家を建ててから10年近く経ち、外壁の塗り替えを考え始めたけど、外壁塗装の知識がなく「まずは基本的なことを知りたい」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、外壁塗装に関する疑問をインターネットで調べてみても、いろいろなサイトが出てきてどの情報が正しいのか判断すればいいのかわからないのではないでしょうか。
そこで、本記事では、外壁塗装が初めての方がよく悩む「費用面・塗料の選び方・工事中の生活・業者の選び方」などの疑問についてQ&A方式でお答えしていきます。
こちらの記事を参考にしていただき、外壁塗装の疑問や不安を取り除いて頂ければ幸いです。
1.外壁塗装の費用編
Q1.外壁を塗り替えるにはどれくらい費用がかかるの?
外壁の塗り替え費用は「塗料のグレード、建物の大きさ、建物の劣化状況」によって変わってきます。
塗料に使われる樹脂の違いによって耐久年数か価格が変わります。
一般的によく使用されるグレードはシリコン塗料です。耐久年数と費用のコスト&パフォーマンスが良いため人気です。
外壁塗装のおおよその費用(塗料のグレード・建物面積別)は下記を参考にしてください。
塗装面積 (壁面積) | アクリル塗料 | ウレタン塗料 | シリコン塗料 | フッ素塗料 | 無機塗料 | 光触媒塗料 |
---|---|---|---|---|---|---|
20坪 (80㎡) | 30~60万円 | 40~70万円 | 50~80万円 | 60~100万円 | 70~120万円 | 80~130万円 |
30坪 (120㎡) | 40~70万円 | 50~80万円 | 60~90万円 | 70~110万円 | 80~130万円 | 90~140万円 |
40坪 (160㎡) | 50~80万円 | 60~90万円 | 70~100万円 | 80~120万円 | 90~140万円 | 100~150万円 |
50坪 (200㎡) | 60~90万円 | 70~100万円 | 80~110万円 | 90~130万円 | 100~150万円 | 110~160万円 |
※屋根塗装代は含んでいません。
※価格は建物の劣化状況によって変わります。
※建物によって窓やドアなどの塗装しない面積が変わるため、正確な費用は塗装面積を計測する必要があります。
さらに外壁塗装の費用について詳細が知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
Q2.費用を安く抑えるにはどうすればいいの?
外壁塗装の費用を安く抑えるためには、まずは費用相場を知っておく必要があります。相場より高ければ、交渉の余地がありますし、相場より安い場合には、どうやって安くしたのか質問して不良工事を未然に防ぐ必要があります。
1.見積りを複数の業者に依頼する
1つの業者からの見積りからでは、費用が妥当なのか判断が難しくなってしまいます。
複数の業者の見積りを比較することによって、塗り替え費用が妥当なのか判断しましょう。
また、業者側にも他社の見積りを取っている事を伝えることで、最終的に費用が下がることもあるので、この業者に決めているとしても、追加して、もう1~2社は見積りを依頼しましょう。
2.大手ハウスメーカーやリフォーム店よりも地元の塗装会社に頼む
一般的には、地元の塗装会社に頼んだほうが費用を抑えられます。
大手のハウスメーカーなどに頼むと、自社では塗装をせずに、多くは、協力会社に委託します。
大手ハウスメーカーと協力会社(地元の塗装会社)は工事費用の原価にそれぞれの利益を乗せるため、工事費用が高くなる場合が多いのです。
さらに外壁塗装を格安にしたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
3.長期的なコストパフォーマンスを意識する
額面の金額が安いからといっても、例えばグレードの低い塗料を使われていたため、すぐに次の塗り替えが必要になったり、品質が低い施工によって不具合が出てしまえば、塗り直しのコストがかかります。額面の安さよりもしっかりとした品質基準で施工を行う業者を選ぶことで、長期的に見れば結果的に安く済ませることができるのです。
Q3.外壁塗装の見積りはすぐ出せるものなの?
