外壁の色を決める。
これほど、塗り替えリフォームにおいて頭を悩ませることはないでしょう。
ただ好きな色にすればいいというものではなく、家のかたちとの調和、近隣の家々との調和、さまざまなことを考慮しなくてはなりません。
しかも、一度塗ってしまえば、そう簡単にやり直しも効きません。
そんな慎重さを要する色決めで有効なのが、カラーシミュレーションです。
ここでは、インターネット上で今すぐできるカラーシミュレーションサイトとともに、色決めにおいて押さえておきたいポイントや注意点をご紹介します。
1. 外壁の色を決める方法
外壁の色選びは、塗り替え時に最も施主が気にするポイントです。ここで失敗してしまうと、向こう10年はそのままか、最悪の場合、塗り直しに数十万円の追加費用が発生する可能性があります。
まずは、色決めで押さえておきたいポイントを知っておきましょう。
1-1. 一般的な色決めの方法
多くの場合、塗り替え工事契約の成約後に色を決める打ち合わせを行います。
打ち合わせの内容や流れ、方法は施工店によって様々ですが、代表的な方法をいくつかご紹介します。
色見本帳を使った色決め
色見本帳とは、塗料メーカーが施工店に配布、または貸し出しをしているもので、塗料メーカーの標準色をはじめとするさまざまな色のサンプルを見ることができます。
塗料メーカーが実際に販売している色なので、仕上がりに近い状態の色を選ぶことができ、また、施工店にとっても色番号などを指定して塗料を発注できるのでスムーズです。
塗り板を使った色決め
塗り板とは、見本用のサイズ(A4サイズ前後)の板に塗料を塗ったものです。塗料メーカーが施工店に配布、または貸し出ししているものや、施工店がカラー提案用に独自につくったものなどがあります。
色見本帳とはちがい、実際に塗ったときの色味に近い色が出ます。また、色だけでなく塗膜の質感も確認することができるのが利点です。
カラーシミュレーションを使った色決め
カラーシミュレーションは、パソコンに住宅の写真を取り込み、専用ソフトで外壁や屋根を複数のカラーパターンでシミューレションするものです。
実際の外観に色を載せることで、より仕上がりに近いイメージで色を検討できると同時に、複数のカラーパターンを並べて比較することもできます。
通常、カラーシミュレーションは施工店に作ってもらいますが、次の章では、インターネット上で簡単にできるカラーシミュレーションサイトをご紹介します。
このほかにも色決めには、いくつか注意したい点があります。詳しくは下記のページでご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【参考】外壁塗装で成功する色選びの為に押さえる6つのステップ
1-2. 色決めで起こりやすいトラブル
外壁の色で起こりやすいトラブルはズバリ、「見本で見た色とちがう色になった」というもの。
どうしてこのようなことが起こるのか。それには、面積効果と反射率が大きく関係しています。
同じ色でも、小さき面積と大きな面積では見え方がちがいます(面積効果)。
また、同じように太陽の光の量が多い時と少ない時でも見え方がちがいます(反射率)。
小さな色見本だけで色を決めてしまうと、想定していた色とちがった印象の仕上がりになることもあるので注意が必要です。
2. 外壁の色をシミュレーションできるおすすめサイト
外壁・屋根の色をシミュレーションできるサイトの中から、おすすめのサイトをご紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。一部、スマートフォンでは利用できないサイトもあります。
2-1. 塗料・建材メーカー系
エスケー化研株式会社 「住宅塗り替えシミュレーション」
http://www.sk-kaken.co.jp/simulation/
建築用塗材・塗料の大手メーカーであるエスケー化研のWEBサイト。
住宅タイプを選んだあと、外周壁・バルコニー・玄関廻り・その他付帯部それぞれに対して、パターンとカラーをシミュレーションすることができます。
関西ペイント株式会社 「カラーシミュレーション」
http://www.kansai.co.jp/repaint/index.html
大手総合塗料メーカー、関西ペイントのWEBサイト。
住宅タイプを選んだあと、各部位に対してカラーをシミュレーションすることができます。
関西ペイントの標準色だけでなく、日本塗料工業会色見本からもカラーを選択できます。
日本ペイント株式会社 「カラーシミュレーション」
