お住まいの外壁にふくらみがある(外壁が膨れている)のを見つけて、驚いた人もいるでしょう。

外壁にふくらみが生じるのは、多くの場合、経年劣化が原因です。
もしくは、非常にまれですが、外壁塗装工事に何等かの不備があったことが原因で、外壁にふくらみが生じることも。このあたりの内容について詳しくは、下記の本章で解説いたします。

この記事では、
・外壁にふくらみが発生する原因
・外壁のふくらみを放置するリスク
・外壁のふくらみの補修方法&補修費用
など、外壁のふくらみに関する情報を徹底解説いたします。

外壁のふくらみにお悩みの人は、ぜひ参考にしてください。

1.[写真で解説]外壁のふくらみとは?

下記は、外壁のふくらみ(膨れ)写真です。
外壁に下記写真のような症状がみられる場合には、“外壁にふくらみが生じている”状態です。

■外壁のふくらみ(膨れ)

外壁塗装 膨れ

ふくらんでいるのは、外壁塗装です。厳密に言うと、外壁表面の“塗膜”と呼ばれる塗装後にできる塗料の膜がふくらんでいるのです
そのため、外壁のふくらみを「塗膜のふくらみ」「塗膜の膨れ」などと言うこともあります。

 

[参考]外壁材の種類によっては、ふくらみは発生しない

外壁
ずばり、塗装されていない外壁材に、ふくらみは発生しません

上記でお伝えした通り、ふくらんでいるのは塗膜(塗装後にできる塗料の膜)です。ということはつまり、ふくらみが生じる可能性があるのは、塗膜のある塗装されている外壁材だけ。塗装されていない外壁材には塗膜がないため、ふくらみが発生することはないのです。

とはいえ、日本の住まいに使用されている外壁材の多くは塗装されており、塗膜があります
要するに、日本の住まいの外壁材は、多くがふくらみが生じる可能性のある外壁材である、ということです。

▼ふくらみが生じる可能性のある外壁材(=塗装されている外壁材)
・窯業系サイディング
・モルタル
・金属サイディング
・ALC
・木質系サイディング
・木材

▼ふくらみが生じない外壁材(=塗装されていない外壁材)
・レンガ
・樹脂系サイディング

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2.外壁にふくらみが発生する原因

「なぜ、我が家の外壁にふくらみが?」
など、外壁にふくらみが発生している原因が気になっている人は少なくないでしょう。

外壁にふくらみが生じるのには、大きくわけて、
・外壁塗装の経年劣化(2-1)
・外壁塗装工事の不備(2-2)
の2つの原因が考えられます。

2-1.原因① 外壁塗装の経年劣化|劣化症状としてふくらみが生じる

壁塗装は、時間の経過とともに少しずつ劣化していきます。ある程度、劣化が進行すると、劣化症状としてふくらみが生じることがあります。

外壁塗装の経年劣化が原因で、外壁にふくらみが生じるメカニズムを詳しくお伝えすると…
外壁塗装の劣化が進行すると、ひび割れ(クラック)・塗膜の剥離(はがれ)などが生じることがあります。ひび割れ・塗膜の剥離などが生じると、そこから雨水が浸入するように。浸入した雨水が外壁塗装と外壁材の間にたまると、外壁にふくらみが生じます(水膨れ)
外壁塗装と外壁材の間に浸入した雨水が少量の場合でも、水が蒸発するときの力で外壁塗装が押し上げられることで、外壁にふくらみが生じることもあります(水蒸気膨れ)

外壁に生じるふくらみは、ほとんどの場合、この外壁塗装の経年劣化が原因です。


どのぐらい時間が経過すると、劣化症状としてふくらみが生じる可能性があるかというと、おおよそ10年前後が目安です。つまり、家を建ててから or 外壁塗装をしてから10年が経過した外壁には外壁塗装の劣化症状としてふくらみが生じる可能性がある、というわけです。

※外壁塗装の劣化の進行スピードは、塗装した塗料製品(塗料製品によって耐久年数や性能が異なります)、住まいのある環境等によって大きく前後することも。場合によっては10年よりも前にふくらみが生じることもありますし、10年を大きく経過してからふくらみが生じることもあります。

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2-2.原因② 外壁塗装工事の不備|不具合の症状としてふくらみが生じる

外壁塗装工事に何等かの不備があると、外壁塗装の不具合の症状としてふくらみが生じることがあります。

何等かの不備とは、具体的にどんな不備かというと…
下記のような外壁塗装工事の不備があった場合に、ふくらみが生じることがあります。
例)
・洗浄が不十分(傷んだ旧塗膜、カビ・コケ等が残っていた)
・洗浄後の乾燥が不十分(外壁材に水分が残った状態で下塗り材を塗装してしまった)
・下塗り材・上塗り材などの選定ミス(相性の悪い材料を選定してしまった)
※上記以外の不備が原因で、ふくらみが生じることもあります。

外壁のふくらみの発生原因は、外壁塗装の経年劣化?外壁塗装工事の不備?

