「外壁のカビは放置しても大丈夫?」
「自身で除去できる?プロに依頼するべき?」
「プロに依頼した場合、費用はいくらかかる?」

外壁にカビが発生してしまうことがあります。外壁のカビについてお悩みの方は、少なくないでしょう。

外壁のカビは早々に除去するのがオススメです。
なぜならば、外壁のカビを放置すると「外壁の傷み(劣化)を早める」「アレルギーなどの病気を引き起こす原因となることがある」といったデメリットやリスクがあるためです。このあたり、本章で詳しく解説いたします。

この記事では、
・外壁に発生しているのはカビ?(1章)
・外壁のカビの発生原因、発生しやすい立地条件(2章)
・外壁のカビを早々に除去すべき理由(3章)
・外壁のカビは自身で除去できる?プロに依頼するべき?(4章)
・外壁のカビの除去方法&費用(5章)
など、外壁のカビについて徹底解説いたします。

外壁のカビにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

1.外壁に発生しているのはカビ?

「外壁に発生しているのは、本当にカビ…?」
「もしかするとカビではなく、コケか藻かも…?」
といった疑問をお持ちの方もいるでしょう。

以下、外壁に発生しているカビの画像です。

[外壁に発生しているカビ]
緑色のカビ以外にも、黒カビや赤カビなどが発生することもあります。

カビ

実際のところ、外壁にカビが発生するのは非常に稀(まれ)。外壁に発生しやすいのは、コケや藻です。そのため、「カビだと思っていたら、コケや藻だった」ということは、少なくありません。

外壁を見ても「カビかどうかわからない…」と方は少なくないでしょう。その場合、以下2章のカビの発生原因や発生しやすい立地条件を踏まえて考えると、発生しているのがカビかどうかわかるかもしれません。

外壁のコケを綺麗に落とす方法と予防するポイント

 

2.外壁にカビが発生する原因は?発生しやすい立地条件は?

2-1.外壁にカビが発生する原因

カビの胞子は空気中を浮遊しており、外壁に付着することもあります。
(カビの胞子が付着した)外壁が、カビに適した環境であった場合、カビの胞子は発芽して、成長。どんどん増殖していきます。

▼カビに適した環境
・直射日光が当たらない
・湿気が多い
・栄養(有機物)がある ※汚れなど

つまり、外壁が上記の環境下にあると、カビが発生(成長&増殖)する可能性大というわけです。

上記の環境が整いやすい立地条件などについて、以下2-2にて解説いたします。

※ちなみに、コケや藻は、日光があり湿気が多い環境に発生します。

2-2.カビが発生しやすい立地条件

以下のような立地にある外壁は、カビに適した環境となりやすいため、カビが発生(成長&増殖)しやすい傾向にあります。

[カビが発生しやすい外壁の立地条件]

・日当たりが悪い
北側の外壁、隣の建物に日光を遮られている外壁など

・風通しが悪い
住宅が密集している、隣の住まいとの距離が近いなどで、風通しが悪い外壁

・田んぼ・川の近くにある

・植物がまわりにある

また、カビの発生しやすさは、立地のほか、外壁の種類も関係しています。
どんな種類の外壁にカビが発生しやすいかというと、凹凸のある外壁です。外壁に凹凸があると、外壁に雨水や汚れが溜まりやすいため、カビに適した環境になりやすく、カビが発生する可能性が高まるのです。

・凹凸のある外壁
リシン、スタッコなどの吹き付け塗装が施されたモルタル外壁
リシン
リシン

スタッコ

凹凸のあるデザインのサイディング外壁

また、劣化の進行した外壁は、カビが発生しやすい傾向にあります。なぜならば、外壁は劣化が進行すると、汚れやすくなるためです。2-1でご紹介した通り、汚れなどの有機物があることでカビ発生します。

※カビは外壁以外にも、屋根や軒天、外壁のシーリング(コーキング)などに発生することも。また、雨漏りが発生している(住まい内部に雨水が浸入している)場合、住まい内部にカビが発生してしまうこともあります。

 

3.外壁のカビは早々に除去すべき

外壁のカビは、早々に除去することをオススメします。
なぜならば、外壁にカビが発生していると、以下のデメリットやリスクがあるためです。

・見た目が悪い
多くの場合、時間の経過とともにカビは外壁に広く増殖していきます。そのため、長く放置すればするほど外観の見た目は悪くなります。

・外壁の傷み(劣化)が早くなる
どんな外壁も時間の経過とともに、少しずつ傷んで(劣化して)いきます。外壁にカビが発生すると、この傷みの進行スピードが早まることに。場合によっては、カビが根を張り、本来の耐用年数よりも早々に外壁がダメになってしまうこともあります。

・アレルギーなどの病気の原因となることも
カビはアレルギーなどの病気を引き起こす原因となることがあります。

・長く放置すると、完全に除去するのが難しくなることも
カビは長く放置すると、カビが深く根を張るなどして、完全に除去するのが難しくなることも。そのため、カビの除去は早めに越したことはありません。

4.外壁のカビの除去は自分で可能?プロに依頼するべき?

