外壁 劣化

2024年の現時点で、まったく劣化しない外壁は存在しません。劣化の進行スピードが遅い耐久性に優れた外壁もありますが、劣化しないわけではありません。どんな外壁も、必ず劣化は進行します。

「我が家の外壁は劣化している?」
「劣化した外壁は補修が必要なのか?劣化を放置すると、どうなるのか?」
「外壁の劣化の補修には、どのぐらいの費用がかかるのか?」
などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。このあたり、記事内で詳しく解説いたします。

この記事では、外壁の劣化について徹底解説いたします。
・外壁の劣化を放置すると、どうなるのか?(1章)
・外壁補修が必要かどうかは、劣化の進行段階で見極める(2章)
・外壁の劣化を補修する方法&費用相場(3章)
・外壁が劣化する原因(4章)

外壁の劣化に悩まれている方は、ぜひ、参考にしてください。

1.劣化した外壁を放置すると住まいの寿命が短くなる!?

劣化した家の外観

ずばり、劣化した外壁は、早々に補修が必要です。
なぜならば、外壁の劣化が進行すると、住まいの寿命が短くなるリスクが生じるためです。

劣化が進行するにつれ外壁の防水性は失われていき、いずれは雨水の浸入を許すようになります。雨水が浸入すると、外壁は加速度的に傷みます。さらに住まい内部にまで雨水が入り込んでしまうと、住まいの躯体が腐食してしまう可能性も十分にあります。躯体の腐食が進めば、早々に住まいが寿命を迎えてしまうことにもなりかねません。
こうした最悪の事態を引き起こさないためには、劣化した外壁を、早々に補修する必要があるのです。

ただし、外壁の劣化進行が初期の場合は、ひとまず経過観察で様子を見るという対処をすることもあります。このあたり2章で詳しく解説いたします。

 

2.外壁補修が必要かどうかは「劣化の進行段階」で見極める!

お住まいの外壁を補修する必要があるかどうかは、「外壁の劣化の進行段階」で判断します。

外壁×虫眼鏡

2-1.劣化の進行が初期の場合⇒経過観察でも問題なし

外壁に以下のような劣化症状が見られる場合は、劣化の進行段階としては初期のため、ひとまず経過観察で様子を見るという対処でも問題ありません。

●ひとまず経過観察でも問題ない|外壁の劣化症状(劣化の種類)

外壁 汚れ
汚れ

幅0.3mm未満のひび割れ(ヘアークラック)
幅0.3mm未満のひび割れ(ヘアークラック)

※経過観察でも問題ありませんが、劣化の進行を遅らせるために、できることもあります。
外壁の汚れは洗浄するなどしてキレイにすると、劣化の進行を遅らせることができます。また、幅0.3mm未満のひび割れでも、早めに補修をしておくと、ひび割れが大きくなるなどの劣化進行を防ぐことができます(補修方法については、以下3章を参照)。

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2-2.ある程度劣化が進行している場合⇒早々に補修が必要

ある程度劣化が進行している場合には何らかの補修が必要となります。具体的には、外壁に以下のような劣化症状がある場合は、ある程度劣化が進行しているため、早々に補修を検討するべきです。以下の劣化症状を放置すると、1章でお伝えした通り、住まいの寿命が短くなるなどのリスクが生じます。

●補修が必要|外壁の劣化症状(劣化の種類)

外壁の苔・藻
カビ・藻・コケの発生
外壁の色あせ
色あせ
外壁のチョーキング
著しいチョーキングの発生
※外壁を手で触ると、粉状のものが付着する状態
外壁の幅0.3mm以上のひび割れ
幅0.3mm以上のひび割れ
外壁塗膜の膨れ
塗膜の膨れ
外壁の塗膜のはがれ
塗膜のはがれ
外壁のサビの発生
サビの発生
外壁材の欠け
欠けている箇所がある

★具体的な外壁の補修方法については、以下3章を参照ください。

2-3.外壁を補修すべきかの最終判断はプロにお願いするのが賢明

診断の様子

上記2-1&2-2でお伝えした通り、劣化の進行段階によって補修の必要有無を見極めることができます。とはいえ、「自身での判断は難しい」と感じる方は少なくないでしょう。また、判断を誤ると「補修が必要なタイミングで補修をしなかった結果、住まいが大変なことに…」といった事態にもなりかねません。

そのため、上記2-1&2-2を参考に外壁をチェックしてみた結果、「もしかすると補修が必要?」と少しでも感じた場合には、“プロに診てもらうこと”を強くオススメします。

プロに依頼すると、劣化の進行段階を目視で確認するほか、
・細かい劣化の有無や状態をルーペで拡大して確認する
・外壁を打診棒で叩き、外壁内部の状態を音で確かめる
などして、より専門的に外壁の状態を診てもらえます。そのため、外壁を補修すべきタイミングなのかどうかを、より正確に判断することができます。
また、プロに外壁を診てもらうと、補修をした場合にかかる費用(見積り)も算出してもらえます。

外壁を診るだけなら無料で対応してくれる業者は少なくありません。

当メディアを運営するプロタイムズでは、無料で建物診断の実施と見積り相談を承っております。(診断をしたからといって、プロタイムズに塗装工事を依頼しなければならないということはありません。お気軽にお問合せください。)
建物診断・見積りを依頼する(無料)|プロタイムズ

3.外壁の劣化を補修する方法&費用相場

家とお金のイラスト

外壁の劣化は、基本的に以下いずれかの方法で補修をします。

[補修方法&費用まとめ]

補修方法費用相場
部分補修(3-1)※補修内容や範囲によって異なる
外壁塗装(3-2)80~150万円
(一般的な2階建て住宅/塗り面積200㎡)
重ね張り・張り替え(3-3)重ね張り:150万円~
張り替え:200万円~

