屋根塗装

「実は、屋根塗装は必要ないのでは?」
「屋根は塗装によるメンテナンスは必要ないという情報を見かけたが、それは本当?」
など、“屋根塗装は必要ない”というのが、事実なのか or 間違いなのかについて調べている方は少なくないでしょう。

事実、屋根の種類によっては、屋根塗装が必要ない場合もあります。

また、屋根の劣化の進行具合によっては、
もう屋根塗装は必要ない(塗装でメンテナンスできる時期を過ぎてしまっている ※屋根 塗装以外のメンテナンスが必要)
今はまだ屋根塗装によるメンテナンスが必要ない
という場合もあります。

この記事では、屋根塗装が必要ない場合/屋根塗装が必要な場合について徹底解説します。
ぜひ、参考にしてください。

1.屋根の種類によっては、屋根塗装は必要ない

1-1.「粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)」は、屋根塗装が必要ない

お住まいの屋根の種類が「粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)」の場合、塗装によるメンテナンスは必要ありません。

塗装が必要ない屋根(塗装が不要な屋根)
・粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)


粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)

「我が家の屋根は粘土瓦?その他の種類の屋根?」など、お住まいの屋根の種類がわからない場合は、お住まい購入時の資料等を確認してみてください。もしくは、塗装業者などのプロに屋根を診てもらうという方法もあります(※3-1参照)。

粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)は塗装によるメンテナンスの必要はありませんが、「屋根の色を変えたい」といった理由で塗装をすることは可能です。
※塗膜(塗装後にできる塗料の膜)は時間の経過とともに劣化します。そのため、塗装した粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)の美観を保ちたいと考える場合には、定期的に塗装する必要があります。

1-2.「粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)」以外の屋根は、屋根塗装が必要

基本的に、「粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)」以外の屋根は、塗装によるメンテナンスが必要です。
定期的に塗装によるメンテナンスをすることで、屋根を長持ちさせることができます。

塗装が必要な屋根
・スレート屋根(カラーベスト・コロニアル ほか)
・セメント瓦
・乾式コンクリート瓦(モニエル瓦)
・金属屋根(ガルバリウム鋼板 ほか)

※お住まいの屋根の種類がわからない場合は、お住まい購入時の資料等を確認してみてください。もしくは、塗装業者などのプロに屋根を診てもらうという方法もあります(※3-1参照)。

2.屋根の劣化の進行具合によっては、屋根塗装は必要ない

基本的に、粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)以外の屋根は塗装によるメンテナンスが必要ですが、屋根の劣化の進行具合によっては、
もう屋根塗装は必要ない(塗装でメンテナンスできる時期を過ぎてしまっている ※屋根塗装以外のメンテナンスが必要
今はまだ屋根塗装は必要ない(塗装によるメンテナンスが必要な時期をまだ迎えていない)
という場合もあります。

2-1.屋根の劣化が大きく進行している場合、もう屋根塗装は必要ない(※塗装以外のメンテナンスが必要)

基本的に、粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)以外の屋根は塗装によるメンテナンスが必要ですが、
・屋根の劣化が大きく進行している場合
は、屋根塗装でメンテナンスできる時期を過ぎてしまっているため、屋根塗装ではなく、「葺き替え」「カバー工法(重ね葺き)」などの方法で、屋根のメンテナンスをする必要があります。

具体的には…
屋根に以下のような劣化症状が見られる場合、屋根塗装ではなく、葺き替え・カバー工法(重ね葺き)など方法でメンテナンスをする必要があります。
■葺き替え・カバー工法(重ね葺き)によるメンテナンスが必要な劣化症状
例)

・屋根材がダメになっている
・屋根の下の防水シートが傷んでいる
・屋根の下の野地板が腐食している


屋根の下の野地板の腐食

●葺き替え
古い屋根をすべて撤去し、必要に応じてルーフィング(防水シート)や野地板などを補修したうえで、新しい屋根を施工する工法。
屋根葺き替え

●カバー工法(重ね葺き)
既存の屋根はそのまま残し、上から新しい屋根をかぶせる工法。
重ね葺き

屋根の「葺き替え工事」を行なう前に押さえておきたいポイント

2-2.築年数が浅い場合は、まだ屋根塗装は必要ない可能性が高い

基本的に、粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)以外の屋根は塗装によるメンテナンスが必要ですが、
・お住まいを建ててから数年以内など、築年数が浅い場合
・屋根の葺き替え・カバー工法(重ね葺き)をして数年以内
などの場合、今はまだ屋根塗装によるメンテナンスは必要ない可能性が高いです。