外壁に発生したカビの除去は、プロの業者にお任せするのがオススメです。
その理由は、以下の通りです。

[外壁のカビ除去をプロに依頼するのがオススメな理由]

・カビを除去する時に、外壁を傷つけてしまう可能性があるため
カビの除去方法については以下5章で解説いたしますが、知識のない素人がカビを除去しようとすると、やり方や力加減などを誤って外壁を傷つけてしまうことがあります。

・カビを完全に除去するのには専門知識が必要なため
自身でカビを除去した場合、「キレイに除去できたと思っていたのに、早々に再発してしまった…!」ということがよくあります。カビを完全に除去するのは難しく、専門的な知識を必要とするケースが少なくありません。
自身で除去しきれず結局はプロに依頼をすることになれば、時間や手間が無駄になるだけでなく費用も余計にかかってしまう可能性大。再発のリスクを考えると、最初からプロにお任せしておいた方が賢明というわけです。

・(高い場所にカビが発生している場合)高所作業は危険なため
外壁の高い場所にカビが発生している場合は、カビを除去するのに高所作業が必要となります。高所作業は墜落・転落のリスクがあり大変危険です。脚立などを利用しての作業など、もってのほか。高い場所にカビが発生している場合はプロに依頼をしましょう。

 

…とはいえ、「自身でカビを除去したい…!」という方もいるでしょう。
以下のチェックポイント“すべて”にあてはまる場合は、自身でカビを除去することができるかもしれません。
☑狭い範囲(部分的)にカビが発生
☑カビの発生が初期段階(さほどカビが進行していない)
☑外壁がまだ新しい(外壁の劣化が進行していない)
ひび割れがある、塗膜が膨れているなど、外壁に何らかの劣化症状がある場合は、除去作業によって外壁を傷つけてしまう可能性があるため、プロに依頼をするのが賢明です。
☑地面から手の届く場所にカビが発生

上記1つでも当てはまらないチェックポイントがある場合には、プロに依頼をすることをオススメします。

※自身でカビを除去する方法については、5章の最後にてご紹介しております。

5.外壁のカビを除去する方法&費用

プロの業者に依頼した場合、「高圧洗浄」もしくは「バイオ洗浄」でカビを除去するのが一般的です。

●高圧洗浄

高圧洗浄機を使用し、強い水圧で外壁を洗浄します。
軽度のカビの場合は、高圧洗浄を選択することが多いです。

費用相場:200~300円/㎡
※一般的に洗浄に使用する水は水道水を利用します。水道料は施主(家主)負担となります。高圧洗浄にかかる水道料の目安は1,000~2,000円程です。外壁の大きさやカビの進行具合等によっては、上記よりも水道料がかかることもあります。
※足場を建てる場合は、別途、足場費用がかかります。

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●バイオ洗浄(高圧洗浄+薬剤)

高圧洗浄では除去できないほどにカビが進行している場合は、バイオ洗浄を選択することもあります。バイオ洗浄では、高圧洗浄機+カビに効果を発揮する薬剤で外壁を洗浄します。

費用相場:500~800円/㎡
※一般的に洗浄に使用する水は水道水を利用します。水道料は施主(家主)負担となります。バイオ洗浄にかかる水道料の目安は2,000~4,000円程(薬剤塗布前・最後の洗い流しの2回洗浄をするため)です。外壁の大きさやカビの進行具合等によっては、上記よりも水道料がかかることもあります。
※足場を建てる場合は、別途、足場費用がかかります。

バイオ洗浄には薬剤を使用しますが、この薬剤が植物にかかると枯れてしまうことがあります。そのため、庭に育てている植物がある・近隣の庭が近いなどの場合、業者は特に念入りに養生(水や薬剤が飛散しないように洗浄しない面を養生シートなどで覆うこと)をします。大切にしている植物などについては、事前に業者に伝えておくと安心です。
また、家の外でペットを飼っている場合にも悪影響が及ぶ恐れがあるため、洗浄中はペットを避難させるなどの対応が必要となります。

バイオ洗浄は本当に必要?判断基準と費用目安を全解説!

