外壁塗装をしよう!と決めて、気になるのはやっぱり「色決め」ではないでしょうか。大事な家、印象を決めるのは色であり、ご近所からの目も気になるところではありますよね。
自分の好きな色にしたい、という気持ちもありながら、まわりから変だと思われない色にしたい、失敗したくないという気持ちが大きいのが事実かと思います。
本記事では、そんな「絶対失敗しない外壁の色選び」と題して、失敗しないための色決めのポイントはもちろん、絶対失敗しない色までご紹介します。
これを読めば外壁塗装の色で絶対失敗することなし!是非ご参考にされてください。
1.絶対失敗しない外壁の色選び 8つのポイント
外壁の色選びの際、何に気をつけたらいいのか意外とわからないものです。自分の家なのだから好きな色を選べばいいのでは?と思われる方もいるかもしれません。
しかし、安易な考え方で選ぶとその先短くても7~10年は同じ色です。
(外壁塗装は安くても50万円はかかります。頻繁に変えられるものではありません。)
ここではそんな色決めを「絶対失敗しない」ための基本ポイントをまとめてみました。
1-1.「好きな色」ではなく「落ち着いた色」をベースにする
失敗したくないという方はとにかくまず茶系、ベージュ系、グレー系などの「落ち着いた色」をベースに選びましょう。
外壁の色は、洋服や髪色と違って、気に入らなかったらすぐに変えられるものではありません。塗替え費用として少なくとも50万以上はかかってくるからです。よって、赤系、青系、などの原色や派手な色を選ぶのではなく、上記の落ち着いた色を選んでおくことでそこまで大きな失敗に繋がることはありません。
1-2.汚れが目立ちにくい色を選ぶ
お家が幹線道路沿いにある、川が近くにあり藻やカビが生えやすい環境にある、などという方が外壁の色選びに失敗しない為に注意した方がいいこととして、「汚れへの配慮」です。
配色や艶感を考えて色を決めたはいいものの、結局汚れで美観が損なわれてしまった…というのは避けたい事態です。塗料の性能として汚れがつきにくくなる機能がついた塗料を使用する、というのもひとつの手ですが、選ぶ色によって解決されることもあります。
反対に選ばない方がいい色も理由と共にご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
【汚れの目立ちにくい色】
①グレー
外壁に付着する汚れには様々なものがありますが、ほとんどの汚れの色は中間色(砂や土埃は薄茶・黄土色で、苔やカビは緑を含んだ薄茶のような色)です。グレーはそのほとんどをカモフラージュしてくれます。
②ベージュ系(アイボリー、薄いブラウン)
グレー色と同様に、煤煙や黄砂などの汚れが付着しても色が同化するため、汚れがあまり目立ちません。
画像出典:プロタイムズ川越中央店
【汚れの目立つ色】
①白・黒
スタイリッシュな印象に決まりそうな白や黒は実は汚れが最も目立ちやすい色です。
外壁の汚れは中間色のものが多く、下図をご覧いただいてもお分かりのように白や黒と色のコントラストが大きいため汚れが目立ってしまう恐れがあります。
②赤系
赤系の色は青系の色に比べて色あせが起こりやすい傾向にあります。
古びた道路標識を見ても赤い部分だけ見事に色あせが起こっていますが、これも赤や紫などは、紫外線などの波長が短い色を吸収しやすく、色あせが起こりやすいためです。
画像出典:http://blogs.yahoo.co.jp/mon2mon3/41087904.html
1-3.大きめの塗板で色を見ることで、イメージと離れていないか確認する
面積効果というのをご存知でしょうか?