正確な見積りは、「外壁の劣化具合、窓や扉などを除いた塗装面積」がわからないと計算できないため、建物を直接診断しないと、おおよその金額しか算出できません。
正確な見積りを出すためには、各部の劣化状況ををしっかり調べる必要があります。
インターネットのアンケート内容だけで見積書が送られてきたり、建物を数分診断しただけで見積書を作成していると、建物にとって正しい補修や金額にならない可能性が高いです。
見積りを出す前には必ず現場調査と呼ばれる事前のチェックが必要です。ここで、診断を行ってどんな劣化があるのかをしっかり調査する必要があります。これは医師がしっかりと診断しないと病気を判断できないのと同じです。まともな診断をせずに病気を判断して、薬を出す医者は信用できないですよね。
しっかりと、屋根や屋根裏などにも登って調査診断を行うことで、適切な対処方法とそれにかかる見積りが出せるのです。よって、信頼できる業者は見積りはすぐには出せません。
Q4.相見積りはしたほうがいいの?
3社ほどの見積りを取るようにしましょう。
会社によって「塗る場所、塗料、費用」は違いますが、複数で比較することによってだいたいの相場を知ることができます。
また、見積りを比較するなかで「なぜここの会社はこんなに塗料が安いのか?」など、疑問も出てくるので、業者に工事の内容確認が取りやすくなります。
さらに、見積りの提出時に業者の提案力もわかります。単なる価格の比較だけでなく、あなたの要望にあった提案をしてくれるか、提案力も複数の業者で比較することが重要です。
Q5.もし、不良工事が起こった場合の保証は?
一般的に、外壁塗装の保証で対象になるのは外壁塗膜の剥がれだけです。
もちろん、業者によってはヒビ割れや変色も保証対象になる場合もありますが、多くの業者の保証は外壁塗膜の剥がれです。また、”外壁”塗膜のみの保証の場合、雨戸や庇ほか鉄部、木部など外壁に含まれない部分は全く保証されません。
これには理由があり、塗膜の剥がれ以外の劣化は、家の構造や土地の地形、地震・台風などの自然災害、工場の近くにあるなどの周辺環境などが大きく関わるので、不具合の発生が工事によるものか判断が困難であるためです。
どこまで保証されるのかは契約前に業者に確認しましょう。
さらに外壁塗装の保証のトラブル事例や回避方法についてはこちらの記事をご参考にしてください。
Q6.一般的によく使われる支払い方法は?
工事代金の支払いは主に下記の3パターンがあります。
1.工事完了後に一括で払う
2.契約時または着工時に頭金を払い、完工時に残金を払う
3.ローン支払い
一般的には1または2で支払う方が多いです。
しかし、外壁塗装の費用は50万円から、場合によっては200万円になることもあるので、すぐに現金を用意できない方はローンを利用することも視野に入れましょう。
Q7.外壁塗装で使えるローンって?
業者の中には「イオン」や「オリコ」などのローンを扱っているところもあるので、ローンが組めるかは業者に確認しましょう。
また、既に住宅ローンを組んでいる場合は金利優遇制度で金利が低くなる場合もあります。さらに住宅ローンの金利が高い場合には、現在のローンと外壁塗装のローンを合わせて、低金利のローンへ借り換えるという方法もあります。
実際にローンを使用される場合はこちらの記事をご参考にしてください。
Q8.外壁塗装で火災保険が使えるって本当?
戸建住宅向けの火災保険は、火災やガス爆発など事故だけでなく、自然災害による損害にも適用をされる場合があります。
つまり、「災害で外壁に損害を受けた」場合などは、外壁塗装に保険が適用されるケースがあります。
ただし、あくまで適用される場合もあるということですので、適用されるかどうかは加入している保険会社へご確認ください。
Q9.外壁塗装に補助金は使えるの?
自治体によっては外壁の塗り替えリフォームに利用できる、支援制度があります。
しかし、自治体ごとに応募期間、利用条件が違うため、自分の地域で支援制度があるかどうかは地元の塗装業者に聞く、または、下の検索サイトから確認してみてください。
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(平成28年度版)
2.塗装の基礎知識編
Q10.そもそも外壁塗装って何のためにやるの?
塗装には「美観・保護・機能」という3つの目的があります。
美観:塗装によって色とつやを表現し綺麗に住宅を美しく見せる
保護:建物の劣化原因である紫外線や雨風を、塗膜で保護する
機能:「防水・遮熱・低汚染・防カビ・セルフクリーニング」などの性能を塗料に付与することで、より快適に住める
3つ目的の中でも「保護の役割」が特に重要です。
もし、外壁に塗装による保護がない場合は、建物外部だけではなく、内部の劣化も進み、場合によっては補修に多大な費用がかかる可能性があります。
ご自宅に長く住むためにも塗装によって保護することが大切になのです。
Q11.外壁がどのような状態になったら塗り替えをする必要があるの?
