悪徳業者

いざ、「外壁塗装をしよう」と思い立った多くの人が悩むポイント、業者選び。

「悪徳業者が多いとよく聞くけど、大丈夫かしら」「そもそも外壁塗装って、誰にお願いすればいいの?」「信頼できる業者は、どうやったら見抜けるのかわからない」といった、外壁塗装の業者選びに関する悩みや不安に直面している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

多くの方々がこうした悩みや不安を抱えてしまうのは、外壁塗装の業者選びをどう選べばいいのか、その方法を知らないことが原因です。つまり、裏を返せば、業者を選ぶ方法さえ知っておけば、誰でも信頼できる業者を選り抜けるということです。

そして、この業者選びの方法は全く難しくありません。”塗装”という普段馴染みのない領域の話に、なんとなく難しいイメージをもたれる方も多いのですが、これからご紹介する信頼できる業者を選ぶ方法も、何の予備知識のない方でも、簡単にわかる内容となっています。

以下、信頼できる外壁塗装の業者を選ぶために知っておくべきポイントをすべてご紹介してまいります。騙されないために知っておきたい悪徳業者の実態をはじめ、業者選びの2ステップ、信頼できる業者を選ぶ4つのチェックポイントなど、ぜひ参考にしてください。

1.騙されないために知っておきたい悪徳業者の実態!

実際に外壁塗装の業者選びをはじめる前に、まず知識として絶対に押さえておきたいのは、一部ではありますが「悪徳業者も存在する」という事実です。

悪徳業者に騙されてしまう一番の原因は、「悪徳業者かもしれない」という危機意識が欠けていることにあります。業者を探すにあたり、「悪徳業者も存在する」ということを頭の片隅に入れておくだけで、騙されるリスクはグッと下がるはずです。

そして、絶対に悪徳業者に騙されないためには、悪徳業者の特徴や手口を把握しておくことも有効です。多くの悪徳業者は、当然ながら、見た目では悪徳業者とはわかりません。信頼できそうな風貌・雰囲気の業者が、ふたを開けたら、実は悪徳業者だったというのが、通例でしょう。見た目ではわからないからこそ、悪徳業者の特徴や手口を把握しておく必要があるのです。

[悪徳業者の特徴&よくある手口]

特徴&よくある手口内容
所在地が曖昧所在地(本社・営業所・店舗などのその会社に関わる場所)が曖昧な業者には、注意が必要です。なぜならば、所在地が曖昧であるということは、いつでも連絡を絶って立ち去れる環境であるとも言えるからです。

たとえば「詳細な住所を教えてもらえない」「住所がワンルームマンションになっている」などの業者には、疑いの目をもった方が良いかもしれません。

大幅値引き「半額!」「◎◎%」など、目を引くような大幅値引きを提示してくる業者には注意が必要です。

知っておいていただきたいのは、そもそも”塗装工事は大幅値引きができる商品サービスではない”ということです。塗装工事は住まいを診断し、その住まいにあわせて見積りを算出するのが基本です。住まいごとに見積った額から、さらに大幅に値引くというのはおかしな話でしょう。

大幅値引きの裏で、使用すべき塗料の量を減らすことで材料費を下げていたり、本来は数日かかる工程を品質を下げ1日で終わらせることで人件費を抑えていたりと、消費者にはわからないように工事品質を下げている可能性も十分にあるのです。

追加工事塗装工事は、住まいの劣化状況等によって、工事がはじまってから、追加工事をする必要のあることが発覚することがあります。

このことを逆手にとって、契約時には適正な見積額を提示しておき、契約後、工事がはじまってから「追加工事が必要になった」として追加料金を請求し、価格を吊り上げようとする悪徳業者も存在します。

この手口は、本当に追加工事が必要になったのか、はじめから騙そうとしていたのかの見極めが難しいため、非常にやっかいです。

騙されないためには、契約前に追加工事の可能性を業者に確認しておくことが有効です。さらに追加工事が発生した際にも、どういった工事をするのか、本当に必要な工事なのか、詳しく確認するようにしましょう。


[コラム] 訪問販売には注意が必要!