誤解のないようにしていただきたいのは、
“今はまだ必要ない”というだけで、この先もずっと屋根塗装によるメンテナンスが必要ないというわけではない、ということです。

一般的には、お住まいを建ててから or 屋根の葺き替え・カバー工法(重ね葺き)をしてから10年前後には、屋根塗装が必要となる可能性が生じます。このあたり詳しくは、下記2-3で解説しています。


「築年数が浅い」「屋根の葺き替え・カバー工法(重ね葺き)をして数年以内」などの場合でも、屋根の種類・製品、住まいの環境(気候、日当たり、周辺に工場があるか、沿岸地域かどうか)などによっては、早々に屋根の劣化が進行し、すでに塗装によるメンテナンスが必要な時期を迎えていることもあります。

2-3.築10年前後が経過している場合、屋根塗装が必要な時期を迎えている可能性あり

・お住まいを建ててから10年前後
・屋根の葺き替え・カバー工法(重ね葺き)をして10年前後
などの場合、屋根塗装によるメンテナンスが必要な時期を迎えている可能性があります。

※基本的に、粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)以外の屋根は、塗装によるメンテナンスが必要です(※1章参照)。


“10年前後”というのは、あくまで目安
屋根の耐久年数は、屋根の種類・製品によって異なります。また、屋根の劣化の進行スピードは、住まいの環境(気候、日当たり、周辺に工場があるか、沿岸地域かどうか)によっても大きく異なります。
そのため、お住まいを建ててから or 屋根の葺き替え・カバー工法(重ね葺き)をしてから10年を待たずに早々に屋根塗装によるメンテナンスが必要となる場合もあれば、10年を過ぎてもまだ屋根塗装によるメンテナンスが必要ない(しばらくは様子見でも問題ない)場合もあります。


屋根塗装によるメンテナンスが必要な時期を迎えているかどうかは、最終的に、屋根に生じている劣化症状で見極めます。
屋根の劣化が進行して、2-4のような劣化症状が見られる場合は、屋根塗装によるメンテナンスが必要な時期を迎えている可能性大です。

2-4.屋根の劣化が進行している場合、屋根塗装が必要な時期を迎えている可能性大

屋根に下記のような劣化症状が見られる場合、屋根塗装によるメンテナンスが必要な時期を迎えている可能性が高いです。
※屋根は時間の経過とともに少しずつ劣化し、様々な劣化症状が生じます。一定以上、劣化が進行すると、下記のような劣化症状が見られるようになります。

※基本的に、粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)以外の屋根は、塗装によるメンテナンスが必要です(※1章参照)。

■屋根塗装によるメンテナンスが必要な劣化症状例

ひび割れ

色あせ・変退色

藻・コケの発生

塗膜の膨れ・塗膜のはがれ(剥離)

欠け・欠損

反り

白華現象(エフロレッセンス)
※白く汚れている部分

※上記はあくまで一例です。
※劣化症状や劣化の進行具合等によっては、屋根塗装にプラスして補修工事等が必要な場合もあります。
※劣化の進行具合が軽度の場合、屋根塗装ではなく部分補修で十分にメンテナンスできる場合もあります。
※屋根の劣化が大きく進行している場合には、屋根塗装ではなく、「葺き替え」「カバー工法(重ね葺き)」などの方法で、屋根のメンテナンスをする必要があります(※2-1参照)。

