サイディングの劣化

サイディング外壁は、時間の経過とともに劣化が進むことで、少しずつ色あせていきます。
また、非常にまれですが、塗装工事の不備等が原因でサイディングに色あせのような症状が見られることも。

「我が家のサイディング外壁は、色あせしてる?」
「サイディングの色あせは、放置しても大丈夫?」
といった疑問をお持ちの方は多いのでは。

この記事では、
・サイディングが色あせる2つの原因(2章)
・サイディングの色あせは放置NG?補修が必要?(3章)
・色あせたサイディングの補修方法(4章)
などの内容についてお伝えします。
サイディングの色あせが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

※この記事では、窯業系サイディング・金属サイディングを総称して “サイディング” としています。

1.[写真で解説]サイディングの色あせ

下記は「サイディングの色あせ」写真です。

■サイディングの色あせ

「色あせ」のことを、「退色」と言うこともあります。
※サイディングの艶(ツヤ)が失われる「艶引け」や、サイディングの色が変わる「変色」は、サイディングの色あせとは別の症状です。

2.サイディングが色あせる2つの原因

2-1.原因① サイディングの経年劣化

太陽の日差し

サイディングは、時間の経過とともに劣化が進むことで少しずつ色あせていきます。

サイディングの色あせは、ほとんどの場合、このサイディングの経年劣化が原因です。

サイディングの色あせが目立ってくるタイミングは、サイディングの種類や耐久性、サイディングに塗装された塗料、太陽光の当たり具合などによって異なります。
早ければ家を建ててから or サイディングを塗装してから5~8年くらいでサイディングの色あせを感じることも。

[参考]サイディングが経年劣化して色あせるメカニズム

多くのサイディングは、
・サイディングに色/模様等をつける
・サイディングを保護する(太陽光・雨風などからサイディング材を守る)
ために、サイディング表面に塗装が施されています。

サイディングが色あせるのは、このサイディング表面の塗装の経年劣化が原因です。

サイディング表面の塗装は、太陽光(紫外線や熱など)・雨風などの影響を受けて少しずつ劣化していきます。塗装が劣化することで起こるのが、塗装成分(顔料など)の分解です。劣化の進行によって、ある程度、塗装成分の分解が進むと、サイディングの色あせが目立つようになるのです。

外壁塗装の色褪せはなぜ起こる?要因と対策を解説!

 

2-2.原因② 施工不良(塗装工事の不備)

非常にまれですが、サイディングの塗装工事時に何等かの不備があったこと(施工不良)が原因で、サイディングに色あせのような症状があらわれることがあります。

例)塗装工事時の不備
・塗料の調合・希釈・攪拌不足
・塗布量(塗装する塗料の量)不足
・保管状態の悪い塗料を使用

施工不良が原因での色あせは、早々にあらわれるのが特徴です。
家を建ててから or サイディングを塗装してから1~3年以内くらいにサイディングに色あせのような症状がみられた場合には、施工不良が原因の可能性があります。
※多くの場合、施工不良による不具合は、家を建ててから or サイディングを塗装してから1年以内くらいにあらわれます。ただし、施工不良による色あせは~3年以内くらいにあらわれることもあります。


施工不良の可能性があるのは、現場でサイディングの塗装工事をした場合です。
多くのサイディング(※新品のサイディング)は工場で塗装されていますが、工場で塗装されたサイディングに施工不良が原因で色あせが生じることは、ほとんどありません。

3.サイディングの色あせは放置NG?補修が必要?

3-1.サイディングの色あせを放置すると、どうなる?

サイディングの色あせを放置すると、
色あせは進み続けるため、よりみすぼらしい見た目のサイディング(外観)になっていきます。

また、サイディングの色あせが進むにつれサイディング表面の塗装は雨水の浸入を防ぎきれなくなるため(*1)、少しずつサイディング材に雨水が浸入するように。
サイディング材に雨水が浸み込むようになると、腐食が進むなどしてサイディング材がダメになる(サイディング材の寿命が縮む)リスクも生じます。

*1 サイディングが色あせているということは、サイディング表面の塗装に問題(経年劣化 or 施工不良)が生じているということです(2章を参照)。サイディング表面の塗装に問題が生じると、塗装の性能の一つである雨水の浸入を防ぐ性能(防水性)も失われていきます。