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの発表によると、リフォーム工事における訪問販売のトラブルに関する相談は増加傾向にあります(下記表参照)。外壁塗装は訪問販売の多いリフォーム工事でもあることから、下記データは注視すべきものであると言えるでしょう。

■リフォーム訪問販売のトラブルに関する相談(訪問販売相談)

年度2012201320142015
リフォーム相談(件数)7,3189,0139,3059,852
訪問販売のトラブルに関する相談334519576673

※出典:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住宅相談統計年報2016|資料編)

すべての訪問業者が悪徳業者というわけではありませんが、トラブルを避けるためにも、「今日、契約してくれたら安くなります」「すぐに工事をしないと大変なことになりますよ」など、どんなに心を動かされる提案を受けても、即日での契約は絶対にやめましょう。ほんとうに外壁塗装工事をしなければならないのか、また、信頼できる業者なのかどうか、きちんと見極める時間を設けることが重要です。


(参考)実際に、住宅リフォーム・紛争処理支援センターに寄せられた相談内容
 [訪問販売業者から外壁と屋根のリフォーム工事をすすめられている。契約しても問題ないか。

 

外壁塗装で詐欺に遭わないために知っておきたい知識

【保存版】知らないと損!悪徳リフォーム業者の手口と絶対に騙されない為の全知識

2.外壁塗装の業者選び|2ステップ

ここでは、業者を選ぶときに踏むべき2ステップをご紹介します。「そもそも、どうやって業者を選べばいいかわからない」など、業者選びの方法に迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

[ステップ①]
さまざまな情報元を活用して、塗装業者の情報を集める

なんの情報もない状態で、いきなり信頼できる1社を探し出すのは難易度が高いため、まずは候補となる業者情報を収集することからはじめるのがオススメです。特に思い当たる業者がないという場合は、ここからスタートしてください。

業者情報の情報元には、「チラシ」「新聞広告」「近隣住民や知人の話」「インターネット」などがあります。

塗装工事は、何かあったときに駆けつけられる範囲内、車で片道40分圏内に拠点のある業者に依頼するのが理想です。
そのため、近隣の業者情報が収集できる「チラシ」や「新聞広告」は必ず活用したいところ。
「近隣住民や知人の話」は、情報の信憑性が高いため、思い当る人物が周りにいれば、ぜひ話を聞いてみましょう。

また、インターネットの環境があれば、一つの情報元として活用していきましょう。「塗装」と「地名」のキーワードを入力するだけで、さまざまな塗装業者の情報が入手できるはずです。

リフォーム業者選びに口コミサイトを最大限活用する方法!

[ステップ➁]
比較・検討して信頼できる一社を選り抜く

塗装業者の情報を収集していくと、「この業者、信頼できそう」「この業者は、やめておこう」など、塗装業者の目星がついてくるはずです。この段階になったら、情報収集は終了。いよいよ候補となる業者のなかから、契約を結ぶ一社を選んでいくことになります。

候補の塗装業者のなかから一社に選り抜くためには、様々な観点で比較・検討する必要があります。

どの塗装業者を選ぶかは、様々な観点で総合的に判断するのが賢明です。たとえば「価格がとにかく安い」「家から一番近い」など、強く魅力に感じるポイントがあると、ついついその業者に決めてしまいそうになりますが、こうした決め方にはリスクが伴うためオススメできません。決めた業者が信頼できる良い業者であればいいのですが、なにか1点だけの魅力だけでは、業者の良し悪しまでは、まず判断できません。

それでは、どのように1社に絞り込んでいけば良いのでしょうか。候補の塗装業者のなかから、信頼できる業者を選り抜く方法については「3.信頼できる業者を4つのチェックポイントで選り抜く」で詳しく解説してまいります。

 

【塗装業者の見極め方】8つのステップで信頼できる業者を選ぼう!

3.信頼できる外壁塗装の業者を選ぶ、4つのチェックポイント

ここでは、信頼できる塗装業者を選り抜くチェックポイントを4つご紹介します。候補の業者のなかから、信頼できる1社に絞り込むための知識として、ぜひご活用ください。

3-1.チェックポイント① 正しい診断をしてくれるか

信頼できる外壁塗装業者かどうかをチェックするポイントとして、絶対に欠かせないのが住まいの“診断”です。

“診断”とは、住まいの劣化箇所や状態などを、実際に住まいに訪れてチェックすることです。塗装工事の見積額は、この診断の結果から算出するため、そもそも診断をしないという業者は論外です。