よく塗料メーカーや施工店が見せてくる色見本だとひとつひとつが小さく、似た色同士の違いがわからなくなったりしますよね。面積の大小により色の見え方が変わることを面積効果といいます。
大きな面積になると、明るい色はより明るく、鮮やかな色はより鮮やかに、暗い色はもっと暗く感じます。
実際塗ってみると何か違う・・・ということを避けるためにも、施工店にA4サイズくらいの大きめの色見本を用意してもらいましょう(依頼すると通常用意してくれます)。
【通常の色見本帳は各色がチップサイズ↓】 【A4版色見本板↓】
1-4.朝昼夜、違う天気で色を見る
天気によっても色は変わります。例えば太陽光の光が多く、反射率の高い晴れの日には全体的に色が明るく感じ、夕方は太陽光が赤みを多く含むので色味が変化します。
いろんな天気、時間帯でチェックしてみましょう。
1-5.標準色をベースに色を選ぶ
色を選ぶ際、施工店が提示してくる色(塗料メーカーの標準色)ではなく他の色がいい、と思われることがあるかと思います。その場合は日本塗料工業会※の定めた塗料用の標準色でも対応できることが多いです(塗料の種類により対応できない場合や、標準色よりも価格が上がる可能性もあります)。
これは標準色ではなく特別色、という扱いになりますが、失敗しない為には標準色の中から選ぶのをおすすめします。
理由としては、特別色となると他の施工事例が少ないため、施工店も塗ってみないとどのような仕上りになるかわからないことがあるからです。しかし、標準色であればある程度その色での施工実績があるため、不安であれば施工店に頼み、そのお家を見せてもらうことでより仕上りイメージをふくらませることもできます。
失敗したくないのであれば、その塗料メーカーの標準色から選びましょう。
※日本塗料工業:塗料製造業の団体。塗料用標準色の発行、各種自主管理、統計資料の発行などを行っている。(http://www.toryo.or.jp/)
1-6.景観に配慮する
外壁の色、というと家だけに注目しがちですが、大切なのはその家を含め「景観」です。
京都の例を挙げるとわかりやすいかと思いますが、マクドナルドが通常の赤と黄色ではなく茶色だったり、ファミリマートも緑と青ではなく茶色だったり、「景観」を重んじた色を使用しているかと思います。同様に家の外壁の色を決める際もこの「景観」に配慮することで失敗を防ぐことができます。「浮いた色」を選ばない、ということです。隣の家の外壁が茶系だからうちも必ず茶系にしなければならない、ということではありませんが、同系色にすることで環境に馴染んだ家のイメージにすることができるため、失敗する可能性が少ないでしょう。
1-7.艶感も外壁の印象を大きく左右する要素ということを忘れない
まず決めるのは何色にするかというところですが、同時に決める必要があるのは意外と忘れがちな艶感です。
艶感も家のイメージを大きく左右します。
艶感が強いものを選ぶと、光沢感が出るので少し派手なイメージになります。
反対に艶感を抑えめにすると、重厚感が出て落ち着いた雰囲気に仕上ります。
艶感も艶有り(10部艶※)から、5分艶、3分艶、艶消し(0部艶)まで塗料によってパターンがあるものもあれば、艶有りしかない塗料もあります。
もちろん、使用する塗料の色を決めて艶感を選ぶというのも方法ですが、艶消しが良い!という思いがある場合、使用塗料を決めてしまったあとにその塗料は艶有りしかない、という状況になってしまうこともありますので、塗料決めの際に施工会社に艶消しが良いという一言を伝えておきましょう。
また艶感を確かめる為にも、試し塗りをしてみると、「思ったよりビカビカに光沢がありすぎる」や「もっと艶感があると思ってた」というようなギャップを防ぐことができます。
※艶の度合いは○部艶、と表現し、数字が10に近いほど艶があるということです。
1-8.塗替えシミュレーションをしてみる
塗替えシミュレーションというのをご存知でしょうか?これはこの色だと家の全体像はどのようなイメージになるか、というのが画面上もしくは紙上で確認することのできる方法のことです。
塗替えシミュレーションを行うと、施工業者が提供してくれる色見本帳の小さなものでの確認ではなく全体イメージを確認することができます。
参考にサイト上でカラーシュミレーションのできるサイトを下記にご紹介しますので是非お試しください。
・エスケー化研
http://www.sk-kaken.co.jp/simulation/
・関西ペイント
http://www.kansai.co.jp/repaint/index.html
・日本ペイント(ハナコレクション)
http://www.hanacole.com/simulation/index.html
2.失敗しない外壁のオススメ色はこれ!