外壁の塗り替えは新築の場合で約10年、1度塗り替えたことがある場合は7年から15年が目安です。しかし、建物が置かれている環境によって外壁の劣化速度が変わるため、実際の外壁の劣化状態を確認する必要があります。
下記に主な外壁の劣化症状をご紹介しますので、ご自宅の外壁に劣化が現れていないか確認しましょう。
変色 | 変色は紫外線や熱によって徐々に進むため、日ごろは気づきくい劣化です。 塗り替えの検討を始める頃合いです。 | |
---|---|---|
チョーキング 外壁の表面をこすると外壁の色がうつる | 塗膜が劣化し、顔料が外に出てきています。 この症状がでると塗り替えのサインです。 | |
塗装の剥がれ・膨れ | 建物を劣化から保護できない状態で、早期の補修と塗装が必要です。 | |
ヒビ割れの発生 | 特に、0.3ミリ以上(ハガキの厚さは0.22ミリ)のヒビ割れが発生している場合は水の浸入が非常に早いため早期のヒビ割れ補修が必要です。 | |
シーリング材のヒビ割れ | 壁と壁のつなぎ目や窓、扉の回りにあるゴムをシーリング材と言います。シーリング材にヒビが入っている場合はシーリング材の打替えが必要です。 |
ご自宅の外壁をじっくり見ると上記の劣化現象の複数個が起きているということもあります。
さらに外壁の劣化症状と補修方法についてはこちらの記事をご参考にしてください。
Q12.実際にどんな工事をするの?
外壁塗装の工程は主に下図の作業をしていきます。
1日目 | 足場設置 |
2日目 | 高圧洗浄 |
3日目 | 養生 |
4日目 | 下塗り |
5日目 | 中間検査 |
6日目 | 中塗り |
7日目 | 上塗り |
8日目 | 完了検査 |
9日目 | 足場解体 |
さらに各工程がどのような作業をしているかご紹介いたします。
足場組立 | 最初に塗り替え作業に必要な足場を組み立てます。2mを超える高所で作業する場合は、労働安全衛生法で足場の組み立てなどの安全対策が義務付けられています。 | |
---|---|---|
高圧洗浄 | 外壁の汚れや劣化した既存の塗膜を高圧洗浄機で落とすことによって塗料の密着を良くします。 | |
養生 | シャッターや雨樋などの塗装しない部分をシートで保護します。 | |
下塗り | 下地処理で壁の表面の凸凹を均一にしたり、上塗り塗料と壁の密着性を上げる効果のある専用の塗料を塗っていく作業です。 | |
中塗り 上塗り | 外壁に「美観」「保護」「機能性」の役割を持った塗料を中塗り、上塗りの2回に分けて塗っていきます。 |
さらに各工程の目的を詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
Q13.塗り替え工事はどれくらいの期間かかるの?
戸建てで10日~14日程度かかります。
雨が降ると施工はできませんので、その分工事の期間が伸びる場合があります。
理由としては塗料が乾きにくかったり、塗料が水で薄まることにより、初期不良になる可能性が高くなるからです。
どの工程に何日かかるか気になる方はこちらの記事をご参考にしてください。
https://reform-journal.jp/kikan-4196
Q14.外壁の塗り替えはDIYできる?
外壁の塗り替えに関してはDIYはオススメできません。
費用的には塗料や道具代などを含めてだいたい30万円から50万円で可能で、業者に依頼するより安くすみますが、失敗のリスクが多くあります。
※さらに足場を組む場合は業者に依頼する費用もかかります。
リスクとしては、施工中の落下の危険性や施工不良(塗りムラや塗膜の剥離)などがあります。
塗ったあとに不具合がおこらないようにするためには、外壁の劣化によって塗る量を変えたり、塗る厚さを0.1ミリ〜0.3ミリ均一にしないといけなかったりと、技術や知識を要する部分も多いのです。
また、施工中に落下してしまうなど、怪我の危険性もあります。
さらに、塗ったあとに不具合が起こってしまった場合には、結局補修をプロに頼むと数十万円の追加費用がかかってしまうのです。
そのため、少しでも自信が無い場合は最初から塗装業者に依頼したほうがいいでしょう。
DIYでの塗装を検討されている方はこちらの記事もご参考にしてください。
Q15.塗り替えに適した季節っていつ?
