「外壁塗装で新たに外壁に模様をつけたい」とお考えの方は少なくないでしょう。なかには、その逆で、「既存の外壁に施されている模様を変えたくない、外壁塗装で塗りつぶしたくない」という方もいるのではないでしょうか。
ずばり申し上げると、“外壁塗装で新たに外壁に模様をつけること”も、“既存の外壁の模様を残す外壁塗装”も可能です。ちなみに、外壁塗装で新たにつけられる模様には、様々な種類があります。
この記事では、
●外壁塗装でつけられる模様(1章)
●“既存の外壁の模様を残す”外壁塗装の方法(2章)
について、それぞれ詳しく解説してまいります。ぜひ、参考にしてください。
1.全公開|外壁塗装でつけられる模様
この章では、外壁塗装で新たにつけられる模様をご紹介いたします。
1-1.「意匠性塗料」ならば美しい風合いの模様がつけられる
「意匠性塗料」と呼ばれる塗料を選べば、塗るだけで美しい風合いの模様をつけることができます。つけることができる模様は、各塗料製品によって異なります。
【例】
■グラナートSP(アステックペイント)
※出典:アステックペイント
■水性ペリアートUV(日本ペイント)
※出典:日本ペイント
■水性ゾラコートEX(関西ペイント)
※出典:関西ペイント
1-2.「意匠性塗料+職人技」で様々な模様がつくれる
意匠性塗料と職人技の組み合わせで、様々な外壁の模様をつくることが可能です。つくることができる模様は、各製品によって、また職人によっても異なります。
【例】
■ジョリパット(アイカ工業)
※出典:アイカ工業
■ベルアート(エスケー化研)
※出典:エスケー化研
1-3.「ステンシルシール工法 or 手描き」なら個性的な模様も描ける
ステンシルシール工法もしくは手描き(フリーハンド)で、さまざまな模様を塗料で描く方法もあります。模様はもちろん、イラストなどを描くことも可能です。
●ステンシルシール工法
模様やイラストが切り抜かれたステンシルシールを敷き、その上から塗装をすることで、模様やイラストを描き出す方法。
●手描き
文字通り手描きで描く塗装方法。手描きなので、どんな模様もイラストも自由に描くことが可能。
[例]
1-4.「吹き付け塗装」でしか表現できない模様がある
吹き付け機械(万能ガンなど)を使って霧状にした塗料を、吹き付けて塗装する「吹き付け塗装」という塗装方法があります。この吹き付け塗装ならば、下記のような模様を表現することができます。
[吹き付け塗装で表現できる模様]
下記模様は、吹き付け塗装でしか表現ができません。
リシン | スタッコ |
スキン | 吹き付けタイル |
▼吹き付け塗装について詳しくは、下記記事をご覧ください。
1-5.サイディング外壁の場合|外壁の凹凸を活かした模様を表現可
お住まいがサイディング外壁の場合、外壁の凹凸を活かして模様を表現する塗装も可能です。
サイディング外壁に施された凹凸は変えようがありませんが、2~3色の塗料で凹凸部分を塗り分けることで、外壁の印象を大きく変えることができます。塗り方によっては、新たに模様をつけたように見えることも。
【例】
●2色での塗り分け
●3色での塗り分け
1-6.[参考]納得の外観に仕上げるためには、塗料の色選びも重要
納得のいく外観に仕上げるためには、模様選びと同じくらい、塗料の色選びも重要となります。
塗料の色を選ぶときに注意したいのは、好き・嫌いだけで色を選ばないということです。好き・嫌いだけで色を選んでしまうと、「色は好きだけれど、外壁に塗ってみたら思っていた感じと違う…」といったことになりかねません。
では、どうすればいいかというと、好き・嫌い以外の“色選びの判断材料”を押さえておくことが有効です。
具体的には、
・外壁塗装の色選びのポイント
・近隣との調和に関すること
・塗料の色見本を確認する時に注意すべきこと
・よくある色選びの失敗例
といったことを押さえておくのが良いでしょう。
こうした色選びの判断材料さえ押さえておけば、色選びに失敗するリスクをグッと抑えられるはずです。
▼色選びの判断材料について詳しくは、下記記事を参考にしてください。
https://reform-journal.jp/color-consultant-41279
2.“既存の外壁の模様を残す”外壁塗装の方法
この章では、「既存の外壁の模様を塗りつぶしたくない」という方に向けて、既存の外壁の模様を変えずに外壁塗装をする方法をご紹介いたします。
2-1.クリヤー塗料なら外壁の模様をそのまま残せる
クリヤー塗料は「透明色」のため、外壁の模様や色を塗りつぶしてしまうことはありません。そのため、クリヤー塗料で塗装をすれば、既存の外壁の模様をそのまま残すことができます。
