台風 雨漏り

「台風で雨漏りが発生した…!」という方もいらっしゃるでしょう。

強風や大雨をともなう台風は、住まいに甚大な被害をもたらします。代表的な被害の一つが、雨漏り。事実、台風で雨漏りが発生することは少なくありません。

この記事を読まれている方のなかにも、台風で雨漏りが発生し、
「雨漏りが発生したら、どうすればいいの?」
「なぜ急に雨漏りが発生したのか?」
「雨漏り補修には、どのぐらい費用がかかるのだろう?」
など、さまざまな疑問や不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、台風で雨漏りが発生した場合に押さえておきたい知識をすべてご紹介いたします。具体的には、
・雨漏りが発生した場合の対処法(1章)
・台風で雨漏りが発生する原因(2章)
・雨漏り補修にかかる費用(3章)
などについてお伝えいたします。ぜひ、参考にしてください。

1.台風で雨漏りが発生!どうすれば良いの?

雨漏り

この章では、“台風で雨漏りが発生したら、どうすれば良いのか”具体的な対処法をご紹介いたします。

1-1.放置NG!早々に業者に診てもらうべし

台風で雨漏りが発生した場合は、早々に業者に診てもらいましょう。

「通常の雨では雨漏りしない。雨漏りしたのは台風の時だけ」
といった場合にも、業者に診てもらうべきです。なぜならば、一度でも雨漏りが発生した場合、住まいに何らかの問題が潜んでいる可能性が高いためです。通常の雨では雨漏りしていないと自分が思っているだけで、人知れず屋根裏で雨漏りしている…ということも十分に考えられます。

業者に診てもらうこともなく、雨漏りを放置し続けると…
住まい内部に入り込んだ雨水は躯体を少しずつ腐食させるなどして、徐々に住まいを蝕んでいきます。長らく放置すれば、住まいは本来の耐久性を維持できず、早々に寿命を迎えてしまう可能性もあります。
また、場合によっては、喘息やアトピー、アレルギー性気管支炎アスペルギルス症(ABPA)などを引き起こす原因となるカビや菌を発生させてしまうこともあるのです。
そのため、一度でも雨漏りをした場合は、業者に診てもらうことを強くオススメします。

業者に診てもらうと、
・雨漏りの発生原因
・必要な補修工事の内容 ※多くの場合、何らかの補修工事が必要です。
などが明らかとなります。
※雨漏りは再発しやすいため、信頼できる腕の良い業者に診てもらうことが重要です。このあたり4章にて詳しく解説いたします。

▼本サイトを運営しているプロタイムズでも、雨漏りの調査を実施しています。詳しくは、下記をご覧ください。
外壁・屋根の無料診断

 

1-2.応急処置なら自分でもできる

「すぐに業者に診てもらうのは難しい」
「業者に診てもらうまでの間、できることはしておきたい」
など、すぐに業者に診てもらえない状況下にある場合は、ひとまず応急処置を施しておくのも一つの手。応急処置であれば、自身でも可能です。

●応急処置①  雨水の浸入箇所を「ブルーシートで覆う」

雨漏り 応急処置
雨水の浸入箇所をブルーシートで覆うことで、一時的に雨漏りを止めることができます。はっきりと雨水の浸入箇所がわからなくても、屋根から雨水が浸入している疑いがある場合は屋根一面を、外壁から雨水が浸入している疑いがある場合は外壁一面をブルーシート覆うことで、一時的に雨漏りを止められる可能性は十分あります。

※注意点
ブルーシートは風にあおられやすいため、屋根や外壁にそってしっかり留めてください。

●応急処置②  雨水の浸入箇所を「防水テープでふさぐ」

防水テープ

どこから雨水が浸入しているのかがはっきりとわかっている場合は、その箇所を防水テープで覆う応急処置がオススメです。雨水の浸入箇所を防水テープでふさぐことで、一時的に雨漏りを止めることが可能です。

※注意点
防水テープでの応急処置ができるのは、雨水の浸入箇所が乾いている状態の時だけです。塗れている箇所に防水テープを貼ってもすぐにはがれてしまうため、雨が降っている日に防水テープでふさぐ応急処置はできません。