どの季節でも塗装工事の注意点さえ守っていれば塗装工事を行うことが可能です。
しかし、ベストシーズンと考えた場合、塗装工事がスムーズに進む気候条件である“気温15~30℃、湿度75%以下”と、窓を閉め切っていても過ごしやすい季節であれば、なお良いでしょう。
上記の条件を満たしているベストシーズンを地域ごとにご紹介いたします。
東北・関東地方 | 4~5月、9月ごろ |
---|---|
北陸地方 | 5~6月、9月ごろ |
中部地方 | 6月、9月ごろ |
関西・中国・四国地方 | 5月、9月ごろ |
九州地方 | 4~6月、9月ごろ |
沖縄地方 | 1月、3~4月、11月ごろ |
さらに季節ごとのメリット・デメリットを知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
3.塗料の選び方編
Q16.塗料の種類はどんなものがあるの?
外壁・屋根塗装で使用される塗料の種類には、主に下記の5つがあります。
特徴 | 1㎡あたりの施工単価 (材料代含む) | 耐用年数 | こんな方におすすめ | |
---|---|---|---|---|
アクリル塗料 | ・価格が安い。 ・耐候年数が短いので、短期間での塗り替えに適している。 | 1,000~2,000円 | 約3~5年 | ・短期間で外壁を塗り替えたい方。 ・DIYで手軽に塗装を楽しみたい方。 |
ウレタン塗料 | ・伸長性が高い。 ・独特の光沢がある。 ・密着性が高い。 | 1,500~2,500円 | 約5~7年 | ・雨どいなどの付帯部を塗り替えようとされている方。 |
シリコン塗料 | ・価格と耐候性のバランスが良い。 ・耐候性が高い。 | 2,000~3,500円 | 約7~10年 | ・長期的に、外壁塗装にかかる出費を抑えたい方。 ・お手軽な価格で性能の高い塗料を使用したい方。 |
フッ素塗料 | ・耐候性がとても高い。 | 3,000~5,000円 | 約15年~ | ・自宅の外壁を長く美しく維持したい方。 ・アパートやマンションなどの頻繁に修繕できない物件を所有されている方。 |
無機塗料 | ・耐候性が非常に高い。 ・藻や苔が発生しにくい。 | 3,500~5,000円 | 約15年~ | ・自宅を長く美しく維持したい方。 ・湿気の多い場所に自宅を建てた方。 |
※同じ塗料種類でも、メーカーや商品が違うと耐久年数も異なります。
※耐久年数は、気候、湿度、立地条件などにより変化します。
一般的に使用されるのはシリコン塗料で、コストと耐久性のバランスがよく、カラーバリエーションも豊富です。
各メーカーがさまざまなシリコン塗料を出しており、普通のシリコンよりもさらに耐久性や機能性のグレードを上げたものなど商品に幅があります。
フッ素、無機は耐久性が高いのですが、どちらも塗膜が硬いため、建物の動きに耐えられず、割れてしまうのでモルタルに塗る際は注意する必要があります。
塗料の種類によってメリット・デメリットがありますので、ご自宅の劣化状況や予算と合うものを業者と相談することでご自身に合った塗料を選んでいただけます。
さらに詳しく塗料種類によるメリット・デメリットはこちらの記事をご参考にしてください。
Q17.どんな機能の塗料があるの?
機能性 | メリット | オススメの方 |
---|---|---|
遮熱 | 屋根の温度を下げ、室内の体感温度を下げることができます。 | 塗料の耐久性をあげたい方 光熱費を削減したい方 |
断熱 | 空気の層を作ることによって熱の移動を抑制できます。夏場は熱が建物に入ってくるのを、冬場は建物内の熱が外に逃げるのを防ぎます。 | 光熱費を削減したい方 |
防水 | 防水機能があると外壁のヒビ割れに合わせて塗料が伸びるため、水の浸入を防ぎます。 「外壁からの漏水トラブル」の割合は建物の不具合のなかでも上位を占めているため、非常に重要な機能です。 | 外壁や目地部分にヒビ割れが気になる方 |
セルフクリーニング | 外壁に汚れが付きにくくなり、汚れが付着しても水によって流れて、キレイな外壁を保ちます。 | 外壁の汚れが気になる方 |
防カビ | 塗料の中にカビやコケの発生を抑える薬剤が入っています。塗料によって菌の3種類しか対応していないものから、700種類まで対応するものがあります。 一般の建物から発生する菌が57種類のため、それ以上の数の菌に対応しているものをオススメします。 | 森林や河川の近くに建物があり、カビ・コケが気になる方 |
さらに詳しく塗料の機能を知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
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Q18.どんな塗料メーカーがあるの?
