外壁塗装 訪問販売

「訪問販売の業者に、外壁塗装を勧められた」という方は少なくないでしょう。
気になるのは、「訪問販売の業者に外壁塗装を依頼しても大丈夫なのか」「もしかして訪問販売の業者は、悪徳業者なのではないか」といったところでしょうか。

たしかに外壁塗装の訪問販売をする業者のなかには、悪徳業者もいます。とはいえ、全ての業者が悪徳業者というわけではありません。高品質の外壁塗装を手がける信頼できる業者も少なからずいる、というのは間違いありません。

では、“訪問販売の信頼できない業者をどうやって見抜けばいいのか”というと、ずばり、見抜くポイントがあります。 このあたりの内容については、本章で解説してまいります。

この記事では、
・信頼できない外壁塗装の訪問販売業者のポイント
・訪問販売で交わした外壁塗装の契約をクーリング・オフする方法
などについて、プロが徹底解説いたします。ぜひ、参考にしてください。

1.外壁塗装の訪問販売は信頼できる?できない?

「訪問販売」というのは、一つの営業手法です。それ自体に、問題があるわけではありません。そのため、“訪問販売の業者”というだけで、信頼できる信頼できないの判断をすることはできません。

ただし、訪問販売には気をつける必要がある」というのは一つの事実です。
導入部でお伝えした通り、外壁塗装の訪問販売をする業者の中には、悪徳業者もいます。そして、こうした訪問販売の悪徳業者に騙されてしまう人も少なくありません。

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの発表によると、「リフォーム訪問販売のトラブルに関する相談件数」は、ここ数年ほぼ横ばいで推移しており、リフォームの訪問販売のトラブルは減ってはいないのです。
※屋根・外壁塗装もリフォームの一つです。

[リフォーム訪問販売のトラブルに関する相談件数]

年度件数
2015年673件
2016年630件
2017年650件
2018年666件

情報出典:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター|住宅相談統計年報2019

「訪問販売にやってきた業者に外壁塗装を依頼したい」という場合は、依頼をする前に、その業者が信頼できる業者なのか、悪徳業者ではないか、しっかり見抜く必要があります。

 

2.全4つのポイントで見抜く!こんな外壁塗装の訪問販売は信頼できない!

この章では、信頼できない外壁塗装の訪問販売業者のポイントをご紹介いたします。一つでも当てはまる場合、その業者へ外壁塗装を依頼するのは考えなおした方がよいかもしれません。

2-1.不安をあおるようなことを言い、その場で契約を迫る

「外壁が大変なことになっている」「このまま放っておくと雨漏りする」など、突然やってきて消費者の不安をあおるようなことを言い、その場で外壁塗装の契約を迫るような業者は、信頼できるとは言えません。

まず、「外壁が大変なことになっている」「このまま放っておくと雨漏りがする」といった業者の主張が真実かどうかは怪しいところ。多くの場合、外から住まいをパッと見ただけでは、どれほど大変な状況かは正確にはわかりません事実、本当は大変ではないのに大変だと事実とは異なることを言い、消費者の不安をあおって契約をさせる悪徳業者も存在します。

仮に、あまりにも大変な状況となっていて(劣化が進行していて)、外壁塗装をすべきタイミングであることがパッと見ただけでわかるという場合も、信頼できる業者であれば、詳しい説明や提案もなく、その場でいきなり契約を迫るような対応をすることはありません。(信頼できる業者の場合)まずは、劣化の進行具合や必要な補修工事を見極めるために時間をかけて住まいを診断し、後日改めて訪れて、作成した「診断結果の報告書」や「見積書」を使って説明・提案をしたうえで、契約についての話をするはずです。

[参考]訪問販売の業者に言われたことが真実かどうかを調べる方法

訪問販売の業者に「外壁が大変なことになっている」といったことを言われてから、「我が家は大丈夫なのだろうか」「やはり外壁塗装をした方が良いのか」といった不安や疑問を抱えているという方もいらっしゃるかもしれません。

訪問販売の業者の言っていたことが気になる場合は、別の業者にも診てもらい、“ほんとうに外壁が大変なことになっているのか”など、訪問業者の言っていたことが真実かどうかを確かめるのがオススメです。

別の業者にも診てもらい、提案を受けることで、提案内容や見積額の比較・検討ができるため、「やはり外壁塗装をしよう」と思った時にも、より妥当性のある選択ができるはずです。

