「外壁のチョーキングとは、何?」
という疑問をお持ちの人は少なくないでしょう。
外壁のチョーキングとは、外壁表面を触ると粉状のものが付着する現象のことです。
多くの場合、経年劣化が原因で、このチョーキングが発生します。まれに、外壁塗装工事に何等かの不備があったことが原因で、チョーキングが生じることも。このあたり詳しくは、本記事で解説いたします。
さらに、この記事では、
「外壁のチョーキングは、しばらく放置しても大丈夫?」
「外壁にチョーキングが生じたら外壁塗装が必要というのは、本当?」
など、チョーキング補修に関する様々な疑問にこたえる内容についてもご紹介します。
ぜひ、参考にしてください。
1.外壁のチョーキングとは?発生しない外壁もある?
この章では、
・「外壁のチョーキング」とは何か?どんな見た目か?(1-1)
・チョーキングが発生する可能性のある外壁/発生しない外壁(1-2)
について、お伝えいたします。
1-1.[ 写真で解説 ]外壁のチョーキング
「業者の言うチョーキングとは、何?」
「我が家の外壁には、本当にチョーキングが発生している?」
などの疑問をお持ちの人は少なくないでしょう。
ずばり、下記が外壁のチョーキングです。
外壁表面を触ると粉状のものが付着する現象のことを「チョーキング」と言います。
チョーキングのことを、「チョーキング現象」「白亜化現象」などと呼ぶこともあります。
“粉状のもの”の色は、白色・ベージュ・グレーなど、外壁の色によって異なります。
※よくある勘違い
よくあるのが「チョーキングが発生しているかと思ったら、外壁に砂やチリなどが付着しているだけだった」という勘違いです。チョーキングの“粉状のもの”は、塗料です。粉状の砂やチリが付着していても、チョーキングが発生しているわけではありません。
このあたりの見極めは専門的な知識も必要となるため、「もしかするとチョーキングが発生しているのでは?」といった疑問がある場合には、念のため、プロに診てもらうのがオススメです。詳しくは、下記3-2を参照ください。
1-2.チョーキングが発生しない外壁もある
ひと口に外壁と言っても、窯業系サイディング・モルタル・レンガ etc… 様々な種類の外壁がありますが、なかにはチョーキングが発生しない外壁もあります。
とはいえ、日本の住まいに使用されている外壁のほとんどは、チョーキングが発生する可能性のある外壁です。
※現在、日本の住まいの外壁は「窯業系サイディング」が主流です(シェア7割くらい)。次いで、「モルタル」「金属サイディング」「ALC」なども、普及率の高い外壁です。
▼チョーキングが発生する可能性のある外壁
・窯業系サイディング
・モルタル
・金属サイディング
・ALC
・木質系サイディング
・木材
▼チョーキングが発生しない外壁
・レンガ
・樹脂系サイディング
チョーキングが発生する可能性のある外壁/発生しない外壁で、何が違うのかというと…
“塗装されているかどうか”という違いがあります。
チョーキングが発生する可能性があるのは、塗装されている外壁です。
上記「チョーキングが発生する可能性のある外壁」は塗装されているため、チョーキングが発生する可能性がある、というわけです。
2.なぜ外壁にチョーキングが発生するのか?
外壁にチョーキングが発生する原因は、下記の2つあります。
2-1.原因① 経年劣化|劣化症状としてチョーキングが発生
上記1-2で「チョーキングが発生する可能性があるのは、塗装されている外壁」お伝えしましたが、外壁の塗装部分(外壁塗装)が時間の経過とともに劣化することで、チョーキングという劣化症状が生じることがあります。
外壁に発生するチョーキングは、ほとんどの場合、この外壁塗装の経年劣化が原因です。
外壁塗装の経年劣化が原因でチョーキングが発生するメカニズムを詳しく解説すると…
時間の経過とともに、太陽光(紫外線や熱など)や雨風の影響を受けて、外壁塗装は少しずつ劣化していきます。外壁塗装の劣化が進行するにつれ起こるのが、外壁塗装の成分(樹脂・顔料・添加剤など)の分離です。
劣化の進行によって、ある程度、成分の分離が進むと、成分の1つである顔料が外壁表面に表出するように。この顔料こそが、チョーキングの「外壁表面を触った時に付着する粉状のもの」です。
つまり、劣化の進行によって外壁塗装の成分分離が進み、“外壁表面に顔料が表出するようになる=チョーキングの症状がみられるようになる”というわけです。
ちなみに、チョーキング(劣化)の進行具合によって、外壁表面を触ったときに付着する“粉状のもの”の量が変わります。
・チョーキングの初期段階
⇒外壁を触った時に、わずかに粉状のものが付着
・ある程度、チョーキングが進行している段階
⇒外壁を触った時に、しっかりと粉状のものが付着
外壁の劣化については、公式みんなの塗装講座YouTubeで詳しく解説中!!
