外壁塗装の塗料には、「1液塗料」と「2液塗料」があります。
簡単に説明をすると…
・1液で性能を発揮する塗料を「1液塗料」
・2液を混ぜることで性能を発揮する塗料を「2液塗料」
と言います。
⇒詳細は1-1を参照
「外壁塗装で選ぶべきは1液塗料?2液塗料?」といった疑問を持たれる方もいるのですが、外壁塗装の塗料を選ぶ時に、“1液塗料か2液塗料か”をさほど気にする必要はありません。
⇒詳細は1-2を参照
外壁塗装の塗料は、“1液塗料か2液塗料か”よりもむしろ、
「☑耐候年数」「 ☑機能性」「 ☑種類」「 ☑水性塗料 or 溶剤系塗料」
といったポイントをチェックして選ぶのがおすすめです。
⇒詳細は2章を参照
1.外壁塗装の「1液塗料」「2液塗料」について徹底解説!
1-1.外壁塗装の「1液塗料」「2液塗料」とは?何が違う?
1液塗料
1つの塗料缶だけで性能を発揮する設計となっている塗料を「1液塗料」と言います。
1液塗料は、塗料缶を開けて希釈・撹拌すると、外壁に塗れる状態になります。
2液塗料
A液とB液を混ぜることで性能を発揮する設計となっている塗料(A液とB液を混ぜて使用する塗料)を「2液塗料」と言います。
2液塗料は、(A液とB液の)塗料缶を開けてA液とB液を調合し、希釈・撹拌すると、外壁に塗れる状態になります。
※A液・B液の呼称は、塗料メーカーによって異なります。A液は「主剤」「塗料液」「ベース」等、B液は「硬化剤」等と言うこともあります
外壁塗装の“塗料の希釈”とは?希釈量・希釈剤についてもプロが解説 | 外壁塗装ジャーナル
1-2.外壁塗装で選ぶべきは1液塗料?2液塗料?
「外壁塗装で、1液塗料を選ぶべきか?2液塗料を選ぶべきか?」
で迷っている方もいるかもしれません。
結論から申し上げると、1液塗料と2液塗料、どちらを選んでもOKです。
「1液塗料よりも、2液塗料の方が耐候性が高いのでは?」
「1液塗料よりも、2液塗料の方が様々な機能性を備えているのでは?」
などと思われている方も多いのですが、必ずしもそうとは限りません。
確かに、耐候性・機能性に優れた2液塗料製品は多数ありますが、
耐候性・機能性に優れた1液塗料製品も多数あります。
そのため、外壁塗装の塗料を選ぶ時に、“1液塗料か2液塗料か”をさほど気にする必要はありません。
外壁塗装の塗料を選ぶ時には、“1液塗料か2液塗料か”よりもむしろ、「☑耐候年数」「☑機能性」「☑種類」「☑水性塗料 or 溶剤系塗料」といったポイントをチェックして選ぶのがオススメです。このあたり詳しくは、下記2章で解説しています。
2.[1液塗料 or 2液塗料よりも重視したい]外壁塗装の塗料を選ぶ時にチェックしたい4つのポイント
外壁塗装の塗料を選ぶ時には、“1液塗料か2液塗料か”よりもむしろ、下記の4つのポイントをチェックして選ぶのがオススメです。
☑耐候年数
☑機能性
☑種類
☑水性塗料 or 溶剤系塗料
2-1.チェックポイント①|☑耐候年数
外壁塗装の塗料を選ぶ時には、「どのくらいの耐候年数か」は必ずチェックしましょう。
塗料の耐候年数が長い(耐候性が高い)ほど、外壁塗装は長持ちします。
どのくらいの耐候年数の塗料を選べばいいかというと…
おすすめは、近年、主流となってきている耐候年数15年くらいの塗料です。
「できるだけ外壁塗装を長持ちさせたい」という場合には、耐候年数20年を超える塗料を検討しても良いでしょう。
※例えば2024年に「耐候年数15年の塗料」で外壁塗装をすると、2039年前後に、再度、外壁塗装が必要となる可能性大です。
※塗料の耐候年数(外壁塗装の持ち)は、周辺環境等によって前後することがあります。
2-2.チェックポイント②|☑機能性
「どんな機能を備えているか」も外壁塗装の塗料を選ぶ時にチェックしたいポイントの一つです。
▼塗料の機能
例)
・遮熱性
・遮熱保持性
・低汚染性
・変退色防止性
・防藻・防カビ性
・防サビ性 ほか
※備えている機能は、塗料製品によって異なります。
※備えている機能は1つとは限りません。多くの塗料製品が、複数の機能をあわせ持っています。例)「遮熱性」「遮熱保持性」「低汚染性」をあわせもつ塗料製品、「低汚染性」「防藻・防カビ性」をあわせもつ塗料製品 等