屋根にのぼっての作業は、大変危険です。屋根にのぼっての作業が必要となる場合は、自身で応急処置をするのではなく、早々に業者に診てもらうことを強くオススメいたします。

思いがけないところから雨水が浸入している場合など、応急処置①②では雨漏りを止めることができないこともあります。

※上記の応急処置は、あくまで急場をしのぐための間に合わせです。応急処置をして雨漏りが止まったとしても、根本的な問題を解決できているわけではないため、いずれは雨漏りが再発するはずです。そのため、応急処置をしたからといって安心せず、早々に業者に診てもらってください。

これで安心!自分でできる雨漏りの応急処置

 

2.台風で雨漏りが発生する原因は?補修が必要?

「なぜ突然、雨漏りが発生したのだろう?」など、雨漏りの発生原因が気になっている方も少なくないでしょう。この章では、考えられる雨漏りの発生原因をご紹介いたします。
あわせて雨漏りの発生原因によって異なる補修工事についてもお伝えいたします。

2-1.雨漏りの原因① 自然災害(台風)

台風によって住まいに何らかの破損等が生じ、破損箇所から雨水が浸入するなどして、雨漏りが発生することがあります。

▼台風によって住まいに何らかの破損が生じ、雨漏りが発生する例
・暴風で屋根材がとび、そこから雨漏りが発生
・どこかから飛んできたモノが外壁を壊し、そこから雨漏りが発生

この場合、台風によって被害をうけた(雨漏りの発生原因となっている)破損箇所を補修する必要があります。
※火災保険を使って無料で補修工事ができる可能性があります。火災保険に加入している場合は、以下3-2をチェックしてみてください。

※台風時に雨漏りが発生しても、台風が直接的な原因とは限りません。住まいに何らかの問題がある場合、通常の雨では大丈夫でも、激しい雨や横なぐりの雨などが降る台風時には雨漏りが発生してしまうことがあります。以下2-2~2-5では、その他の雨漏りの発生原因をご紹介いたします。

2-2.雨漏りの原因② 経年劣化

外壁や屋根、シーリング(コーキング)などは、時間の経過とともに劣化が進行します。これを経年劣化と言います。この経年劣化が原因で、台風時に雨漏りが発生することがあります。経年劣化が進行すると防水性能が失われるため、劣化箇所から住まい内部に雨水が浸入してしまうのです。

▼雨漏りの発生原因となる経年劣化の症状例

構造クラック
外壁のひび割れ


外壁の欠損


屋根材の割れ


屋根材のズレ


シーリング(コーキング)の割れ


ベランダのひび割れ

※上記以外にも、雨漏りの原因となる経年劣化は多数あります。

経年劣化が原因で雨漏りが生じている場合、(雨漏りの原因となっている)劣化箇所を補修する必要があります。

2-3.雨漏りの原因③ 施工不良(新築の場合のみ)

新築の場合、台風時の雨漏りの発生原因は、建築時の施工不良の可能性があります。
「家を建ててすぐ、2~3年以内の台風時に雨漏りが発生した」といった場合は、施工不良が原因で雨漏りが発生している可能性大です。

よくあるのは、窓枠や換気口などの開口部と呼ばれる部分に何らかの問題があるケース。窓や換気口を設ける際に、きちんと雨仕舞(建物内部に水が浸入しないように施工すること)ができていないと、そこから雨漏りが発生することがあります。

▼新築の場合|施工不良が原因で雨漏りが発生した例
新築直後に換気扇ダクトから雨漏り
窓回りから雨漏り
※出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター

施工不良が原因で雨漏りが発生している場合は、施工不良箇所の補修が必要です。
※施工不良が原因で雨漏りが発生している場合は、無料で補修ができる可能性があります。詳しくは下記3-3を参照ください。