新築を建ててから or 外壁塗装をしてから、どのぐらいの時間が経過すると、劣化症状としてチョーキングが生じるかというと…おおよそ10年くらいが目安です。
ただし、塗装した塗料製品の種類(塗料製品によって耐久年数や性能が異なります)、住まいのある環境などによって、チョーキングが生じるタイミングは大きく前後します。場合によっては、10年よりも前にチョーキングが生じることもありますし、10年が経過してもチョーキングが生じないこともあります。
2-2.原因② 施工不良|外壁塗装の不具合の症状として、チョーキングが発生
まれに、外壁塗装工事に何等かの不備があったことが原因で、外壁塗装の不具合の症状としてチョーキングが生じることもあります。
例)チョーキングを発生させる可能性のある、外壁塗装工事の不備
・塗料の調合・希釈・攪拌不足
・塗布量(塗装する塗料の量)不足 ほか
※上記以外の外壁塗装工事の不備が原因で、チョーキングが生じることもあります。
チョーキングの原因は経年劣化?施工不良?
新築を建ててから or 外壁塗装をしてから1年以内くらいにチョーキングが生じた場合には、施工不良が原因(2-2)である可能性があります。
新築を建ててから or 外壁塗装をしてから数年後にチョーキングが発生した場合は、ほとんどの場合、経年劣化が原因(2-1)です。
3.外壁のチョーキングは放置NG?早々に補修が必要?
この章では、“外壁のチョーキングを補修するかどうか迷っている人”に向けて、情報をまとめてご紹介します。
3-1.外壁のチョーキングを放置するリスク
外壁のチョーキングは、できるだけ早めに補修を検討することをオススメします。
外壁にチョーキングが発生しているということは、つまり、
・外壁塗装が経年劣化している(2-1)
もしくは
・外壁塗装に不具合が生じている(2-2)
ということであり、どちらにしても、外壁塗装は本来の性能を十分に発揮できていない状態にあります。
チョーキングが生じて、外壁塗装が本来の性能を十分に発揮できていない状態の一番の問題は、雨水の浸入を許してしまう、という点です。
そもそも外壁(チョーキングが発生する可能性のある外壁 ※1-2参照)は、外壁塗装をすることで雨水が浸入するのを防いでいます。しかしながら、チョーキングが進行すると、外壁塗装は雨水を防ぎきれなくなり、少しずつ雨水の浸入を許すようになるのです。
雨水が外壁に浸入し続ければ、水がしみ込むなどして外壁材が早々にダメになることも。雨水が外壁よりもさらに奥にまで浸入するようなことになると、住まいの躯体にまでダメージが及ぶ可能性も生じます。
実際のところ、外壁にチョーキングが生じたからといって、すぐに、外壁材がダメになったり、住まいの躯体にまでダメージが及んだりすることはありません。とはいえ、外壁のチョーキングを長く放置すれば、こうしたリスクが高まるのは間違いありません。
そのため、外壁にチョーキングが生じている場合には、できるだけ早めに補修を検討するのが賢明です。
※チョーキング補修のタイミングについて「できるだけ早めとは、いつ?」といった疑問を抱く人は少なくないでしょう。このあたりのタイミングはプロの塗装業者に相談をするのがオススメです。詳しくは、下記3-2を参照ください。
※一般的に、外壁のチョーキングは塗装で補修をします。詳しくは、下記4章を参照ください。
3-2.チョーキング補修のタイミング等は、プロに相談をするのがオススメ
「我が家の外壁のチョーキングは、補修が必要なほど深刻な状態?」
「本当に、我が家の外壁にはチョーキングが発生している?」
など、チョーキングに関する疑問がある場合には、プロの塗装業者に相談をするのがオススメです。
塗装業者に相談をすると、多くの塗装業者は外壁を診て、
・チョーキングの発生有無/発生原因
・チョーキングの進行具合
・チョーキング補修(外壁塗装)の必要性
・チョーキング補修(外壁塗装)のベストタイミング
などを提示してくれます。
また、塗装業者に相談をすれば、上記以外にも、
・チョーキング補修(外壁塗装)にかかる費用(見積額)
なども教えてもらえるため、より現実的にチョーキング補修(外壁塗装)を検討できるはずです。
ちなみに…
外壁(外壁塗装)の劣化症状には、チョーキング以外にも、ひび割れ・色あせ・塗膜のふくれ・塗膜のはがれ等もあります。
塗装業者に外壁を診てもらうと、このあたりの発生有無や状態(どのぐらい深刻な状態か)、補修の必要有無なども提示してもらえます。
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[プロタイムズの「外壁の無料診断」のサービス内容]
・外壁の状態、劣化症状(チョーキングなど)の発生有無、劣化症状の原因などの診断
・外壁補修(チョーキング補修等)の必要有無の提示
・(外壁補修が必要な場合)ベストな補修時期の提案
・(外壁補修が必要な場合)補修工事内容の提案
・(外壁補修が必要な場合)補修の見積額の提示 など
基本的に、プロタイムズの外壁の診断は無料です。
そして、診断を受けたからといって必ずしも補修等をしなければならないということもありません。
そのため、
「訪問業者にチョーキングを指摘されたけれど、本当に、我が家の外壁にチョーキングが発生している?」
「我が家の外壁のチョーキングは、早々に補修したほうが良い?しばらくは様子見でも問題ないのでは?」
などチョーキングについて気になることがある場合には、ぜひ、プロタイムズの「外壁の無料診断」をご活用ください。
4.外壁のチョーキング補修方法&補修費用を徹底解説!
