外壁や屋根と同じく、シャッターも経年劣化していきます。時間の経過とともに気になってくるのが、サビや色あせ、塗膜の剥がれなどの劣化症状でしょう。

「見た目も良くないので、そろそろ塗装した方がいいかもしれない」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とはいえ、馴染みのないシャッターの塗装。思い立ったものの、何から手をつけたら良いかわからず、結局はそのまま放ったらかしにしてしまうケースも少なくありません。

そこで、この記事では、シャッターの塗装を検討する上で、役に立つ情報をご紹介いたします。多くの方が悩みがちな「自分で塗装できるのか、業者に依頼すべきなのか」といったポイントをはじめ、シャッター塗装の時期や工程(方法)などの基本情報、業者に依頼する場合の費用相場などをご紹介してまいります。ぜひ参考にしてください。

1.シャッターは自分で塗装?業者に依頼?

シャッターの塗装
画像出典:プロタイムズ福岡北店

シャッターを塗装しようと思い立ったとき、最初にぶつがる疑問は、「自分で塗装できるのか、業者に依頼すべきなのか」ではないでしょうか。

結論から申し上げますと、できれば業者に依頼されることをオススメいたします。ひとくちにシャッターといっても、倉庫やガレージに設置するシャッターや、家に設置する雨戸シャッターなど、さまざまな種類があり、素材も多様です。自分で塗装するとなると、そのシャッターに合わせた塗料選びから道具の準備、塗装方法のリサーチなど、とにかく膨大な時間と手間がかかり、もちろん失敗してしまう可能性も少なくありません。施工上の安心を求めるなら、やはり業者が一番です。また、費用の観点から言っても、揃える道具等によっては、自分で塗装した方が高くつく可能性もある、というのも業者をオススメするポイントの一つです。

自分で塗装する場合には、正しい工程を守ることが上手く塗装する秘訣です。ぜひ「3.自分でシャッターを塗装する場合に気をつけておくべき2つのこと」も参考にしてください。

以上の情報を踏まえても、自分で塗装するか、業者に依頼するか、判断がつかない場合は、それぞれのメリット・デメリットを比較して考えてみるのも良いでしょう。

■自分で塗装する場合

[メリット]
・費用を安く抑えられる場合もある(塗料代、道具代等を考えると、業者に依頼するよりも割高になってしまうこともあります)
・好きなタイミングで塗装できる

[デメリット]
・シャッターに合う塗料や必要な道具を自分で選び、調達する必要がある
・シャッターの種類や劣化状況によっては、高度な技術や知識が必要な場合もある
・早期に塗膜が剥離するなど、失敗のリスクもある

 

■業者に依頼する場合

[メリット]
・失敗のリスクがない
・業者が全部やってくれる

[デメリット]
・一定以上の費用がかかる
・業者選びや打ち合わせなどに時間がとられる

2.シャッターの塗装周期と塗装工程(方法)

2-1.オススメの塗装周期

シャッターの素材や種類、またメーカーによっても異なりますが、おおよそ5~10年周期での塗装が目安。業者に依頼する場合には、外壁や屋根と同じタイミングで塗装を検討するのがオススメです(詳細は、「4-2.外壁や屋根といっしょに塗装するとお得」をご覧ください)。

2-2.シャッターの塗装工程(方法)

シャッターの塗装工程(方法)は以下の通りです。

順番工程(方法)工事内容
ケレン(下地処理)ワイヤーブラシやマジックロン、サンドペーパーなどの専用の道具を使って、旧塗膜やサビを除去します。
洗浄ケレンで除去したサビや塗膜をはじめ、ホコリやカビ、コケなどを、しっかり洗い流します。

※電動シャッターの場合、水が入り込むと故障の原因となるため注意が必要です。

下塗り下塗材(下塗り専用の塗料)を塗布します。

※シャッターの場合、サビ止め入りの下塗材を選びます。

中塗り・上塗り下塗材の上から、さらに中塗材・上塗材(中塗り・上塗り専用の塗料)を塗布します。

※上塗材だけの場合もある

完成

3.自分でシャッターを塗装する場合に気をつけておくべき2つのこと

3-1.塗装の品質を左右するケレン作業

シャッターのケレン作業
画像出典:プロタイムズ福岡南店

サビが発生している場合には、サビを除去する“ケレン”と呼ばれる作業が必要です。ケレンをせずに塗装をすると、塗膜が早期に剥がれてしまうことにもなりかねないため、必ず行なうようにしてください。