家を建ててから or 外壁塗装をしてから10年以上が経過して生じたふくらみは、まず間違いなく「外壁塗装の経年劣化が原因(2-1)」です。
家を建ててから or 外壁塗装をしてから1年以内に生じたふくらみは、「外壁塗装工事の不備が原因(2-2)」である可能性があります。

3.外壁のふくらみは放置NG?補修すべき?

「外壁のふくらみを放置すると、どんなリスクが?」
「外壁のふくらみは補修するべき?」
など、外壁のふくらみを補修するかどうかで迷っている人は少なくないでしょう。

ずばり、外壁に生じているふくらみは早々に補修することを強くオススメします
なぜならば、外壁のふくらみを放置すれば、早々に外壁材がダメになる/雨漏りやシロアリが発生するなどのリスクが生じるためです。それは、外壁のふくらみの原因が、外壁塗装の経年劣化の場合も、外壁塗装工事の不備の場合も、同じです。

▼外壁塗装の経年劣化が原因で、外壁がふくらんでいる場合
2-1でお伝えした通り、外壁塗装の経年劣化が原因の場合、外壁塗装と外壁材の間に雨水が浸入する・雨水がたまることで外壁にふくらみが生じています。ということはつまり、外壁のふくらみを放置するということは、雨水が浸入し続ける・雨水がたまり続ける状態を放置するということです。外壁塗装と外壁材の間に雨水が浸入し続け、たまり続ければ、次第に外壁材にも雨水が浸み込むようになるでしょう。外壁材に雨水が浸み込み続ければ、外壁材は腐食が進むなどして早々にダメになる可能性大です。

▼外壁塗装工事の不備が原因で、外壁がふくらんでいる場合
外壁塗装工事の不備の内容によって、ふくらみが生じるメカニズムは異なりますが…外壁にふくらみが生じている場合、いずれにしても、外壁塗装が本来の性能を発揮できていない状態にあることは間違いありません。外壁塗装が本来の性能を発揮できていない状態であれば、防水性にも何等かの問題が生じているはずです
外壁塗装の防水性に問題が生じて、外壁塗装が雨水を防ぎきれなくなると、雨水は少しずつ外壁材に浸み込むようになるでしょう。外壁材に雨水が浸み込み続ければ、外壁材は腐食が進むなどして早々にダメになる可能性大です。
※ふくらみが生じる可能性のある外壁材(※1章を参照)は、外壁塗装をすることで防水性を備えています。

そして、外壁のふくらみの原因が、外壁塗装の経年劣化の場合も、外壁塗装工事の不備の場合も、雨水が外壁材より奥の、住まいの躯体にまで浸入するようなことになると、雨漏りやシロアリなどの発生リスクも生じます
さらに、雨漏りやシロアリなどによって住まいに甚大なダメージが及ぶようなことになれば、最悪の場合、住まいの寿命が縮んでしまうことも考えられるのです

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4.外壁のふくらみの補修方法&補修にかかる費用相場

この章では、外壁のふくらみの
・補修方法(4-1)
・補修費用(4-2)
などについて、詳しく解説いたします。

4-1.外壁のふくらみは塗装で補修する

一般的に、外壁のふくらみは塗装で補修します
塗装のやり方は、部分的に塗装をする「部分塗装」と、外壁全面を塗装する「全面塗装」の2つあります。

●部分塗装
ふくらみ箇所を除去し、ふくらみを除去した箇所のみ再び塗装する。
※ふくらみ箇所を除去した後、洗浄・(必要に応じて)下地処理をしてから、再塗装します。
●全面塗装
ふくらみ箇所を除去し、外壁全面を再び塗装する。
※ふくらみ箇所等を除去した後、洗浄・(必要に応じて)下地処理をしてから、再塗装します。

 

「部分塗装」で補修をするか、「全面塗装」で補修をするかは、ケースバイケースです

例)
●外壁塗装の経年劣化が原因で外壁にふくらみが生じている場合は、一般的に「全面塗装」で補修をします
※雨水の浸入口となっている箇所(ひび割れ箇所・塗膜の剥離箇所など)も、塗装(場合によってはプラスαの補修が必要)で補修します。
※ふくらみ以外の、チョーキング・色あせなどの外壁塗装の劣化症状も塗装で補修します。