では、診断をする業者であれば手放しで信用しても良いかというと、残念ながら、そうとも言い切れません。なぜならば、知識や経験が不足しているために、適切な診断をくだせていない業者も多数存在しているからです。適切な診断ができなければ、塗り替えのメンテナンス時期や必要な補修工事を正しく見立てることができず、塗装工事の品質低下を招いてしまうこともあるのです。

適切な住まいの診断ができる業者かどうかは、下記のポイントをチェックすることで見極めることができます。

下から見えるところだけでなく、隅々まで確認している

外壁の劣化状況や進行具合を確認する方法は、目視以外にありません。そのため、下から見上げても見えないところについては、登ってきっちり確認する必要があります。こうした手間をはぶき、見えるところだけをざっと確認するような診断は非常に疑わしいといえます。

また、診断にかかる時間も一つの指標になります。診断は、小さな劣化も見落とさないように慎重に進めるため、少なからず時間がかかります。隅々まで外壁を診ていくことを考えると、どんなに急いでも15分程度でささっと終わってしまうことは、まずありません。


「外装劣化診断士」「建築士」などの専門資格をもったプロが診断をしている

診断をしている担当者が、外装劣化診断士(一般社団法人住宅保全推進協会の認定資格)や建築士などの有資格者かどうかを確認しましょう。

診断には専門性の高い知識が求められるため、知識のない担当者が診断を下した場合、外壁の劣化状況や進行具合などの肝要なことは確認できていないことも少なくありません。
専門資格がなければ、診断ができないというわけではありませんが、知識の有無を確認するうえで、一つの判断材料となることは間違いありません。

 

[参考] プロタイムズの住まいの診断(お家の健康診断)

弊社プロタイムズが実施する住まいの診断です。 33,000棟以上の実績を誇る、外壁塗装のプロ、プロタイムズの住まいの診断をご参考ください。

外壁・屋根の塗装・リフォーム前にはまず診断から!

 

3-2.チェックポイント② 適正価格を提示してくれるか

信頼できる業者の見積額は、もちろん適正価格となっています。

とはいえ、外壁塗装の費用は、住まいの大きさや劣化状況、劣化の進行具合によって異なるため、一概にいくらと言い切ることはできません。詳細な価格は、外壁塗装の業者に見積ってもらう必要があります。ただし、法外な値段を提示されたときに「おかしい」と気づくために、おおよその費用相場を押さえておくことは重要です。

外壁塗装の総額の相場価格だけでなく、塗料の相場価格、施工費の相場価格も下記にまとめておりますので、ぜひ参考にしてください。

■外壁塗装の相場価格

80~150万円(一般的な2階建て住宅/塗り面積200㎡)

 

■外壁塗装工事費の相場価格

工事項目相場価格
高圧洗浄100~300円/㎡
養生250~400円/㎡
付帯塗装工事軒天800~1,200円/㎡
雨樋800~1,200円/m
破風板 650~1200円/㎡
雨戸2,000~5,000円/枚
シーリング打ち替え900~1,500円/m
シーリング増し打ち500~1,000円/m
諸経費現場管理費1式 30,000~50,000円
廃材処理費等1式 10,000~30,000円

 

■塗料の種類別|相場価格

塗料耐久年数相場価格 ※1缶あたり
アクリル約3~5年5,000~15,000円
ウレタン約5~7年5,000~20,000円
シリコン約7~10年15,000~40,000円
ピュアアクリル約15年~50,000~70,000円
フッ素約15年~40,000~100,000円
無機約15年~50,000~120,000円
光触媒約15年~50,000~100,000円

 

※上記の費用はあくまで相場価格です。外壁塗装の相場は住まいの大きさによって、施工費の相場は劣化状況や劣化の進行具合によって、塗料の相場は各製品等によって上記の費用相場と大きく異なることもあります。


見積書を手に、見積額をチェックする際には、上記の相場価格と乖離(かいり)がないかという点だけでなく、たとえば雨樋を塗装することになっていた場合「本当に雨樋の塗装が必要なのか」、たとえば塗料がアクリル塗料となっていた場合「なぜアクリル塗料を使用するのか」など、そもそもその工事が必要なのか、選択した塗料で間違いないのかまで踏み込んで確認するようにしましょう。

信頼できる業者であれば、それぞれ細かく説明してくれるはずです。逆に、はぐらかしたり、詳細に説明をしようとしない業者には何か後ろ暗いことがある可能性もあり、信頼できる業者とは言えないでしょう。

外壁塗装の適正価格は?見積額の妥当性を見極める3ステップ

2023年版|外壁塗装の費用相場は?塗料代が値上げになる?見積りをプロが解説!