屋根の劣化症状を確認するために、
屋根の上にあがったり、外壁にかけるなどしただけの不安定な脚立にのぼったりするのはやめてください。

屋根の劣化症状の確認は、ベランダ・窓・坂の上など、安全な場所から行ないましょう。

「屋根の劣化症状がよく見えない」
「自分たちで屋根の劣化症状を見ても、よくわからない」
といった場合には、プロに診てもらうのが賢明です(※3-1参照)。

3.屋根塗装は必要ない or 屋根塗装が必要|迷った場合の賢い対処法

3-1.最終判断はプロに任せるべし

一般の方の場合、どうしても、
・屋根の種類を見誤る
・屋根の劣化の症状や進行具合を見誤る
などして、“屋根塗装は必要ない or 屋根塗装が必要”の見極めを間違う可能性があります。

そのため、上記でお伝えした情報も参考にしつつ、「屋根塗装が必要ないのか、必要なのか」の最終判断は、プロに任せるのが賢明です。

多くの塗装業者が、「屋根塗装が必要ないのか、必要なのか」などを見極める「診断(現場調査・現調・点検)」サービスを実施しています。
「屋根塗装が必要ないのか、必要なのか」の見極めには、この診断サービスを活用するのがオススメです。

プロタイムズの建物診断

●塗装業者による「診断」サービスとは?
「診断」サービスとは、塗装業者がお住まいの屋根、屋根の劣化症状・劣化の進行具合などを確認して、
・塗装によるメンテナンスが必要な屋根かどうか(粘土瓦か、その他の種類の屋根か)
・塗装によるメンテナンスが必要なタイミングかどうか(すぐに屋根塗装が必要か、しばらくは様子見でも問題ないか)
・屋根塗装以外のメンテナンスが必要か
などを診断するものです。

※塗装業者の多くが、診断後に、屋根塗装の見積額(場合によっては屋根塗装以外のメンテナンスにかかる見積額)も提示します。
※塗装業者の多くが、屋根だけでなく、外壁・付帯部もあわせて診断します。

プロタイムズでは無料で屋根の診断を行なっています!

本サイトを運営しているプロタイムズでは、屋根の診断を無料で行なっています。

「屋根に劣化が生じているような気がする」
「そろそろ築10年を迎えるので、念のため、確認してもらいたい」
「早めに“屋根塗装が必要 or 必要ない”を明らかにしておきたい」
など、屋根や屋根塗装について気になることがある方は、お気軽にお問い合わせください。

お問合せはこちら

※「診断を受けたら、強く屋根塗装を勧められるのでは?」と思われる方もいるのですが、そんなことはありません。ご安心ください。
プロタイムズでは、屋根塗装が必要ない場合には、必要ない旨をきちんとお伝えしています。
また、診断後に「しばらくは様子見をしたい」「屋根塗装は見送る」といった結論を出されても問題ありません。

「プロタイムズの建物診断」が他社と違う6つのポイント

実績数は?数字で見る「プロタイムズの建物診断」

3-2.【補足】屋根塗装が必要な場合|必要な時期に屋根塗装をしないと、どうなる?

基本的に、粘土瓦(ゆう薬瓦・いぶし瓦)以外の屋根は塗装によるメンテナンスが必要ですが、
塗装によるメンテナンスが必要な時期に、屋根塗装をしなかった場合、
・屋根が早々にダメになる
・雨漏りが発生する

・カビ・シロアリが発生する
などのリスクが生じます。

なぜ上記のようなリスクが生じるのか、詳しく解説をすると…

屋根は時間の経過とともに劣化が進行し、2-4でお伝えしたような劣化症状が見られるようになります。この劣化症状を放置し続けると、劣化の生じている箇所から次第に雨水が浸入しするように。雨水が浸み込んだ屋根は腐食が進むなどして、早々にダメになる可能性大です。
そして、屋根に浸み込んだ雨水が、さらに屋根の下にまで浸入するようなことになれば、雨漏りが発生するリスクも。多くの屋根の下にはルーフィング(防水シート)があるため、雨水が浸入したからといってすぐに雨漏りが発生することはありませんが、劣化の生じている箇所から雨漏りが浸入し続ければ、いずれは雨漏りが発生する可能性は十分あります。また、雨水の浸入を放置し続ければ、カビやシロアリの発生リスクも高まります。

