外壁塗装をすることを決意し、業者も、どの塗料を使用するのかも決まった!となればあとは色を決めるだけ。
とはいっても、何を基準にして、どういう風に色を決めたらいいのかが分からない、という方も多いのではないでしょうか?
塗料の色を確認できる色見本という便利なグッズを使えばイメージを膨らませることができます。
しかし、色見本も正しい使い方をしなければ、塗った後にイメージと違った!という失敗になりかねません。
この記事では、外壁塗装の色決めの際に使用する色見本の紹介と、使用する時の注意点についてご紹介させていただきます。
1. 外壁塗装の色見本の役割
洋服や日用品を購入する時、実際に店頭に行き、実物の色を見て確認してから購入されることが多いと思います。ただ、外壁塗装では、実物を見て・・・とはなかなかいきません。
何度も塗り替えて、この色にしようかあの色にしようか、なんてことをしようとすると、いくらお金があっても足りません。そこで、外壁塗装をする際によく活用されるのが、色見本です。
色見本には様々な種類がありますが、その目的は同じで、「色選びをしやすくすること」「お家の塗り替え後のイメージをしやすくすること」です。
2. 外壁塗装の色見本の種類
色見本とはその名の通り、使用する色のサンプルのことを表します。紙のものや、実際の壁材に塗料を塗ったもの、最近ではネットやパソコン上で色のシミュレーションができるものなど、さまざまな色見本があります。ここでは代表的な色見本をご紹介します。
2-1. 色見本帳
多くの方が外壁塗装の色決めの際に利用されるのが色見本帳です。厚紙などに実際に使用する塗料の色が塗られており、一度に多くの色を見ることができるため大変便利なものです。
色見本帳には大きく分けて2種類あります。
①塗料メーカーが作成している色見本帳
一番目にする機会が多いのが、こちらの色見本帳になるかと思います。各塗料メーカーが塗料ごとに発行している場合が多いので、提案されている塗料ごとに色を確認することができます。
【特徴】 外壁や屋根などに使用されることの多い、その時代の主流の色を掲載していますので、メーカー発行のものを参考に色選びを進めることをお勧めいたします。
【こんな時・こんな人におすすめ】
・塗料の機能や価格にこだわりがあり、使用する塗料が決まっている人
・大まかな好みの色を調べたい時
【入手方法】
・担当営業の方へ依頼
・各種塗料メーカーへ直接問い合わせ
【注意点】
・使用する塗料によっては色が限られているものもあります。色見本帳に乗っていない色の場合、近似色(似ている色)での対応、もしくは同系色の別の色になる可能性があります。
・パンフレットと一体になっている色見本の場合、実際の塗料とは違う印刷用のインクで色を出している場合があり、実際の塗料の色と差異が生じる場合があります。印刷用インクで色を出している場合には、下部に※印にて注意書きがされている場合が多いですので、確認することをお勧めいたします。
②日本塗料工業会作成の色見本帳
日本塗料工業会が発行している色見本帳で、この色見本帳に記載されている色番号は日本共通のものとなります。
【特徴】 塗料メーカーがカタログ等に掲載していない色も載っている
【こんな時・こんな人におすすめ】
とことん色にこだわりたい!という方
【入手方法】
・担当営業の方へ依頼
・日本塗料工業会のサイトから購入(2,860円~)
【注意点】
・掲載されている色の中には外壁の色には向いていない色や、塗った後に色あせのしやすい色なども掲載されています。
※選択した塗料によっては、日本塗料工業会作成の色を出すことができない場合もあります。
2-2. 実際の塗料を塗った塗り板
塗り板の一例
塗り板というものがあります。これは実際に使用する塗料を使用しているため、お家の仕上がりに一番近いイメージをつかめる色見本となります。メーカーで作成する場合や、塗装店リフォーム店で作成する場合もあります。
【特徴】 実際外壁に使用する塗料を使用しており、多くの場合がA4サイズで作成され大きなサイズで色を確認することができます。色見本帳だけよりも外壁塗装後の完成イメージがしやすくなります。
【こんな時・こんな人におすすめ】
・色が大まかに決まり、最終確認をしたい時
【入手方法】
・担当営業の方を通じてメーカーへ依頼
【注意点】
・塗り板の作成には費用が発生することがありますので、ある程度色を絞ったのちに塗り板での検討をされることをお勧めいたします。
2-3. カラーシミュレーション
カラーシミュレーションした画像
