外壁塗装

外壁塗装には、業者の選び方からアフターフォローに至るまで、その過程に多くの注意点が潜んでいます。外壁塗装は高い買い物なので絶対に失敗したくありませんよね。

外壁塗装に関しての玉石混交で膨大な情報がネットや口コミ等で散在しており、何が正しい情報なのかを見極めることも難しくなってきました。

それでは、外壁塗装を成功させるにはどうしたらよいのか。それは外壁塗装に対する正しい知識を身につけることです。

この記事では、外壁塗装を行う前に注意しておくべき8つのことをご紹介します。

1. 8つの注意点と対処法

外壁塗装を成功させるうえで、最低限抑えておくべき注意点は以下の8つです。

外壁塗装を行う前に注意しておくべき8つのこと

①最も重要なことは診断・報告をしっかり行う業者を選ぶこと

②見積書で注意すべきポイントは「費用の詳細な内訳」

③どこまで保証が効くかを確認するのは契約前の必須事項

④戸建ての外壁塗装費用は80~150万円がひとつの目安

⑤塗料選びは自分のライフプランに合わせて決める

⑥色選びに失敗しない為にすべきことはたったの4つ

⑦塗装期間は14日くらい見ておいた方が良い

⑧隣近所とのトラブル回避のために“業者と施主の同行挨拶“

1-1.  診断・報告をしっかり行う業者を選ぶこと

外装劣化調査禁断

数ある塗装業者の中から、本当に良い業者を選ぶのは非常に難しいことです。たまたま出会った業者で決めてしまい、後からよく調べてみると、相場とはかけ離れた金額で施工させられていた、なんていうことはよくある話です。その原因は、塗装の検討者自身が費用だけで業者を選んでいる、契約内容を確認しないまま選んでいるケースが多く、業者任せにしているケースが非常に多いからなのです。その背景には、塗装という商品自体に定価がなく、相場が一般的に知られていないという点と、塗装後は誰が塗装しても出来上がりは綺麗にみえてしまうという点が要因としてあります。

ではこのような状況で、一般の消費者の方々が塗装を成功させるにはどうすれば良いのでしょうか。

その答えの1つが「診断・報告をしっかり行う業者を選ぶ」ということです。

外装劣化調査禁断

業者が事前に屋根・外壁の状況を確認することは大前提ですが、その確認・診断結果をお家の方に伝えない、もしくは口頭でさらっと伝えるだけの業者は専門知識をあまり持たない「リフォームの営業マン」の可能性が高いです。

 

診断は資格を持った診断のプロがしっかりと診断し、写真、ビデオ、診断報告書を元に屋根・外壁塗装の状況を説明してくれるかを確認することが、安心できる業者選びのポイントとなります。

診断・報告をしっかり行う業者を選ぶための判断基準

・静止画で劣化状況を伝えるだけでなく動画で解説を加えながら、一般の方でも劣化状況がわかるように説明をしてくれる。

・劣化箇所とそれに対する対策を踏まえた報告書を書面で出してくれる

・外壁の劣化を診断することが出来る資格を所有している有資格者が診断を行う

・屋根にも登って診断している

業者選びの詳しい内容、業者選びチェックリスト等が以下のページに詳しく記載されているので是非参考にしてください。

外壁塗装でトラブルを防ぐ「業者選びのポイント」

1-2. 見積書で注意すべきポイントは「費用の詳細な内訳」

実際、塗装業者から見積もりをとっても、書かれている内容がわからないと比べようがないですよね。業者によって見積書の書き方が違うため複数の見積もりを取ってしまうと、戸惑ってしまう方もいるかもしれません。ここでは、一般の消費者の方々でも簡単にチェックできる見積書を見分けるポイントを4つご紹介します。

見積書を見分ける際に注意すべき4つのポイント

・塗料メーカー名、商品名が明記されているか

・塗装面積が㎡表記か

・使用する塗料缶数が明記か

・項目が一式表記になっていないか

「外壁塗装一式」と書かれ、総額費用しか分からない見積書を提出する業者は要注意です。安い費用の見積書を出してきていざ工事が始まった後に、追加工事・追加請求となる危険性が非常に高いです。費用だけでなく、書かれている内容(費用の内訳や使用塗料名など)も確認することが、安心できる業者選びの判断ポイントとなります。

