サイディング 工事

外壁のサイディングが傷んできたので、外壁のリフォーム工事をお願いしたいけど、サイディングのリフォーム工事では何をするのか、いくらかかるのか、どのくらいの期間がかかるのかと気になっている方は多いと思います。

サイディングの劣化状況によって、工事内容や工事金額が大きく異なりますので、自分の家にあったリフォーム工事を行なうことが重要です。

この記事では、サイディングのリフォーム工事の内容や工事業者選びについてご紹介していきます。

サイディングのリフォーム工事を検討されている方は、ぜひ、参考にしてください。

1.サイディングのリフォーム工事は劣化度合いによって選ぶべし

サイディングのリフォーム工事は、お住まいを守っていく上で重要であり、劣化症状が進んでいくと大掛かりな工事が必要になってきます。

〈サイディング工事方法〉

1-1.シーリング工事

1-2.部分補修

1-3.塗装工事

1-4.重ね張り・張り替え工事

外壁の劣化の状況によって適切な工事方法が変わりますので、劣化症状と合わせてご紹介していきます。

1-1.シーリング材のみが劣化している場合はシーリング工事を行なう

下記のような症状がある場合は、早々にシーリング工事を行なうことをお勧めします。

〈シーリング工事が必要な劣化症状の例〉

剥離破断欠落
目地劣化ひび割れ欠落

シーリング工事では、古くなったシーリング材を全て撤去し、新しくシーリングを充填する打ち替え工事をお勧めします。

シーリングの打ち替えではなく、古くなり目減りしたシーリングを補充する増し打ちする方法もありますが、早期のひび割れや剥離の原因になりますので、契約時に業者に確認するようにしましょう。

シーリング材は、サイディング住宅の外壁の板間やサッシ等の周りに必ずあり、紫外線や熱によって、まず最初に傷みだす箇所です。

サイディング表面の劣化は少ないが、シーリング材のみ劣化していることは多くあり、シーリング材が破断していたりサイディングから剥がれてたりしている場合、シーリング材やサイディングの隙間から水が浸入してしまい、更に建物を傷めてしまうことに繋がりますので、シーリング工事が必要になります。

シーリング工事の目安金額は25~50万円で、シーリング材のタイプによりますが約5年程度でメンテナンスを行なうことをお勧めします。

シーリング工事について詳細は、下記記事を参照ください。

【徹底解説】サイディング外壁にあるコーキングの特徴と種類・役割

1-2.サイディングは部分補修できる場合もある

サイディングの一部において下記のような症状が発生した場合は部分補修を行なうことで対応することもできます。

〈ひび割れ補修〉

部分的なひび割れ
部分的なひび割れ

サイディングの部分的なひび割れであれば、パテを刷り込んだり樹脂を注入したりすることで一時的に応急処置として対応することができます。

サイディングは温度や湿度の影響により収縮と膨張を繰り返すことでサイディング表面にひび割れが発生することがあり、ひび割れを放置していると隙間から水が浸入し、サイディングが水を吸いこむことで劣化がさらに進行してしまいます。

サイディングの部分的なひび割れ補修目安金額は25~50万円で、約5年程度でメンテナンスを行なうことをお勧めします。

しかし、ひび割れ補修を行なったはいいが、補修箇所が目立ってしまう等といった事例もありますので、事前に業者に確認するようにしましょう。

〈サイディングの部分張り替え〉

部分的な欠け・反り
部分的な欠け・反り

出典:プロタイムズ久留米店HP

サイディングの部分的なひび割れや反り等であれば、部分的にサイディングを張り替えることで補修を行なうことが可能です。

補修で治らないような部分的な劣化症状であれば、サイディングを張り替えるだけでも、建物を長持ちさせることができます。

しかし、使用されているサイディング自体が生産中止になっている可能性があり、同じ模様や色、厚みのものが入手できない場合があるため、工事業者に事前に確認してもらう必要があります。

また、同じサイディングがあったとしても、周りのサイディングは劣化が進行しているので、色味や艶感が若干異なることがありますので注意が必要です。

あまり人目に付かない箇所に適応させることをお勧めします。

サイディングの1枚の張り替え目安金額は10万~20万円です。

傷んでるサイディングの枚数が多いとその分、足場代の以外の費用(撤去費や処分費、材料費、施工費等)がかかります。

※シーリング工事や部分補修だけではもったいない

2階部分や手が届かない所のシーリング工事や部分補修を行なう際には、足場代(約10~20万円)が発生してしまいます。
1-3でご紹介する塗装工事には、基本的にシーリング工事・補修・塗装が含まれますので、シーリング工事や部分補修を行なう際は塗装工事まで視野に入れて考えるようにしましょう。

1-3.外壁全体が劣化してきたと感じたら塗装工事

1-1、1-2に挙げた劣化症状だけではなく、次のような症状がみられる場合は、塗装工事をお勧めします。

〈塗り替えが必要な劣化症状の例〉

色褪せ塗膜剥離チョーキング
色褪せ塗膜剥離チョーキング
カビ・藻・汚れ塗膜の膨れ錆(金属サイディングの場合)
カビ・藻・汚れ塗膜の膨れ金属サイディングサビ

サイディングは時間の経過とともに劣化症状が進行してしまうので、上記のような劣化症状を放置していると、サイディング材だけではなく建物の躯体まで劣化が進行してしまう可能性があります。