たとえば…
・模様のついたサイディング外壁
・手描き(の塗装)で模様を表現した外壁(※1-3参照)
などにお住まいで、「色つきの塗料で外壁の模様を塗りつぶしてしまいたくない…!」という場合、透明色のクリヤー塗料で塗装をするのがオススメです。
※注意
懸念点として、クリヤー塗料が使用できないケースがあるということは押さえておきたいところ。外壁にチョーキング(劣化症状の一つ。塗装面を手で触ると、粉状のものが付着する状態)が発生している場合、もしくは、外壁材に光触媒・フッ素・無機といった特殊塗料が塗装されている場合は、クリヤー塗料が使用できない可能性があります。
▼クリヤー塗料について詳しくは、下記記事を参考にしてください。
2-2.“前回と同じ外壁塗装”で模様を再現できる場合も
クリヤー塗料が使用できない場合は(2-1を参照)、前回と同じ外壁塗装をして模様を再現するのも一つの手。既存の外壁は塗りつぶしてしまうことになるため、既存の外壁の模様そのまま残すことはできませんが、「同じような模様が再現できるならば、その手もあり」という方は多いのでは。
もちろん、前回と同じ外壁塗装をしても、なにもかも全く同じにはなりません。微妙に模様や色が違うといった誤差は少なからず生じるはずです。とはいえ、同じような模様が再現できれば、外観の印象が大きく変わることもありません。
※場合によっては、再度、同じ塗装方法ができないこともあります。
3.納得の外壁塗装をするために!押さえておきたい塗装業者のこと
3-1.塗装業者によってはステンシルシール工法や手描きなどは施工できないこともある
はじめにお伝えしておきたいのは、すべての塗装業者が1章&2章でご紹介したすべての塗装工事を提供できるわけではない、ということです。ステンシルシール工法 or 手描き(1-3)や吹き付け塗装(1-4)などは特に、施工できない(取り扱っていない)塗装業者も少なくありません。
そこで、たとえば、「手描きを検討してみたい」という場合は、手描きを取り扱っている塗装業者に相談をする必要があります。塗装業者が検討してみたい塗装工事を取り扱っているかどうかは、HPで確認してみてください。HPに記載がなければ、直接問い合わせてみると良いでしょう。
また、「どういった塗装工事をするのが良いか決めきれない…」という場合は、様々な塗装工事を提供している塗装業者に相談するのがオススメです。
3-2.「意匠性塗料+職人技」&手描きは特に!塗装業者選びが超重要
外壁に模様をつける塗装工事を検討している場合は特に、塗装業者選びが重要となります。なぜならば、依頼をする塗装業者によって、仕上がりが違うものになるためです。なかでも、意匠性塗料+職人技(1-2)や手描き(1-3)など表現に幅のある塗装工事は、依頼する塗装業者によって、全然違う仕上がりになるといっても過言ではありません。
たとえば、手描きができる塗装業者が2社あり、両社に手描きで模様をつけてもらう依頼したとして…どうでしょう。描く模様が同じであるはずがありません。仕上がりが全く違うものになるのは容易に想像していただけるのではないでしょうか。
では、どうやって塗装業者を選べばいいかというと…
まず、絶対に確認しておきたいのは「センス」の部分。多くの人が素敵だと思う模様でも、自分たちがその模様を素敵と思うかどうかは、別問題です。そのため、塗装業者の施工実績をあれこれ見せてもらい、その模様が好みかどうか、塗装業者のセンスが自分たちと合うかどうかを確認してみるのがオススメです。
また、センスとあわせて塗装業者の知識や技術についても確認しておくと安心です。意匠性塗料+職人技や手描きはもちろん、模様をつける塗装工事は全般的に難易度が高いため、知識や技術が求められることは間違いありません。知識や技術を推し量る判断材料となるのは、実績です。実績があれば絶対に大丈夫というわけではありませんが、実績があれば一定の知識や技術力がある可能性が高いのは間違いありません。
▼塗装業者の選び方については、下記記事も参考にしてください。
まとめ
外壁塗装をすることで、外壁に模様をつけることができます。つけられる模様は、様々。本章にてご紹介しておりますので、ぜひ、好みの模様を探してみてください。
また、「既存の外壁に施されている模様を、外壁塗装で塗りつぶしたくない」という場合、既存の外壁の模様を変えずに外壁塗装をすることも可能です。この場合、クリヤー塗料(透明色)を使って塗装をするのがオススメです。クリヤー塗料が使用できない場合は、前回と同じ塗装をして、模様を再現する方法を探ってみるのも一つの手です。