いろいろ注意点はあるけれど、結局どの色を選べば失敗しないの?と思われる方もいるかと思います。ここではズバリ「失敗しない色」をピンポイントでお伝えします。
単色で失敗しない色は、ずばり「真っ白ではなく、少しベージュがかった白」です。
塗料メーカーのアステックペイントが調査した外壁人気カラーランキングでも、ブロークンホワイト・ライトクリームといった、少しベージュがかった白が人気という結果が2014年、2015年と2年連続ででています。
この結果からもわかるように、このような色は失敗がないと言えるでしょう。
では、屋根の色はどうでしょう?
屋根は外壁とは違い、家の上部に位置し、且つ面積も外壁より少なめです。屋根は外壁と反対に、全体を引き締める色を使用すると失敗しません。
色でいうとチャコール(塗料メーカーアステックペイントの標準色)あたり(黒に限りなく近い茶色)が失敗しません。
実際の施工事例が見たい方はこちらをご覧ください↓
3.【補足】外壁と一緒に決めよう!屋根、付帯部の色決め
外壁の色決めを終えてホッとするかもしれませんが、同時に屋根と付帯部(軒、破風、かさぎ、手すりなど)の色も決める必要があります。
まずは屋根の色選びですが、外壁に比べて濃い色を選びましょう。その方が家全体が締まって見えるからです。3章の人気色でもそうですが、外壁はクリーム系やベージュ系の淡い色、屋根は黒や焦げ茶などの濃い色がよく選ばれています。メリハリをつけることで家全体が締まった印象になるのです。
次に付帯部の色決めですが、決して難しくはありません。失敗しないポイントはただひとつ、屋根や外壁に使用した色を繰返し使うことです。以下のイメージを参考に、付帯部の色を決めてみてください。
なりたいイメージ | 方法 |
---|---|
スッキリしたイメージにしたい | 外壁に使用した明るい(淡め)な色を使用し、明るくまとめる |
重厚感のある落ち着いたイメージにしたい | 屋根に使用した暗い色(黒やグレー)を使用し、落ち着いた色でまとめる |
個性的なイメージにしたい | あえて鮮やかな赤や黄色をアクセントとして使用する |
4.【番外編】どうしても迷ったらこれで決める?!風水をもとにした色選び
どうしても迷ってしまってなかなか色が決められない…もうそろそろ色を決めないと期限が迫っている…という方、いるかと思います。
そんな方は風水をもとにした色選び、というのはいかがでしょうか。海外、シンガポールでは多くの建物に風水の考えが取り入れられているのは有名な話ですよね。
絶対に失敗しない色選び、というところとは少しずれてしまいますが、番外編としてお伝えします。興味のある方は見てみてください。
【風水を取り入れた色選び】
・赤
情熱、活力を与えてくれる色。自信を取り戻したいときに取り入れると有効的。
・オレンジ
親しみ、社交力をアップさせ、落ち込みを立ち直らせてくれる明るさがある色。
・黄色
金運をアップさせる効果のある色。明るく幸福感を与える効果もあるため、前向きに進むこともできる。
・緑
穏やかさと回復力、健康運をアップさせる色。
・青
誠実さと包容力を与え、対人運をアップさせる色。
・ピンク
温もりと人間力で愛情運をアップさせる色。
上記ご参考に、取り入れたい効果をもとに色を選んでみてはいかがでしょうか。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
外壁の色決めとなると、多大な選択肢があり、失敗しないための判断基準は意外とたくさんあるな…と思われたかもしれません。
しかし、これを読んだあなたはもう迷う必要はありません。
・「好きな色」ではなく「落ち着いた色」を選ぶ
・汚れが目立ちにくい色を選ぶ
・大きめの塗板で色を確認する
・朝昼夜、違う天気で色を見る
・塗料メーカーの色を選ぶのが無難
・景観に配慮する
・艶感は外壁の印象を大きく左右する
・塗替えシミュレーションをしてみる
上記8つのポイントをおさえておけば失敗を恐れることなく、安心して外壁の色決めができるでしょう。
この記事が皆様のお役に立つことを願ってまとめとさせていただきます。