実際に見積書を手にしたら、上記の項目をチェックしてみましょう!一つでも不明点がある場合には、業者に説明を求める必要があります。

この4つのポイントを具体的な見積書の例を挙げて、分かりやすく説明している記事がありますのでこちらもご覧ください。

【保存版】外装塗装にかかる費用の相場と見積書の見方

1-3. どこまで保証が効くかを確認するのは契約前の必須事項

外壁塗装工事は、工事が完了したらそれで終わりではありません。塗装がすぐに剥がれてくるかもしれない、すぐにサビが目立ってくるかもしれないなど、色々なトラブルが起きやすいのも外壁塗装です。そんな時に備えて外壁塗装業者との間に保証に関しての取り決めが必要になってきます。

現在、業者によって保証がある場合とない場合があり、保証がある場合でも保証範囲や期間は業者により異なります。さらには、保証がついていたとしても実際に保証を適用したいときに連絡しても電話に出ない、業者がつぶれてしまった、施工不良箇所が保証対象外だったなど、保証されないケースも実際に起きており、保証に関しても問題はたくさん潜んでいます。ここでは、そういった保証に関する問題を防ぐために注意したいポイントをお伝えします。

保証で確認するポイント

・保証は書面で受け取り、内容をしっかりと説明してもらう。

・保証書を必ず受け取り、保証対象を確認する

保証期間を付けてくれる塗装業者も増えてきていますが、保証がついていれば安心というわけではありません。しっかりと自分で確認することを行いましょう。

保証に関するトラブル事例やその対処法が詳しく書かれた記事がありますので以下の記事も是非ご覧ください。

外装塗装の「保証」はトラブル回避の必須項目

1-4. 戸建ての外壁塗装費用は80~150万円がひとつの目安

冒頭で、「塗装という商品自体に定価がなく、相場が一般的に知られていない」ということをご説明しましたが、どうして相場がないのでしょうか?それは、お家の状態、状況によって工事の範囲が変わるからです。それぞれの建物で、壁の面積は異なりますし、窓やドア、雨戸などの構造上の関係ですべての家が同じような壁面積にはならないのです。また塗装部分の劣化状況によっても外壁塗装の費用は、補修費等の関係で大幅に変わることがあります。

一番大切なことは、自分の家の状況に合った塗装をするときに適切な金額を見つけることです。劣化状況がものすごく進行しているのに、驚くほど安く見積もりを出す会社は、あとから追加工事でお金を請求されるか、工期を短くされて適正な塗装がされない可能性もあります。

自分の家にあった金額を見つけるために、正確なお家の診断、リフォーム図面作成を専門の業者に依頼し、自分の家オリジナルの外装劣化診断報告書、リフォーム図面を出すことをお勧めします。

外装劣化調査診断報告書

工事項目別の費用の内訳や、見積り内容の事例を記載している記事があります。

是非ご参考にしてください↓

【保存版】外装塗装にかかる費用の相場と見積書の見方

1-5. 塗料選びは自分のライフプランに合わせて決める

費用はそれぞれのお家の劣化状況や、家の構造上の関係で異なるとご説明しました。足場や、高圧洗浄、養生、飛散防止ネットなどの工事に必要な項目は、お家の大きさによって決まり、劣化による補修費は劣化の度合いによって異なりますが、専門業者が判断・補修を行うため、これらの費用は消費者側が変えることはできません。

では、消費者側で変えることができるものはなにか。それは、塗料の種類、性能です。塗料にはグレード(耐久性能によるレベル)があります。

塗料のグレード別の一缶あたりの費用

塗料耐久年数費用 ※1缶あたり
アクリル約3~5年¥5,000~15,000
ウレタン約5~7年¥5,000~20,000
シリコン約7~10年¥15,000~40,000
ピュアアクリル約15年~¥50,000~70,000
フッ素約15年~¥40,000~100,000
無機約15年~¥50,000~120,000
光触媒約15年~¥50,000~100,000

※上記はあくまで目安です。塗料メーカーや製品によっても価格が異なります。

上の表は塗料の耐久性別の種類での費用比較を示しています。一番低いアクリル系の塗料と、一番高い光触媒系の塗料とでは10倍もの費用の差が生まれます。

この中から選ぶときの判断基準が、施主が「その家をあと何年持たせたいのか」ということです。「家を子どもに継がせるから、なるべく長持ちさせたい」という方は、耐久年数の長いピュアアクリルより上のグレードのものを選び、「子どもが家を出たら、この家は必要ないので、あと数年持てば良い」という方は、アクリル、ウレタンを選べば良いということです。