外壁塗料の国内シェアは、日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研の3社で9割を占めています。
どのメーカーも同グレードの塗料であれば性能に大きな差はありません。
しかし、どの種類の塗料を得意にしているというのはあるので、特徴をご紹介いたします。
会社名 | 特徴 | 商品例 |
---|---|---|
日本ペイント | 日本最古の塗料メーカーで、シリコン・フッ素・光触媒系の塗料を得意としています。 | パーフェクトトップ |
関西ペイント | 自動車や造船を含めた塗料業界で1番の売上を誇るメーカーです。 | セラMシリコンII |
エスケー化研 | 建築仕上塗材の売上No.1のメーカーです。アクリル系の塗料を得意としています。 | エスケープレミアムシリコン |
アステックペイント | 遮熱と防水機能のある塗料や、汚れの付きにくい超低汚染塗料を得意としています。 | EC-5000PCM 超低汚染リファイン |
菊水科学工業 | 環境・安全にこだわって商品開発を行っているメーカーで、水性塗料を得意としています。 | ビュートップシリコン |
日進産業 | 宇宙ロケット開発技術を応用して生み出された塗料「ガイナ」を取り扱っています。断熱、防音を得意としています。 | ガイナ |
Q19.水性塗料と溶剤系塗料の違いはなに?
水性塗料と溶剤塗料の違いは塗料の主成分である樹脂を溶かして液状にするために入っているものが”水”なのか”溶剤”なのかによるものです。
水性塗料のメリットとしては「においが少ない」「取扱が安全」「環境安全性が高い」ことが上げられ、デメリットとしては「施工中に雨や気温の影響を受けやすい」「密着性が弱い」ことが上げられます。
一方、溶剤系塗料のメリットとしては「密着性が強い」「施工中に雨や気温などの影響を受けにくい」、デメリットとしては「においが強い」「引火性がある」「水性塗料に比べて環境安全性が低い」
どちらの塗料が良いという訳ではありませんが、一般的に壁はにおいが少ない水性塗料が、屋根は密着性を高めるために溶剤系塗料が塗られることが多いです。
さらに詳しく水性塗料と溶剤系塗料の違いを知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
Q20.色選びのポイントはなんですか?
色選びで大事なポイントは、
・落ち着いた色をベースにする
・汚れが目立ちにくい色を選ぶ
・景観に配慮する
という3点にまずは気をつけてください。
ベージュ系やグレー系は派手でなく、汚れも目立ちにくいため、迷った方はこの色をベースに考えるといいでしょう。
自宅を塗装した際にどんな色になるかシミュレーションができるサイトがありますので、こちらを参考にしながら、自宅に合った色を選定してみてください。
色選びについて失敗されたくない方はこちらの記事をご参考にしてみてください。
絶対失敗しない外壁の色選びの8つのポイント
Q21.何色が人気ですか?
下の図は塗料メーカー「アステックペイント」が出した、人気の10色です。
人気の色の傾向はほぼ変わりなく、ナチュラル系と言われる、少しグレーが入った白やベージュが選ばれています。
最近では、上位の人気色にブラウン系の色を入れることにより、スタイリッシュな外見にする方法が流行っています。
さらに人気の色について知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
4.外壁工事中のお困りごと編
Q22.工事中に生活で不便になることはあるの?
工事中は主に下記の3つが不便になります。
・洗濯物を干すことが制限される
洗濯物に塗料の臭いが移ったり、ゴミや塗料が付着する可能性があるため、基本的には部屋干しやコインランドリーに行く必要があります。
・エアコンやボイラー、換気扇の使用に制限が付く場合がある
各機器やその周りを塗る作業の際に一時的に使用できなくなります。
・窓を開けられない場合がある
養生の仕方によっては工事期間中ずっと窓の開閉ができない場合があります。
養生の工程に入る前に、どこの窓の開け閉めがしたいか業者に相談するようにしましょう。
Q23.塗料の臭いは気にならないの?