「どんな機能を備えた塗料を選ぶのが良いか」は、施主(消費者)のニーズ・住まいの周辺環境等によって異なりますが、
・遮熱性(室内の温度上昇の抑制・電気代の節約などが期待できる)
・低汚染性(外壁のキレイを長く保つことができる)
などは、おすすめの塗料の機能です。
2-3.チェックポイント③|☑種類
外壁塗装の塗料には、「無機塗料」「フッ素塗料」「シリコン塗料」「ウレタン塗料」「アクリル塗料」などの種類があります。
※外壁塗装の主成分は、顔料・樹脂・添加剤・水もしくは溶剤です。この4つの主成分のうち樹脂に“無機(変性無機)”を採用したものが「無機塗料」、“フッ素樹脂”を採用したものが「フッ素塗料」です。
※塗料の種類を明らかにしていない塗料製品もあります。
外壁塗装の塗料を選ぶ時には、塗料の種類もチェックしておきたいところです。
塗料の種類をチェックすることで、おおよそのグレード感・耐候年数(※2-1)・価格帯を把握することができます。
グレード | 耐候年数 | 価格帯 | |
---|---|---|---|
無機塗料 | 高 | 約15年~ | 高 |
フッ素塗料 | 高 | 約15年~ | 高 |
シリコン塗料 | 中 | 約7~10年 * | 中 |
ウレタン塗料 | 低 | 約5~7年 | 低 |
アクリル塗料 | 低 | 約3~5年 | 低 |
*近年、人気のシリコン塗料の開発が進み、無機塗料やフッ素塗料と同等の耐候年数を持つ“高グレードのシリコン塗料製品”も多数登場しています。
※上記表のグレード・耐候年数・価格帯は、あくまで傾向です。なかには、上記の傾向にあてはまらない塗料製品もあります。例)高グレードのシリコン塗料製品 等
外壁塗装の塗料で一番人気は「シリコン塗料」です。
“一定以上の耐候年数を備えながらも、価格帯は中程度”という性能と価格のバランスの良さから、多くの人々に選ばれています。
「どの種類の塗料を選べばよいかわからない」という方は、シリコン塗料を選んでおけば間違いありません。
「より長持ちする、性能の良い塗料を選びたい」という方には、無機塗料・フッ素塗料もおすすめです。
2-4.チェックポイント④|☑水性塗料 or 溶剤系塗料
水性塗料と溶剤系塗料
“水性塗料か溶剤系塗料か”も、外壁塗装の塗料を選ぶ時にチェックしたいポイントの一つです。
水性塗料と溶剤系塗料では塗料のニオイ・VOC排出量・塗料の密着性・乾燥時間等が異なるため、“水性塗料か溶剤系塗料か”も外壁塗装の塗料を選ぶ時の判断指標となります。
【外壁塗装の水性塗料・溶剤系塗料を徹底比較】
水性塗料 | 溶剤系塗料 | |
---|---|---|
耐候年数 | 塗料製品による | 塗料製品による |
機能性 | 塗料製品による | 塗料製品による |
価格 | 塗料製品による | 塗料製品による |
塗料製品のラインナップ (外壁塗装の塗料製品数) | 多い | (水性塗料と比べて)少ない |
ニオイ | 弱い | 強い |
VOC排出量 * | 少ない | 多い |
塗料の密着性 | (溶剤系塗料と比べて)弱い | 強い |
乾燥時間 | 環境の影響を受けやすい | 環境の影響を受けにくい |
*VOC(揮発性有機化合物)とは、Volatile Organic Compoundsの略称。シックハウス症候群などの健康被害や、大気汚染などの環境被害を引き起こす原因物質の一つとされています。
水性塗料はニオイがしないわけではありませんが、溶剤系塗料よりもニオイが抑えられています。
また、VOC排出量が少ないという面で、安心感もあります。
そのため、「塗料のニオイが気になりそうで心配」という場合や、外壁塗装工事中に子供や高齢者、ペットなどが家に居る場合などは、水性塗料がおすすめです。
\外壁塗装の塗料の選び方については、こちらの記事でも詳しく解説しています!/
まとめ
外壁塗装の塗料には「1液塗料」と「2液塗料」があります。
1液で性能を発揮する塗料を「1液塗料」、2液を混ぜることで性能を発揮する塗料を「2液塗料」と言います。
外壁塗装の塗料を選ぶ時に、“1液塗料か2液塗料か”をさほど気にする必要はありません。
むしろ、「☑耐候年数」「 ☑機能性」「 ☑種類」「 ☑水性塗料 or 溶剤系塗料」といったポイントをチェックして選ぶのがおすすめです。