塗装工事はサイディングのリフォーム工事の中でも一般的な方法であり、サイディングを長持ちさせるためには約10年ごとに塗装工事を行なうことをお勧めします。

※塗料の種類によって大きく異なりますので、施工業者に確認してください。

サイディングの外壁塗装の目安金額は80~150万円です。

サイディングの塗装工事について詳細は、下記記事を参照ください。

これで完璧!サイディングを外壁塗装する際に知っておきたい知識

1-4.サイディングの劣化が進行している場合は「重ね張り工事」「張り替え工事」

1-3において、塗装工事は一般的な方法であると述べてきましたが、サイディングに下記のような劣化が生じている場合は、塗装工事によってメンテナンスを行なうことは不可能ですのでサイディングの重ね張り工事・張り替え工事が必要となります。

〈重ね張り工事・張り替え工事を行なう必要がある劣化症状の例〉

反りや浮き欠け
反りや浮き欠け
腐食錆による腐食(金属サイディングの場合)
腐食

出典:プロタイムズ東三河店HP

サビによる腐食

出典:プロタイムズ東三河店HP

このような症状がある外壁においては、サイディングの「重ね張り工事」や「張り替え工事」を行なう必要があります。

重ね張り工事張り替え工事
重ね張り工事

既存のサイディングの上から新しいサイディングを施工する工法

張り替え工事

既存のサイディングを取り除き、新しいサイディングを施工する工法

どちらの工法も、新しいサイディングを張るため、外観をがらりと変えることができます。

しかし、外壁の下地にまで劣化が達している場合には、サイディングを重ね張り工事することができないため、張り替え工事が必要です。

張り替え工事では、既存のサイディングを全部はがすため、目視で確認しにくいところや下地を補修できたり、断熱材なども交換することが可能です。

重ね張り工事の目安金額は150~200万円です。

張り替え工事の目安金額は180~250万円です。

2. サイディングのリフォーム工事の工期

サイディングのリフォーム工事の相場の金額や工事内容が分かったところで、次に気になるのは、どのくらいの期間がかかるかではないでしょうか。

工事期間中は足場が家を覆っているために息苦しかったり、洗濯物や近所への配慮を考えなければいけません。

天候や季節、家の状態によって工期が前後してしまいますが、工期の目安を知っておくことで様々な対策を取ることができます。

次に、各種工事の流れ・工期をご紹介していきます。

〈各種リフォーム工事の工事期間〉

工事内容工事期間
シーリング工事約5日
部分補修約5日
塗装工事約5週間
重ね張り工事約2週間
張り替え工事約3週間~1か月

 

上記の期間はあくまで目安であり、サイディングの劣化状態や天気などによりスケジュール通りにいかないこともあります。

各工事の日程を下記に示しますので、参考にされてください。

【シーリング工事・部分補修】

スケジュール工程工事内容
1日目足場設置足場を設置する際に大きい音が出るので注意する。
2~3日目シーリング施工シーリング工事:古いシーリングを撤去し、新たなシーリングの打設を行います。

部分補修:部分補修を行います。多少音がする可能性があります。

4日目点検・手直し業者と一緒に仕上がりを確認する。(立ち合いが必要)
5日目片付け・足場解体全ての工程が終了したら現場を片付ける。

 

【塗装工事】

塗装工事スケジュール工程工事内容
1日目足場・養生足場を組み、窓などの塗装しない部分を汚さないように養生する。

足場を設置する際に大きい音が出るので注意する。

2日目高圧洗浄汚れやカビ・コケ等を高圧洗浄で洗い落とす。

水を用いて外壁全体を洗浄するため、窓を開けっぱなしにしないように注意する。

3~5日目乾燥外壁を乾燥させる。
6日目下地処理(シーリング工事含む)高圧洗浄で落とせなかった汚れや錆などを除去する。

また、シーリング材を補修したり、錆止め等の下地を補修。

7~9日目塗装下塗・中塗・上塗と3回塗装を行なう。

臭気が気になるため、外出する等の対策を検討する。

10日目点検・手直し業者と一緒に塗装の仕上がりを確認する。(立ち合いが必要)
11日目片付け・足場解体全ての工程が終了したら現場を片付ける。

 

【重ね張り工事】

重ね張り工事スケジュール工程工事内容
1日目足場・養生足場・養生シートを設置。

足場を設置する際に大きい音が出るので注意する。

2~4日目下地調整既存外壁の傷みを補修。

胴縁設置・透湿防水シート等の処理(少し音が気になるので注意)