※上記の費用は、あくまで相場価格です。外壁の大きさや劣化の進行具合など諸条件によっては、実際の費用が上記と大きく異なることもあります。

3-1.部分補修

部分補修とは、劣化している部分だけを補修をすることです。一般的に、劣化箇所が部分的な場合、部分補修をします。

【部分補修の例】
●「ひび割れ(0.3mm以上)」⇒Uカットシーリング処理(※)など
※ひび割れ箇所をU字型にカットし、シーリング材を充填、樹脂モルタル等で表面を平滑にする。
●「欠け」⇒部分的な張り替え(サイディング外壁の場合) など

劣化症状(劣化の種類)によって、部分補修の内容は異なります。上記以外にも、様々な部分補修の方法があります。

※部分補修をした場合、どうしても補修跡がのこります。「補修跡をのこさず、キレイに外壁を補修したい」という場合は、塗装による補修(3-2)がオススメです。

3-2.外壁塗装

外壁の中塗りの様子

・部分補修では補修しきれない場合
・外壁全面に劣化の症状が広がっている場合
・「補修跡をのこさず、キレイに外壁を補修したい」という場合
などは、外壁塗装による補修をします。

外壁塗装の場合、外壁全面の補修ができるだけでなく、外壁を新築時のようにキレイよみがえらせることも可能です。既存とは異なる色の塗料で塗り替えて、外観の印象をガラリと変えることもできます。

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3-3.重ね張り・張り替え

部分補修や塗装では、外壁の劣化を補修しきれない場合に、「重ね張り」や「張り替え」による補修を行ないます。また、「外壁材自体を新しくしたい」などの施主(消費者)の希望によっては、部分補修や塗装ではなく、重ね張りをすることもあります。下地や断熱材などにまで劣化が進行している場合には、張り替えとなります。

重ね張り 

重ね張り
既存の外壁の上に、新しい外壁材を施工する補修方法。

張り替え

張り替え
既存の外壁を取り除き、新しい外壁材を施工する補修方法。

 

3-4.【補足】シーリング(コーキング)の打ち替え

シーリング

外壁の劣化を補修をする際、あわせてシーリング(コーキング)の劣化も補修をするのがオススメです。
※シーリングとは、外壁と外壁や、外壁と窓の接合部分につかうゴム状の材料のことです。
※シーリングが使用されていない外壁材もあります。基本的にモルタル、樹脂系サイディングなどの外壁材にはシーリングが使用されていないため、シーリング補修も不要です。

シーリングの劣化を放置すると、劣化箇所から雨水が浸入する可能性が生じます。雨水が住まい内部に浸入すると、1章にてご紹介した通り、早々に住まいが寿命を迎えてしまうことにもなりかねません。
こうした事態を防ぐためには、劣化したシーリングを早々に補修する必要があります。具体的には、以下のような劣化症状が見られる場合、早々に補修をすべきタイミングです。

※一般的なシーリングの耐久性を考えると、外壁に2-2のような劣化症状が見られる場合、シーリングにも以下のような劣化症状が見られる可能性大です。

●補修が必要なシーリングの劣化症状(劣化の種類)

シーリングのひび割れ
ひび割れ

シーリングの破断
破断

シーリングの剥離
剥離

ちなみに、シーリングは「打ち替え(既存のシーリング材を取り除いて、新しいシーリング材を充填する方法)」にて補修をするのが一般的です。

●シーリング(コーキング)の打ち替え
費用相場:900~1,500円/m
※足場を組む必要のある場合は、別途、足場費用がかかります。

3-5.どの補修方法を選択するのがベスト?

人物イラスト(疑問)

「我が家の外壁の劣化は、上記どの方法で補修するのがベストなのだろう?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

基本的には、外壁の劣化症状(劣化の種類)によって補修方法を判断します。
ただし、同じ劣化症状でも、劣化の進行具合によって選ぶべき補修方法が異なることもあります。数種類の劣化症状が見られる場合には、また違った判断をすることも。

そのため、一概にどの補修方法がベストと言うことはできません。

実際に外壁の劣化をどの方法で補修するかは、プロと相談をして決めることになります。その際、上記3-1~3-3も参考に、自身の予算や希望などをプロに伝えると、より納得の外壁補修ができるはずです。

 

4.【参考】プロが解説!外壁が劣化する原因とは?

太陽の光

「そもそも、外壁はなぜ劣化するのだろう?」と疑問に感じている方もいるかもしれません。

外壁の劣化を進行させる原因は、
・太陽光 ・風 ・雨
などです。

外壁が劣化する最大の原因は、太陽です。太陽光の紫外線や熱が外壁の劣化を進行させていきます。そのため、太陽光のあたりやすい南側の外壁などは、劣化が進行しやすい傾向にあります。
また、雨風も外壁の劣化を進行させる原因の一つ。特に、台風時などに強い風や雨を受けると、劣化の進行スピードを加速させてしまうこともあります。

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まとめ

どんな外壁も必ず劣化が進行します。

今すぐに劣化の補修が必要かどうかは、劣化の進行段階で判断します。初期の劣化であれば、ひとまずは経過観察でも問題ないケースもあります。ある程度劣化が進行している場合には、早々に補修を検討することを強くオススメします。劣化したまま放置し続けると、住まい内部に雨水が浸入、躯体が腐食し、早々に住まいが寿命を迎えてしまうことにもなりかねません(1章&2章)。

外壁の劣化を補修する方法はいくつかあり(3章)、どの補修方法を選ぶべきかは、劣化症状や劣化の進行具合などよって異なります。ご紹介した方法も参考に、プロの業者に相談をして検討してみてください。