このほかにも、遮熱性能や防カビ、セルフクリーニング性能をもった塗料など、塗料には耐久性のほかにもさまざまな種類があります。

そのような塗料も視野に入れたい方は、こちらの記事をご参考ください。

マイホーム塗り替え前に知りたい外壁塗料選びの3つポイント

1-6. 色選びに失敗しない為にすべき4つのこと

4-1カラーシミュレーション

塗装に失敗した!という声で一番多いのが『イメージと違う』『こんなはずじゃなかった』という自分の頭の中で描いていた色との違いからの不満です。

ここで難しいのが、色を選んだのは自分、塗装検討者であるということ。自分で選んだ色だったのに、イメージと違った場合、とても悲しいですよね。

色選びはプロでも難しいものです。ここでは、一般の消費者の方々が色を選ぶ際に気をつけるべき4つの注意点をまとめました。

色を選ぶ際に気をつけるべき4つの注意点

・近隣の建物の色との調和を考慮する

・A4以上の色見本で確認する

・太陽の下で色を確認する

・カラーシュミレーションを使う

また、カラーコーディネーターの資格を持っているスタッフがいる業者であれば、その方と一緒に決めることで希望の色に仕上がる確率がぐっとあがります。

色選びで失敗したくない方は、是非以下の記事を参考にしてください。

外壁塗装で成功する色選びのために抑えるべき6つのステップ

1-7. 塗装期間は14日くらい見ておいた方が良い

工期は一般的な広さの戸建ての場合、最短で10日~14日です。10日というのは、雨など天候不良の場合や、土日休みを含めていない日数です。
天候や環境、劣化状態などにより、一ヶ月かかってしまうこともあります。

工事の流れ

1日目足場設置
2日目外壁(屋根)の高圧洗浄
3日目①養生 ②サビ止め ③下地調整
4日目①軒天の塗装 ②下塗り
5日目中塗りをします。
6日目上塗りをします。
7日目屋根の下塗りをします。
8日目屋根の中塗りをします。
 9日目屋根の上塗りをします。
10-14日目雨樋を塗ります。戸袋・雨戸を塗ります。
養生テープ、足場撤去。

工期が延びることは初めから頭に入れておいたほうが良いです。理由としては、天候やその家の状況によって、予定とずれることが起こりえるからです。職人は、塗料の性能を十分に発揮させるために、決められた塗料の乾燥時間をしっかり守らなければなりません。

長い工期と感じる方もいるかもしれませんが、一つひとつの工程をしっかりやることが、塗装の持ちにつながります。不便は続きますが、高額をかけての外壁塗装・屋根塗装です。納得のいくリフォームにしましょう。

1-8. 隣近所とのトラブル回避の為にしておくことは“業者と施主の同行挨拶“

工事中は、施主はもちろん、近隣の方々の協力が必ず必要となります。せっかく家が綺麗になっても、近隣の方との関係が以前より悪くなったとなると、気分も悪いですよね。
よくある近隣の方とのトラブルには以下のようなものがあります。

近隣の方との間で起こるトラブル

・洗浄時に水が飛散した

・足場の音がうるさい

・塗料のにおいで気分がわるくなった

・業者の車が邪魔

・業者の見た目・態度が悪い

・塗料が飛散した

業者側は誠意を持って現場管理にあたることが大前提ではありますが、その前にきっちり近隣の方々にご挨拶をしておくと、トラブルに発展しにくいケースが多いです。

そこで重要になるのが、施工業者と施主が一緒に挨拶周りです。騒音やホコリの出る工程を説明しておいたり、ご挨拶の粗品を渡したりしておくことで、トラブル発生の確率は確実に下がります。ご参考までに、同行挨拶以外のトラブル回避策をご紹介しておきます。

その他のトラブル回避策

・工事前に職人さんの車の駐車場所計画をしておく

・日、祝の工事はしないように伝える

・水や塗料が飛散しないように足場にシート養生してもらう

・隣人に赤ちゃんや療養中の人が居る場合は伝えておく

外装塗装でトラブルを防ぐための方法を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

外装塗装でよく起こるトラブル事例とその対処法

まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事では外壁塗装を成功させるための8つ注意点をご紹介しました。

「営業の方が良い人そうだから大丈夫」「有名な会社だから大丈夫」と、業者を信じて任せきりにしては失敗する可能性が高いのです。

この記事を外壁塗装を行なう際の参考にしていただけたら幸いです。