この章では、
・チョーキングの補修方法(4-1)
・チョーキングの補修費用(4-2)
などについて、詳しく解説いたします。
4-1.外壁のチョーキングは「外壁塗装」で補修する
一般的に、外壁のチョーキングは「外壁塗装」で補修します。
外壁塗装をしてチョーキングを補修すると、再び、外壁塗装は本来の性能を十分に発揮できるようになります。外壁塗装の防水性も復活します。
ちなみに…
外壁塗装の経年劣化が原因(2-1)でチョーキングが生じている場合、チョーキング以外にも、外壁には様々な劣化が生じている可能性が高いです。チョーキング以外の下記の劣化なども、外壁塗装で補修することができます。
例)外壁に生じる劣化症状
・色あせ
・ひび割れ
・塗膜のふくれ
・塗膜のはがれ ほか
4-2.外壁塗装(チョーキング補修)にかかる費用相場
「外壁塗装(外壁のチョーキング補修)に、いくらかかるのか?」が気になっている人は少なくないでしょう。
ずばり、プロの塗装業者に依頼した場合にかかる、外壁塗装(外壁のチョーキング補修)の費用相場は下記の通りです。
80~150万円
※一般的な二階建て住宅(塗り面積200㎡)
※屋根塗装含まず
ただし、上記はあくまで相場価格です。
住まいの大きさ(外壁の広さ)、選ぶ塗料製品、劣化の進行具合(必要な補修工事の内容)などによって、費用は大きく変わります。場合によっては、上記費用と大きく異なることもあります。
「我が家の場合、外壁塗装(外壁のチョーキング補修)にいくらかかるのか、より正確に知りたい」という場合には、塗装業者に外壁(チョーキングの状態など)を診てもらい、外壁塗装(チョーキング補修)の見積額を提示してもらうと良いでしょう(3-2)。
※施工不良が原因(2-2)でチョーキングが生じた場合には、新築を施工した業者 or 前回の塗装を手がけた塗装業者等が対応をしてくれるはずです。
外壁塗装の費用について詳しくは、下記記事を参考にしてください。
4-3.外壁塗装(チョーキング補修)はプロに依頼すべし!
外壁塗装をプロに依頼すると一定の費用がかかるため、「自身で塗装できないか…」と考えている人もいるかもしれません。
しかしながら、一般の人が自身で外壁塗装をすると失敗するリスクが高く、外壁塗装工事には危険も伴うため、プロに依頼することを強くオススメします。
[自身での外壁塗装をオススメしない理由]
●外壁塗装に失敗するリスクが高いため
外壁塗装をするには、
・チョーキングの状態を正しく見極める
・外壁材・前回塗装している塗料製品・住まいの環境などに応じて、最適な下塗り塗料・上塗り塗料などを選定する
・適切な手順で外壁塗装工事を進める
など、さまざまな専門の知識や経験が必要となります。
仮に、知識不足や経験不足で誤った外壁塗装工事をすれば、外壁塗装に不具合が生じるなど、外壁塗装に失敗する可能性が高いです。外壁塗装に失敗をすると、当然、かけた時間や費用も無駄になってしまうことに。また、誤った外壁塗装工事で生じさせた不具合などを補修するのに、相応の費用がかかることも。
●高所作業には危険が伴うため
高所の外壁を塗装するのには高所作業が必要となりますが、高所作業は墜落・転落の恐れがあり、非常に危険です。
事実、建設業の墜落・転落による死傷災害は、毎年、数千件にのぼります(※参考:労働災害統計 厚生労働省)。きちんとした訓練を受け、万全の準備をして臨んでいるプロですら、これほどの事故が起こっているのです。一般の人が高所作業をするのが、どれだけ危険なのかは言わずもがなでしょう。
外壁塗装工事をする場合、プロの塗装業者でも足場を設置します。一般の人が脚立を使って作業をするなど、もってのほか。絶対にやめてください。
外壁塗装(チョーキング補修)は、プロに依頼をしましょう。
まとめ
「外壁のチョーキング」とは、外壁表面を触ると粉状のものが付着する現象のことです。
外壁にチョーキングが発生するのは、多くの場合、経年劣化が原因です。まれに、施工不良が原因で、チョーキングが生じることもあります。
外壁にチョーキングが生じたら、早々に補修をすることをオススメします。長らく放置すれば、早々に外壁材がダメになるほか、住まいの躯体にまでダメージが及ぶ可能性も。
一般的に、外壁のチョーキングは、外壁塗装で補修をします。
本記事では、外壁塗装の費用相場などについてもご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。