塗装中は養生ネットで建物の回りを覆われているので、空気の流れが悪くなります。
特に外壁は、弱溶剤系塗料より臭いの少ない水性塗料がオススメです。
さらに塗装中の臭い対策や臭いの少ない塗料について知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
Q24.ご近所への挨拶はした方がいいの?
工事中は、工事の騒音や臭い、高圧洗浄の水の飛散、業者の車が通行の邪魔になるなど、ご近所トラブルが起こる可能性があります。
そのため、工事前にご近所への挨拶を行い、工事中に迷惑がかかりそうな内容を説明する必要があります。
ご近所へ事前の挨拶をしっかりと行えば、例えトラブルが起きた際にでも関係を良好に保てる場合が多いのです。
工事前の挨拶は1週間前に実施し、以下の事を伝えましょう。
・工事期間
・施工業者とご自身の連絡先
・工事の内容(外壁を塗装しますなど簡単に)
・工事中にご迷惑をおかけいたしますとの旨
工事中の詳しい説明(養生の必要性や洗濯を干せるのかどうかなど)は業者に任せておきましょう。
さらに詳しい事前挨拶のやり方はこちらの記事を参考にしてください
Q25.ご近所に迷惑がかかったりしないの?
工事中は、塗料の臭い、工事の騒音など、ご近所の方にもご迷惑が多少かかります。窓閉めや洗濯物の取り込み、塗料の飛散防止シートの設置など工事中に協力していただくこともあります。
近隣の養生や使用する塗料の臭い、工事の挨拶回りなどの近隣への配慮はどんなことをしてくれるのか、業者に確認して、近隣へも配慮が細かい業者を選ぶようにしましょう。
Q26.工事中は土日しか家にいないけど大丈夫なの?
高圧洗浄や、下地補修の際に電源や水道を使用するため、業者が発電機などを持っていない場合や家の外に水道、コンセントが無い場合は留守中には工程が進まないこともあります。
そのため、家にいる必要がある日程がないか、契約時に業者に確認しましょう。
電源やコンセントが必要ない工程の場合は、戸締りをしっかり行なっていれば、工事中に家にいる必要はありません。
また、注意点として足場が立っている場合は空き巣が侵入する可能性があるので、在宅・留守に関わらず、戸締まりをしっかり行いましょう。
Q27.工事中は職人さんも家の中に入るの?
外壁塗装では職人が家の中まで入って作業することはありません。電源やコンセントが家の外にない場合はその際に家の中に入る場合があります。
また、一部の業者は、トイレをお借りすることもあるようですが、基本的には休憩時にスーパーやコンビニエンスストアのトイレを使用し、施主様の家に入らないようにしています。
5.業者の選び方編
Q28.信頼できる業者はどうやって見つければいいの?
下記に紹介する8ステップで信頼できる業者を見つける参考にしてみてください。
*既に候補の業者が数社に絞れている方はステップ4からスタートしてください。
【ステップ1】塗装業者の折り込みチラシ・新聞広告を集める
外壁の塗装工事を検討し始めたらまずは、新聞、チラシ、市報などをストックして、近隣にある塗装業者の情報を集めましょう。
【ステップ2】塗装工事をした近隣の方、知人から話を聞く
もし、塗り替え工事をしたことのある知り合いがいる場合は、「どこの業者がよかった・悪かった」などの業者情報や、塗り替えする際には「◎◎には気を付けた方がいい」などの注意点などを聞いてみましょう。
塗り替え工事をした知人からの情報は、ネットやチラシなどの情報源よりも、より信頼できるため、積極的に入手しましょう。
【ステップ3】候補の業者のホームページを確認する
ステップ1、ステップ2で得た塗装業者の中で気になった業者のホームページで下記の3点をチェックしましょう。
・施工実績の数
施工実績が多いほうが知識、技術力の面で安心できます。
・施工実績のなかに自分の好きな色合いや雰囲気があるか
塗装業者によって提案してくる色や塗り分け方が違います。施工実績の中に直感的に好きな色や塗り分け方があるかチェックしましょう。
・業者が何を強くアピールしているか
業者が大事にしたいことはトップページの一番上に書かれている場合が多いです。例えば、品質へのこだわり、お客様満足度、アフターサービス、低価格などです。
アピールしている内容に対して、きちんと根拠がホームページに示されているか確認しましょう。
【ステップ4】複数の業者に見積りを依頼する
