カビの生えた外壁

外壁塗装を考えているあなたは、とある重大なお悩みを抱えています。それは、家の北面にびっしりと生えた黒カビによる汚れ!洗剤で洗おうと試みたはいいものの、数ヶ月後には元通りに………。ついには除去を諦めてしまい、北面のカビは手付かずの状態になってしまいました。塗装をして外壁をキレイにしようとは思うものの、少ししたらまたカビが生えてしまうのではないかと不安でしょうがない……!

上に記したのは極端な例ではありますが、住まいの外壁に生えたカビにお悩みの方は実は非常に多いのです。カビは建物の美観を著しく損ねてしまうだけでなく、放置すると建物の劣化を早めてしまうなど、深刻なケースでは人体への悪影響すら及ぼしかねません。

しかし、そんなお悩みを解決できる機能をもつ「防カビ塗料」というものが存在します。防カビ塗料とは、塗布することでカビの発生を抑制することができる塗料のことを指し、カビが発生しやすい立地条件の住まいには特におすすめできる代物です。本記事ではそんな防カビ塗料を徹底解説。

驚きの実験結果やおすすめの防カビ塗料などの基礎知識や費用相場、驚くべき実験結果までを詳しくご紹介します。この記事で防カビ塗料について学び、カビの発生とは無縁なキレイな住まいを手に入れましょう!

1.防カビ塗料の基礎知識

本章では、防カビ塗料についてまず知っておきたい知識をご紹介します。

1-1.そもそも防カビ塗料とは?

そもそも防カビ塗料とはどんなもののことを言うのでしょうか。

防カビ塗料とは、カビの発生を抑制する成分が配合された塗料のことを指します。高圧洗浄や薬剤による処理で既存のカビを取り除いた後に塗布することで効果を発揮し、住まいの美観をカビから守ることが可能です。

一般的な塗料や市販のカビ取り剤との大きな違いは、効果を発揮する菌の種類の多さにあります。現在日本で販売されているカビ取り剤は、黒カビや青カビをはじめとしたJIS規格の13菌の中から3~5菌程度に効果を発揮すれば「防カビ剤」と認定されることになります。

しかし建物から高頻度で検出される菌は57種類もあると言われており、市販のカビ取り剤では対応しきれない場合もあるのです。

最近は一般的な塗料にも防カビ剤などが入っている場合が多いですが、専用の防カビ塗料に比べると対応する菌の種類が非常に少ないのが現状。なかなか落ちないカビにお悩み方は、強力なカビ耐性をもつ防カビ塗料で対策することをおすすめします。

以下は、カビがびっしりと発生した住宅に、実際に防カビ塗料を塗装した際の事例です。

  • 防カビ塗料施工前

外壁一面にびっしりと緑色のカビが発生してしまい、美観が著しく損なわれています。

  • 防カビ塗料施工後(3年経過)

防カビ塗料で塗り替え後、3年が経過した時点の写真です。カビの発生が酷かった部分は未だにキレイなままで、僅かな繁殖も見受けられません。

1-2.この防カビ塗料がおすすめ!

防カビ塗料は大きく分けて2つの種類があり、通常の塗料に添加するタイプのものと、既に防カビ剤が混同されており直接外壁に塗布できるものに分類することができます。

では、実際に外壁塗装を行なう時にどのような製品を選べばよいのでしょうか。ここでは、各メーカーが販売している防カビ塗料の中から、特におすすめできるものをいくつか紹介いたします。

  • アステックペイント アステックプラスシリーズ (塗料に添加するタイプ)

一般的な建物から高頻度で検出される57菌を含む500種類ものカビ・細菌(バクテリアなど)・藻類の発生を抑制する強力な防カビ剤です。通常の塗料に添加するタイプであるため、耐用年数は組合せる塗料によって異なります。耐久性が15年以上の塗料に添加すれば頻繁に塗り替えを行なう必要もなくなりますし、遮熱機能などとの組合せで更なる効果を付加することも可能です。

また、日本食品分析センターによる試験で食塩やカフェインよりも人体に無害であることが実証された、安全性が非常に高い塗料です。

  • エスケー化研 バイオタイト#10 (直接塗布できるタイプ)

カビや藻などの微生物に対して効果を発揮する防カビ塗料です。内装にも使用できる安全性を持つ塗料で、期待耐用年数は5~7年ほどとなっています。

 

2.驚きの実験結果をご紹介!