●下塗り材・上塗り材などの選定ミス(外壁塗装工事の不備)が原因で外壁にふくらみが生じている場合は、一般的に「全面塗装」で補修をします
※ふくらみ箇所の除去とあわせて、ふくらみ箇所以外の外壁塗装をはがす作業が必要となることもあります。

●洗浄が不十分/洗浄後の乾燥が不十分であったこと(外壁塗装工事の不備)が原因で外壁にふくらみが生じている場合は、「部分塗装」で補修できる可能性がありますふくらみの程度や範囲等によっては、「全面塗装」での補修が必要となることもあります

 

4-2.外壁のふくらみ補修にかかる費用相場

外壁塗装 値引き

外壁のふくらみ補修にかかる費用相場は下記の通りです。

[外壁のふくらみ補修にかかる費用相場]

部分塗装費数万円~数十万円
全面塗装費80~150万円
※一般的な2階建て住宅
※塗り面積200㎡
※屋根塗装含まず

※上記はあくまで費用目安です。
※補修費用(部分塗装費、全面塗装費)は、塗装面積(補修する範囲、外壁の広さ)、使用する塗料製品、+αの補修費用(ふくらみの進行具合、ふくらみ以外の補修が必要な劣化症状の有無等)など、さまざまな要因によって大きく変動します。場合によっては、上記の費用相場と大きく異なることもあります。

※外壁のふくれの原因が外壁塗装工事の不備である場合、保証が受けられる可能性があります。

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4-3.外壁のふくらみ補修はプロに依頼すべし

外壁塗装

外壁のふくらみ補修はプロに依頼をしてください。
もしかすると「外壁のふくらみを自身で補修できないか…?」と考えている人もいるかもしれませんが、それは難しいでしょう。

なぜならば、外壁のふくらみを補修するためには、
・外壁のふくらみの原因を見極める
・(外壁のふくらみの)原因にあわせた補修工事をする
・外壁材/前回塗装している塗料製品/住まいの環境などに応じて、最適な下塗り塗料・上塗り塗料などを選定する
など、専門的な知識や経験が必要となるためです。

仮に知識不足・経験不足により誤った補修をすれば、早々に不具合が生じる可能性が高いです。そうすると、結局はプロに依頼をしなければならず、補修にかけた手間や費用は無駄になってしまうことになります。また、誤った補修で生じさせた不具合を補修するのに、余計に費用がかかってしまうこともあるでしょう。


また、ふくらみ箇所が外壁の高所にある場合などには、補修をするのに“危険を伴う高所作業が必要となること”も、プロに依頼すべき理由の一つです。
高所作業をする場合、プロでも足場を設置するなどして万全の体制で行ないます。素人が脚立にあがって作業をするなど、とんでもなく危険です。高所作業が伴う場合には、絶対に自身で補修をするのはやめてください。

外壁のふくらみの原因が、外壁塗装工事の不備の可能性がある場合には、工事を行なった業者・住宅購入時の業者(ハウスメーカー、仲介の不動産会社等)などに相談をするのが賢明です。業者側に明らかな落ち度があったことが原因で外壁にふくらみが生じている場合には、それなりの対応をしてもらえるはずです。

プロタイムズでも「外壁のふくらみ補修」を行なっています!

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本サイトを運営している「プロタイムズ」でも、外壁のふくらみ補修を行なっています
「外壁のふくらみ補修を依頼したい」という人は、ぜひ、お問合せください。
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また、プロタイムズでは「外壁の状態をみる外壁診断」「外壁のふくらみ補修にかかる見積りの提示」などのサービスも提供しています
「我が家の外壁には、本当にふくらみが生じているのか診てもらいたい」
「我が家の外壁のふくらみは、補修が必要なほど深刻な状態なのか診断してほしい」
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といった人も、ぜひお気軽にお問合せください。

まとめ

外壁にふくらみが発生することがあります。
ほとんどの場合、原因は、外壁塗装の経年劣化です。まれに外壁塗装工事の不備が原因である場合もあります。

外壁のふくらみを放置すると、早々に外壁材がダメになる/雨漏りやシロアリが発生するなどのリスクが生じます。最悪の場合、住宅の寿命が縮んでしまうことにもなりかねません。そのため、外壁のふくらみを見つけたら、早々に補修を検討することを強くオススメします。

この記事では、外壁のふくらみ補修方法&補修費用などについてもご紹介しております。外壁のふくらみ補修を具体的に検討する際には、こちらの情報も、ぜひ参考にしてください。