外壁塗装を決めたはいいが、自分の家はどんな色があうのかイメージが湧かずに悩まれていませんか。
外壁塗装を行うためには、「塗料の種類」「塗料の性能」「色味」「艶感」「金額」など決めなければいけないことが多くあります。その中でも特に色選びに関しては、自分が気に入る外観にしなければいけないため、多くの方が悩まれます。
色選びはただ自分が好きな色にすればいいわけではなく、家の形や近隣の家との調和など様々なことを考慮し進めていかなければいけません。
外壁塗装の塗替えサイクルは約10年が目安と言われています。もし気に入らない仕上がりになってしまうと10年間我慢しなければならないことも。
そのような事にならないためにも、まずは自分のお家にどのような色にしたいのかイメージすることが大切です。
今回は、実例を交えながら外壁塗装の色選びについて紹介していきますので、ぜひイメージを広げるために参考にされてください。
1.施工事例を参考に、選ぶ色のイメージを膨らませる
1-1. 外壁塗装の施工写真
実際の外壁塗装の施工物件を紹介します。
実際の施工事例を見て、イメージを膨らませましょう。イメージを膨らませておかないと、出来上がりとイメージがかけ離れてしまい後悔してしまう場合があります。
まずは自分の中で色というものをインプットし、色を選んでいきましょう。
外壁色:ホワイト系
外壁色:ブラウン系
外壁色:クリーム系
外壁色:グレー系
外壁色:ベイジュ系
外壁色:ブラック系
外壁色:グリーン系
外壁色:ブルー系
外壁色:濃いブラウン系
1-2.最新の外壁人気色をチェック
次に、塗料メーカーが出している2020年の人気外壁色10色を紹介します。人気色を知ることで、更にイメージしやすいのでこちらも参考にしてください。
※株式会社アステックペイント(塗料メーカー)の出荷量より算出。
外壁では数年の間、ほぼ変わりなくブロークンホワイトなどの白やベージュのナチュラル系の色が選ばれています。
2.外壁の色は、汚れやすさ・色褪せ等も考慮して選ぶべし
せっかくお家をおしゃれに塗り替えたのに、年月が経つにつれて汚れが目立ってきたり色が褪せてきたり、色を選ぶ段階で知らなかったが故に後になって後悔する人も多いようです。色によって程度を小さくすることができるということを知っていれば後悔することを避けることができます。
2-1.グレー系やクリーム系の外壁は汚れが目立ちにくい、白や黒は汚れが目立ちやすい
外壁の汚れの目立ちにくさは、外壁の色が汚れの色と同系色かどうかによって決まります。
外壁の汚れには様々なものがありますが、砂や土埃、煤煙、黄砂など、汚れの色のほとんどが中間色(薄茶・黄土色・薄緑系)です。
ですので、グレー系やクリーム系の外壁であれば、汚れが付着しても色が同化するため汚れがあまり目立ちません。
外壁色:クリーム系
外壁色:グレー系
反対にスタイリッシュな印象に決まりそうな白や黒の外壁は、実は汚れが目立ちやすい色です。白だと汚れが目立ちやすいのはイメージができると思います。
しかし、何故黒も汚れが目立つのか?と疑問を持たれると思われますが、黒い外壁に白い汚れがついてしまうと目立ってしまうからです。黒だからと言って汚れが目立たないわけではありません。
住宅の外壁は塗られた瞬間から劣化が進行するだけではなく、汚れも付着します。特にお家が幹線道路沿いある、近くに川や湖がある場合は外壁が汚れる速度も早く見栄えが悪くなりやすいです。
2-2.鮮明な色は色褪せしやすく、落ち着いた色は色褪せしにくい
赤や青などの原色に近い鮮明な色は色褪せしやすく、クリーム系などの落ち着いた色は色褪せしにくい傾向にあります。色褪せとは、経年によって塗装直後の色相と異なってくる現象のことを言います。
色褪せがひどく、美観を損ねてしまうとすぐに塗り替えを行いたくなる方もいらっしゃいます。色褪せしにくい色を選ぶことはとても大切です。