本サイト(外壁塗装ジャーナル)を運営しているプロタイムズでも、住まいの劣化の進行具合等を診る『無料診断』を実施しています。詳しくは、下記をご覧ください。

外壁・屋根の無料診断

2-2.住まいを診断せずに見積書を作成

住まいをパッと見ただけで正確な見積書を作成することは絶対にできません。そのため、突然やってきて、住まいの診断もせずに、その場で見積書を作成するような業者は、まず信頼できないと考えていただいて間違いありません。

2-1でご紹介した通り、信頼できる業者は時間をかけて住まいを診断します。この診断は、見積書を作成するためにも必要不可欠なのです。たとえば見積額を算出するためには、正しい外壁の面積やどんな補修工事が必要なのかといった情報が必要となりますが、こうした情報は住まいを診断をしなければわかりません。

住まいの診断をせずに、その場で作成したような見積書の内容は、かなりいいかげんなはずです。「見積額が相場よりもかなり高額」なんてこともあるかもしれません。

2-3.「半額」「足場代無料」などの大幅値引きを提示

「半額」「足場代無料」など、目を引くような大幅値引きを提示してくる業者も、かなり疑わしいと言えます。なぜならば、外壁塗装の金額を大幅に値引けるはずがないからです。

そもそも、外壁塗装は定額で売買される類のものではありません。外壁の面積、使用する塗料の量や塗料の種類、工事内容などによって、住まいごとに金額を見積るのが一般的です。住まいごとに見積もった金額から、さらに大幅に値引くというのはおかしな話でしょう。
そして、足場代を無料にするのも、まず無理な話です。足場代には足場の材料を運ぶ運搬費・足場を組む施工費・解体費等が含まれています。これほどの作業量分の人件費を簡単に無料にできるはずがない、というのは簡単にイメージできるのではないでしょうか。

大幅値引きと言いながら、実はもともと割り増しの見積額を提示しておいて、あたかも割り引いたように見せかけているだけという可能性は十分にあります。さらに最悪の場合は、塗料などの材料のグレードを下げる、塗料の使用量を規定より減らす、本来は数日かけるべき作業を無理やり1日で終わらせるなど、消費者にわからないように工事品質を下げることで大幅値引きをしているかもしれません。

どちらにしても、消費者を騙すような金額提示をしている業者を信頼できるはずがありません。

2-4.会社の所在地がよくわからない

会社の所在地も、信頼できない業者を見抜くポイントの一つとなります。

「どこに会社があるのか、よくわからない」「聞いても、はっきりとは教えてもらえない」など、会社の所在地(本社・営業所・店舗などのその会社に関わる場所)がよくわからない場合は、信頼できない業者の可能性があります。なぜならば、会社の所在地を明確にしていなければ、業者は電話などの連絡さえ絶てば、姿をくらませてしまえるからです。

“姿をくらましやすい”という点で考えると、会社の所在地が明確でも、「ワンルームマンションorアパートが所在地になっている」といった場合には、その業者に疑いの目を持った方がよいかもしれません。アパートやマンションが所在地であると信頼ができないというわけではありませんが、疑わしい部分があるということは頭に入れて、その業者のことを見極める必要があるでしょう。

▼信頼できる塗装業者の見極め方について詳しくは、下記記事を参考にしてください。

【塗装業者の見極め方】8つのステップで信頼できる業者を選ぼう!

 

3.まだ間に合う?!訪問販売で交わした外壁塗装の契約を解除する方法

訪問販売で交わした外壁塗装の契約は解除できる可能性があります。以下、3-1&3-2をよくよくチェックしてみてください。

3-1.契約書を受け取ってから8日以内|契約解除できる!

訪問販売で交わした外壁塗装の契約は、クーリング・オフが適用される取引にあたります。そのため、契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフ(契約解除)ができます。

※クーリング・オフとは、特定の取引に限り、契約後も一定の期間であれば無条件で契約の解除ができる制度。

すでに工事がはじまっている場合でも、契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフは可能です。工事によって建物の状態が変更されている場合、業者に無償で元の状態に戻してもらうことができます。