またケレンには、あえて表面にキズをつけることで、塗料の密着性を高めるという効果もあります。

3-2.サビ止め効果のある塗料を選ぶべし

シャッターを劣化させる最大の要因はサビです。そのため、塗装によってメンテナンスをする際にも、下塗材(下塗り専用の塗料)にサビ止め効果のある塗料を選び、2回以上、下塗り材を塗布する必要があります。

サビ止め効果のある下塗り材は、ホームセンターやインターネット等で手に入ります。

【サビ止めの下塗材/例】

■速乾油性さび止め(株式会社カンペハピオ)

速乾油性さび止め(株式会社カンペハピオ)
画像出典:http://www.kanpe.co.jp/products/023/

■油性速乾サビドメ(株式会社アサヒペン)

油性速乾サビドメ(株式会社アサヒペン)
画像出典:http://www.asahipen.jp/product/detail.php?top_cat=04&cat=01&middle_cat=07&item_code=01403

プロが教える!失敗しない外壁塗装の正しい塗り方【手順・DIY】

4.業者に依頼した場合にかかる費用相場

4-1.シャッターの塗装費用は1,500~3,000円/㎡が相場

シャッターの塗装は1,500~3,000円/㎡が費用相場です。2F以上の高所での作業が必要な場合には、別途、足場費用(600~800円/㎡が相場)がかかります。

▼足場費用について詳しくは、下記記事をご覧ください。

外壁塗装の足場費用はいくらが妥当?プロがぶっちゃけ解説

4-2.外壁や屋根といっしょに塗装するとお得

2F以上の高所で作業を行なう場合には、足場を設置する必要があります。もちろん、シャッターもその例外ではありません。そのため、外壁や屋根を塗装するタイミングとあわせてシャッターを塗装すれば、足場の組立費用が一度で済むため、トータルで考えるとお得になることもあります。

また、外壁や屋根の塗装といっしょにすることで、シャッターの塗装を割り引いてもらえることも。

5.シャッターの色を選ぶときに役立つ3つポイント

シャッター
画像出典:http://fukui-minihouse.info/

「せっかく塗装するのなら、色を変えたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、シャッターの色選びに役立つ3つのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

5-1.色見本の上手な活用の仕方

同じ色でも、大きい面積で見る時と、小さい面積で見る時では、受ける印象が変わることがあるので注意が必要です。大きい面積で見る時の方が、明るい色はより明るく、暗い色はより暗く、鮮やかな色はより鮮やかに感じると言われています。より正確な色の印象を掴むには、A4サイズ以上の色見本で確認するのがオススメです。

また蛍光灯は青の波長を多く含んでいるため、室内で色見本を見ると、外で見る時とは異なる印象を受けがちです。また、外でも時間帯によっても印象が変わることも。できれば朝・昼・夜などの違う時間帯に外で色見本を確認しておくと良いでしょう。

外壁の人気色を参考に!色選びに失敗しない方法

5-2.色のもつ印象も参考の一つに

色には、それぞれ異なる印象があります。なかなか色を選べない場合には、「上品な」「優しい」「さわやかな」など演出したいイメージを明確にすることで、自然とどういう色にすればいいかが見えてきます。

5-3.窓シャッターはサッシ色と合わせるとおさまりがいい

特に、家に設置する窓シャッター等の場合、外壁や屋根との調和についても考える必要があるため、色選びに迷いがちです。オススメの色は、サッシと同じ色。色の統一感が生まれ、バランスよく仕上ります。

サッシの色と異なる色にする場合には、屋根や外壁、雨戸シャッター以外(サッシ・ドア・雨樋)の色との組み合わせが肝。色の数が増えるほど、全体のバランスを整えるのも難しくなります。カラーコンサルタントなどの色のプロに相談したり、カラーシミュレーション等を活用するなどして、イメージを膨らませていきましょう。

▼色選びについては下記記事も参考にしてください。

プロが教えます!失敗しない屋根・外壁塗装の色の組み合わせ方

外壁をツートンカラーに塗る前に知っておきたいポイント

まとめ

シャッターは自分でも簡単に塗装できそうなイメージがあるため、安易に自分で塗装することを選択しがちです。それが十分に比較・検討した結果であれば問題ありませんが、そうでなければ、一度きちんと考えてみることをオススメいたします。

シャッターは種類も豊富で、いざ塗装をするにも、様々な情報を集める必要があります。また費用の面においても、自分で塗装するのが最安値とはならない可能性も十分に考えられます。

まずは、「1.シャッターは自分で塗装?業者に依頼?」を参考に、自分で塗装すべきか業者に依頼すべきかを検討するところからはじめてみてはいかがでしょうか。