ある程度業者の候補ができたら、ここからは信頼できる1社を選定していく段階です。まずは3社以上に見積りを依頼しましょう。
依頼する際には「どこを塗り替えて欲しいのか」「希望費用」「他に塗装が必要な箇所の提案をして欲しい」「15年は美観が保てるような塗料」など、すべての業者に同じ条件を提示しましょう。そうすることで、見積りを比較する際に検討がしやすくなります。
【ステップ5】建物診断をしっかり行う業者か確認する
見積依頼をすると、業者が建物の状況を確認するために現場調査をします。
正確な見積りは、「外壁の劣化具合、窓や扉などを除いた塗面積」がわからないと算出できないため、建物を直接診断しないと、おおよその金額しか算出できません。
この診断は約1時間、さらに設計図が自宅に無い場合には計測に1時間かかります。
もし、この工程がない、もしくは10分で終わってしまったという業者には、依頼しない方が無難です。
当メディアを運営するプロタイムズでも無料で建物診断を実施しております。建物診断については次の記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
【ステップ6】見積書の内容を確認する
見積書で確認すべきところは下記の5点です。
確認の方法は【外壁のプロが伝授】外壁塗装の見積りが適正か自分で判断する方法に詳しく記載しているのでこちらの記事も参考にしてください。
①見積金額が相場と大きく離れていない
外壁塗装のおおよその費用(塗料のグレード・建物面積別)は下記のようになります。
塗装面積 (壁面積) | アクリル塗料 | ウレタン塗料 | シリコン塗料 | フッ素塗料 | 無機塗料 | 光触媒塗料 |
---|---|---|---|---|---|---|
20坪 (80㎡) | 30~60万円 | 40~70万円 | 50~80万円 | 60~100万円 | 70~120万円 | 80~130万円 |
30坪 (120㎡) | 40~70万円 | 50~80万円 | 60~90万円 | 70~110万円 | 80~130万円 | 90~140万円 |
40坪 (160㎡) | 50~80万円 | 60~90万円 | 70~100万円 | 80~120万円 | 90~140万円 | 100~150万円 |
50坪 (200㎡) | 60~90万円 | 70~100万円 | 80~110万円 | 90~130万円 | 100~150万円 | 110~160万円 |
※屋根塗装代は別途かかります。
※価格は建物の劣化状況によって変わります。
※建物によって窓やドアなどの塗装しない面積が変わるため、正確な費用は塗装面積を計測する必要があります。
②使用される塗料のメーカー・商品名が明記されている
塗料はメーカーや商品によって値段や性能に違いがあるため、「シリコン塗料」「フッ素塗料」としか記載されていない場合は業者に確認しましょう。
③使用する塗料の缶数が明記されている
1缶でどれだけの面積を塗れるかは商品ごとに決められています。しかし、施工費を安くするために、必要な缶数以下で塗られ、施工不良になる場合があります。使用缶数が明記されているか確認しましょう。
④塗装面積が「㎡」で表記されている
塗装面積が「坪」表記の場合には注意しましょう。各メーカーが出している塗料の仕様書では「㎡」で計算が行われています。そのため、「坪数」がわかっても正確な使用量は計算できません。
⑤工事の名称に「○○工事一式」と表記されている
どこまでを「一式」と呼ぶかは業者によって変わるため、工事が終わったあとに「ここは塗ってくれないのか」というトラブルになってしまいます。未然に防ぐためにもどこの箇所までを一式として含んでいるか確認しましょう。
【ステップ7】契約前に保証内容を確認する
外壁塗装では、例え塗り替えの1年後に塗装が剥がれてしまったとしても、業者が保証しなければならない法的な義務はありません。そのため、どのような保証体制をとっているのか業者へ確認し、必ず書面で保証内容を出してもらうようにしましょう。
【ステップ8】契約書に「工事金額」・「工事内訳」が書かれているかチェックする
業者と契約書を確認する際は、契約前の打ち合わせ事項がきちんと明記されているか確認しましょう。この契約書に明記されていなければ業者側への拘束力がなくなるので、「工事金額」と「工事内訳」にズレや漏れがないかチェックしましょう。
Q29.保証は何をしてくれるの?