防カビ塗料がどのような効果を発揮するのか分かりやすく伝えるために、塗料メーカーである株式会社アステックペイントの協力を得て、とある実験を実施しました。ここではその実験結果を写真付きでご紹介し、最新の防カビ塗料の性能を検証します。

【実験内容】

①2枚の食パンを用意し、片方にだけ水で溶いた防カビ剤(アステックプラスS)を噴射。※パンの耳の部分には何も噴射していません。

②霧吹きで水を吹きかけて高湿の環境を作ったアクリル製の箱の中に、食パンを入れて8日間放置する。

カビが発生しやすい高湿の環境の中で、両者にはどのような違いが現れるのでしょうか。

  • 1日目

防カビ実験

防カビ実験

実験開始。片方のパンにのみアステックプラスSを15回ほど噴射したのち、8日間放置して様子を見ていきます。

  • 3日目

防カビ実験

3日目になると、防カビ塗料を噴射していない方の食パンが少しずつ傷んできているのがわかります。

  • 4日目

防カビ実験

衝撃的な写真ですが、4日目にしてカビの大量発生が始まってしまいました。防カビ塗料を噴射していない箇所を、黒カビがびっしりと覆い尽くしてしまっています。

  • 8日目

防カビ実験

8日目ともなると、左側の食パンは原型がわからないほど真っ黒になってしまっています。右側の食パンも耳の部分は同様に黒カビに覆われてしまっていますが、驚くべきことに防カビ剤を噴射している部分にはほとんどカビが発生していません。

カビが非常に発生しやすい環境であっても効果を発揮した原因としては、アステックプラスSが持つ2つの特性が挙げられます。

ひとつは、500菌以上のカビに効果を持つ圧倒的な対応菌数。

そしてもうひとつが、復数の薬剤を組み合わせた「複合合成剤」を用いているという点です。カビの中には薬剤に対しての耐性を持ってしまうものもあるのですが、復数の薬剤の効果でこうした薬剤耐性菌が発生しにくい環境をつくることができているのです。

最新の防カビ塗料の性能実験の様子をご紹介しましたが、いかがでしたか? 実験で使用したアステックプラスSのように強力な防カビ塗料なら、今回のような極端に湿度の高い環境でもカビの発生を防ぐことが可能です。外壁をカビから守る効果も、十分に期待できるといえるでしょう。

3.防カビ塗料の費用相場

防カビ塗料を選んだ場合、全体の施工費用はどの程度変わってくるのでしょうか。

通常の塗料に添加するタイプの防カビ塗料の場合、通常塗料に比べても全体の見積もり金額の上昇は4万円程度と、非常にお得になっています。カビが大量に繁殖してしまっている場合でなくても、通常塗料にオプションとして追加することをおすすめします。

具体的な合計金額はどのような塗料に添加するかにもよって変動するため一概には言えませんが、一般的な2階建て住宅に施工した場合80万円~150万円ほどが妥当といえるでしょう。

また、直接塗布するタイプの防カビ塗料は通常塗料よりも少し割高になる場合がありますが、80万円~150万円の間から大きくずれること少ないようです。

外壁塗装の費用相場についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。ぜひご参考にしてください。

 

4.補足:外壁のカビを放置するとこんな悪影響が!

最後に補足情報として、外壁に発生したカビが及ぼす悪影響についてご説明します。

外壁にびっしりと生えたカビは美観を損ねる原因になるのはもちろんですが、実は、カビを放置すると家そのものや人体にもダメージを与えてしまうおそれがあるのです。

そもそも外壁にカビが発生する原因は、外壁に付着した水分が長期間残ってしまうこと。そのため、家の近くに水辺や緑があり湿度が高くなる環境ではカビが発生しやすくなります。そのため、立地条件によっては新築であってもカビが発生してしまうこともあります。

しかし一方で、外壁の劣化を原因として発生するカビには注意が必要です。急に外壁にカビやコケが発生してきたのは塗膜の防水機能の低下のサインと言えますし、カビの種類によってはシックハウス症候群などの健康被害を引き起こす恐れもあるのです。そのような事態を引き起こす前に、早めに防カビ塗料による対策をすることをおすすめします。

 

まとめ

いかがでしたか? 本記事ではここまで、外壁に生えたカビに悩む方におすすめする「防カビ塗料」について、おすすめの製品から、その効果を証明する実験結果や費用相場までを詳しく解説してきました。「防カビ塗料という存在は知っていたけど、本当に効果があるのかは疑問」と感じていた方にとっても、納得できる内容であれば幸いです。

もしあなたの住まいにカビが発生しているとしたら、そこは間違いなくカビにとって繁殖しやすい環境であるといえます。今後もびっしりと生えたカビに悩むことがないように、本記事で紹介した防カビ塗料で住まいをカビから守り続けましょう!