2-4.雨漏りの原因④ 何らかの工事

何らかの工事をした時に、屋根や外壁などを破損させる・キズをつける等したことが原因で、台風時に雨漏りが発生することがあります。

▼雨漏りの発生原因となることがある工事例
●太陽光発電パネルの設置
太陽光発電パネルを屋根に設置する際、工事内容に問題があると、そこから雨水が浸入し雨漏りが発生することがあります。
●スレート瓦(屋根)の塗装工事

スレート瓦の塗装工事をする場合、スレートの重なり部分を切る「縁切り」をしなければなりません。この縁切りをしていない、もしくは十分に縁切りができていないことが原因で、雨漏りが発生することがあります。

※上記以外にも、雨漏りの発生原因となる工事はあります。

何らかの工事が原因で雨漏りが発生した場合は、発生原因に応じて補修をする必要があります。

屋根塗装で「縁切り」が絶対に必要な理由

2-5.雨漏りの原因⑤ メンテナンス不足

全く掃除をしていない、壊れた箇所をそのままにしておくなど、住まいのメンテナンスをしていなかったことが原因で、台風時に雨漏りが発生してしまうことがあります。

▼雨漏りの発生原因となるメンテナンス不足の例
・ベランダを全く掃除しておらず、排水溝が落ち葉などで詰まっていたために雨漏りが発生
・壊れた雨樋をそのままにしていたために雨漏りが発生

メンテナンス不足が原因で雨漏りが発生した場合は、状態に応じて掃除や壊れた箇所の補修などのメンテナンスをする必要があります。

2-6.[参考]雨漏りの発生原因を調べる方法

雨漏りの発生原因は、以下いずれかの調査方法で突き止めます。
どの方法で調査をするのが良いかは雨漏りの状況等によって異なります。予算等を踏まえて業者と相談をするのが良いでしょう。

●雨漏りの調査方法

調査方法内容費用相場
目視調査読んで字のごとく“目で視(見)て”調査する方法です。一目で確認できる箇所だけでなく、屋根の上や天井裏などの普段見えない箇所まで丁寧にチェックしていきます。無料~3万円程度
散水調査雨水が浸入していると思われる箇所に水をかけて、雨漏りを再現し、雨漏り箇所を特定する方法です。3万円~18万円程度
赤外線サーモグラフィ―調査高感度赤外線カメラで住まいを撮影し、温度で雨漏り箇所を調査する方法です。水の浸入箇所や滞留箇所は温度が下がるため、雨漏り箇所を突き止めることができます。15万円~35万円程度
発光液調査雨水の浸入の疑いがある箇所に検査液を流し込みます。雨漏り箇所が複数ある場合には、色の違う検査液を使用することで、雨水の浸入箇所と、漏水箇所がひと目でわかります。10万円~25万円程度

※費用相場はあくまでも目安です。詳細な費用は、各業者にお問い合わせください。
※業者の選び方について詳しくは、下記4章を参照ください。

 

3.雨漏り補修が必要な場合、いくらかかる?

この章では、雨漏り補修にかかる費用相場などについて解説いたします。

3-1.雨漏り補修にかかる費用相場

雨漏りの発生原因等によって必要な補修工事は大きく異なります。そのため、雨漏り補修にかかる費用はケースバイケースです。数万円ですむこともあれば、場合によっては100万円以上の費用がかかることもあります。
“自身の住まいの補修に、いくらかかるか”が知りたい場合は、業者に雨漏りを診てもらい(1-2)、見積りを算出してもらう必要があります。

以下、参考情報として雨漏り補修工事の内容別に費用相場をまとめています。

<工事内容別!雨漏り補修工事の費用相場>

補修工事の内容費用相場
ひび割れ補修(シーリング補修)5万円~
ひび割れ補修(シーリング補修)+外壁塗装100万円~
外壁|重ね張り *1150万円~
外壁|張り替え *2200万円~
屋根|重ね葺き *380万円~
屋根|葺き替え *4100万円~

*1 重ね張り:既存の外壁の上に、新しい外壁材を施工する工法
*2 張り替え:既存の外壁を取り除き、新しい外壁材を施工する工法
*3 重ね葺き:既存の屋根をそのまま残し、その上に屋根材をかぶせる工法
*4 葺き替え:古い屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に替える工法

※雨漏りの発生原因によっては、防水シートの補修や瓦の交換など、上記以外の補修工事が必要な場合もあります。

3-2.雨漏り補修工事は火災保険で無料に?!