外壁塗装には「製品保証」と「工事保証」があります。
製品保証
塗料自体に欠陥があった場合に、塗料メーカーが塗料代を保証します。工事内容(塗装した環境や塗り方など)に不備があった場合は保証されません。
工事保証
工事内容に不備があった場合に、施工店が行う保証です。
保証年数や保証範囲は業者によって異なるため確認が必要です。
一般的に保証の対象となるのは、外壁塗膜(塗装の膜)の剥がれだけです。
「外壁塗膜」のため、鉄部や木部、樋などの外壁以外の箇所や、ひび割れなどの剥がれ以外の劣化は、保証対象外です。
さらに外壁塗装の保証について気になる方はこちらの記事を参考にしてください。
Q30.見積りは値段以外にどこを見ればいいの?
・使用される塗料のメーカー・商品名が明記されている
塗料はメーカーや商品によって値段や性能に違いがあるため、「シリコン塗料」「フッ素塗料」としか記載されていない場合は業者に確認しましょう。
・使用する塗料の缶数が明記されている
1缶でどれだけの面積を塗れるかは商品ごとに決められています。
しかし、施工費を安くするために、必要な缶数以下で塗られ、不良施工になる場合があります。
・塗装面積が「㎡」で表記されている
塗装面積が「坪」表記の場合には注意しましょう。
各メーカーが出している塗料の仕様書では「㎡」で計算が行われています。そのため、「坪数」がわかっても正確な使用量は計算できません。
・工事の名称に「○○工事一式」と表記されている
どこまでを「一式」と呼ぶかは業者によって変わるため、工事が終わったあとに「ここは塗ってくれないのか」というトラブルになってしまいます。未然に防ぐためにもどこの箇所までを一式として含んでいるか確認しましょう。
Q31.一括見積りサイトを使用する際の注意点は?
一括見積りサイトでは、ご自宅のおおよその坪数と個人情報を入力すれば、すぐに複数の業者を紹介してもらい、見積りを出してもらえるので便利です。
しかし、サイトによっては運営する会社の所在地や電話番号など、運営会社の存在がわかりにくいサイトも場合もあります。
そのため利用する前に、どういう団体なのか最低限下記の点を確認することをオススメします。
・会社名
・事業内容
・所在地や資本金
・取得をした個人情報の扱いについて
さらに詳しく一括サイトの利用方法を知りたい方はこちらの記事をご覧ください
Q32.塗装職人に資格はいらないの?
塗装に特別な資格はいりません。
そのため職人には初心者からベテランまでさまざまな方がいます。
職人の技術の指標のひとつの基準として「一級塗装技能士」などの資格を保有しているかどうかで判断できます。
一級塗装技能士
国家資格の技能検定制度の1つで、学科試験・実技試験それぞれを合格することで取得できます。この資格を保有しているということは国から塗装知識・技術についてお墨付きを受けていることになります。
一級塗装技能士についてさらに詳しくしりたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
Q33.外壁塗装のトラブルってどういうものが多いの?
外壁塗装のトラブルには大きく分けて、仕上がりに関するもの、塗装箇所以外のもの、お金に関するものがあります。
仕上がりに関するトラブル
(例)仕上がった色が想像していたものと違う!
色の見え方は光の強さ、種類、面積の広さによって見え方が異なるため、実際の状況に近くするため、見本はA4サイズ以上の大きいもので、太陽光の下で確認するようにしましょう。
塗装箇所以外に関するトラブル
(例)盆栽や花壇などに塗料が付いていた!
植物や花壇に塗料がかからないように養生を依頼したり、移動できるものなら接触しない場所まで非難させるといいでしょう。思い入れのあるものが汚れたり破損したりすることがないように工事が始まる前に業者と確認しておきましょう。
お金に関するトラブル
例、契約した後に、業者や契約内容に疑問を持ち、解約することを伝えたが、違約金を請求された。
飛び込み営業で契約した工事ではクーリングオフが利用できるケースが多くあります。クーリングオフの期間は法定書面を受け取った日から起算して8日以内です。そのため、期間内であれば塗装業者にクーリングオフを利用する旨を伝えましょう。
さらに詳しく外壁塗装に多いトラブルの事例を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
本記事では、外壁塗装の疑問を大きく「費用・塗料の選び方・工事中に気をつけること・業者の選び方」に分けて、それぞれの質問にお答えしてきました。
さらに、それぞれの詳細な内容については別記事を紹介しているのでそちらで知識を深めてください。当記事を参考に疑問を全て失くして塗り替えに臨むことで、塗装の不安やトラブルを防ぎ、満足のいく外壁塗装を行って頂ければ幸いです。