5~10日目サイディング・シーリング施工サイディングを張り付け、シーリング材を打設。

サイディングを設置する際に、大きな音がするので注意。

11日目点検・手直し業者と一緒に仕上がりを確認する。(立ち合いが必要
12日片付け・足場解体全ての工程が終了したら現場を片付ける。

【張り替え工事】

張り替え工事スケジュール工程工事内容
1日目足場・養生足場・養生シートを設置。

足場を設置する際に大きい音が出るので注意する。

2~7日目サイディングボード撤去古いサイディングを剥がし撤去。

撤去するときの音が気になるので注意。

8~10日目外壁内部の修繕地下材の劣化状況やカビがあった場合、修繕を行なう。
11日目透湿防水シートの施工透湿防止シートで壁全体を覆います。
12~18日目サイディング・シーリング施工サイディングを張り付け、シーリング材を打設。

サイディングを設置する際に、大きな音がするので注意。

19日目点検・手直し業者と一緒に仕上がりを確認する。(立ち合いが必要)
20日片付け・足場解体全ての工程が終了したら現場を片付ける。

 

サイディングのリフォーム工事を行なう際には、屋根を同時に改修される方も多くいらっしゃいます。

期間の目安としては、プラス3~4日を要します。

3. サイディングリフォーム工事業者の見つけ方

一般的に、サイディングのリフォーム工事は高額になります。

高額であるからこそ、サイディング工事業者を選ぶ際には慎重になる必要があります。

工事業者を選ぶ際には以下の4点について注意し、最適な業者にお願いしましょう。

3-1.自社で施工可能な業者かどうかを確認

自社施工ができる業者かどうかは、直接営業担当者に確認するようにしましょう。

自社で施工できる業者であれば、営業担当者と職人との間で指示が伝わりやすいため、打ち合わせ時の内容を関係者が把握しやすい環境にあります。

悪質な業者であれば、下請けの業者に工事を丸投げしてしまうため、工事品質が低下してしまうことがあります。

また、自社で施工ができない場合は、ほかの業者が入るため、中間マージンが発生してリフォーム工事の費用が高くなる傾向にあります。

3-2.サイディングのリフォーム実績が多い業者を選ぶ

サイディングのリフォーム工事を行なう会社は、専門的な知識が必要になります。

建物の劣化状況は、築年数や立地条件等によって大きく異なり、建物の劣化状況にあったリフォーム工事を行ってもらわないと、せっかくリフォーム工事を行ったのに数年でやり直す必要が出てきます。

以下の点について確認しておくことで、信頼できる業者を判別することができます。

・どの程度の実績がある会社なのかをホームページを確認する

工事業者の実績を確認する大きな判断材料は施工事例です。

写真だけではなく、金額や施工場所、商材(メーカー)まで載せてあるとある程度の実績を確認することができます。

また、ブログやスタッフ紹介を確認することで、会社の雰囲気や施工体制も確認することができますので、信頼できるかどうかの判断材料になります。

・住宅の状況に応じたプランを出し、納得できる説明をしてくれるか

リフォーム工事実績の多い会社は、質問への対応力があると考えても良いと思います。

様々な質問に対して即座に対応してくれる会社は、その分多くの経験を積んでおり、住宅に応じた工事プランを提案してくれると考えられます。

契約する前に、疑問が一つも残らないように多く質問をしてください。

事前に契約時の約束事を詳細に決め、きちんとお互い納得した上で契約することで、トラブルを防ぐことができます。

3-3.所在地が近隣にある

所在地が県外にある等、遠くにある業者を避けることをお勧めします。

遠くの業者が悪いというわけではなく、万が一不備があった際に、すぐに駆けつけることができない業者と良い関係性を築くのは難しいでしょう。

工事中・工事後にすぐに来てもらえる範囲内、車で片道40分圏内の業者が望ましいでしょう。

3-4.複数社の見積もりをとって費用を比較する

一社だけの見積書の内容が適切かどうかを自分で判断することは難しいです。

複数の業者から見積もりを入手し、金額や工事内容を比較することで、相場や必要な工事内容がわかるようになります。

費用や工事方法は、物件やリフォーム業者によって大きく異なるため、最適な工事を実施してくれる業者を選ぶようにしましょう。

3社以上に見積もりを出してもらうことで、塗装工事で済むところを重ね張り工事をしてしまった等という事態を防ぐことができます。

複数社から見積もりを入手することで、無駄な費用を抑えることができます。

まとめ

いかがでしたか。

お住まいの現状にあったサイディングのリフォーム工事は見つかりましたか。

サイディングのリフォーム工事は、外壁の劣化状況よって施工方法や費用が大きく異なりますので、サイディングのリフォーム工事を検討する際には、劣化症状を自分で把握し、現状を知ることが大切です。

1.シーリングのみが劣化している⇒シーリング工事

2.部分的に劣化が生じている⇒部分補修

3.全体的な外壁の劣化⇒塗装工事

4.サイディングの劣化の状態が著しい⇒重ね張り・張り替え工事

サイディングの劣化症状を把握している状態で業者と打ち合わせを行なうことによって、より納得したものになりと思います。

必ず複数の業者に確認してもらい、適切な工事を実施してもらうようにしましょう。