カラーシミュレーションとは、パソコンに実際の家の写真やCGを取り込み、パソコン上で色を変えることを言います。ワンクリックで色を変えることができるので、様々な色を簡単にシミュレーションすることができます。
【特徴】 少し勇気のいるツートンの外壁や、玄関まわりや窓まわりだけ部分的に色を変えるなどの作業もパソコン上では容易にできるので、完成のイメージがとてもわかりやすいツールです。
【こんな時・こんな人におすすめ】
・自分の家に色をあてはめて完成イメージを知りたい
・ツートンなど複数色を使用しおしゃれな色使いをしたい
【入手方法】
・外壁塗装業者へ実施できるか確認
・ネット上で簡易カラーシミュレーションを実施する
【注意点】
・会社によっては実施していない会社があります。またカラーシミュレーションの作成に費用が発生する会社もありますので、担当の方へ一度ご相談されてみてください。
・モニターの色と実際の色は違うので、実際の色は実物の色見本を見て決めてください。
ネットショッピングでものを買って商品が届いてみると、思っていた色と何か違う!という経験をされた方もいるのではないでしょうか。それは色を表現しているモニターやプリンターの表現できる色には限りがあり、実際の色との間に差異が生じてしまうためです。外壁塗装においても同じことが言え、モニター上でこの色がいい!となり、いざ外壁を塗ってみると色が違う、ということが起こりえます。あくまでカラーシミュレーションはイメージをつかむためのツールとして利用し、実際の色は実物の色見本を見て決めるようにしましょう。
3. 色見本を見るときの注意点
ここまで外壁塗装時に使用する色見本帳の種類や特徴、注意点をご紹介させていただきました。ここからは色見本を見るときに注意していただきたい点について解説いたします。
3-1. サンプル色の大きさに注意
色には「面積効果」というものがあります。「面積効果」とは目の錯覚により生じるもので、同じ色であっても面積が変わることで色の明るさや鮮やかさ、色合いの感じ方が変わるというものです。
下の画像をご覧ください。
この面積で見てもなかなか違いがわかりません。少し大きくみるとどうでしょうか?
先ほどと違い少し大きくする事で色の違いが少しわかるのではないでしょうか?
面積の大小により色の見え方が変わる事を面積効果といいます。
お家の外壁ともなると、かなりの面積を塗ることとなります。小さな色見本だけで色を決めてしまうと、いざ塗り終わった後に「あれ、こんな色だったかな」「こんなに派手な色だったかな」と仕上がりに満足できずトラブルの原因ともなります。
色を決める際には担当者の方と相談し、できる限り大きいサイズの色見本をもらうようにいたしましょう。
3-2. 色見本帳のサンプル色を見る場所に注意
多くの場合、色見本帳は室内で見るかと思います。なかなか外に持ち出すことはないでしょう。ただし、ここでも気をつけていただきたい点があります。
以下の画像をご覧ください。
こちらは同じ色(色番号:日本塗料工業会N-65)の塗り板を、室内で撮影した場合と屋外で撮影した場合の見え方を比較したものになります。
左が室内で蛍光灯のもとで、右が屋外で日光のもとで見たものです。
写真と肉眼とでは色の見え方はまた違ってきますが、室内で見るのと外で見るのとで同じ色であっても見え方が変わってきます!それは、蛍光灯や白熱灯など光を発生させる光源によって色の見え方が変わってくるためです。これを光源色と呼びます。
その為、室内で蛍光灯の下で見る色と、屋外で太陽光の下で見る色とでは見え方が変わってきます。当たり前の話ですが実際に塗料を塗るのは外ですので、外壁色のサンプルを見る際も室内で見て終わりではなく、屋外で晴れた日に見る様にしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。外壁塗装の色見本帳には様々な種類があり、その用途や使用方法も少し変わってきます。多くのものは営業担当の方へ依頼することで集めることができます。お家は一度塗り替えると、気に入らなかったからといって簡単に塗り替えることができるものではありません。
遠慮することなく、色選びに必要な色見本帳を営業担当の方へ依頼することをおすすめいたします。
以下に再度注意していただきたい点を記載いたします。
- 色はできるだけ大きなサイズで見る
- 色を選ぶ際には、外で実際の色を確認する
- カラーシミュレーションだけで決めない
外壁塗装工事を満足できる仕上がりにするためにも、本記事の色見本帳の種類を参考に色選びは慎重におこなってください。
他にも色選びのお助けになる記事を以下に掲載しますので、参考にしていただければ幸いです。