※サイディングの色あせの原因が経年劣化(2-1)でも、施工不良(2-2)でも、色あせを放置することで生じるリスクは同じです。

3-2.色あせたサイディングは補修すべし

サイディングの色あせを放置すれば、見た目がわるいだけでなく、サイディング材がダメになるリスクも生じます(3-1参照)。
そのため、色あせたサイディングは補修を検討する必要があります。

特に、サイディングが下記のような状態の場合には、早めの補修をオススメします。
・サイディングの広範囲(外壁の広範囲)が色あせている
・サイディングにチョーキング(手で触ると粉状のものが付着する状態)が発生している

また、サイディングにひび割れ・塗膜のはがれ等の劣化症状もある場合には、より早々に補修をする必要があります。

サイディングの色あせの原因が「施工不良」である可能性がある場合には、色あせの程度等に関係なく、ひとまずサイディングを塗装した業者に相談をしてください。
サイディングの色あせの原因が施工不良であれば、塗装をした業者が補修等の対応をしてくれるはずです。

外壁塗装のプロが教える!チョーキング現象とは?放置するリスクは?

3-3.補修のタイミング等はプロに相談すべし

サイディングを補修すべきか迷う場合には、プロに依頼してサイディングを診てもらうのが賢明です。

プロに依頼してサイディングを診てもらうと、
・サイディングの色あせの発生有無・発生箇所
・サイディングの色あせの進行具合
・補修の必要性・補修の緊急度
・(補修をする場合)補修費の見積り
などを提示してもらえます。
そのため、より現実的に補修を検討できるはずです。

※サイディングは基本的に塗装で補修をします。そのため、サイディングの色あせは塗装業者に診てもらうのがオススメです。

※このサイトを運営しているプロタイムズでも、サイディングの状態等を診る「無料診断」を実施しています。
「色あせたサイディングを補修すべきかどうか診てもらいたい」という方はもちろん、「自身でサイディングを見ても、本当に色あせかどうかよくわからない」といった方も、お気軽にお問合せください。

屋根・外壁をプロが細かくチェックする「プロタイムズの建物診断(無料)」

4.プロが教える!色あせたサイディングの補修方法

4-1.色あせたサイディングは塗装で補修する

塗装業者

一般的に、色あせたサイディングは塗装で補修をします。

色あせたサイディングを塗装で補修すると、
サイディングの見た目(外観)は、新築時のようにキレイになります。

また、サイディングを塗装で補修することでサイディング表面の塗装の防水性等も復活するため、サイディング材に雨水が浸み込みサイディング材が早々にダメになるなどの心配もなくなります。

4-2.サイディングの塗装にかかる費用相場

外壁塗装 値引き

色あせたサイディングを塗装で補修した場合にかかる費用相場は、下記のとおりです。

■サイディングの塗装にかかる費用相場
80万円~

※上記はサイディング外壁の塗装にかかる費用相場です。屋根塗装にかかる費用は含まれていません。
※上記はあくまで目安の費用です。
※サイディングの面積(外壁の広さ)、劣化の進行具合、使用する塗料製品、依頼する塗装業者等によって費用は大きく異なります。

2023年版|外壁塗装の費用相場は?塗料代が値上げになる?見積りをプロが解説!

4-3.[参考]塗装時にできる!サイディングの色あせ対策

サイディングを塗装で補修するときに“ポイントを押さえて塗料を選ぶ”ことで、今後(塗装で補修をした後)、サイディングの色あせが気になるタイミングをより後ろに倒すことができます。

[ 塗料選びのポイント ]

●耐久性の高い塗料で塗装する
耐久性(耐候性)の高い塗料で塗装をすれば、劣化の進行スピードが遅くなります。劣化の進行スピードが遅くなれば、それだけ色あせが生じるタイミングも後ろに倒れることになります。

●色あせの目立ちにくい塗料色で塗装する
色あせが目立ちにくい色・目立つ色があります。そのため、色あせ対策を考えるならば、色あせの目立ちにくい塗料色で塗装するのがオススメです。
外壁塗装の人気色でもあるベージュやグレーなどは、色あせが目立ちにくい色です。

まとめ

サイディングは、時間の経過とともに劣化が進むことで、少しずつ色あせていきます。
また、非常にまれですが、塗装工事の不備等が原因でサイディングに色あせのような症状が見られることもあります。

色あせたサイディングを放置すると、見た目がわるいだけでなく、サイディング材が腐食するなどしてダメになるリスクも生じるため、早めに補修を検討するのが良いでしょう。

一般的に、色あせたサイディングは塗装で補修をします。
記事内で、サイディングの塗装にかかる費用相場等の情報もご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。