http://www.hanacole.com/simulation/index.html
汎用塗料の製造販売を手掛ける大手メーカー、日本ペイントのWEBサイト。
住宅タイプからだけでなく、ライフスタイルから選ぶカラー診断や自宅写真を使った配色イメージなど、様々な角度からカラーシミュレーションができます。
2-2. 塗装会社・リフォーム会社系
小林塗装 「外壁塗装・屋根塗り替えのカラーシミュレーション」
http://www.yuzu-tosou.com/simulator/
愛知県名古屋市の塗り替え専門店、小林塗装のWEBサイト。
外壁は1階・2階と分けてカラーが選べるので、人気のツートンのシミュレーションも可能。
出来上がったシミュレーションを印刷することができるので、施工店との色打ち合わせにも使えて便利です。
ホームテック株式会社 「カラーシミュレーション」
http://www.hometec-inc.com/3-2/
福岡県福岡市の外壁・屋根・リフォーム施工店、ホームテック株式会社のWEBサイト。
洋風住宅だけでなく、和風住宅についてもシミュレーションできるのが特徴です。
グッドホーム株式会社 「塗装カラーシミュレーション」
http://www.goodhome-web.com/colorsimulation.php
山口県下関市に本社を置く外壁・屋根・リフォーム専門店、グッドホーム株式会社のWEBサイト。
アステックペイントやアドグリーンコートなど、塗料メーカーの色名を指定してシミュレーションすることができます。
2-3. シミュレーションをするときの注意点
WEBサイト上でシミュレーションができるのは、わざわざ施工店に提案してもらったりする必要がないのでとても便利ですが、モニターやブラウザによって色の見え方が異なるため、あくまでも参考イメージとして考えましょう。印刷して施工店に見せるとしても、やはりプリンターによって色の出方が異なるので、施工店には「こういうイメージにしたい」と方向性を伝えるために使用するとよいでしょう。
最終的な色決めは、やはり施工店の担当者と打ち合わせをして決めるのがいちばんです。
3. 満足いく外壁の色にするために
カラーシミュレーションは、複数のカラーパターンを比較できる便利なツールですが、それでも仕上がりの色とまったく同じになるとは言えません。
ここで、より満足いく外壁の色にするために、カラーシミュレーションに加えて気をつけたいこと・やっておきたいことをご紹介します。
3-1. 「思っていた色とちがう!」とならないために
外壁の色選びの失敗例でも最も多く聞かれる声が「思っていた色とちがう!」というものです。
大きな原因として、色見本帳やカラーシミュレーションのような小さいサイズで確認したときと、実際に大きな外壁に塗ったときでは、同じ色でも色味がちがって見えることが挙げられます。
こういった事態を防ぐために有効な方法として、次のようなものがあります。
実際に同じ(または近い)色で塗った家を見に行く
これは、ある施工店で実際に行われている方法です。色見本帳などの小さなサイズでは外壁に塗ったときの全体的なイメージが掴みづらいため、実際に同じ(または近い)色で施工した家を施工店担当者と施主とで見に行くというもので、この方法をとるようになってからは、施工店と施主とのあいだでの色味の認識違いが減ったとのことです。
施工中もこまめに色の具合を見る
塗装工事は日中に行われるため、仕事などで外出しがちな場合、なかなか工事の進捗や状態を見ることができないという人が多いのですが、やはり途中経過もきちんと見て、少しでも「あれ?この色の感じで進めるのかな?」と思ったら、すぐに現場の職人や担当者に質問・確認しましょう。
3-2. もしも仕上がりの色に満足いかないときは
もしも仕上がりの色に満足いかないときは、まずは施工店に相談をしましょう。
どのような対応になるかは施工店によって異なりますが、ほとんどの場合で全面塗り直しというのは難しいようです。
そうならないためにも、着工後も職人任せにせず、気になった時点で職人や現場担当者に相談するなどしましょう。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。実際にカラーシミュレーションサイトを使ってみましたか?
まだこれからという方は、カラーシミュレーションサイトでお住まいをいろんな色で彩ってみてください。きっとお気に入りの色が見つかるでしょう。
上手に活用して、ぜひ、満足のいく外壁の色を決めてください。