 

※「高圧洗浄とバイオ洗浄のどちらを選ぶべきか」は、カビの発生状況、カビが再発しやすい環境かどうか、外壁の状態などによって異なります。業者とよくよく相談をして決めてください。


バイオ洗浄をしても、外壁がキレイにならないこともあります。
外壁深くにまでカビが進行している場合などは、カビの根などを落としきれず、カビの跡が残ってしまうことがあるのです。

カビの跡が残ってしまった外壁をキレイにするのには、
・漂白効果のある薬剤を使用する
(漂白効果のある薬剤を使用すると、外壁が少なからず傷むため、あわせて外壁塗装をするのが一般的です)
・外壁塗装をする
という方法があります。

[自身でカビを除去する方法]

自身でカビを除去するならば、まずは水洗いを試してみるのが良いでしょう。カビが発生している外壁箇所を水で濡らしスポンジなどで軽くこすって、流水で洗い流します。強くこすると外壁を傷めてしまうことがあるため、力加減に注意が必要です。

それでもカビが除去できない場合は、専用の薬剤を使って除去してみるのも一つの手。専用の薬剤はホームセンターやネットショップで購入できます。専用洗剤を使用しての洗浄については、各製品の取り扱い方法等を確認して行なってください。

[専用洗剤の例]

●TO-PLAN(トープラン) キエール コケ・カビ


https://www.amazon.co.jp/dp/B01BL2TC9K
出典:amazon

●茂木和哉 屋外用 コケ ・ カビ取り


https://www.amazon.co.jp/dp/B07V8S384N
出典:amazon

※スチーム洗浄は使用不可です。
※素人が高圧洗浄機を使用すると、加減や水のあて方を誤って外壁を傷めてしまうことがあるため、(高圧洗浄機の)使用はオススメできません。特に傷つきやすい、窯業系サイディングや金属サイディング、トタンなどの外壁の場合は、高圧洗浄機を使用するのはやめておいた方がよいでしょう。
※無理にカビを除去しようとすると、外壁を傷つけてしまう可能性があります。上記方法で除去できなかった場合は、プロの業者に依頼しましょう。

6.カビが再発する場合⇒外壁塗装も一つの手

上塗り

「何度カビを除去しても、また再発してしまう…」という場合は、外壁塗装をするのも一つの手です。外壁塗装をすれば、カビ再発のリスクをぐっと抑えることができます。

外壁塗装の流れ(一部抜粋)
▼高圧洗浄orバイオ洗浄(+α、漂白効果のある薬剤を使用する場合も)
▼下地処理(補修)
▼養生
▼塗装

洗浄でカビを除去した後、外壁塗装をすることで経年劣化している箇所の補修もできます。一新した外壁は汚れがつきにくくなるため、カビも発生しにくい状態となるのです(劣化の進行した外壁は、カビが発生しやすい傾向にあります。※2-2)。

ちなみに、一般的な塗料で外壁塗装をしてもカビ再発を防ぐ効果はありますが、以下の塗料を使用すると、より再発しにくくなります。
・汚れにくい塗料(低汚染塗料など)
低汚染塗料などの汚れにくい塗料で外壁塗装をすると、外壁は汚れが付着しにくく付着しても雨水で洗い流されやすくなるため、結果としてカビも発生しにくくなります。
・防カビ効果のある塗料&添加剤 ※添加剤は塗料に混ぜて使用する
防カビ効果のある塗料や添加剤を使用して外壁塗装をすると、外壁はカビが生育しにくい環境になります。

また上記5章でお伝えした通り、「カビ跡が洗浄だけでは落とせない…!」という場合にも、外壁塗装をすると良いでしょう。外壁塗装をすれば、外壁は新築時のようにキレイよみがえります。

外壁塗装の費用相場
80~150万円(一般的な2階建て住宅/塗り面積200㎡)

 

2020年版|外壁塗装の費用相場は?単価&見積りをプロが解説!

[参考]オススメ!汚れにくい塗料&防カビ添加剤(塗料に混ぜて使用)

●超低汚染リファインシリーズ

汚れにくい性能に優れた超低汚染塗料。汚れが付きにくいだけでなく、仮に汚れが付いても雨で洗い流される設計となっているため、塗装したての美しい外観を長く保つことができます。カビは汚れなどの有機物があることで発生するため、汚れにくい性能に優れた超低汚染塗料を塗装することで、結果的にカビの発生を抑える効果も期待できます。

●アステックプラスシリーズ
一般建築物から頻繁に発生する57種類を含む703種類のカビ・細菌・藻類などに効果を発揮します。人体にも環境にも優しい防カビ添加剤。

 

まとめ

外壁のカビについて解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

まずは、外壁に発生しているのがカビかどうかを確認しましょう。外壁にカビが発生するのは稀(まれ)なため、もしかすると、カビではなくコケや藻かもしれません。

外壁に発生したカビは早々に除去するのがオススメです。外壁のカビを放置すると、見た目が悪いだけでなく、外壁の傷み(劣化)が早くなる、アレルギーなどの病気の原因となるといったデメリット&リスクがあります。

外壁のカビの除去はプロに依頼するのが良いでしょう。除去方法や費用についてもご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。カビを除去しても「何度も再発する」「カビ跡が残る」といった場合は、外壁塗装をするのも一つの手です。