結論から申し上げると、火災保険を使って無料で補修できるケースもあります。
たとえば、台風によって屋根材がとばされたことで雨漏りが発生したなど、台風、暴風等の自然災害が原因で雨漏りが発生した場合に(2-1)、火災保険がおりるケースが多いようです。
一方で、経年劣化や施工不良など、自然災害以外の原因で発生した雨漏りについては(2-2~2-5)、一般的に火災保険の適用外です。

※ただし、火災保険の適用条件は、各保険商品によって異なります。そのため、「火災保険は使えないだろう…」と勝手に判断するのではなく、まずは自身が加入している保険商品の内容を確認してみることをオススメいたします。

火災保険が適用される雨漏り修理|条件と注意点まとめ

4.雨漏りの再発を防ぐためには業者選びが超重要

雨漏りは再発しやすいため、信頼できる腕の良い業者に依頼をすることが非常に重要です。

4-1.雨漏りが再発しやすい!?

雨漏りは再発してしまうことが少なくありません。事実、「何度、雨漏り補修をしても、また再発してしまう…」というトラブルも多数報告されています。なぜならば、雨漏りの発生原因を突き止めるのはプロでも非常に難しいためです。

▼トラブル例
「漏り補修を含むリフォーム工事をしたが、補修後も雨漏りを繰り返している」
※出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター

そのため、雨漏りの発生原因を突き止め、雨漏りが再発しないように完璧に補修をするためには、信頼できる腕の良い業者に雨漏りを診てもらう(場合によっては、補修してもらう)ことが重要となります。

4-2.業者選びの際にチェックしたいポイント

業者を選ぶ際にチェックしたいポイントは下記の2つです。

☑雨漏り補修の実績
業者を選ぶ際に必ず確認をしたいのが、雨漏り補修の実績です。やはり実績が豊富にある業者の方が、知識の面でも技術の面でも、より安心であることは間違いありません。

先述の通り、雨漏りの発生原因を突き止めるのはプロでも難しいというのが現状です。そのため、雨漏りの発生原因を突き止め、確実に雨漏りを止めるためには、確かな知識や技術をもった業者に工事を依頼することが鍵となります。

建築士・雨漏り診断士・外装劣化診断士などの専門資格
雨漏りを診たり、補修工事をしたりするのに専門資格が必要というわけではありませんが、資格の有無は業者のレベルを見極める一つの判断指標となります。

●雨漏りに関する資格一覧
・建築士
・雨漏り診断士
特定非営利活動法人 雨漏り診断士協会が認めた雨漏り診断のプロ。雨漏りに関して豊富な知識を持つ。
・外装劣化診断士
一般社団法人 住宅保全推進協会が認めた建物診断のプロ。住まいの屋根・外壁などの外装部分の劣化状況を正しく見極める知識を有する。

上記2つのチェックポイントを満たしている=信頼できる腕の良い業者というわけではありませんが、少なくとも信頼できる腕の良い業者かどうかを見極めるポイントとなることは間違いありません。

★賃貸の場合は、自身で業者を見つけるのではなく、管理会社や大家さんに連絡をしてください。賃貸のお住まいを自身で勝手に補修するのはNGです。

まとめ

台風で雨漏りが発生した場合に押さえておきたい知識をすべてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。

台風が発生した場合、早々に業者に診てもらいましょう。業者に診てもらい、発生原因を突き止め、早々に必要な補修工事をすることが重要です。
すぐに診てもらうのが難しい場合には、ひとまず応急処置を施すのも一つの手。応急処置すれば、取り急ぎ雨漏りを止められることもあります。とはいえ、応急処置はあくまでも急場をしのぐための間に合わせのため、どちらにしても早々に診てもらう必要があります。

雨漏りは再発しやすいため、業者選びも非常に重要となります。このあたり最後の4章にまとめておりますので、業者選びの参考にしてください。