必要な時期に屋根塗装によるメンテナンスをしなかった場合には、費用面でのデメリットもあります。

屋根の劣化が大きく進行し、屋根材がダメになる・屋根の下の防水シートが傷む・屋根の下の野地板が腐食するなどすると、もはや屋根塗装では十分にメンテナンスができないため、葺き替え・カバー工法(重ね葺き)などのより大がかりなメンテナンスが必要となります(※2-1参照)。

一般的に葺き替え・カバー工法(重ね葺き)などの費用は、屋根塗装よりも高額です。
つまり、屋根の劣化症状を放置し続け屋根塗装でメンテナンスができる時期を過ぎると、より高額なメンテナンス費用がかかってしまうことになるのです。

塗装の意味は?必要性は?|塗装すべきか迷っている方へ

4.屋根のメンテナンスにかかる費用相場

4-1.屋根塗装にかかる費用相場

屋根塗装にかかる費用相場は、下記のとおりです。

【費用相場】
屋根塗装:40~60万円

(一般的な2階建住宅の場合・塗装面積50㎡~80㎡)
(足場費用込)

※上記はあくまで相場価格です。
※実際の屋根塗装の費用は、屋根の広さ(塗装面積)・屋根の劣化の症状や進行具合・選ぶ塗料製品・依頼する塗装業者などによって異なります。そのため、場合によっては、実際の屋根塗装の費用が、上記の費用相場と大きく異なることもあります。
※屋根とあわせて外壁や付帯部(雨樋・軒天・幕板 ほか)を塗装する場合には、+αで外壁塗装や付帯部塗装の費用がかかります。

“屋根塗装の費用はいくらが妥当か”をプロが解説【見積り事例付】

※屋根塗装をする場合には、同時に外壁塗装をするのがオススメです。

外壁塗装と屋根塗装は同時にすべし!お得&手間削減などのメリットあり

4-2.【参考】屋根の葺き替え・カバー工法(重ね葺き)にかかる費用相場

屋根の葺き替え・カバー工法(重ね葺き)にかかる費用相場は、下記のとおりです。

【費用相場】
屋根の葺き替え:100万円~

屋根のカバー工法(重ね葺き):80万円~
(足場費用込)

※上記はあくまで相場価格です。
※実際の葺き替え・カバー工法(重ね葺き)の費用は、屋根の広さ・屋根の劣化の症状や進行具合・選ぶ屋根製品・依頼する業者などによって異なります。そのため、場合によっては、実際の葺き替え・カバー工法(重ね葺き)費用が、上記の費用相場と大きく異なることもあります。
※2006年以前に建てられた住宅の屋根(スレート屋根・セメント瓦等)には、アスベストが含まれている可能性があります。アスベストを含む屋根の葺き替えをする場合、廃材処理費等に高額な費用がかかることがあります。

屋根の「葺き替え工事」を行なう前に押さえておきたいポイント

4-3.【参考】屋根の部分補修にかかる費用相場

屋根の部分補修にかかる費用相場は、下記のとおりです。

【費用相場】
屋根の部分補修:数万円~

(足場の設置が必要な場合は、別途、足場費用がかかります)

※劣化症状や劣化の進行具合、劣化箇所の数などによって、費用は大きく変動します。

まとめ

“屋根塗装は必要ない”というのが、事実なのか or 間違いなのかというと…
事実、屋根の種類によっては、屋根塗装が必要ない場合もあります。

また、屋根の劣化の進行具合によっては、
・もう屋根塗装は必要ない(塗装でメンテナンスできる時期を過ぎてしまっている ※屋根塗装以外のメンテナンスが必要)
・今はまだ屋根塗装によるメンテナンスが必要ない
という場合もあります。

“屋根塗装が必要ないのか、必要なのか”の最終判断は、プロに任せるのが賢明です。
※多くの塗装業者が、「屋根塗装が必要ないのか、必要なのか」などを見極める「診断(現場調査・現調・点検)」サービスを実施しています。

\屋根塗装を検討する方へ/
屋根塗装を検討する際に押さえておきたい「塗料の色選び」「塗料を選ぶときのポイント」「オススメ塗料製品」などの情報は下記記事でご紹介しています。

屋根塗装まとめ|塗装の必要性・価格・塗料選びまで[2022年版]