色褪せの原因は、主に太陽光の紫外線によるもので、塗料に含まれる顔料が紫外線のエネルギーによって劣化することで、本来の色から色相が変化します。
劣化速度の違いは、塗料に色を着けるために使用されている顔料の種類によって生じます。顔料には大きく2種類あり、無機顔料と有機顔料に分けられます。
無機顔料 | 有機顔料 | |
---|---|---|
色合い | 落ち着いた色 | 鮮やかな色 |
紫外線に対する強さ | 強い | 弱い |
色褪せやすさ | 色褪せしにくい | 色褪せしやすい |
通常、無機顔料と有機顔料を併用して使われることが多く、その塗料にどちらの顔料が多く使われているのか見るだけでは分かりません。一般的に、鮮やかな色は有機顔料の割合が多いために色褪せしやすく、落ち着いた色は無機顔料の割合が多いために色褪せしにくいと言われております。
詳しく知りたい方は、塗装店にどちらの顔料が多く使用されているのか聞いてみてください。
2-3.外壁の色は室内の温度にも影響する
黒や紺などの明度が低い色は、建物の構造等によって異なりますが室内温度まで高くなる場合があります。
色が与える影響は、汚れやすさや色褪せなどの目に見えることだけではありません。実は外壁色は、室内の温度にも影響する場合があります。皆さんも、黒い洋服を着ていると太陽光の熱を吸収してしまい熱くなってしまった、という経験をされたことがあると思います。外壁においても例外ではありません。
白などの明度が高い色は太陽熱をあまり吸収せずに反射し、黒などの明度が低い色は太陽光の多くを吸収してしまいまうため、明度が高い色よりも低い色の方がエネルギーを吸収し外壁の温度上昇に繋がります。その結果、外壁の熱が室内にまで伝達し、室内の温度が上昇しやすくなります。
遮熱顔料を用いて太陽光を反射させるという方法もありますが、明度が低い色を避けることで太陽光を効果的に反射することが可能ですので、ぜひ参考にされてください。
3.色選びの注意点
次に、色を選ぶ上での注意点をまとめましたので紹介致します。
3-1.色見本は大きいものを使う
面積効果に注意
塗料メーカーでは、塗料ごとにそれぞれの色見本を作成しています。色見本から色を選んで外壁に塗っていくわけですが、ここには注意点があります。それは面積効果です。面積効果とは、面積が小さいものと大きいものでは色の見え方が異なる現象のことをいいます。
色見本で選んだ色でそのまま外壁を塗装した後見てみると、明るい色はより明るく、暗い色はもっと暗く感じてしまうため、イメージしていたものと違うために後悔する人も多いようです。
このようなトラブルを避けるためにも、施工店にA4サイズくらいの大きめの色見本を用意してもらったり、実際に塗装する外壁で試しに塗ってもらったりすることを推奨します。
通常の色見本帳は各色がチップサイズ
A4版色見本帳
光源によっての色の見え方が違う
色の見た目は、光源によっても全然違うように見えてしまいますので、色見本は必ず屋外でみるようにしましょう。蛍光灯の下で見る色と、太陽光の下で見る色は異なります。当然、外壁を見るのは太陽光の下ですので、外で確認する方が良いです。さらにいうと、天気や時間帯によっても変わってくるので様々な環境下で確認してみましょう。
同じ塗膜でも環境によって見える色が違います。
3-2.艶感
外壁を塗り替えする際に意外と忘れがちなのは艶感です。艶には大きく分けると、艶有りと艶消しがあります。艶感で家の印象は大きく左右します。決してどちらを選ぶのが正解などということはなく、好みです。
艶有りと艶消しの比較を見たい方はこちらをご覧ください↓
3-3.周りの景観についても考える
自分の家だから自分の好きな色で塗りたいと考えられがちですが、その街の景色や雰囲気にも配慮することも大切です。近隣の空気感と著しく異なるような色選びは周りから反感を買う場合もあります。
周辺の家の外壁の色に合わせてうちも必ず同系色にしなければならない、ということではありません。選ぶ色が浮いた色にならないように注意することが必要です。