3-3.チェックポイント③ 見積書に根拠が明示されているか

見積書で見るべきは箇所は、総額だけではありません。実は、見積書には、信頼できる業者かどうか見極める判断材料がつまっているのです。

見積書が信頼できる内容になっているかをチェックすることで、信頼できる業者かどうかを見極めることができます。

☑「材料(塗料)費」と「施工費」が分けて記載されている

見積書を手にしたら、「材料(塗料)費」と「施工費」が分けて記載されているかを確認しましょう。

「材料(塗料)費」と「施工費」が一緒になっている見積書では、「材料(塗料)費」と「施工費」がそれぞれいくらかかっているのかがわからないため、仮に業者が本来必要な材料(塗料)の量を間引いて不当に利益を得ようとしていても気づきようがありません。そのため見積書は、「材料(塗料)費」と「施工費」が分けてある形で提示してもらい、それぞれいくらかかっているのか、きちんと確認する必要があるのです。

もしも「材料(塗料)費」と「施工費」が一緒になっている見積書を提示された場合には、分けて記載されている見積書に修正してもらいましょう。


☑塗装面積が「㎡」単位で記載されている

見積書には、どのぐらいの広さを塗装するかを示す「塗装面積」が記載されています。この塗装面積の表記方法も業者の良し悪しを判断する一つの材料となります。

なぜ、塗装面積に着目するのか不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、塗装面積は、購入する塗料の量を決める根拠となっているため、見積額に大いに影響を与える項目なのです。塗装面積が広いほど、購入する塗料の量も増えるといったイメージをもつとわかりやすいかもしれません。

確認したいポイントは、塗装面積が「㎡」表記になっているかどうか。「坪数」表記の塗装面積では、正しい塗装面積が算出されていない可能性があるため、信頼できる見積書とは言えません。

外壁塗装の正しい面積が適正価格の根拠となる理由

3-4.チェックポイント④ 保証体制がしっかりしているか

新築とは異なり、リフォーム工事には、保証に法的な義務がありません。そのため、その業者がどこまで外壁塗装工事に責任を負う覚悟があるかというのは、信頼できる業者かどうかを見極める一つの指標となります。

さらに、保証がある場合にも、保証の存在確認だけで満足するのではなく、「なにを・どこまで保証してくれるのか」踏み込んで確認しておくと安心です。また、実際に保証書を発行してもらえるかどうかも、事前に聞いておきましょう。いざ何か不具合が発生したときに、口約束だけでは身を守ることはできません。保証書の発行は絶対です。

3-5.[補足情報] 塗装専門業者?リフォーム業者?どこに依頼すべきか迷っている方へ

一口に“外壁塗装の業者”といっても、塗装を専門で手がけている塗装専門店をはじめ、リフォーム会社や工務店など様々。最近では、さらに裾野は広がり、住宅メーカーやホームセンターが塗装工事を手がけていることもあります。また、同じ業態、たとえば塗装専門店でも、規模も大小さまざまです。

こう選択肢が多いと、「業態や会社規模で業者を見極められないものか」と思われるかもしれませんが、実際のところは、各業者を個別に見極めるよりほかありません。というのも、塗装専門店だからといって必ずしも信用できるとは限りませんし、大規模の会社でも塗装事業に参入したばかりで知識が疎いという可能性も大いにあり、一概に業態や会社規模で判断することができないのです。

一つ言えるとすれば、「一人親方」は、あまりオススメできません。もちろん凄腕の塗装職人が絶対にダメというわけではありませんが、何かあったときの対応力を考えるならば会社組織の方が安心です。工事後の保証やアフターフォローについても、会社組織の方が整っていることは間違いないでしょう。

まとめ

外壁塗装は、完成した製品を比べて購入するような類の商品・サービスではありません。そのため、“いかに品質の高い工事をしてくれる業者を選ぶか”ということが、外壁塗装を成功させる大きな鍵となります。

業者選びに失敗しないためには、まずは、悪徳業者も存在するということを認識いただき、悪徳業者の特徴&よくある手口を頭に入れておくことが重要です。そのうえで、ご紹介した業者選びのポイントを参考に、信頼できる業者を選んでいきましょう。