瞭然ですが、塗料は耐久年数が長くなるほど費用が高くなる傾向にある、ということがポイントとなります。
つまり、1回の塗装費用だけを考えると安価な塗料を選んだ方がお得ですが、安価な塗料を選ぶと耐久年数も短いため早々に再塗装が必要となってしまいます。その結果、塗装回数が増え、耐久年数の長い塗料を選んだ場合よりもトータル費用がかさんでしまうこともあるということです。

お得に塗装をするために賢く塗料を選ぶならば、「塗料の費用」と「耐久年数」の両方を考える必要があります。

[外壁塗料の種類別!耐久年数&相場費用]

塗料の種類耐久年数相場費用 1缶あたり
アクリル約3~5年5,000~15,000円
ウレタン約5~7年5,000~20,000円
シリコン約7~10年15,000~40,000円
ピュアアクリル約15年~50,000~70,000円
フッ素約15年~40,000~100,000円
無機約15年~50,000~120,000円
光触媒約15年~50,000~100,000円

※上記の耐久年数や相場費用はあくまで目安です。各塗料製品等によっては、耐久年数や相場価格が上記と大きく異なることもあります。

ちなみに、「どの塗料を選べばよいかわからない…」という場合は、「シリコン塗料」を選んでおけば間違いありません。シリコン塗料は、手に取りやすい価格帯と一定の長さの耐久年数というバランスの良さが魅力で、建築塗料市場において80%のシェアを誇る人気塗料です。近年、シリコン塗料でも10年を超える耐久年数の製品も販売されているので、そういった塗料製品を選ぶのもオススメです。
「今後も長く住む予定なので、できるだけ耐久年数の長い塗料を選びたい」「頻繁に塗装をするのは面倒」といった場合は、フッ素塗料や無機塗料を選ぶのも良いでしょう。

また、高性能塗料といって、防汚性・遮熱性・防水性・防カビ性など様々な性能をあわせもった塗料も多数販売されています。塗料を選ぶ際には、こうした機能性についてもチェックしてみてください。
※機能性の高い塗料は、それだけ費用も高額となります。

▼塗料について詳しくは、下記記事を参考にしてください。

外壁塗料の選び方をプロが解説!塗料の種類&価格&色&業者まで全部わかる!

4.単色で塗りつぶさない!?窯業系サイディングの塗装方法

デザイン性の高さが魅力の窯業系サイディング。「単色で塗りつぶしてしまうのに抵抗がある…」という人も多いのでは。この章では、窯業系サイディングをオシャレに塗装するために押さえておきたい知識をまとめてご紹介いたします。

4-1.色・柄を変えたくない場合は“クリヤー塗料”で塗装すべし

現在の窯業系サイディングの色や柄が気に入っていて、「塗装をして、塗りつぶしたくない!」という場合、“クリヤー塗料”で塗装をするという方法があります。

クリヤー塗料は透明色のため、既存の色や柄を塗りつぶすことなく、そのまま残すことができます。

※ただし、以下の場合はクリヤー塗料を使用することができません。
・チョーキングが発生している(2-2参照)
・光触媒・フッ素・無機といった特殊塗料が塗装されている
このあたり、自身で判断をするのは難しいので、クリヤー塗料で塗装したい場合は、ひとまず塗装業者に相談をしてみてください。

▼クリヤー塗料での塗装について詳しくは、下記記事を参考にしてください。

外壁塗装を透明(クリヤー)塗料で!外壁の色・柄を変えずに塗り替え

4-2.塗装で新たに模様をつけるのもオシャレ

「単色で塗りつぶすような塗装はしたくない」
「塗装で外壁の印象をガラリと変えたい」
そんな方は、塗装でつけられる模様をチェックしてみてはいかがでしょう。

窯業系サイディングの塗装では、下記のようなオシャレな模様をつけることも可能です。

[外壁塗装でつけられる模様例]
◎意匠性塗料を使用


※画像出典:アステックペイント

◎ステンシルシール工法

◎窯業系サイディングの凹凸を活かして模様を表現

▼上記以外にも外壁塗装でつけられる模様があります。詳しくは、下記記事をチェックしてみてください。

外壁塗装でつけられる模様を全公開!外壁の模様を残す塗装法も解説!

その他、
・上下で異なる色を塗装する
・こだわりの色で塗り替える
などの方法で、窯業系サイディングをオシャレに塗装することもできます。
詳しくは、下記記事を参考にしてください。

外壁のオシャレな色分け35選!色選びのポイントも要チェック!

