「一般的に屋根を塗装するのにどれくらいお金がかかるのか」といったお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?業者や見積りの内容によっても費用は変わってきますが、一般的な屋根塗装の相場としては約40~60万円と言われています。
実際に自宅の屋根を塗装するのにかかる費用は気になりますよね。
そこで、この記事では屋根塗装の費用相場から、見積りの内訳、見積りが適正か判断する際のポイントについてお伝えしていきます。
自宅の屋根を塗装するのに大体どれくらいかかるのか知りたい方は、ぜひ参考にされてみてください。
1.屋根塗装の費用相場についてご紹介
1-1.屋根塗装の相場はいくら?
屋根塗装の費用相場は約40万円~です。
しかし、上記の費用はあくまで相場になります。
屋根塗装の費用は“塗装する建物の面積(以下、塗り面積)”や“塗料の種類”、“屋根の形状や材質、劣化症状”によって大きく変化します。
そのため上記の費用相場から大きく外れることもあります。
1-2.屋根の形状や材質、劣化症状によって費用は変わる!
前述したように屋根塗装の費用は“塗り面積”、“塗料の種類”や“屋根の形状や材質、劣化症状”によって変化します。よく意外に感じられるのが「“屋根の形状や材質、劣化症状”によって金額が変化する」ということです。“塗り面積”や“塗料の種類”に関しては、施工する面積や使う塗料が異なるので金額が変化するのも容易に想像が付くと思いますが、実は“屋根の形状や材質、劣化症状”によっても金額が変化するのです!
“屋根の形状や材質”に関しては、例えば凸凹のある形状と滑らか(平坦)な形状では同じ面積でも塗料が塗られる表面積が凸凹の方が大きくなるため、使用する塗料が多くなり金額が高くなります。また材質においても塗料をよく吸い込む材質であれば多くの塗料が必要となるため金額が高くなります。そして一番金額の変動が大きくなるので“劣化症状”になります。
どうして劣化症状によって金額が変わるかというと、「劣化症状が酷くなればなるほど補修にかかる費用が高くなるため」です。
また劣化症状によっては塗装出来ない場合もあります。塗装できない場合、“重ね葺き”と“葺き替え”が有効になりますが、一方で“重ね葺き”と“葺き替え”は塗装よりも費用がかかるため注意が必要です。(1-3)
劣化症状 | 劣化症状例 | 重要度 | 補修方法 |
色あせ・変色 | 低 | 塗装工事 | |
チョーキング | 低 | 塗装工事 | |
苔・藻の発生 | 低 | 塗装工事 | |
塗膜の剥がれ | 中 | 塗装工事 | |
瓦の割れ・ズレ | 中 | 部分補修 | |
天井・壁・屋根裏の雨染み | 高 | 別途雨漏り診断が必要 | |
雨漏りの発生 | 高 | 別途雨漏り診断が必要 |
1-3.(補足)重ね葺きと葺き替えの費用相場
塗装以外でも屋根を補修する方法として「葺き替え工事」と「重ね葺き工事」という工法があります。
塗装に比べ、金属の板を被せるので耐久性あり「約20年もつ」と言われております。
しかしながら、塗装よりも費用がかかるため、主に塗装できないほど劣化が激しい場合に行います。
「塗装」と「葺き替え工事」と「重ね葺き工事」の費用について下記でまとめているので、参考にされてください。
工事名 | 費用 | 工事内容 |
塗装工事 | 40万円~ | 劣化塗膜を高圧洗浄で除去し塗装で新たに保護塗膜を作る工法 |
重ね葺き工事 | 80万円~ | 既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて設置する工法 新しい屋根材は負担を減らすため金属系の軽いものを使用する |
葺き替え工事 | 100万円~ | 既存の屋根を撤去し、下地から新しいものに交換する工法 劣化症状がひどい場合には葺き替え工事がおすすめ |
2.屋根塗装の費用相場の内訳を徹底解説!
2-1.費用相場は4項目に分類される!