また、一部の都市によっては地方自治体から景観形成のガイドラインを発行しているところもあります。一度お住まいの地域の自治体に、ガイドラインがあるか確認してみましょう。
3-4.カラーシミュレーションの注意点
最近では、外壁の色を決める際にイメージしやすいようにカラーシミュレーションが用いられることが多くあります。カラーシミュレーションは、コンピュータ上で自分の家に好きな色を何度でも試着させることが可能な便利なソフトです。
様々なパターンを比較できる便利なツールですが、モニターや印刷する紙などによって見え方にバラつきがあることから、カラーシミュレーションだけで判断するのは危険です。何度も施工店と打ち合わせを行い決めていくことが大切です。
カラーシミユレーションを使用される際は、以下を参考にされてください↓
4.ワンランク上のデザイン性の高い外壁塗装
2章・3章では、色の特徴について紹介してきました。ここでは、単に塗装するだけでは物足りない方、オシャレな外観を作り出したいと考えられている方向けに、外壁を1色で塗り替えるだけではない様々な塗装方法について紹介します。
外壁の色の塗り方には決まりはなく、希望を施工店に伝えれば希望通りに塗ってくれます。
ツートンカラー塗装
外壁を2、3色の色で塗り分けることで、印象を華やかにすることができる塗装です。外壁の上下で色を分けたり、セパレーションカラーを用いたりすることでお家の印象ががらりと変わり効果的です。また、縦に色を分けるツートンカラーを取り入れるとスタイリッシュな印象を与えることもできます。
色を塗り分けることによって印象ががらりと変わります。ツートンカラーは色の掛け合わせや色の区切り方が難しいので、詳細を知りたい方は下の記事を参照されてください。
多彩仕上げ塗装
色と柄を組み合わせることで、上品な仕上がりを演出できるデザイン性の高い塗装です。サイディングの凹凸で色分けすることができますので、今のサイディングの柄をそのまま残したい方におススメです。
一色の塗りつぶしでのっぺりした仕上がりではなく、2~3色を塗り重ねることで表現の幅をグッと広げることが可能です。
一色で塗りつぶさずに色を組み合わせることで元々のサイディングの表情を残すことが可能です。
天然石調塗装
多彩な塗膜のチップを配合することで天然石を思わせる美しい風合いを出すことができる塗装です。単色と比べても天然石のような立体感と深みを再現し、高級感のある外壁に仕上げることが可能です。圧倒的な高級感を求める方におススメです。
組み合わせ次第では、シンプル派もこだわり派の方にも満足いただけると思います。
多彩模様に塗装することで高級感がでます。
また、全面に使用せず一部に多彩模様塗料を用いるだけでも、高級感や立体感のある仕上がりにできます。
デザイン塗装
ツートンカラーや多彩仕上げなどとは違った、さらにスタイリッシュで人目を引くお家に仕上げる塗装です。近隣のお家と差別化を図られたい方におすすめです。
また、広範囲にデザイン塗装を行うにはなかなか勇気がいります。そんな方はバルコニーや窓回りなどをワンポイントで塗装を行うのも良いと思います。
デザイン塗装を行うことで人とは違った塗装を可能にします。
▼参考になる動画はこちら
まとめ
いかがでしたでしょうか。ご自宅の塗替えのイメージは湧きましたか?
考え出したらきりがないですが、色を選ぶうえで大切なことは自分がどのようにしたいかイメージを膨らませることです。
後悔しないように、最後まで妥協せずに決めていき納得のいく外壁塗装にしてください。
当メディアを運営するプロタイムズでも、対応店舗にてデザイン性の高い塗装を提供しております。(2018年に『グッドデザイン賞』を受賞しております)
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