[外壁塗装の画像事例集]プロが選ぶ全国のおしゃれ外壁事例を大公開!

 

 

5.窯業系サイディングは“塗装以外”のメンテナンス&補修も必要

窯業系サイディングを長持ちさせるためには、塗装以外のメンテナンス&補修も必要です。

5-1.洗浄

窯業系サイディングが
・汚れている
・藻・コケ・カビが発生している
といった場合、見た目が悪いだけでなく、劣化の進行を加速させる要因となることもあるため、洗浄をしてキレイにする必要があります。

下記すべてにあてはまる場合は、自分で洗浄が可能です。
・地面から手の届く範囲
・窯業系サイディングの一部分(窯業系サイディング全面など、広範囲の洗浄ではない)
・少しの汚れ、進行していない藻やコケ(軽くこするだけで落ちる場合)
上記以外の場合は、プロに依頼をするのが賢明です。特に、高所作業が必要となる場合は危険がともなうため、必ずプロに依頼をしてください。

[窯業系サイディングの洗浄方法]
やわらかい布やスポンジなどを使用して水洗いします。水だけで落ちない場合は、専用洗剤を使用するのも良いでしょう。無理に落とそうとすると窯業系サイディングを傷めてしまうこともあるので、軽く洗浄をしてみて落ちない場合はプロにお願いをするのが良いでしょう。

 

▼洗浄について詳しくは、下記記事を参考にしてください。

外壁の掃除をする前に知っておきたい知識【保存版】

5-2.シーリング(コーキング)補修


シーリング(コーキング)

窯業系サイディングのボードとボードをつなぐシーリング(コーキング)も時間の経過とともに劣化するため、定期的に補修が必要となります。

シーリングの劣化が進行すると、劣化箇所から雨水が入り込み、窯業系サイディングが腐食してしまうことも。また、シーリングの劣化箇所から住まい内部に雨水が浸入してしまうこともあります。
こうした事態を引き起こさないためには、シーリングを定期的に補修する必要があるというわけです。

おおよその補修周期は5~10年です。
具体的には、シーリングに下記のような劣化症状がある場合、補修時期を迎えています。

[シーリングの補修が必要な劣化の症状]

ひび割れ

破断

剥離

 

※外壁塗装とあわせてシーリングの補修をするケースも少なくありません。

シーリングは、「打ち替え」という方法で補修をするのが一般的です。
打ち替えとは、既存のシーリング材を取り除いて、新しいシーリング材を充填する方法です。

シーリングの打ち替え
費用相場:900~1,500円/m

※足場を組む必要のある場合は、別途、足場費用がかかります。

 

▼シーリング(コーキング)補修について詳しくは、下記記事を参考にしてください。

【徹底解説】サイディング外壁にあるコーキングの特徴と種類・役割

5-3.部分的な張り替え

塗装等では補修をしきれないほど窯業系サイディングの劣化が大きく進行している場合は、部分的に張り替えることになります。部分的な張り替えとは、窯業系サイディングの一部分を取り外し、新しい窯業系サイディングに取り換える補修方法です。

具体的には、
・欠け、破損している箇所がある
・反りがある(補修しきれない場合のみ)
などの場合、その部分だけ新しい窯業系サイディングに張り替えをします。
上記劣化を放置すると雨漏りを引き起こす原因ともなるため、早々に業者に相談をして、劣化箇所の張り替えをしてください。

部分的な張り替えでは補修しきれない場合は、窯業系サイディング全面の張り替えや重ね張りをすることになります。

張り替え

既存の外壁を取り除き、新しい外壁材を施工する補修方法。

重ね張り

既存の外壁の上に、新しい外壁材を施工する補修方法。

 

まとめ

窯業系サイディングは定期的に塗装をする必要があります。
塗装のタイミングは7~8年が一つの目安となりますが、窯業系サイディング製品の耐久年数や周辺環境等によっても変わるため、より正確に見極めるためには(窯業系サイディングの)劣化症状を確認する必要があります。最終的には塗装業者に状態を診てもらって、塗装をするかどうかを判断するのが良いでしょう。

窯業系サイディングを長持ちさせるためには、塗装以外のメンテナンス&補修も必要です。このあたり最終章にまとめておりますので、あわせて参考にしてください。