屋根塗装の費用は大きく分けて4項目に分類されます。
1つ目は、「塗料代」、2つ目は「人件費(施工費)」、3つ目は「足場代」、4つ目は「その他経費」になります。
一般的な見積金額に占める4項目の割合は、「塗料代」20%、「工事費(人権費)」30%、「足場代」20%、「その他経費」30%と言われております。この割合を把握しておくだけでも実際にお手元にある見積りが一般の割合より高いのか低いのか判断できると思います。
しかし、上記割合は一定の判断基準になります。この割合だけで判断することは適切とは言えないため、疑問に思う箇所があれば直接業者に確認してみましょう。その際、明確な答えを得られない場合は、見積り金額を疑った方が良いかもしれません。
2-2.塗料代の相場
塗料代は「塗料の種類」によって大きく変化します。「塗料の種類」は様々あり、「塗膜の寿命(耐久年数)」が選ぶ基準になるでしょう。一般的には「塗膜の寿命が長い」=「金額が高い塗料」の傾向があります。※塗膜とは塗料を塗ったあとの塗料膜のことを指します。
また塗料の中には機能(防水性・遮熱性・防汚性)を持った塗料(機能性塗料)が存在しますが、機能性塗料は機能を持たない塗料に比べ、費用が高くなります。
下記に塗料の種類別に耐久年数と1缶あたりの費用を載せているので参考にしてみて下さい。
塗料の種類 | 耐久年数 | 費用相場(※一缶あたりの費用) |
ウレタン | 約5~7年 | 5,000円~15,000円 |
シリコン | 約7~10年 | 15,000円~40,000円 |
ピュアアクリル | 約15年~ | 50,000円~70,000円 |
フッ素 | 約15年~ | 40,000円~100,000円 |
無機 | 約15年~ | 80,000円~120,000円 |
※塗料メーカーによって費用相場が変わってくるので、あくまで上記値段は相場になります。
2-3.人件費(施工費)の相場
人件費は見積りの中に「施工費」という項目で記載されております。作業内容によっても施工費は変化し、屋根塗装では施工する際に「塗装」だけでなく「高圧洗浄」や「養生」、「諸経費」なども工事項目として入ってきますので、下記相場価格を参考にしてみてください。
工事項目 | 費用相場 |
高圧洗浄 | 100~300円 / ㎡ |
養生 | 250~400円 / ㎡ |
施工費 | 1,000~2,000円 / ㎡ |
諸経費(現場管理費) | 一式 30,000円~50,000円 |
諸経費(廃材処理費) | 一式 10,000円~30,000円 |
2-4.足場代の相場
足場代は、ご自身でもおおよその費用を算出することができます。
足場代は足場の面積を足場と飛散防止ネット(塗料の飛散を防ぐネット)の単価にかけることで算出されます。
こちらの記事で詳しく説明しておりますので参考にしてみてください。
「プロが教える!外壁塗装の足場費用はいくらが妥当?」
3.屋根塗装の見積りが適正かどうか判断するポイント!
相場の確認が完了したら、見積りがお手元にある方は「見積りが適正かどうか確認」しましょう。
複数の見積りをとって違いがないからといっても適正価格かどうかは判断出来ません。ここで必要になってくるのは「正しい判断基準」です。
下記に見積りが適正かどうか判断できるポイントをまとめましたのでご確認ください。
3-1.工事内容が詳細に記載されているか
塗装工事にはいくつかの工事項目が存在し、それぞれに単価が設定されています。
それを「外壁工事一式:〇〇円」、「屋根工事一式:〇〇円」と表記している見積りだと、どの項目にいくらかかっているのか分かりません。そのため工事内容をしっかりと記載してもらうように業者に依頼しましょう。工事項目は多岐に渡るため下記画像を参考にしてみてください。
3-2.材工別で記載されているか
材料費と施工費が一緒になっている「材工一式」の見積りにすると、どんな材料をどれだけ使うのか、材料費や施工費はそれぞれいくらなのかといった詳細な情報が曖昧になります。
そのため、見積りは材料費と施工費が分けて記載されている「材工分離」の形式でもらうことがオススメです。
3-3.塗料名とメーカー名が記載されているか
見積りに「シリコン塗料」や「無機塗料」としか記載されていない場合は要注意です。車で例えると「普通自動車」とだけ書かれているようなもので、普通自動車の中でもメーカーやグレードによって値段や性能が違います。塗料も同じ様に「シリコン塗料」の中でもメーカーやグレードによって値段や性能に大きく幅があります。
詳細な記載がない場合は業者へ確認し、必ずその商品のカタログも準備してもらうように依頼し、見積りに塗料名とメーカー名が明記されているかもチェックしましょう。
3-4.使用する塗料の量がメーカー規定かどうか
実は塗装をする上で一番大切なことは「塗料メーカーが定めた規定量をきちんと守り塗装すること」です。
よく「塗装は厚く塗り重ねられていた方が良い」とか「3回塗りだったら問題ない」といったイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、実はそうではありません。
規定塗布量は「メーカーが定めた塗料の性能を十分に発揮するために必ず塗布しなくてはいけない量」です。つまり、20年の耐久年数がある塗料でも、規定塗布量を守っていなければ、5年や10年で早期に劣化してしまう可能性があります。
どの塗料もメーカーが指定した「規定塗布量」というものが塗料のパンフレットに必ず記載されています。その「規定塗布量」と「外壁の面積」を元に「必要な塗料の量」を計算し、「必要な塗料缶の数」が算出されるのです。塗布量を正しく把握することで、結果として「必要な塗料の缶数」を把握することができるということです。
3-5.きちんと塗装面積が㎡単価で記載されているかどうか
塗料を使う量に比例する塗装面積がきちんと㎡で記載されているかも重要なポイントです。
塗装面積が広ければ広いほど、必要となる塗料も増えることになるのですがもしも「坪数」表記になっている場合は注意が必要です。
外壁塗装は外壁の面積を元に塗料の量を算出するのが基本です。よく使われている「建坪」というのは建物の敷地面積のことで、外壁の面積ではありません。
まとめ
屋根塗装の費用相場は約40万円~ですが、重要なことは「見積りが適正か判断できるポイントを知っておくこと」です。この記事をもとに見積書の妥当性を見つけるための参考にされてみてください。