クーリング・オフをすると、すでに支払ったお金はすべて返金されます。また、違約金などを支払う必要もありません。

※クーリング・オフの内容や手続き方法について詳しくは、国民生活センターのHPにてご確認ください。

▼外壁塗装のクーリング・オフについて詳しくは、下記記事を参考にしてください。

15分でわかる!外壁塗装をクーリングオフをする方法

3-2.契約書を受け取ってから8日を過ぎている|契約解除できる可能性あり

3-1でお伝えした通り、訪問販売で交わした外壁塗装の契約をクーリング・オフできるのは、契約書面を受け取ってから8日以内が原則です。ただし、下記の場合は8日を過ぎていても、クーリング・オフ(契約解除)が可能となります。

・契約書面を受け取っていない場合
・契約書面の記載内容に不備がある場合
・クーリング・オフ妨害があった場合
(業者に「クーリング・オフはできない」などと言われ期間が過ぎてしまった 等)
・業者が事実とは異なることを言って勧誘した場合
(もしくは、重要な事実をあえて言わなかった場合)

※情報出典:消費者庁

3-3.[補足]困ったときは第三者機関に相談すべし

「クーリング・オフできるのかどうか、自身では判断がつかない」
「どうやってクーリング・オフすればいいかわらかない」
「外壁塗装の業者にとりあってもらえず、困っている」
など、訪問販売で交わした外壁塗装の契約解除(クーリング・オフ)等について困っていることがあり、自身での解決が難しい場合は、第三者機関へ相談するのがオススメです。

※情報出典:特定商取引法ガイド

4.[参考]悪徳業者に騙されないために!押さえておきたい外壁塗装の知識

悪徳業者に簡単に騙されないためには、外壁塗装に関して一定の知識を備えておくことも非常に有効です。専門性の高い内容まで理解できていなくても、大枠の知識さえ押さえておけば、業者とやり取りをするなかで「何かおかしい…?」と気づけることも多々あるはずです。

4-1.外壁塗装が必要な「外壁の劣化症状」

外壁塗装をする必要があるかどうかは、一般的に外壁の劣化症状で判断します。
下記のような劣化症状がある場合、外壁塗装が必要な時期です。

[外壁塗装が必要な劣化症状]

劣化の症状

ひび割れ
0.3mm以上のひび割れ

色あせ
色あせ

チョーキング
チョーキング
(外壁を手で触ると、粉状のものが付着する状態

塗膜の剥がれ
塗膜の剥がれ

 

カビ・苔・藻の発生
カビ・苔・藻の発生

錆(さび)の発生
錆(さび)の発生

ちなみに、新築を建てた後、おおよそ8~12年周期で外壁塗装をするのが一般的です。

訪問販売の業者に「すぐに外壁塗装が必要」といったことを言われた場合は、上記情報も参考に、外壁をチェックしてみてください。「自身で確認してみたけれど、よくわからない…」という場合は、2-1の参考にてお伝えした通り、別の業者に診てもらうのが良いでしょう。

▼外壁塗装が必要なタイミングについて詳しくは、下記記事を参考にしてください。

https://reform-journal.jp/paint-best-timing-49101

4-2.外壁塗装の費用相場

ずばり、外壁塗装の費用相場は下記の通りです。

[外壁塗装の費用相場]

80~150万円(一般的な2階建て住宅/塗り面積200㎡)

上記の費用相場はあくまで目安です。外壁の面積や工事内容、選ぶ塗料の種類などによって上記費用と大きく異なることもあります。
…とはいえ、たとえば一般的な大きさの住まいで「300万円」といった額を提示された場合は、相場よりも高額である可能性は十分にあります。あくまで上記は相場価格ということは押さえていただいたうえで、相場よりも大きく乖離している場合は、「なぜ、これほど高いのかor安いのか」を業者に確認するのがオススメです。

▼外壁塗装の費用について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

2023年版|外壁塗装の費用相場は?塗料代が値上げになる?見積りをプロが解説!

まとめ

外壁塗装の訪問販売について解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

事実、外壁塗装の訪問販売をする業者の中には、悪徳業者もいます。そのため、訪問販売の業者に外壁塗装を依頼したいと思う場合は、本当に依頼をしても問題ないのか、業者をしっかり見極めることを強くオススメいたします。信頼できない業者の見極め方については、2章にまとめておりますので、ぜひ参考にしてください。

また、「訪問販売にやってきた時に、うっかり契約してしまったけれど、やはり契約を解除したい」という場合、契約書を受け取ってから8日以内であれば契約解除が可能です。このあたりの内容については3章を参照ください。